――昨季を振り返って
中島 昨シーズンはあんまりいい思い出がないというか、個人としても成長出来なくて、課題が多く残ったシーズンだと思います。
本橋 勝てる試合を落としていたなという印象が強いです。東海とか格上の相手にも勝てる力はあったんですけど、それが結果に繋がらなかったかなと思います。
――昨季で得た成長と課題
中島 成長していた所は、強いて言うならリーグ戦の後半あたりからドライブを仕掛けられる様になって、得点が増えたことくらいですね。課題としては、ディフェンスとリバウンド、それから勝負所でのシュートセレクションの悪さがあります。
本橋 昨シーズンは上位チーム相手にもリバウンドではある程度戦えるようになったと思うので、その点は成長した所かなと思います。逆に課題は、今シーズンもやっていかないといけないんですけど、もう少しオフェンス面で絡んでいかないと、チームとしても機能しないと思うので、インサイドでの得点を増やして少しでも外の選手を助けられるようにしたいです。
――昨季の自身のプレーに点数を付けると何点ですか
中島 成長の度合いが低かったので、35点ぐらいですね。本当は僕らが入学する前に主将をやっていた田上さん(田上和佳・環卒)みたいなプレーヤーを目指していたんですけど、まだまだそこには至ってないと感じました。ディフェンスと大事な所のリバウンド、それから献身的なプレーが田上さんは長けていたので、自分はそこをもっとやらないといけないと思います。
本橋 50点ぐらいです。さっきも言った通りリバウンドでは少なからず貢献出来たと思うんですけど、要所で相手のインサイドを止められなかったり、得点を取れなかったり、チームの流れを悪くしてしまうようなプレーが多かったで、50点にしました。
「本橋のプレーはチームに勢いをもたらしてくれる」(中島)
「中島は去年1年間で点を取ることに磨きがかかった」(本橋)
――お2人は4番と5番でコンビを組むことが多いと思うのですが、その時に意識していることや役割分担はありますか
本橋 中島は外角のシュートだったりといった、外のプレーが器用だと思うので、僕は中で仕事をして、中島は外から中にかけて、という感じですね。
――お互いのプレーをどう評価していますか中島 本橋はインサイドの力強いプレーだけじゃなく、走れたり機動力もありますね。あと本橋のプレーはチームに勢いをもたらしてくれるので、本当にそこは心強いと思っています。
本橋 去年の東海戦でも最後の方で点差を詰めて逆転出来たのは、中島のシュートだったりドライブでファウルをもらったりしたのが大きくて、そういう点を取ることに関しては去年1年間で磨きがかかった感じがしますね。ただ、ちょっと言うならば、少しだけ確率が良くなればというのはありますし、僕ら2人でもう少しリバウンドの数を増やしていけたらなとも思います。
――今も少しお話がありましたが、お互いのここは変えて欲しいと思うことはありますか
本橋 ズバズバと言っちゃって下さい(笑)。
中島 やっぱり少し熱くなってしまう部分があって、そこで冷静さを欠いてしまう時があるので、そういう所が安定すればもっと良くなると思います。
本橋 おっしゃる通りです(笑)。自分は単純なので、すぐに熱くなってしまう所があります。先生にも言われたんですけど、もう少しクレバーに、ハートを熱くてもいいから頭はクールに、ということを常に試合を通してキープ出来るようになりたいですね。
――中島選手は田上さんの様なプレーヤーになりたいということでしたが、本橋選手は目標としている選手などはいますか
本橋 今オフェンスをもう少し磨きたいと思っていて、そういう面では去年の東海の満原さん(満原優樹・現日立サンロッカーズ)や、早稲田の久保田さん(久保田遼・現パナソニックトライアンズ)とか、そういう人たちのオフェンスの技術はすごいと思いますし、ゴール下の技術という面では蛯名(法3)とかからも盗んでいけたらなと思ってます。
――では本橋選手から見て中島選手の変えて欲しい所はありますか
