「インカレ優勝」。似鳥組発足から目標にし続けてきた大会が遂に幕を開けた。1回戦屈指の好カードとなったこの一戦では、地元・苫小牧駒澤大を相手に第1ピリオドでは苦戦するも、その後は力の差を見せつけ5-3で勝利。似鳥組最大の目標に向け、その一歩を踏み出した。
第84回日本学生氷上競技選手権大会
2012/1/6(金)17:25 FO@苫小牧王子製紙スケートセンター
慶應義塾大学5-3苫小牧駒澤大学
{得点者 慶大のみ}種田、小守谷、似鳥、荒谷、小川
負けたら終わりのトーナメント戦だけあって、開始直後から浮足立ってしまった慶大。自陣で相手にパックを回される展開が続くと、1分に一瞬の隙を突かれ先制点を許してしまう。だがこの失点で「目が覚めた」(浅沼監督)。その後は敵陣に攻め入り、試合を進める展開に。すると7分、左サイドからDF野中(経4)がミドルシュートを放つと、相手GKがファンブル。その隙を見逃さなかったFW種田(経2)が叩き込みゴール。同点に追いつくと、11分にはゴール前の混戦からFW小守谷(経3)が押し込み逆転に成功する。ところが14分にシュートのリバウンドを詰められゴールを許し、2-2で第1ピリオドが終了。一進一退の展開となり、慶大にとっては苦しい第1ピリオドとなった。
何としても次の1点を奪いたい慶大は第2ピリオド、1分にはFW金村(経3)、2分には種田がシュートを放ちゴールを脅かす。すると3分、中央でのチェックからパックを奪い展開。最後はFW似鳥(環4)が右から持ち込み、ネットを揺らす。その後6分に相次いで退場者を出し、ピンチを迎えるも集中を切らさず守り抜き、チャンスをうかがう展開に。そんな中迎えた11分、中央の金村からパスを受けたFW荒谷(経4)が華麗に相手を交わしシュート。これが決まり大きな追加点を奪うと、12分にはDF小川(環3)が「あんなプレー初めてだった」と振り返るスーパーゴールを決め、5-2で第2ピリオドを終えた。
3点リードとなり、次に駒を進めるためにも試合の終え方も大事となる第3ピリオド。後がない苫小牧駒澤大の攻勢の前に自陣での戦いを強いられる慶大だったが、集中を切らさない。ゴール前での混戦でもGK田中誠(経4)を中心にゴールを守り抜く。ところが4分、ゴール裏から回り込まれると、シュートを決められ1点を返されてしまう。しかしこの後は第3ピリオドでも運動量を落とさない慶大が優位に試合を進め、このまま5-3で試合終了。この一年目標としてきた大会でまず初めの1勝を手にした。
リーグ戦終了から一ヶ月。香川遠征などさらなるチーム強化を図って臨んだこの大会。第1ピリオドでは久々の公式戦、さらには「インカレという特別な舞台」(似鳥)ということもあり固さもあったが、第2ピリオド以降は力を発揮した。また昨年のサマーカップでは日大に勝利している苫小牧駒澤大が相手ということもあり苦戦も予想されたが、「シンプルに臨めば、守るところは守れて、重ねてやっていけばチャンスは作れる」(浅沼監督)という自信を胸に勝利した。明日は2試合を控える慶大。連戦となり体力勝負にもなるが、「40人全員」で勝利をもぎ取り、優勝への道を一歩ずつ歩んでいく。
By Daiki Yamamoto
浅沼監督
(振り返って)31日の最終日、早稲田と練習試合をして、ちょっと休んで2日北海道に入ったんですけど、2日の練習から選手たちは集中力を切らさず、最後の最後まで競争意識を持って試合に臨んでくれたので、ペース的には良かったかなと思っています。ただ試合自体は1ピリ失点から始まったので、ちょっと選手の動きも固かったかなと。ポジショニングもなってなかったので、そこは失点で多少目が覚めたのかなと思っています。またそこで取り返して同点で1ピリを終えたので、もう一回リセットし直して、2ピリに臨むように言いました。(対する苫小牧駒澤大はサマーカップでも成績を残した相手だが)テクニックのあるチームで、非常にホッケーを知っているチームなので、ただ逆に我々はチームに基本的な部分、守り方や攻め方もあまり細々とプレーするのではなくシンプルに臨めば、守るところは守れて、重ねてやっていけばチャンスは作れるなと思っていたので、それを徹底するように言っていました。(トーナメントということでその難しさもあると思うが)本当に一試合一試合が大事で、このチームで一試合でも多くするためには勝たないといけないので、次はレベルも上がってくるので、1分1秒をすごく大事に戦ってくれたと思っています。