【男子ホッケー】40年ぶりの悲願達成!関東学生王者ここに誕生!!/東農大戦

 

歓喜の中、胴上げされる的場主将

 下田の地が歓喜の渦に包まれた―。冬の兆しを感じる中行われた、秋季関東学生ホッケーリーグ。前節の順位決定予選にて「絶対王者」山梨学院大をPS戦の末に降し、歴史的勝利を飾った慶大は、40年ぶりの優勝を懸けて東京農業大との一戦に臨んだ。その結果、粘り強いチームプレーで試合を優位に進め、3-1での快勝。周囲からのしかかる重圧をはねのけての悲願達成であった。 

 

秋季関東学生ホッケーリーグ 決勝戦 vs東京農業大

2011/11/13(日)14:15~ @下田グラウンドホッケー場

慶應義塾大学 3-1 東京農業大学

チーム 

前半 

後半 

合計 

慶大 

 

 

 

東京農業大 

 

 

 

<得点者(慶大)>22分 岡田寛(政1)、43分 金子高大(法4)、47分 渡辺瑞貴(経2)

試合を前に円陣を組む選手たち

ゴールを決め、渡辺とハイタッチを交わす岡田

試合前、準決勝で山梨学院大に勝利した勢いそのままに、チームを信じて試合に臨むことを意識した慶大。試合の序盤は、両校ともに様子をうかがいながら、相手の隙を狙う展開が繰り広げられる。「冷静に熱く戦え―」(安西監督)。この言葉通り、試合の中盤からは、冷静さと激しさを兼ね備えた攻撃を見せる。そのような中、二度のPC(ペナルティコーナー)を外すも、積極的な攻撃から再びPCを得た22分。岡田(政1)がフリックで決め、待望の先制点を挙げる。得点後は左サイドを中心に攻め上がる慶大。所々に不用意なパスミスが目立ち、危ない場面が見られるも、守備陣の堅固なディフェンスで相手に得点を許さない。その後も一進一退の攻防を見せ、前半を1-0とリードした状態で折り返した。

表彰式に臨む選手一同
迎えた後半、慶大はここでも試合を優位に運んでいく。GK草薙(法2)の飛び出しセーブや、的場主将(政4)の体を張った守りで流れに乗ると、43分。打ち込みからGKと1対1となった金子(法4)が、一度はポストに阻まれたもののリバウンドを落ち着いて決め、2-0とする。「陸の王者」の攻撃は止まらない。47分、エンド際でボールをもらった渡辺(経2)が、中に切り返すと見せて冷静にニアサイドに流し込み、3-0と相手を大きく突き放す一撃を放つ。その後は「プレーが雑になり、精度が落ちた」(安西監督)というように、やや押されぎみな展開に。要所でGK草薙(法2)のスーパーセーブが光るものの、一瞬の隙を突かれて取られたPS(ペナルティストローク)を冷静に決められ、3-1とされてしまう。だが、試合の終盤は持ち味である〝チーム力〟を活かして東農大を封じ込め、40年ぶりとなる悲願のリーグ優勝を見事成し遂げた。

 

「本当に多くの方の期待を背負っていた」というように、OBや各関係者の想いを一身に受けていた的場主将。だが、この快挙は「このチームにいられた」ことで果たせたものだと語る。チームで掴んだ栄冠。そう言っても過言ではない戦いぶりであった。「関東学生王者」として臨む次なる戦いは、伝統の早慶定期戦。昨年は一点の重みに泣く結果に終わるも、〝一戦必勝〟を掲げる慶大に死角はない。「現状不満足であれ―」(草薙)。さらなる高みへと邁進する慶大ホッケー部から目が離せない。

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  安西監督

(今日の試合を振り返って)決勝戦へ向けて試合前に選手に話したことは「冷静に熱く戦え」ということでした。準決勝は実力で山梨学院に勝ちましたので、チームの力を信じて、選手は力を出し切れるように個々人が最高の試合の入り方で入ること、試合ではどんな状況でも冷静に戦い、熱く激しいプレーをしろということでした。前半に関しては相手のキーマンに好きにプレーをさせないことと、慶応のペースにするために先取点をとることを意識しました。FWに関してはよく走っていましたし、DFに関してもしっかり守っていたので、一点とれれば我々の流れになるかなぁと思っていました。

(今日見つかった課題は)試合の課題としては、相手の時間帯でペナルティーコーナーを取られすぎたこと。後半プレーが雑になりパスやトラップの精度が落ちたことです。試合の中である時間帯に相手のペースになってしまうことがありますが、その時に相手にパスを当ててしまうであるとかシンプルなミスから崩されることがありますので、その辺は自滅しないように冷静に試合を通してプレーすること。また、そのような時にボールポゼッションを意識し、攻められていても落ち着いて対応することだと思います。あと最後の時間帯にリードしていても少し慌てているように見えたので、リズムを変えたりする戦い方もしていかなければならないと思います。

(40年ぶりの優勝がかかる大一番でしたが)今年のチームは春のリーグで二位、東日本インカレでも二位になりまして、そういう意味では決勝は三回目になりますので、独特な雰囲気やプレッシャーはありますが、いつも通りの試合の入りが出来たと思います。この前のインカレでベスト4になりまして、12月に行われる全日本選手権に13年ぶりに出場権を得たのですが、負けはしましたが日本リーグチャンピオンの立命館大学と一点差の試合をしましたし、先週は関東王者の山梨学院大に2順目までもつれこむ延長後のPS合戦で接戦をものにしましたから、学生にはその戦い方をすれば勝てるぞと言いました。分析はもちろんしていますが、そういう面では自分達の試合の入り方とかそういったものが、相手がどうこう以前のものであるということですね。

