関東大学女子サッカーリーグ戦2部を今季ここまで12試合戦い、10勝1分1敗で勝ち点31、自動昇格圏の首位を走っているソッカー部女子。9月28日のリーグ戦再開に向け、インタビュー企画最終回となる今回は、安定した守備とビルドアップで後方からチームを支える2年生コンビ、宮嶋ひかり(環2・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)、米口和花(総2・十文字)の2選手にインタビューを行った。(このインタビューは9月19日に行いました)。
――他己紹介をお願いします。
宮嶋→米口
宮嶋:甘いもの大好きで(両者笑い)、あと人のこと褒めるのがめっちゃうまいです。なんでも「大丈夫だよ~」って言ってくれるので(両者笑い)。プレーは、ディフェンダーなのにシュートも上手いし、ドリブルですんごい進んでいっちゃうし、気付いたら一番前とかにもいて、すごい頼りがいのある選手です。
米口:頼りがいあるのそれ?(笑)
宮嶋:あるある(両者笑い)。

高い対人能力に加え、積極的な攻撃参加も魅力の米口
米口→宮嶋
米口:ひかり(宮嶋)は、自分の学年は性格がイケメンな人が2人いるんですけど、そのうちの1人で、最初はクールで寡黙だと思ってたんですけど、関わっていったらただの大阪人というか(両者笑い)、ネタ系みたいな人で面白くて(両者笑い)、プレーのところは左足も蹴れて技術が高く、冷静だし、自分にないものを持ってる選手なので、
宮嶋:なんか真逆、のんちゃん(米口の愛称)とは
米口:真逆で、すごい信頼してます。
宮嶋:ありがとう(笑)

両足から精度の高いパスを供給し、冷静なプレーが強みの宮嶋
――ちなみに、もう1人の性格がイケメンな選手というのはどの選手でしょうか。
米口:ひかりと高校同じだった、ジェフ千葉(出身)の髙松芽衣(環2・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)です。イケメンです。
宮嶋:すごい、芽衣(髙松)とひかりのことを慕ってくれる、のんちゃんは。
米口:慕ってます。
宮嶋:そんな下から来ないで(両者笑い)
――高校時代までのサッカー経歴を教えてください。
米口:サッカーを始めた理由としては、兄がサッカーをしていてお父さんがそのコーチをしてたので、自然と始める形でした。そのまま中学、高校と進んで、大学はそれまでサッカー中心の生活ばっかりしてきたので、他の勉強とか、これから社会に出たときに自分の強みとなるものを見つけたいと思って、慶應に進学する形になりました。
宮嶋:私は、始めた頃のきっかけとしては幼稚園の友達がみんなやってたことで、その流れで。中高はジェフだったんですけど、小学校の時のセレクションにお父さんが応募してくれて、合格させてもらって、ジェフでやってました。大学はどうしようかという時に、早稲田(大学)と慶應で考えてたんですけど、練習会にそれぞれ参加した時に、「慶應のサッカーが好きだな」って思って、慶應受けて、落ちたらもうサッカーはやらないつもりだったんですけど、やるなら「慶應が良いな」と思って、入りました。
――練習会には、多くの方が参加してから入部を決める形なのでしょうか。
米口:そうですね、自分たちの代はAO(入試)で入った人はみんな練習参加してから決めて、っていう形だったと思います。
――では、お二人が初めて会ったのは練習会の時でしたか。
宮嶋:練習は部活がやっているときに好きなタイミングで行けたので、練習会の時は会ってないですね。ちゃんと話したのは、合格して、3月とか?
