【バスケ】 痛すぎる敗戦で降格の危機に 入れ替え戦 vs日体大

リバウンドで大きな貢献を見せた本橋

第87回関東大学バスケットボールリーグ入れ替え戦

2011/11/07(月)@国立代々木競技場第二体育館

慶大‐日体大

関東大学リーグの1部・2部入れ替え戦。2戦先勝方式で行われるこの戦い、慶大はリーグ最終週で連敗を喫し、最下位に終わったため2部1位の日体大と対戦。春の練習試合では20点差で勝利した相手だが、タフな2部リーグを優勝してきてるだけにその力は計り知れない。しかし、これまで常に大学バスケ界をリードしてきたプライドにかけて絶対に負けてはいけない戦いだ。「本当に1部に残りたい」(蛯名)。勝てば残留がぐっと近づくこの初戦、互いの意地と意地とが激突する白熱の展開となった。

  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 25 15 22 18 80
日体大 20 14 26 26 84

権田は強気なプレイで得点を重ねた

慶大のスタメンは家治(環4)、蛯名(法2)、中島(総2)、本橋(環2)、伊藤(環1)とリーグ戦と変わらぬ布陣で臨む。

1Q、慶大がキーであった「試合の入り」に成功する。相手に先制を許すも、蛯名、家治のミドルシュートが連続で決まりすぐさま逆転。その後も蛯名が積極的なオフェンスでバスケットカウント、ミドルシュートなど次々と得点を決め残留への意気込みを自ら体現する。慶大はディフェンスでも高い集中力みせ、リバウンドを確保すると伊藤のアシストで家治が速攻を沈めていい流れに。一方の日体大は個人技でシュートを決めるも、出足の良い慶大オフェンスに対応できずファウルがかさみ、慶大はフリースローで着実に得点。19-10とリードを奪う。ところが気合いが行き過ぎたか、蛯名が3つ目のファウルで早くもベンチに下がってしまう。すると慶大は連続ターンオーバーを犯してしまい、逆に日体大エース#23横江に追い上げを喰らい、25-20で第1Qを終える。2Q、家治が速攻を決め良好な立ち上がりを見せると、外のシュートが入らない日体大を尻目に権田(政1)のミドル、中島と家治の合わせのプレーで点差を広げる。ディフェンスでは中島が見事なブロックショットを見せ気迫のガッツポーズ。31-20と、開始3分間相手を無得点に抑え日体大はたまらずタイムアウトを請求。だがタイムアウト後も慶大ペースが続く。本橋が攻守でリバウンドを奪い躍動すると、金子(環4)のミドルシュートも決まる。完全に主導権を握ったかに思われたが、ここでパスミスから連続得点を奪われてしまう。金子のタフショットでなんとか場を繋ぐも、日体大にスリーポイント、ドライブを決められてしまい徐々に点差を縮められる。終盤、伊藤がパスで速攻の好機を演出するもこれを決めきれず40-34で前半終了。

ファウルトラブルに見舞われ、苦しい試合となった蛯名

後半は両者一進一退の展開を披露する。日体大がインサイドで得点すると、慶大は中島のジャンパー、家治の速攻で応戦。さらに本橋の好守で相手のターンオーバーを誘い、そこから春本(環4)のジャンパーが決まる。しかし黙ってはいない日体大も#23横江が連続得点を決めて食い下がる。リードを保ちたい慶大だが、家治、中島が放つアウトサイドシュートの確率が悪く点を決められない。逆に相手にバスケットカウントを決められ2点差に詰められると、ミスからフリーでダンクシュートを決められ52-52とついに同点。ここから試合はより一層白熱する。慶大は中島がすぐさまシュート決め返すと、復帰した蛯名がミドル、ゴール下の混戦からタフショットを決めチームを鼓舞する。日体大もエース#横江を中心に得点。そしてここで蛯名が4つ目のファウルをとられてしまう。チームに暗雲が立ち込めたまま、62-60で最終Qへ。勝負の4Q、序盤から慶大が強い攻め気を見せる。中島がオフェンスリバウンドをもぎ取り、権田のレイアップに繋げると、次のプレーではこの日チーム初のスリーポイントを決めスタンドの応援団が盛り上がりを見せる。その後も伊藤のバスケットカウントなどで8点のリードを奪取。しかし「守りに入ってしまった」(佐々木HC)とこの日の慶大はリードを奪った後に流れを持続できない。ディフェンスが後手後手になり日体大に外角シュートを決められると、ミスから連続ターンオーバーを犯し、76-79とついに逆転を許す。そしてここで蛯名が5ファウルで退場に。チームに絶大な影響を与えてきた若き司令塔を失ってしまう。それでも残留に向けて状況を打破しなければいけない慶大は本橋のゴール下、家治のフリースローで反撃する。だが逆にディフェンスの隙を突かれてスリーポイントを決められ、80-84に。残り1分半で慶大はタイムアウトを請求し、逆転を図る。だがしかし、この大事な場面で詰めの甘さを露呈してしまう。速攻で本橋がフリースローを得るが、これを二本とも外すと、中島のゴール下も相手のブロックに阻まれて得点できず。そして残り時間19秒でついにファウルゲームを敢行。しかし日体大にフリースローを2本きっちり決められてしまう。ラストオフェンスで放たれた家治のスリーポイントも決まらず万事休す。80-86で大事な初戦を落としてしまった。