本橋 やっぱりリバウンドという面では去年から今年にかけてもまだ未完成かなという部分があって、リバウンドに絡むんですけど取れなかったりする時があるので、そこが安定してくれればいいなと思うのと、あとはもう少し身体を強くして欲しいですね。一緒にウェイトも頑張っているので、それが実になればより一層良くなるんじゃないかと思ってます。
中島 そうですね。特にディフェンスリバウンドの時の相手の飛び込みを止めることが出来なくて、昨日も明治の加藤選手(明大#91加藤耕太郎)に、去年もやられていたのにまた止めることが出来なかったので、そこは改善したいです。
――少し話は変わりますが、コートの外でのお互いの印象はどうですか
本橋 プライベートな部分は本当にマイナスなことしかないですよ(笑)。だからそれをバラされちゃうと困りますね(笑)。まあ中島は一緒に寮にいるんですけど、本当に外に出ないですね。休日でもほとんど日吉から外に出ないです。やっぱり都会が怖いみたいですね(笑)。
中島 いやだいぶ怖さはなくなったよ(笑)。
本橋 いやいや(笑)。日吉の駅ビルに行って今日出掛けたってレベルですもん。前にバスケ用品を買いに新宿に行った時も、無理だって言ってすぐ帰ってました(笑)。
中島 やっぱり都会は苦手ですね(笑)。ごちゃごちゃしてるので。本橋は結構ゲームやってるって聞きますよ。
本橋 本当に引きこもっちゃいますね(笑)。何もないとずっとゲームしてるので、本当にカビが生えた様な生活をしてますね。でも中島よりは出掛けますよ(笑)。
中島 確かに。やっぱりずっと都民の人には負けますね(笑)。
「インサイドの仕事をしつつ外のプレーも出来るという所を武器に」(中島)
「インサイドを牽引するプレーヤーに」(本橋)
――ありがとうございます。それでは話はバスケに戻りますが、冬から春にかけて取り組んだことはなんですか
中島 去年の冬から病気とかでバスケをすることが出来なくて、その時に体重を増やしたりだとか、ウェイトをやったりしてました。
本橋 まずはウェイトトレーニング。どんどん体重を増やして身体を強くすることですね。それはチーム全体でも取り組んでることなんですけど、やっぱり去年満原さんや永吉(青学大#永吉佑也)に劣っている部分があったので、彼らに負けないぐらいの身体にしたいですね。あとは、ゴール下で上背で劣る場面でどれだけゴールにボールを入れるか。蛯名とかにハンドリングを教えてもらったりしてるんですけど、そういう技術を磨いていきたいと思ってます。
――本橋選手は実学オールスターにも出場されましたが
本橋 中島が病気しちゃったんで代理で僕が行ったんですけど、本当に空気でしたね(笑)。終始あたふたしてました。僕と権田(政1)でビックマンキャンプに参加して、中島が実学に出るという予定だった所を僕がビックマンキャンプと実学の両方出るみたいな形になって、行ったり来たりしてました。仲良くなれた人もいましたけど、キャリア組に対するコンプレックスみたいなのを全開で行ってしまってあんまり馴染めなかったです。ただ、大塚さん(早大#6・大塚勇人)とか長谷川智伸さん(拓大#91)とか、面白い人がいっぱいいたので救われましたね。
――実学オールスターやビックマンキャンプに参加して感じたことはありますか
本橋 特に実学なんですけど、大学トップクラスの選手とやらせてもらって、慶應はまだまだ個人能力で劣っているなと感じたので、それをチームに持ち帰って、今年は個人単位で能力を上げていくことを大事にしていこうという話をしました。
――中島選手から見て、実学オールスターやビックマンキャンプを経て本橋選手が変わったなと感じることはありますか
中島 実学というか、冬から春にかけて動きが変わりましたね。チームの中でも止められる人がいないくらいですし。意識がすごく上向いたというか、高いレベルを目指してやっているなと感じます。
――新入生の印象は
中島 大元君や黒木君を始め、能力の高い選手が揃っているなと思います。特に黒木選手はポジションが同じなので、負けられないなと思ってます。