米口:3月とかですね。
宮嶋:(合格が)決まってから入ってきて、初めて喋った、みたいな感じです。
――その時の第一印象を教えてください。
米口:ひかり、ずっとケガしてて、一緒にサッカー出来ない分、学校とか他のところでコミュニケーションを取ろうとは思ってたんですけど、やはりあのクールな印象で、「話しかけていいのかな」って勝手に感じちゃって(両者笑い)、
宮嶋:そんなことない(両者笑い)
米口:ちょっとだけ打ち解けるには時間がかかったんですけど(両者笑い)、打ち解けてからは「なんであんなに自分ビビってたんだろう」という感じです(笑)。
宮嶋:そう言われたら逆に、のんちゃんはニコニコといっぱい話しかけてくれるから(笑)、よく喋ってくれる人っていう印象でした(両者笑い)。
――お互いの良いところを教えてください。
米口:良いところはたくさんあるんですけど、
宮嶋:いいよたくさん言って(両者笑い)
米口:ディフェンスラインで落ち着かせてくれて、ビルドアップも上手いし、守備も出来るし、ヘディングも出来るし、チームを助けてくれて、私生活では、自分たち結構バーって話す人多いから、冷静にさばいて、
宮嶋:さばく(両者笑い)
米口:円滑なミーティングにしてくれてます。自分の意思がちゃんとあるから、流されないで意見を出してくれるし、頼りがいのある性格が良いところだと思います。
宮嶋:のんちゃんの良いところは、性格から言うと、自分が人見知りだから、どんどん誰とでも仲良くなってる印象があって、そういうところは羨ましいと思うし、良いところというか、コミュニティが増えるのは強いと思うので、誰とでも仲良くニコニコ喋ってるのはすごいと思います(両者笑い)。プレーは、守備は1対1とかめっちゃ止められるし、それにプラスして攻撃も出来るし、ディフェンスもやるけど、前もやったり出来るポジションが多いので、チームとして助かるなと思います。
米口:ありがとうございます。
――米口選手は3バックの右や真ん中、右ウイングバックに入ることもありますが、自分の中で大変だと思うことはありますか。
米口:大変というよりかは楽しいという気持ちが勝っていて、高校の時もキーパー以外は全部のポジションやらせてもらってて、
宮嶋:すご
米口:自分のプレースタイル的に、ボールを運ぶことや、ディフェンスなんですけど点も決めたいし、シュート打ちたい性格なので、攻撃をやらせてもらうのも自分にとってすごい良い経験になるし、ディフェンスとしてもチームを俯瞰して見て、いろんなポジションをやることが全部自分の成長につながってるので、大変というよりはやりがいがあって、楽しいなと思ってます。

米口の高いユーティリティ性もチーム躍進の要因
――2年生はどんな選手が集まっている学年ですか。
宮嶋:バラバラ、、
米口:うん
宮嶋:性格もプレーも
米口:ポジションも違うし
宮嶋:だからこそ、ライバル心も大事だけど、お互いがお互いにないところをみんなが持っているから、引き出し合えるし、いろいろな面を見つけられて、良いなって思います。
米口:結構互いにリスペクトがあって、尊重し合える学年で、自分はこの学年で良かったなと思ってます!
――テソン監督はどんな方ですか。
米口:テソンさんは、自分が中学・高校で会ってきた監督とは全然違う監督で、戦術だけでもなくて、パッションというか気持ちのところ両方を掛け合わせた監督で、言語化能力が高くて、言う言葉が全部刺さるし、サッカー人生最後の監督がテソンさんで良かったなと思います。
宮嶋:もう終わるみたいじゃん、、
米口:終わんない(笑)終わんない(両者笑い)
宮嶋:テソンさんは、のんちゃんが言ってくれたこともありますけど、あんまり解決策を全部言う感じじゃなくて、ヒントを与えて選手に考えさせてくれて、自分自身も考える部分がいっぱいあって、自分は考えることが好きなので楽しいですね。
――先日、テソン監督がインタビューで、開幕前に設定していた「リーグ戦で10連勝したらUSJ」というご褒美を大阪遠征の際にプレゼントするとお話されていました。USJはいかがでしたか。
宮嶋・米口:超楽しかったです!
米口:ひかりが大阪出身なので、「これ楽しいよ」とか、「この道いいよ」みたいに教えてくれて、学年全員で回ったんですけどすごい楽しかったです。
宮嶋:10連勝して良かったです!
米口:はい!
――高校時代までに所属していたチームと、ソッカー部との違いを教えてください。
米口:全部が違いすぎて、
宮嶋:たしかに
米口:自分の高校は特に、上下関係が厳しくて、良くも悪くも監督の言うことが強く反映されていて、「選手の主体性を上げよう」と言い続けたけど、やっぱり足りてなかったなって卒業してから思ってます。大学に入ってからはリーグ運営とかも高校の時以上に選手が中心となってやってるし、さっきのテソンさんの話にもあったように戦術も自分たちで考えて理解しながらプレーしていく形が慶應ならではだと思います。やってるサッカーも、自分は中学・高校・大学とずっと(ボールを)つなぐチームにしかいないんですけど、どんどんやることが増えて、自分の経験が活かされる組織に入れたことも違いだと思ってます。
