試合11/13(日)10:30KO@川崎球場
得点 | |||
チーム | 慶大 | VS | 東大 |
0 | 1Q | 7 | |
13 | 2Q | 0 | |
0 | 3Q | 7 | |
6 | 4Q | 7 | |
19 | 合計 | 21 |
試合は慶大のキックオフでスタート。35yのリターンを許すと、序盤から東大QBの高木勇海にじわじわとQBドローで慶大自陣まで攻め込まれる。なんとか凌ぎたい慶大ディフェンスは、ゴール前12y地点で3回ランを止めることに成功し、4thダウンで東大はFGを選択する。FGは成功したように思われたが、キックの際に慶大のパーソナルファウルが取られており、FG前からの東大のファーストダウンとなった。機会をミスで失ってしまった慶大ディフェンスに東大オフェンスを止めることはできず、東大RB藤田に先制TD を許してしまう。0-7で迎えた慶大は、リターンであまりゲインできず自陣11yからの攻撃。試合開始から10分、満を持して慶大オフェンスが登場するも、いきなりフォルススタートで罰退するなど、ミスの流れを断ち切ることができない。しかしさすがは慶大オフェンス、RB小平(商4)のランや、QB徳島(政4)のスクランブルでフレッシュを獲得し、良い流れを取り戻したところで1Qを終える。2Qに入ってからも慶大のペースは変わらない。RB梅田(総4)による中央のランと、RB小平のランが交互に機能し、それぞれ1回で10yを越えるビッグなランプレーが3回続く。東大陣内へと詰め寄ると、最後は梅田が中央を走りこんでフィニッシュ、7-7で同点とする。その後の東大のオフェンスシリーズは、ロングパスなどのプレーが出るもその後が続かず、終了となるが、絶妙なパントを決められ、慶大オフェンスは、自陣5yから攻撃を再開することとなる。この慶大オフェンスシリーズは、「最低限の事は出来たと思う」と語った徳島のエースとしてのプレーが発揮された。3rdダウンからのパス、QBドロー、スクランブルとまさに徳島の独壇場で敵陣まで一気に押し込むと、最後は20yを走りTD。逆転はしたが、TFPを外してしまいスコアを13-7とする。その後は両校ディフェンスの奮闘により、東大と慶大が一回ずつ攻撃シリーズを得点もなく消化し、前半を終える。
後半は、東大のキックオフでスタート。慶大オフェンスに前半の勢いはなく、須藤(経4)がロスタックルされるなど、2回のファーストダウンで攻撃シリーズを終える。迎えた4thダウンで、慶大パントの際にスナップミス、あわや大幅なロスとなっていたが、そこをパンター宮崎(経3)のナイスカバーによりピンチを脱する。後半最初の東大の攻撃シリーズでは、QBが兄の高木万海へと変わり、ランで慶大の陣地へ攻め込む。流れが良くなった東大オフェンスはその後も、オプションパスや、QBドローでヤードを稼ぎ、最後もQB高木万海がランでTD。TFPも難なく決められ、スコアは13-14、逆転を許してしまう。4Qでは、開始直後再び東大の猛攻を前に成すすべなく、RBのオプションピッチやランプレーでTDを許してしまい13-21となる。逆転を目指すべく、慶大オフェンスは徳島のランを中心にプレーを組み立て、梅田がギャンブルを成功させるなど同点へ望みをつなぐ。しかし、残り時間2分30秒で再び4thダウンでギャンブルを選択し失敗。直後の東大の攻撃シリーズでは東大は時間を使い切る。試合終了かと思ったが、残り1分で再び慶大にオフェンスのチャンスが回ってくる。残り数十秒で徳島が負傷すると、ここから、須藤が立て続けにパスを決め、最後は須藤から齊藤へのパスが通りTD。19-21で2ptコンバージョンを決めれば同点というシーン。しかし無情にも須藤のパスは東大ディフェンスにキャッチされてしまう。この後のオンサイドキックも失敗し試合終了。ユニコーンズは2011年シーズンを終えた。
「どこか心に油断があった」と徳島が語るように、今シーズンの慶大は、自らが作り出したミスに足元をすくわれ、流れに左右されるゲーム展開が多かった。末富主将もまた、シーズンを通して自分達の思うようにいかなかった事について触れ、「自分たちのアメフトがしたかった」と語っている。
慶大は、今回東大に敗れたことの意味を深く考えなければいけない。慶大のメンバーの過半数は慶應義塾高校出身で、高校経験者というだけでなく、ある程度 チームとしての基礎が完成されている。つまり経験・チームとしての意思疎通・ポテンシャルなどを考えれば、慶大のほうが圧倒的に勝っていた。それでも大半がフットボール未経験者の東大に負けたということは、メンタルで足りなかった部分が大きい。来年に向けては、「チーム全体の問題もあるし、スキルの問題もあるので、細かいミスをしないということを含めて、レベルをあげていかなければならない」と山澤監督がおっしゃっているように細かいミスをなくすことがまず最優先である。普段の練習から1yの重みを感じてプレーしていってほしい。なお、今回東大に敗れ、4位で終わったため、来年度のブロック編成では法政、中央、早稲田、慶応、専修、関東学院、拓大、国士舘という死のグループに入ることが確定した。
