【ソッカー男子】インカレ直前特集 第1弾 エース対談

攻撃的MF河井(左)と日髙の対談

慶大の持ち味であるポゼッションサッカーはこの男たちの存在なくしては語れない。河井(政4)、日髙(総4) は今シーズン、攻撃の中心としてチームを数々の勝利に導いてきた。来シーズンからJリーグの舞台に旅立つ彼らだが、その前にやるべきことがある。インカレの舞台で必勝を期す男たちの狙うは大学日本一の座、ただ一つだけだ。

 

―今年のリーグ戦を振り返って

河井 今年は僕たち4年生がいっぱい出ていたので、リーグ戦に対する周りの期待が大きかったですね。インカレに出ることもそうだし、優勝も狙えるって言われていて。ある意味そういうプレッシャーの中一年間通して戦ってきて、最終的にインカレの出場権を得られたという結果が残せたので、嬉しかったというより今はほっとしています。リーグ通して、チームとしては連敗もなく、安定した結果が残せましたし、トータルで見てチーム力が他のチームよりあったのではないかと思います。

日髙

リーグ戦でチーム最多、9得点を挙げた日髙のゴールに期待だ (C)Masaaki KATO

(河井)陽介も言ったようにある程度、開幕前から去年から出ている選手が多いということもあって、周りの期待もあったし、自分たちもそれをプレッシャーに感じながらリーグ戦を戦ってきて。そういうプレッシャーにも負けないくらい、自分たちが本当に力を持っているなと感じるリーグ戦でした。1試合1試合成長していっているというか、チームが力をつけていっているなと。出ている選手だけでなく、組織として強くなっているなと実感できたリーグ戦でした。最終的に3位という形で終えることができて良かったなと思います。

―個人として振り返って

河井 得点に関して、後期はそれなりに意識できたんですけど、前期はもうちょっと自分が自覚を持ってやらなきゃいけなかったかなと思います。淡々とやりすぎて、終わってみたら負けていたっていう試合が何試合かあったので。後期は意識を変えてやった結果、もうちょっと得点取りたかったですけど、慶太とかが取ってくれて、ある程度チームの勝利に貢献できたかなと。そういう意味では、個人としては、前期は満足いかなかったですけど、後期は良かったかなと思います。

日髙 自分も前期は1得点1アシストと本当に不甲斐無さ過ぎました。特に武藤とかが出ている時は彼一人の力でけっこう得点取ってくれていたんですけど、彼がケガで抜けたときに誰が点を取るのかって考えました。慶應のパスサッカーの中で自分がちょっと引いてゲームを作りたいという気持ちが去年ボランチをやっていたので強くあって。前期はなかなか点に絡むようなポジションにいなかったし、そういうプレーを心掛けることが出来なかったんです。後期になってチームとしての役割を自分の中で考え直して、いい意味で切り替えてやれた結果、後期はチームに貢献したという実感が持てるプレーができたと思います。

―リーグ戦を振り返って苦しかった時期は

河井 やっぱり総理大臣杯負けてリーグ戦もその週負けてっていうときかなぁ。まあリーグ戦で連敗しなかったので、あんまり苦しい時期はありませんでしたが。リーグ戦ではなく、大臣杯で法政に負けて、そのあと順大に完敗してっていうその2試合の後がちょっと・・・。今ではあんまり覚えてないですけど(笑)

日髙 中断期間明けた後に、早稲田、筑波、駒沢、青学となかなか勝てなくて、順位も7位くらいまで落ちて、しかも次が明治で。今考えるとあの試合で勝てたのがものすごく大きかったんですけど、その時はけっこうみんな特にプレッシャーを感じていましたね。なかなか勝てなくて、しかも次強い明治にまたこれで負けたらって・・。あの時のあの1試合はとても重圧を感じていたなって思いますね。

―やはり選手の気持ちとしてもあの試合日髙選手の2得点で劇的勝利を収めたのが大きかったか

日髙 自分はすごく大きかったかなと思いますね。

―早慶定期戦3連覇を振り返って

河井 あの試合は結果だけですけどね(笑)。10人になってみんな開き直ったというか。そういう意味では運もあって勝てたので。点を入れられてもまだ大丈夫みたいな空気がありましたし、今年よくあった逆転試合だったり、劇的な試合展開のきっかけを作った、今年を象徴する試合だったと思います。3連覇出来たことも良かったですし、チームに自信を与えてくれたのではないかと思います。

日髙 本当によく勝ったと思います。須田さんが「今年は何か持っている」とよく言うんです。あの試合は陽介の言ったように今年を象徴するゲームだったと思います。今年はああいう劇的な逆転だったり、追いつくという試合が多かったので。例えば、早稲田に0-2から追いついた試合が2試合あったりとか。今年は本当に自分たちがインカレに行くべきチームなのではないか、自分たちは本当に何か持っているのではないかと感じた試合でした。

―筑波に勝利しインカレ出場を決めましたが自分たちが歴史を変えたという実感は

河井 ないです(笑)あの試合はとりあえずインカレがかかっていたので、筑波だろうがどこだろうが勝つしかなかったので。歴史がどうとか言っている前にまず自分たちが点を取って試合に勝たなければ次に進めなかったので、まず勝てた喜びの方が大きかったですね。スタッフの方々がすごいと言ってくれましたけど、まあそういうことは後々言われることだと思うので、僕たちにはそんなに関係ないかなと。まあインカレ出場権を得ることができたのが一番大きかったです。