宮嶋:自分は中高同じメンバーでやってたから、考え方がみんな似てたんですけど、大学に入ってからは人間性もサッカーに対する考え方も違う人たちの集まりで、一個一個に対しての考え方が違って、全部が全部納得出来るわけじゃないけど、「そういう考え方もあるんだな」って気付かされることあります。いろんな人がいる分、自分がどうするべきか改めて考えさせられる部分もあるので、大学生になっても学びがあると感じます。
――昨年、ルーキーイヤーで大学サッカーのレベルの高さを感じたところと、今年ご自身で1番成長を感じているところを教えてください。
宮嶋:去年は自分ケガでほぼ試合に出てないので、外から見ることが多かったんですけど、高校時代のリーグ戦はそんなに(シーズンが始まってから終わるまで)短い感じはなくて、リーグ戦は長いものという認識があったんですけど、大学リーグは(シーズンが)すぐ終わっちゃう感じがして、だからこそ自分が出られるようになったときは一個一個に対してちゃんと向き合わなきゃいけないということは感じていました。今年になって試合に出られるようになって、早く感じるのは変わらないんですけど、初戦と2戦目を引き分けと負けという結果で良いスタートダッシュではなかった中、一個一個に対してちゃんと向き合ったから10連勝を達成出来たと思うので、残り6試合も勝って16連勝して、2部優勝して1部昇格出来たらなと、思います。
米口:自分はひかりとちょっと被っちゃうところもあるんですけど、高校の時はインターハイもあって、選手権もあって、リーグ戦は5個くらいあって自分はそのうち2つに出てて、1月までずっと試合がある印象だったんですけど、大学は11月で全部終わっちゃうし、リーグ始まるのも4月で、そこのギャップに1年目は「こんなあっという間なんだ」という驚きが大きかったんですけど、2年目はすぐ終わっちゃう実感があるからこそ一試合一試合を大事に出来ました。チームの成長としては、基準が全然変わったなと思っています。パスコン1つ取っても、こっちの足に(パスを)つけるとか、それを心の中で思うだけじゃなくて要求出来るようになったし、ディフェンスとして中盤の崩しとか見てても「すごい面白いな」と思っていて、去年と出てるメンバーが大きく変わらないのもあるかもしれないですけど、今まで積み上げてきたものが形になってきたからこその10連勝だと思うので、そこが成長出来たところだと思います。
――チームとして、今年1番良かった試合を挙げるならどの試合になりますか。
米口:全部ギリギリで勝ってて、立教も(1-0)、順天堂も(2-0)、尚美学園も(2-1)、国士舘も(2-0)、「良く勝てたな」っていう試合が多くて、でも1番を挙げるとしたら、自分は国士舘戦で、勝ち点が向こうの方が高くて(試合前時点で慶大25、国士舘大28)、自分たちが勝ったら(総得点で上回るため)1位に立てる試合で、去年はそういう大事な試合で勝てなくて、7位っていう順位になってしまったので、勝つ/勝たないで自分たちの立ち位置が全部決まる試合を無失点で勝ち切れたことが印象に残ってます。
宮嶋:自分も印象に残っているのは国士舘大学戦で、さっきのんちゃんが言ってたみたいに余裕で勝ってる試合は多くなくて、ギリギリで勝ってる試合が多い中、そういう(接戦の)試合はずっとドキドキした心境で戦っていましたけど、国士舘の時は試合前から負ける気がしなくて、立ち上がりは押される時間もあったけど途中からは自分たちのペースで、今までやってきたことが、慶應の良さが出てる場面が多かった試合だったので、印象に残っています。
――2部優勝、1部昇格のためにDFの選手たちはどんなプレーを心掛けたいですか。
米口:ディフェンスからボール回しが始まっていくので、攻撃の始まりもディフェンスだし、守備で最後止めなきゃいけないのもディフェンスなので、一つひとつのプレーに対するこだわりや集中力はもっと高めていかなきゃいけないと思っています。特にビルドアップは、もっと前に進んでいくことや、立ち位置をどんどん変えて慶應らしい丁寧なサッカーの中で個を活かせるように意識していきたいです。あとは、ゴール前での体張ったプレーがチームを勢いづけると思うので、こだわってやっていきたいと思います。
宮嶋:自分はディフェンダーだけど、1人で守備をする自信はあまりないので、周りの選手に助けてもらいながら守りたいです。1番後ろのポジションだから、ビルドアップでミスをすれば相手のゴールになっちゃうし、守備で簡単に抜かれても点を取られちゃうので、責任感はしっかり持ちながら、攻撃の起点になるプレーやどんどん攻撃参加もして、味方のゴールにつながるプレーもしていきたいと思います。
――お互いに、残りのリーグ戦で期待することを教えてください。
米口:ひかりには、今までの安定したビルドアップと守備に加えて、セットプレーからの得点をお願いしたいです。ひかりは背が別に高いわけじゃないんですけどヘディングが強くて、セットプレーの中心人物になっていて、ビルドアップもディフェンスも素晴らしいので、プラスαでセットプレーで点を取ってチームを勝たせてくれたらとても嬉しいです。
宮嶋:頑張ります!(笑)
宮嶋:のんちゃんには、守備は引き続き1対1を止めてもらって、攻撃もガンガンいってクロス上げて、アシスト記録をどんどん伸ばしてもらいたいです。シュートも、練習の時にテソンさんに「和花上手いじゃんディフェンスもったいないよ」と言われてるので(両者笑い)、その成果を出してもらえたら良いなと思います。
(インタビュー:柄澤晃希)