慶大の体育会を深掘りしていく新企画、「What is ○○部?」。第26回は重量挙部!今回ケイスポは、日吉キャンパス記念館地下で行われた重量挙部の練習の様子を取材した。前編の今回は、重量挙部の姿に注目する。
慶應義塾重量挙部は、ウエイトリフティングを行う部活動としては日本最古といわれる。1940年、当時普通部の教員であった井口幸男の指導のもと、普通部の有志たちが練習を始めたのが始まりである。日本で最も歴史ある重量挙部の一つとして、日本のウエイトリフティング黎明期を支えてきた。マイナースポーツとみなされがちなウエイトリフティングだが、平成後期ごろからは部員の数も増え、現在では総部員数50人超の大所帯に。2024年の全日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会(全日本インカレ)では、50年ぶりの1部昇格を果たした。2025年は半世紀ぶりという節目の年、1部という舞台で戦っていく。
選手は週5のシフト制。平日は1日の時間を四分割してコマ割りにし、各々がスケジュールを調整しながら自分が決めたコマで練習する。土曜日は部員の半数近くが練習に参加している。月1で大会があるため、イレギュラーに日曜日に練習することもある。

練習の自由度の高さが学業などのとの兼業を容易にする
他大学にはスポーツ推薦という制度があり、スカウトで優秀な選手を引き入れることができるが、慶應にはスポーツ推薦がない。またウエイトリフティング未経験で入部する部員も多く、大学に進学してから競技を始めた部員がほとんどである。そのため、経験も実力も豊富な他大学の選手とどのように渡り合っていくかがカギになる。

部員の多くが大学から競技を始めている
練習場は非常ににぎやかで、互いを励まし合いながら練習をしている。器具が地面に落ちたり、器具同士が当たったりする金属音と、部員たちの大きな掛け声や激励が室内にこだましていた。部員同士が切磋琢磨して、互いに教え合い、高め合い、応援し合いながら活動している。

互いに励まし合い高みを目指すのがこの競技の真骨頂だ
先述のように、今年慶應義塾大学重量挙部は半世紀ぶりに全日本学生ウエイトリフティング連盟1部に返り咲いた。ウエイトリフティング業界では、この慶應重量挙部の1部昇格というものが極めて衝撃的な出来事として取り上げられたという。その理由は前述のように、他大学は高校までの経験者を豊富に集めることができる一方、慶應義塾大学の重量挙部に高校までの経験者はほとんど在籍しない点にある。主将の岸田博斗(文4・土浦日大)は、その中で「1部リーグの強豪校に喰らいつき、新しい景色を見に行くことはすごく意義があること」と語ってくれた。

インタビューを受ける岸田主将
後半の次回は、岸田主将へのインタビューを掲載予定。乞うご期待。
(記事、取材:中原亜季帆、写真:神戸佑貴)