箱根駅伝予選会まであと8日!慶スポでは本番を直前に控えた選手方・スタッフにインタビューを行いました。特集3日目の本日は、一人は駅伝主務、一人はトレーナーとして長距離ブロックを支えてきたサポートスタッフの2人。慶大競走部に入ったきっかけや、現職に就いた経緯、彼等だからこそ感じる長距離ブロックの魅力について、2部構成でお送りします。これを読んで是非当日も声援を送りましょう!

――サポートスタッフの目線で、今シーズンのチームの状態を振り返っていただけますか?
上原:比較対象として去年を挙げさせてもらうんですけど、去年はやっぱり安倍(立矩)さん、田島(公太郎)さん、木村(有希)さん(いずれも令和7年卒)っていう3人のエース格がいたと思うんですけど、今年はそれに代わって安田、東、鈴木、関口あたりがすごいチームの柱として頑張ってくれていて。特に去年の予選会終わった直後はチームとしてはもうお世辞でもいいとは言えない状態だったんですけど、今年入ってから2月に東が丸亀ハーフで自己ベスト更新したりだとか、夏合宿で引っ張ってきてくれたこともあって徐々に予選会に向けて状態は上がってきているのかなという状況です。

「去年の予選会直後はお世辞でもいいとは言えなかった」(上原)
羅:私も結構上原と同じことを感じていて、去年の強かった4年生が引退した後に長距離ブロック内で少し不安な雰囲気もあったんですけど今の4年生を先頭に、その下の学年の選手たちも頑張ってきてくれて、今のチーム状態は仕上がっているんじゃないかなって感じてます。

「今のチーム状態は仕上がっているんじゃないかな」(ヘス)
上原:僕は駅伝主務という立場で基本的にはタイム測定や選手とのコミュニケーションがメインになります。特に夏はチームとして1か月以上の長い合宿があるのでそういった機関には練習以外の面である生活面のメンタルだとか日々の接し方とかもマネージャーはすごく重要な存在だと思ってます。本当に競技力以外の全てをフォローしていくっていう感じです。
羅:トレーナーはメディカルスタッフのようなイメージで、普段はケアであったり練習前のテーピングをするのが仕事になります。でもそれだけではなくてどうすれば選手がもっと良いパフォーマンスを出せるのか一緒に話しながらトレーニングを決定したりする仕事もあるんです。

「選手と一緒に話してトレーニングを決定したりも」(ヘス)
僕は個々の選手に丁寧に向き合うことを意識していました。僕は合宿所に住んでて、週6日朝夜一緒にいるのでそういった部分で初めて見えてくる選手たちの姿だったりとか、そういうのを1番知ることが出来ると思うので、個々の選手への対応には気を配っていました。

「良くも悪くも全部見えてくるんで」(上原)
そうですね。やっぱり共同生活で週6日でずっと一緒にいると良くも悪くも全部見えてくるんで、そういった部分ではサポートする面としてはすごいサポートしやすいし、選手がどんな人間だとかも知っているので、合宿所にいる意義っていうのはとても感じます。
上原:僕は4年の安田陸人(商4・開成)を注目しています。というのも、彼はずっと入部してからはエース格として走ってきたんですけど、ここ直近2大会は夏合宿で怪我して結局予選会本番まで引きずってしまって当日は走れないっていう状況が続いていたんです。でも今年は夏合宿を上手く怪我せず乗り越えて、今まさに調子上がってきて予選会当日はほぼ万全な状態に現段階ではなっているので、今年こそという期待も込めて1番注目したい選手です。

安田陸人(上原イチオシ)
羅:私は同じ4年生の鈴木太陽(環4・宇都宮)を注目選手としてオススメしたいです。今年になってから、長距離種目ではないんですけど1500mであったり3000m障害などの種目ですごく活躍してくれているのでそのいい流れを持って予選会でも活躍してくれると期待しています。

鈴木太陽(ヘスイチオシ)
上原:当日選手が100%、120%の走りを発揮できるように、それまで自分たちがやってきた雰囲気作りやメンタルケア、試合前の接し方も当日は本当に大事になってくるので頑張りたいです。また、事前に予選会のコース、気温などコンディションに関する条件とかも全て網羅した資料を提示したりだとか、フォローアップしていくという部分を1番意識していきます。

「選手が120%の走りを発揮できるように」(上原)
羅:私は入部当時「悔いなくこの4年間を過ごしたい」ということを心に決めていて、その4年間の最後の日々でもいつもと変わらず120%のサポートを頑張りたいと思います。私たちって当日になると選手たちに出来ることがほぼなくて、その前にどれだけ頑張ってその本番に向けて自信を持って彼らをサポートできるのかが大事だとこの4年間で感じたので、日々のサポートを120%頑張っていきたいです!

「4年間の最後、悔いなく過ごしたい」(ヘス)
上原:僕は1番やっぱメンタル、さっきも申し上げたんですけど、選手のメンタル面っての1番重要視してます。というのも、結構メンタル弱い人が多いので…(笑)。普段から(試合の前は)緊張をいい感じに緩和させてあげて選手たちが力を発揮できるようにしています。
羅:トレーナーとしては、やっぱり怪我なしで出場できるように日々のケアであったり、選手とコミュニケーションを取りながら、気になる箇所をちゃんと聞き取って、自分なりに勉強した知識を活用して、万全な状態で出場させたいなと思ってます。
上原:当日はもう多分もうやることはやって、チームとして迎えてると思うので結果がどうなろうと覚悟はできてるというか。不安や後悔はもうないと思うので、もうあとは見守るだけ、「やってこい」という心持ちになってると思います。

“やってこい”(上原)
羅:当日は不安な気持ちもあると思うんですけど、だからこの残りの1、2週間くらいで自分ができることを全部やりきって、自信持って選手をゴール地点で待ちたいなと考えています。
上原:僕は“気合”って書きました。言い換えたら「後悔なくやりたい」っていう意味なんですけど、長距離種目って、結局はもう練習もきついし、日々の生活、食事制限とかも全部きついです。気合がなきゃやってらんない、最後は根性みたいなとこがあるので。それは選手だけでなくサポートも含めて、ミーティングが夜遅くなるとか練習が朝早いとか全部ひっくるめて、って感じです。僕はいつもいろんな人に「気合で行こう!」とか言ってるんですけど、日々の僕の大事にしているモットーっていうか、そういう言葉なので“気合”って書かせていただきました。駅伝主務として予選会に向けて妥協なく準備を積み重ねていきたいと思っています。

“気合い“
羅:私は“初心”という言葉を書きました。というのも、入部当時に悔いがない4年間を過ごしたいと書いていて、その初心を大事にしたいと思ったからです。去年までは「来年もあるから」とか、そういう言い訳を自分の中で多分してたかもしれなくて、でも今年は本当にイラストイヤーということでその入部当時のその思いを達成するためにも、今頑張れることをやりきって悔いなく初心でこの2週間を過ごしたいと思います!

“초심/初心”
――上原さん、ヘスさん、ありがとうございました!
(取材:竹腰環 編集:小澤理太)