「来年も厳しいシーズンになるのではないか、再建期になるのではないか」(安田副将)というように、まずはブロック突破を目標に、あと1y、あと2点を取れるチームになってほしいと期待している。
By Masanosuke Kondo
監督・選手のコメント
山澤監督
(今日の試合を振り返って)情けないというか残念な結果に終わってしまいました。決して甘く見ていたわけではないが、東大のほうが勝利に対するこだわりがあった。それに、毎 試合毎試合言っている細かいミスというのが自分達のフットボールを完成させる障害という形で出てしまった。そういった部分で徹底しきれなかったのが大きな 敗因かと思う。決して東大のほうが弱いとは思っていなかったし、しっかりとやっていかなければならないのはわかっている。(前 節でリーグ戦の敗退は決まっていたが)それはもう関係なかった。チームとしても2週間空いたが、消化試合という意識はなく、東大も決して弱いチームではな く、うちのほうが勝っているということもないので、しっかり勝ってシーズンを終わろうというのがチーム全体にあった。決して消化試合だからとなめていたと いうことはない。ただ東大のほうが勝利に対する意欲が強かったのかな、と思います。ディフェンスにもいくつもミスがありましたし、オフェンスにも、いくつ か持っていけるチャンスで持っていけないというのがあった。そういった意味ではチーム全体として問題があったと思っている。(4thダ ウンギャンブル失敗やファウルによる罰退について)そういった細かい積み重ねがスコアに出てきた。(今シーズンを振り返って)去年から比べると、スター選 手が抜けて、規模が小さくなったチームとなった。逆にそういった面では個々のメンタルの部分で強く臨もうとやってきました。 そういった面では、ある程度今年の4年生がひっぱってきてくれた部分がある。チーム作りが今年は悪いとは思っていません。ただそれでも負けたってことは細 かなミス、たとえば本来犯しちゃいけない反則だったり、タックルミスだったり、ブロックミスだったり、キャッチミス。これはどのチームにもあることだが、 その積み重ねで差が出るので、そういった部分を含めてチームを作り直していきたいと思っている。残念ながら結果はつかなかったが、そういう流れに持ってい く力はある。(来シーズンに向けて)敵があるスポーツですから、本来目指すものは分かっているので、チーム全体の問題もあるし、スキルの問題もあるので、 細かいミスをしないということを含めて、レベルをあげていかなければならないと思っています。そこら辺を徹底させ、また、良い人材、新入生を勧誘して、層 を厚くしていきたいと思っている。
末富主将
(今日の試合を振り返って)東大の気合にやられたなっていう感じです。悔しいですね。(今シーズンは厳しい結果だった)今シーズン振り返ると大きな試合は勝て なくて、下位校相手でも思ったようなアメフト出来ずに、自分らのアメフトをしっかり48分間やり続けられた試合はすごく少ないというかなかったので…だい たい半分は集中できていても半分は気が抜けていた試合だったり、ラストの10分間だけすごい集中していたりと48分間続けられた試合がなかったので、自分 たちのアメフトがしたかったです。(アメフトに4年間捧げた今の気持ちは)今は分からないです。明日になったら休みでずっと休みでどうなるか分からないで すけど、気持ちは(終わった)実感ないですね。先々週の試合で引退は決まっていたので負けたのが悔しいぐらいです。(今日の試合への意気込みは)今日の試 合は僕ら負けても(もともと)日本一の道がなくなっていたんですけど、常に日本一目指して練習するのが慶 應体育会アメフト部だと思ったので、それをチームに位置づけて負けてなお日本一に近づかなきゃいかないから次の試合も本気で勝ちに行く練習に取り組めるよ うにという話はしてました。(今年は主将としてチームを引っ張る立場だったが)自分の力不足で勝てなかったなという感じですかね。(達成感・やりきった感 は)全くないです。勝つためにやっていたので。勝てなかったらやってきたことが意味なかったということなので。(後輩へのメッセージは)難しい道ですけ ど、日本一をもっとひたむきに毎日望んで練習していれば、きっと日本一にはなれると思うので頑張ってくれっていう感じですね。