勝つべき試合で喫した痛恨の敗戦。慶大は序盤から気持ちの入ったプレーでリードを奪ったものの、徐々に攻守で後手後手になり始めると終盤に逆転され、そのまま反撃できずに終わった。相手を突き放すべき場面、追いつくべき場面という勝負所でミスを犯し自滅したことが大きな敗因であろう。2連勝を遂げたリーグ8週目で見せたようなここぞの集中力は影を潜めてしまった。これでいよいよあと1敗したら2部降格という断崖絶壁に追い込まれた。ここまで来たらもはや戦術云々の話は重要ではない。明日の試合はチーム全員が決死の覚悟で試合に臨み、日体大を倒すしかないのだ。慶大の誇りを胸に、選手達が死にもの狂いで戦い勝利を収めることを願ってやまない。

By Shota Kajigano

佐々木HC

後半守りに入ってしまいましたね。リバウンドを前半あれだけ取っているんだけど、それを速攻に繋げられませんね。24回チャンスがあって3回しか決められない。あそこで15点ぐらい離すようでないと、このチームは苦しいです。オフェンスの所で、指示されたことを的確に出来ないですね。徹底が出来ていないという状況が解消されていません。(点を離したい所で離せなかった)相手のオフェンスはほとんどが外なので、それを徹底してきていて、逆にうちはそれが出来ないですね。アウトサイドから決めれる子がいないので、チームプレーだったり、速攻を決めないと自分達のリズムにならないです。前半に良かったのはフリースローなんです。でもそれを継続出来ないのが残念です。(日体大対策は)外のプレーヤーに対するプレッシャーですね。インサイドは大事な所で3、4点取られてるけど、それは大きな影響はないと思うので。1、2、3番の子がドライブで決めてくるのに対して、うちはそれを出来ていない。相手は外からのオフェンスというのを徹底出来ているので、そこの所の差というのがありますね。(リーグ戦が終わってからの練習は)いつもはフルコートのバスケットをやるんだけど、相手の1、2、3番を抑えるために、ハリバックして守ろうということをやったので、それが前半は上手くいったと思います。後はリバウンドをしっかり取って、相手はピックアップがルーズな所があるので、速攻早攻めをやろうということだったんですけど、最後までそれを徹底出来なかったです。リーグ戦が終わった時点で学生に言ったのは、とても大切な試合なので普通の気持ちで練習していては駄目だよということ。自分を緊張させた中で練習していかないと、普段の様な練習をやっていてはこういうムードの試合は勝ち切れない。だから、1人1人が過緊張してるというぐらいの練習を要求したんだけど、そこまでやれなかったね。(1部に残留することの意義は)我々は育て上げて何とか戦うというチーム作りなので、来年はこうなるというような、近い将来の構想というのがないんです。ということは今ある戦力、素材でせっかくここまでやってきたんだから、それを貫いてしがみついていけば、今やっている子達が来年はもっと上手くなると思うので、そういう意味でも1部に残りたい。継続させるためにね。これで落ちてしまうと、新たにチームを作り直して2部のバスケットに対する対策をしないといけなくなってしまうので。素材が少ない中でも何とか残っていくというのが、私の指導力かなと思って期待はしているんだけど、なかなか上手く結びついていないですね。

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