本橋 みんな本当に上手いですね(笑)。経歴とか見てもすごいので。僕もポジションを取られないように、下からの勢いに負けないようにチームを引っ張っていけたらと思っています。あと今年は六大学リーグがあるので、少し馴染みやすいかなと思ってます。
――黒木選手が加わり、桂選手も含めたインサイドの競争が激しくなりますが
中島 さっきも言った通り、ディフェンスやリバウンドといったプレーを磨きつつ、外角のシュートの精度も上げて、インサイドの仕事をする中でも外のプレーも出来るという所を武器にしてやっていきたいと思います。
本橋 競争が高まることはすごくいいことだと思うんですけど、今のチームの中で互角というのでは、外に目を向けた時に戦えないと思うので、チーム内ではなくて他のチームの上手い選手と張り合えるぐらいの力をつけたいです。そのために練習があると思うんですけど、練習から僕がチームを引っ張って、インサイドを牽引するようなプレーヤーになりたいです。
「個人能力を上げて1部昇格」(中島)
「全ての大会で結果を残したい」(本橋)
――今季の4つの大会、トーナメント、早慶戦、リーグ戦、そしてまだ出場は決まっていませんがインカレの展望や目標を聞かせて下さい
中島 トーナメントとかもありますけど、1部復帰というのが1番の目標なので、まずリーグ戦の中で1位になって勢いをつけたいです。2部には留学生のいるチームもあると思うので、そこには負けないように頑張りたいです。
本橋 いま中島も言ったんですけど、1部復帰が最大の目標なので、それを目指して、トーナメントや早慶戦という段階を踏んでいきながら、1つ1つの大会でも結果を残したいです。去年はあまりいい結果を残すことが出来なかったので、今年は結果を意識してやろうということをみんなで話していて、勝つことで成長したいと考えているので、トーナメントも早慶戦も優勝という目標を掲げて、リーグ戦では1部復帰をして、インカレでも優勝したいなと思います。
――2部で注目しているチームはありますか
本橋 中央とかには負けられないというのはありますね。ああいう走ってくるバスケに負けていては上で通用しないと思うので。あとは個人的なことなんですけど、2部には留学生がいるので、そういうチームには負けたくないですね。
中島 やっぱり中央なんかは去年も日体に続いて2位だったので強いと思いますし、同じようなチームスタイルなので、絶対に負けたくないですね。
――2部には留学生がいますが、そうした相手にはどのように戦っていきますか
中島 本橋と一緒に出ている時は本橋がつくと思うんですけど、僕がついた時は、高さで劣る部分をテクニックでカバーしていきたいと思います。本橋がついている時はしっかりとヘルプにいって助けたいと思います。
本橋 これは他の選手にも言えることですけど、やっぱり留学生には負けたくないですね。相手に留学生がいるけどうちは絶対負けないよ、というぐらいの気持ちでいきたいです。そのためにも、今年は今まで練習してきたディフェンスとかゴール下の技術を実戦で使えるようにならないといけないので、そういった部分をこれからもっと向上させていきたいと思っています。
――それでは最後に今季の意気込みをお願いします
中島 今は故障が続いていて、プレーイングタイムもそんなに長くないんですけど、徐々に段階を踏んでみんなの信頼を取り戻していきたいです。個人の能力を高めていって関東選抜とかにも選ばれるような選手になりたいですし、チームとしては1部復帰を果たせるように頑張っていきたいと思います。
本橋 チームとしては1試合1試合勝っていくことが絶対で、個人としてもレベルアップ出来るように頑張っていきたいです。目指す所を上に設定して、1部のセンターとも互角の戦いが出来るようになりたいですね。そのためにも今年は去年やおととし以上に頑張って、絶対に結果を残したいです。
*この対談は3月18日に行いました。
(取材・写真撮影 岡田洋介、丸山由鶴、水島涼太)
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