安田副将
第1戦からディフェンス面で課題に上がっていたタックリングをこれまで取り組んできた。春シーズンから夏までも課題に上がってはいたのだが修正しきれなかっ たことが、東大オフェンスにやられてしまった原因ではないかなと思います。プレーは(相手を)止めるようなサインはスポッターから出ていたが(遂行するこ とが出来ず)、個々が一発で相手を仕留める、それが出来なかったら周りの人が出てきて止めるという基本的なプレーが出来なかったことが敗因だと考えていま す。(東大は時間を使いながらランプレーでボールを進めてきたが)QBのキープであるとか、オプションであるとか、基本的なプレーを止めるためには基本的 なプレーで太刀打ち出来ないと(試合に)勝つことが出来ないということは秋シーズンでわかったことです。(DLの動きは)DLに関してはそんなに出来は悪 くなかったのかなと。自分がDLだったのでひいき目に見ているかもしれませんが、特に大きな問題があった訳ではない。LBの上がり方であるとか、上がった ところにDLがしっかりリターンしてタックルするであるとか、走る・踏み込む(といったプレーが出来ませんでした)。(パス・プロテクションがうまくいか なかった)一発で投げられてしまった。パスに関してはプレッシャーをかけられなかったことがDLの一つの課題だったのではないかと思います。(自身として は)今日はあまり出ていなかったんですが、1試合目から怪我していて試合に出たのは今日が初めてだった。技術的なところではなく、アメフトの楽しさを再認 識出来ました。ただ、本当だったら中央戦や法政戦などのビッグゲームに出て、個人的に活躍してチームを勝利に導きたかったです。(中大戦からは試合前セレ モニーに参加されていたが)第3戦の拓大戦で試合前練習で完全な肉離れを起こしてしまい、シーズンアウトと言われていた。諦めたら始まらないと思っていた ので、諦めずに治療したら軽く動けるところまでは来た。自分は強行して出ることは出来たが、100%ではなかったので(強行出場は)ただの自己満足ではな いのかと思った。下級生の仲間や2本目、3本目の仲間を信頼出来ていたので、スタイルしてあの場には立っていたが出場はしませんでした。(4年間を振り 返って)今更振り返ってといわれても難しいですが、全てが当たり前だったので正直引退することが怖い。自分にとって全てだったので、高校からやってきた7 年間を失うことが想像出来ない。ただ忘れられないものになるはずです。(一番印象に残っている試合は)春の早慶戦 ですね。去年は末吉選手がいなくてベストのメンバーではなかったですが、今年は末吉選手が出てベストのメンバーを揃えていた。高校から早稲田を意識し続け ていたので、12月に上級生が引退してからかなりつらい練習をしてきて自分の最高のパフォーマンスを出せた試合でした。チームとしても試合としても盛り上 がった。結果として負けてしまったのが残念。(下級生に向けてのメッセージを)それはこれから伝えていく任務があると思います。今年副将に就任したが、今 まで人の上に立つことが無かった。今年経験したことで何が良かったか、何が悪かったかをしっかり下級生に伝えていく。来年も厳しいシーズンになるのではな いか、再建期になるのではないかと思う。オフェンスやラインは再建の色が濃いので、自分も来年社会人としてコーチが出来たらいいと考えている。自分も恩返 しという意味でユニコーンズに貢献していきたいです。
徳島
(試合を振り返って)毎年最終戦というのは格下の相手ということで、ここ2,3年大勝で終わっていた中で、今回は東大というすごく強い相手なので、チーム全体 としても気が抜けないということは意識していたが、どこか心に油断があったかなというのが結果に表れたかなと思う。(最後怪我をする場面もあったが個人の出来は)今 日は今まで7試合の中で一番良くなかったな、と思う。調子が悪かったです。(ランでフレッシュ獲得する場面も多かったが、調子が悪いとは)最低限のことは できたと思うが、アメフトは陣取り合戦なので、時間を使って陣地を取っていく中で必要な3rdダウンのパスだったり4thダウンのパスだったりが、勝負ど ころで決められなかったのが敗因だと思っている。(今日は反則などのミスが目立ったが)練習中から、反則に対する意識はもっとあってもよかったなと思って いる。気づくのが遅かった。今日の試合を受けて、これくらいなら大丈夫かと思っていたプレーが実際試合では反則に取られてしまって、「え。とられる の。」って感じだったんですけど、その考え方自体が失敗だったなと思う。