日髙 陽介と一緒です。僕たちはただ勝つだけでしたね。

―慶應パスサッカーを牽引するお二人ですが、お互いの印象は

河井 プレーしている中で、おれは慶太のポジションを見て慶太があっちのサイドにいるならそんなに(ボールを)失うことないので、おれはやることないな、休めるなと思っていましたね(笑)見てればいいかなと。自分のサイドに来たらボールをもらう準備をしますけど、あとは慶太に勝手にやらせとけばいいかなと。何か起こしてくれるので。あと他に出ている選手たちが試合中僕らを見てくれているっていうのは感じますね。とりあえずボールを預けてくれるし、やりやすかったです。

1年生時からチームの攻撃をけん引してきた河井もインカレが大学生活の集大成だ(C)Masaaki KATO

日髙 もう(河井選手にボールを)預けておけばって感じですね(笑)。実際、自分は3年の後期になるまでなかなか試合に出られなかったので、なかなか一緒にプレーできる機会が去年あたりからしかなくて。特に今年に入ってからピッチの中でやると本当に凄みを感じるし、本当に得点とかは自分が取っていますけど、河井からの決めるだけのパスが・・・

河井 もういい!もういい!(笑)

日髙 でも陽介はすごいと思いますよ。

―今年は2トップだったり、1トップを採用したりと試合によってフォーメーションが変わりお二人のポジションが微妙に変わることもあったが

河井 そうですね。どっちでもある程度の戦い方ができるというか、安定した力が出せていると思います。2トップの時は、2人前にいるので僕らがどこで受けても(パスを)出すところがありますね。慶太はスタート(のポジション)は左だけど、ポジション関係なく動いているし、(チームで)その穴埋めもちゃんとできるようになったし、バランスを崩すことなくポジションチェンジ出来るようになってきたので、フォーメーションにこだわらずやりやすいように今は動けているのではないかと思います。

日髙 どっちのフォ-メーションでも選手はやることが分かってきているので、中で話し合いながらその状況に合わせて自分もサイドに出たり中でプレーしたりっていうのが繰り返せるようになっています。インカレとかでも相手を見てフォーメーション変えたとしてもそれに対応できる力はあると思います。問題なくどちらでもっていう感じですね。

「失うものはないと思うので全力でぶつかっていきたい」(河井)

「アシストなどで得点に絡むプレーをしてチームの勝利に貢献したい」(日髙)

 

―改めてインカレ出場権を得た感想は

河井 まだそんなに実感ないですね。周りからもあの1日祝福されただけで、今も普通の練習をしていますし、環境もガラッと変わったわけではないので。初戦の福岡大はそういうの(インカレなどの大舞台)に慣れていると思うし、僕たちは慣れてないので初戦の入り方が本当に重要だと思います。

日髙 インカレに出なければ大学日本一というものになるチャンスすらないので、そのチャンスを得られて、特に自分としてはそれを後輩たちに経験させてあげられることがすごく嬉しいなと決まった瞬間に思いました。

「得点に絡むプレーでチームに貢献したい」(日髙)(C)Masaaki KATO

 

―インカレの目標はもちろん日本一か

河井・日髙 そうですね。

―個人としての目標は

日髙 後期はある程度点取らせてもらったし、自分が試合を決めなきゃいけないっていう自覚もある程度出てきたので、得点だけでなく、アシストなどで得点に絡むプレーをしてチームの勝利に貢献したいなと思います。

河井 個人としての目標は全然考えてないですね・・・。インカレ・・・、特にないです(笑)チームが勝てればいいです。

日髙 それセコくない?(笑)

河井 なんか最近得点とかにそんなにこだわりもないし、点も取れてないし・・・。

―全国のサッカーファンに注目してほしいプレーは

河井 あー・・・。ないですね(笑)慶太も言っていましたけど、部員たちが最後今年を満足して終われればそれでいいです。

―お2人は今までも全国という舞台を経験されているが、その当時の思いと大学での全国大会に対する思いの違いは

河井 僕は高校選手権しか出たことなくて、高校選手権はすごい注目度が高かったので勝手に周りがモチベーション上げてくれました。それと比べると大学は注目度が低いので、その分学生が自主的にやってくれる良さもあると思う。そういう良さをインカレで体感できたらいいなと思っています。

「今年を満足して終われたらそれで良い。悔いは残したくない」(河井)(C)Masaaki KATO

 

日髙 高校の時は自分のことだったり、良く言っても自分のチームのことしか考えられなかったです。それで、全国に出られた、出られなかったりで一喜一憂していたんですけど。大学は大学自体もそうだし、支えてくれる人、応援してくれる人、部員も多いですし、色々なものを背負うというか、そういうものも含めて、全国に慶應を連れて行くっていう意識が強いです。それが今は自分のモチベーションになっていますね。

―初戦で対決する福岡大の印象について

河井 全国大会で良く聞く名前だし、良い選手も揃っていると思うし。まあ、自分たちはインカレに出るっていう目標を達成したわけですから、失うものはないと思うので全力でぶつかっていきたいです。強いとは思いますけど、今までやってきたサッカーをそこでもちゃんとやれれば、勝っても負けてもいいかなと。とりあえず悔いだけは残らないようにしたいです。

日髙 まだビデオなどは見ていないんですけど、天皇杯でもJのチームを倒しているし、この一年でそういう経験を経てインカレに出られることが彼らの強みだと思います。でも自分は一回プロの練習行ったときに福岡大と練習試合したことがあるんですけど、その時に自分の中では慶應の力の方があると感じました。自分たちもこの一年本当にいい経験してきたと思うので、それをすべて出し切れれば必ず良い結果がついて来ると思います。

 By Hideki Nishino

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