(次戦は早慶定期戦ですが)やはり伝統の早慶定期戦ということですが、現在2連敗していますので、今年は必ず勝利したいと思っています。

的場主将

(試合を終えて率直にどうですか)本当にめちゃくちゃ嬉しいです。40年ぶりの優勝がかかったこの試合で勝利を収めることができて、本当に多くの方の期待とかそういうものを背負って、優勝を達成できたっていうのは本当に嬉しいです。

(今日の試合を振り返って)中盤を積極的に使ってショートパスで攻めていこうっていう戦略だったんですけどまあ、八割位出来たかなって思っていて。というのも、ロングを使ってしまってそれを奪われてショートカウンターをやられてしまった時間があったので、それは改善点なのかなとは思いますが、出来てないってわけでもないのでその点は評価したいと思います。

(個人のプレーとしては)前半は割と気持ちをこめてプレーできたと思ったんですけど、その反動から後半足が動かなくなってしまって、最後、後半残り10分くらいつってしまってプレーできなかったのは悔しいですね。

(40年ぶりの優勝を主将という立場で迎えたが)非常に光栄ですね。ただ、それが僕だからっていうわけじゃないと思うんですけどこの代にたまたまいられたっていうことは非常に光栄です。

(これから早慶戦を控えるが)早慶戦はまたリーグ戦とは違って独特のムードがあり、絶対負けられない相手と戦うということでまた気持ちを切り替えて、一戦必勝でしっかり戦っていきたいと思います。

(インカレはどうだったか)インカレは、連戦続きと言うことで非常に厳しい戦いが毎試合続いたんですが、部員総力戦で戦おうという話で普段試合に出ていないメンバーも、実際出て気持ちこめてプレーしてくれたんで皆で戦えた、一丸になれたっていうのが一番の収穫だなって思っています。

(ベスト4という結果は)目標がベスト4で、ベスト4に入ると全日本選手権といって日本一を決める大会に出ることが出来たので、そういった意味では良かったのかと思っていますが、その反面、上の3校にまだ勝ててないわけで決してそこに甘んじて受け入れるわけにはいかないので、今後の課題かなと思っています。

草薙

(今日の試合を振り返って)40年ぶりの決勝での勝利ということで、みんな気合いが入っていたので、それが空回りしてしまうのが一番良くないと思うので、普段通りできるかというのがすごく重要なカギだったんじゃないかなと思います。

(勝った瞬間は)はい、嬉しかったです。率直に嬉しかったです。最後の方けっこう押され気味だったんですけど、それでも我慢できてしっかり勝った、みんなで点を取ってみんなで守った結果だったので、すごい嬉しかったです。

(一本一本どのような気持ちで止めていたのか)一個一個止めていけば、点取られないので。それまで3-0とリードしていたので、そこまで全部止めなくていいという気楽さで逆にリラックスできて良いセーブが何回か出来たので。プレッシャーが変になかったのが良かったです。

(インカレでの悔しさが要因となったか)一応目標のベスト4に入ってはいたんですけど、準決勝で良い試合ができなくて……3位決定戦は良い試合ができたんですけど、結果的には勝てなかったというのがあったので、そこでラッキーで4位に入ったと思われるのが嫌だったんです。関東で1位を取れば今年の慶應は強いんだっていう証明が出来ると思ったので、インカレの悔しさはある程度バネになったと思います。

(優勝の要因は)毎試合毎試合に対して全員で話し合って、全員がしっかり意見を言って試合に対しての対策ができて、自分たちがどういう風にやっていくのか、試合の中での戦略を立てて、毎回それを実行できたというのが今年は良かったと思います。それと、「現状不満足」を意識したことも要因だと思います。

コメント

  1. 元担任のT・T より:
     【男子ホッケー】40年振りの悲願達成! おめでとうございます。

     私はGK草薙君を中学の時に担任した者です。彼が慶應義塾高校に進学し、そこでホッケーを始め頑張っていることは、お母様にお聞きして知っていました。それが4年前です。今年、偶然『慶應スポーツ6月29日第177号』で草薙君の名を目にし、「KEIO BOY」として順調に学生生活を送っていることを知り、頼もしく思っていました。その彼が今回の優勝に貢献したとのこと。私たち公立中学の教員の喜びは、生徒が卒業後も元気に前向きに頑張ってくれることです。【中学での教育は、種まき。芽を出し、花を咲かせるのは、卒業後の本人の生き方・力で導くもの。だから、色々種まきしましょう!】そう言って当時一緒に学年を組んでいた先生方と日々生活していました。彼の中にどのくらい種まきができていたかわかりませんが、今回大輪の花を咲かせた活躍は、素直に嬉しいです。なので当時の先生方にも彼の成長を連絡しようと思います。

     最後にもう一度、【男子ホッケー部の皆さん、そして草薙君】本当におめでとう!! 今後もおごることなく、前向きに【陸の王者】として、突き進んで下さい。そして、草薙君のコメントを載せてくれた、『慶應スポーツ新聞の皆さん、ありがとう!』

     
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