(試合の終え方というのもこの試合の鍵の一つだったと思うが)3点差がついていることは気にせず、いつも申し上げている通り慶應は3ピリにペースを上げていくというのが我々の信条なので、勝っているから守るのではなくて、当然守りも大事ですけど、攻めの部分も徹底的にしつこくやっていくように選手に声をかけました。(リーグ戦から一ヶ月空いて迎えた一戦だったが)ちょっと個人的な話をすると実は駒澤の監督が僕の大学時代の同期で、早稲田のOBの同期なので、僕がコーチに就任した時から毎回駒澤と当たるときは彼が監督だったので、とにかく特別に気持ちの入る対戦なので、何としても勝ちたいなと思ってまして、ここ最近最初は負けていたが、ここ数年勝てるようになったので、それをいい自信にして次に臨みたいなと思う。(この空いた期間重点的に強化した点は)やっぱりポジショニングですかね。特にセンターポジション、守るにも攻めるにもセンターポジションが非常に大事なので、センターフォワードもそうですけどポジションチェンジした時のセンターポジションの人間には寄りすぎないようにとか引きすぎないようにとかその辺は細かく注意をしたつもりです。(明日は2試合控えているが明日に向けて)体力温存する必要は全くないと思います。6ピリ走るだけの練習を我々はしてきたので、当然代わりの選手もいるので、40人全員で試合に臨む準備はできているので、けが人が出ようと、調子が悪い人間が出ようと、その代わりになる選手はみんないるので、40人全員で6ピリを戦うという気持ちで明日から臨んでいきたい。
似鳥主将
(今日の試合を振り返って)1ピリ、インカレという特別な舞台でみんな緊張していたので思うように慶應のホッケーというものができなくて、チームの中に焦りがあったというのが反省点かなと思います。(開始早々に奪われた先制点で動揺等はあったか)信田コーチが、「最初に1点入れられても焦るな、慶應のホッケーは3ピリが強い」と言ってくれていたので特になかったです。(相手の地元での試合だったが)相手が苫小牧駒澤大と、慶應にとってアウェイな試合だったので地元の人たちを驚かせるような試合ができたらいいなと思っていました。(ベンチから声がよく出ていてよい雰囲気にみえたが)チームが1つになっていたかなと。1つになれていたんで良かったと思います。(リーグ戦終了からインカレまでの期間どういう課題を持って練習に取り組んだか)1回オフがあって、シーズン初めからインカレ優勝ということを大前提に活動していたのでリーグ戦が終わってもいったん落ち着くことなくインカレ優勝に向けて活動していて、特にこれといった気持ちのブレなどはなかったと思います。(インカレはリーグ戦と異なりトーナメント戦であるが)明日ダブルヘッダーなので体調管理、メンタルの整え方というのを重視していきたいなと思います。(次の試合に向けての抱負を)明日は立教戦なので立教に勝って、次は東洋、東洋に勝って準決勝に進んで、その次も勝って絶対に優勝したいと思います。
小川
(振り返って)最初緊張しちゃって、チーム全体もバタバタしてて、思うようにパックが出せなくて、流れも悪かったんですけど、3セット目が特によく走ってくれて、点取ってきっかけを作ってくれたのがすごい良かったかなと思います。(トーナメントという難しさもあったと思うが)インカレというのもあって緊張してしまって、それでバタバタしたかなと思います。(2ピリでは素晴らしいゴールを決めたが)あんなプレー初めてだったので(笑)。決めれてよかったです。嬉しかったです。(中央を突破してキーパーの動きを見極めてのゴールだったが道筋は見えていたか)本当は遠目から打とうと思ったんですけど、打てないとわかった瞬間これは抜くしかないなと思って、それで抜きましたね。(一ヶ月空いたがその間に個人的に重点的に強化した点などはあるか)リーグ戦通してあんまりポイントが取れなくて、シュートが思い通りにいかなかったので、やっぱりシュートの練習しかないなと思ってずっと練習してきたんですけど、あんまりチャンスなくて見せられなかったが次の試合では必ずいいシュートが打てるように頑張りたいと思います。(明日は2試合控えているが)立教はいつもリーグ戦で勝っているんですけど、油断せずにやりたいと思います。(その次はおそらく東洋大だが)東洋は格上のチームなんですけど、チャレンジャー精神を持ってどんどん攻めていきたいと思います。
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