新人特集として、この春、慶大に入学する中嶋俊文選手(政1)にお話を伺いました。昨年、個人形の部で見事ジュニア世界一に輝いた中嶋選手。その栄光と苦悩、そして新たに挑む大学空手の舞台への意気込み等を語っていただきました!
――空手を始めたのはいつですか
小学1年生のときです。父親と姉が町道場に通っていたので、小1になって自分も自然と通うようになりました。
――中学での実績を教えてください
選抜大会と、全国中学生空手道選手権大会の春夏優勝です。
――空手を慶大でやろうと思った理由は
空手の推薦で慶應高に入りました。体育館も使えるし、夜はここの道場も使えたので、練習する環境がすごく整っていて、いいなと。
――ご自身のこれまでの空手人生を振り返ってみていかがですか
今までは、あまり自分で考えて練習とかしないで、言われたことだけやってきたという感じなので、これからはもっと自分で考えてやっていきたいです。
――世界選手権でジュニア世界一に輝きましたが、その時の心境は覚えていますか
空手は日本のお家芸なので、日本代表というのはすごいプレッシャーがあって。絶対優勝しなきゃと思っていたので、優勝した時は嬉しかったと同時にホッとしました。
――空手を続けてきて辛かったことや楽しかったことは
辛かったことは中学生の時に急に勝てるようになりだして、周りの見方とか周りの人から言われることが急に変わったことです。それがすごいプレッシャーになって、中1のときに全国大会で優勝したんですけど、次の全国大会の前が一番辛かったです。楽しかったのは、上手くなったときに、頑張ってよかったなと思える瞬間ですね。
――そのプレッシャーの中、全国大会で連覇した時も嬉しかったと同時にホッとしましたか
中学生のときは嬉しかった気持ちが強かったです。
――空手を通してご自身の成長を感じるのはどんなところですか
やっぱり辛いことやプレッシャーを乗り越えてきたことが自信になって、一回辛いことを乗り越えたんだから次もいけるだろう、という考え方が出来るようになりました。
――ご自身にとって空手とはどのようなものですか
自分は、他に自信のあることはそんなに無いんですけど、空手に関しては自信があるので、そういう面で自分を一番表現できることというか、自信が持てる唯一のことです。
――大学生になりますが、大学の空手部になって高校時代と何か変化はありますか
大学の空手は高校の空手とは判断基準などが全く違うので、大学生に上がるにあたって、何か新しいことをするような心境です。
――慶大の空手部として4年間活動していく中で、楽しみにしていることはありますか
大学に入ったら自分よりすごい人たちがいっぱいいて、また一から挑戦者としてやっていくことが楽しみです。
――大学4年間の目標は
全日本をとることと、組手の方では団体戦などで慶應大学の空手部に少しでも貢献できるようにしたいと思います。
――ご自身の課題点を挙げるとすればどのあたりですか
練習しているときに自分に甘えてしまうところというか、これだけやったのならもういいかな、と思ってしまったりするので。そういう自分の弱いところを克服していくことだと思います。
――今はどういうことを意識して練習に取り組んでいますか
引退してから練習していなかったので(笑)。引退する前は、練習中に余計なことを考えたりしないで練習しようとしていました。自分は結構試合で負けた時のイメージとかをしてしまうので、練習している時はそういうことを考えずに、無心でやるということを心がけています。
――世界を舞台に戦うことに対して、どのように感じていますか
日本代表で試合に出られるということは、すごいことというか、日本代表で出る以上、恥をかかないように日本を背負ってやっていかないと駄目だなと思います。
――実際に世界を相手に戦ってみた印象は
国際大会は日本の大会とは雰囲気が全然違うので、すごく慣れが必要だなと思いました。観客の方たちの雰囲気だったり、マットなども全然違うので、日本の大会とは別物のような感じでした。少しでも多くの経験を積まないと世界には勝てないなと思いました。
――今後も活躍の舞台は世界に広がっていくと思いますが、それについてのビジョンや目標は
大学生になったら日本を出ること、日本代表になることがすごい難しいことになるので、まず自分より上の先輩方に対してどうやってその差を縮めていけるかということ考えてやっていきたいと思います。
◆中嶋 俊文(なかしま ・としふみ)
慶應高を経て、この春から法学部政治学科に入学。中学時代には全国中学空手道選手権大会で優勝。高校3年時には世界ジュニア選手権で優勝するなど、数々の大会での優勝経験を持つ。
・お忙しい中取材に応じてくださった中嶋選手、取材を取り次いでいただいた空手部・田中副務、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
(取材・写真撮影 大貫 心明、岡田 洋介、櫻井 悠平)
コメント