(TFPを外したことが、最終的には2ptコンバージョンの流れになったわけだ が)結果的にいえばそうだが、キッキングのせいではなく、僕はオフェンスの人間なのでオフェンスのせいだと思っている。6か7シリーズあった中で3本しか とれないのは、オフェンスの力不足のせいだと思う。(4位という結果に沈んだわけだが、どのようなシーズンだったか)シーズン7 試合あって、いつもなら最初4試合勝って、次2試合負けて、最後勝つという流れができていたが、そういういつも通りの万年3位のユニコーンズにはなるまい という話をしていた。終わってみたらそれ以下の結果となってしまいすごく残念。僕はもう引退なので、下級生がこれを教訓にしていってほしいと思う。(来 シーズン後輩に向けて)さっき言った反則であるならば、自分達で甘くルールを決めすぎていて、これくらいなら反則取られないだろう、とか、これくらいなら ファーストダウン取れるだろうとか、そういうのが実際はもっとシビアで、今日の試合はまさにそれが如実に表れた。簡単に言ってしまえば、もっと一つ一つの プレーを大事に、それを一年間通してやることだと思う。最初は意識していても中だるみしたり、最後尻すぼみしてしまったりしがちなので、最後まで通してできるようになってほしいなと思います。
須藤
(この試合で引退だが今の気持ちは)僕は外部出身ですが、知らない環境に飛び込んでみて、色々最初は不安があったが、今振り返ってみるとすごい先輩からコー チ、同輩後輩と周りに恵まれていて、ホントに楽しく充実した4年間だったなと思います。まぁ悔しいですけど。(外部出身ということでこの慶大のチームはど う見えたか)最初は内部進学が多いので、外部と内部で結構そういう溝とかあるのかなと思っていたが、全然そういうのもなくて、しかもスポーツ推薦がなく て、スターというのがなかなかいないチームなので、そういった意味では全員で一つのことをやって、全員が同じ方向を向いてという感じで、一丸になるという ことを大事にしているチームなので、そういった意味ではアメフト以外でも素晴らしい物を手にできたなと思っている。(今日の試合は悔しい敗戦となってし まったが)なかなかオフェンス、ディフェンス、キッキングがうまくかみ合わなくて、オフェンスとしてもなかなかやりたいことができなかったり、自分たちで 自滅という形で、自分たちを辛い状況に追い込んでしまったので、その点はすごい残念だなと思うが、要所、要 所で自分たちが取り組んできたことというのはできたと思うので、なかなか結果に出なかったというのは残念だが、きっとこの悔しさを糧に後輩たちがやってく れると信じている。(キックミスで1点を取り損ねたが焦りなどはあったか)特にそういうことはなくて、いつもと変わらない目の前の一プレーに集中しようと みんなで言い合って、とにかく練習、試合目の前のプレーというのは一緒なので、どんな辛いシチュエーションでもいつもと変わらずone play at a timeと言って、目の前のプレーに集中して、その積み重ねがきっと良い結果につながるだろうと信じてやっていた。(終了間際タッチダウンパスを決めた が)なかなか最初に見たターゲットが空いてなかったが、きっとレシーブした4年の齋藤だったら絶対空いてるし、投げたら絶対取ってくれると信じて投げて、 結局2ポイントコンバージョンは取れなかったが、うちの齋藤なら絶対取るなと100%信頼して投げ込んだ。(このチームに[ソフト改行]足 りなかった点は)やっぱり1プレー1プレー見た時に法政、中央に比べて細かいところが詰め切れてなかったのかなと。例えば実際に試合を意識するだとか、練 習とは違って5cm10cm届く球だとか届かない球だとか、そういう細かいところの積み重ねで結果が違ってきちゃったのかなと思うので、後輩たちにはそう いうところにこだわって、決めた目標を信じてぶらさないで頑張ってほしい。(4年間で印象に残っていることは)楽しい時というのはみんな楽しくできるとい うのは普通だと思うが、先輩同輩後輩コーチ含めて、辛い時に信頼しあえるだとか、辛い時にみんなで手を取り合って頑張れるだとかそういう実感があるので、 そういった意味でどんな環境でもどんな状況でも変わらないで、絆がある集団というか仲間を手にすることができたということですかね。(後輩に伝えたいこと は)僕たちの代は4位という結果に終わってしまって、なかなか後輩たちにアドバイスとかできないが、やっぱり何をしたら日本一になれるかというのはその時点ではわからなくて、日本一になって振り返って初めて、こうしたから日本一になれたとわかると思うので、一度決めたことを信じて、絶対にぶらさないで頑張ってほしいと思う。
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