【受験生応援企画】医学部・澤田薫(競走部) 〜医学部と競走の二刀流〜 

競走

受験を乗り越え、慶應義塾体育会で活躍する学生にインタビューを行う受験生応援企画。第1弾となる今回は競走部の澤田薫(医2・渋谷教育幕張)にインタビュー。箱根駅伝予選会に出場し、医学部生中心の三四会競走部と体育会競走部の双方で存在感を示す澤田。競技の実績だけでなく、受験期の積み重ねが今につながっている。彼の受験期に焦点を当て、その歩みをたどる。

昨秋の箱根予選会にも出場

高校年生の10月、県駅伝最後に部活動引退した澤田。放課後や土日は基本的に部活動中心の生活だっただけに、引退後は日々の過ごし方を大きく切り替える必要があったという。「それまで陸上に注いでいたリソースを、勉強に切り替えるイメージで取り組みました」。生活の重心を一気に勉強へ移し、放課後も休日も、時間の使い方を「すべてを勉強に充てる」形へと作り替えていった。

受験勉強を進める中で、特に役に立った参考書を一冊挙げてもらうと、河合塾の物理参考書『物理教室』の名が返ってきた。「物理の全内容を網羅していて、読み進めると各パートに対応した問題が組み込まれているです」。知識のインプットと問題演習のアウトプットを同時に回せる構成で、学習のサイクルが作りやすかったという。難易度も「簡単すぎず、初学者でも無理なく取り組めるレベル設定」だったと振り返る。

本人は学校で物理を履修しておらず、独学で学習する必要があった。その状況で『物理教室』は、ゼロから内容を理解し、演習を積んで「問題を解けるレベルまで引き上げる」ところまでを一冊で完結できた点が大きかったという。高校年生から使い始め、受験直前期には不安な単元の確認や問題演習にも活用するなど、長期にわたって幅広く支えになった。

モチベーションが下がったときの立て直し方について聞くと、本人は「無理に上げようとしない」スタンスを挙げた。「モチベーションが下がった時は、やってもしょうがないなと思ってたので、そういう時は休んで、上がってくるのを待つようにしてました」。感情の波に合わせて勉強量を上下させるのではなく、「モチベーションに依存して勉強とかしちゃうと良くない」と考え、やる気の有無にかかわらず「やらないといけないからやる」という意識で淡々と取り組むようにしていたという。そもそも「モチベーションって湧いてこないとどうしても無理なもの」だからこそ、依存しない姿勢を意識した。

一方で、浪人生活の中でも特に厳しかった時期がある。浪人したての春、月ごろまでは「頑張れそう」と走り出せたが、月から月にかけて徐々にしんどさが増し、「何やってだろう」と感じることが増えたという。周囲の同級生が大学生活を始める中で、「自分は何もせず勉強してるだけ」という感覚が強まり、メンタル面では「浪人の月あたりが一番しんどかった」と振り返る。

その時期を支えたのが、陸上だった。大学に入ってからも陸上を続けると決めていたため、浪人中も走っており、気持ちが落ちたときには「じゃあ走るか」という感覚で走りに行った。時には試合にも出たという。「大学で陸上もやりたくて勉強」だったからこそ、走ることは目的を思い出すきっかけにもなり、立て直しにつながっていった。

最後に慶應に入って良かったことを尋ねると、まず挙げられたのは「環境」だった。大学でも陸上を続ける中で、「チームとして目指す形で陸上ができるとは思っていなかった」と言う。個人競技でありながらも、組織として同じ方向を見て取り組める場があったことが、新鮮だったという。加えて、総合大学ならでは多様性も大きい。「いろんな人がいて、いろんなことを頑張ってる人がいるので、そういう人たちと関われること」。競技の枠を越えて刺激を受けられる人間関係が、慶應で得た価値の一つになっている

陸上競技と学業、それぞれの舞台で向き合う日々はこれからも続いていく。日々の積み重ねの先に、どんな結果と景色が待っているのか。今後の活躍から目が離せない。

(記事:小野寺叶翔、取材:中原亜季帆、片山春佳、野田誉志樹)

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