京王電鉄杯2日目。相次ぐ怪我人に悩まされていた慶大は、前日の試合でSF矢嶋瞭(総3・福大大濠高)までもが負傷し、この日は欠場。得点源を失ったチームは、2試合共に60点前後の得点に留まってしまい、1日目に引き続き2連敗となってしまった。
2012/4/29(日)@トヨタ府中スポーツセンター
1試合目 慶大-専大
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 18 | 13 | 14 | 17 | 62 |
専大 | 20 | 21 | 20 | 16 | 77 |
◆慶大スターティングメンバー | |
選手名(学部・学年・出身校) | |
PG | 伊藤良太(環2・洛南高) |
SG | 大元孝文(環1・洛南高) |
F | 大木崚介(経3・慶應志木高) |
PF | 黒木亮(環1・延岡学園高) |
C | 本橋祐典(環3・佼成学園高) |
伊藤のバスケットカウントでスタートした試合は、「矢嶋さんが抜けた分、一対一を意識してやっている」という伊藤がチームオフェンスを牽引する。1Qの慶大の得点のほとんどを伊藤が決めるなど、個人技から得点を重ね、18-20とほぼ互角の点差で1Qを終える。2Qはセットプレーからの大元の得点で慶大が先攻するも、「リバウンドの差」(佐々木HC)が際立ってしまう。ディフェンスリバウンドで相手にセカンドチャンスを拾われてしまうとじりじりと点差を離されて、31-41で前半を終える。 後半、伊藤のアシストから本橋がゴール下で得点すると、続けて本橋がポストプレーからバスケットカウントを決める。ただ、その後はオフェンスが停滞。今の慶大にとっては伊藤の得点が止まるということはチームの得点が止まるということであり、3Qはそのことを感じさせられる展開となった。4Qに入ると、黒木や途中出場のF中村滉平(理2・慶應高)がインサイドで奮闘を見せる。中村がポストプレーからのフックシュートを決めれば、黒木はオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスをきっちりとものにする。伊藤の得点とも相まって、4Qだけを見ればほぼ互角の戦いを見せ、1試合目を終えた。
2試合目 慶大-日大
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | ||
慶大 | 12 | 14 | 16 | 14 | 56 | |
日大 | 20 | 13 | 28 | 14 | 75 | |
◆慶大スターティングメンバー | ||||||
選手名(学部・学年・出身校) | ||||||
PG | 伊藤良太(環2・洛南高) | |||||
SG | 大元孝文(環1・洛南高) | |||||
F | 中村滉平(理2・慶應高) | |||||
PF | 黒木亮(環1・延岡学園高) | |||||
C | 本橋祐典(環3・佼成学園高) |
1Qは1試合目に引き続き、伊藤の個人技で得点を重ねるが、リバウンド、ディフェンスの両面が安定せず、12-20とビハインドで終える。2Qは投入されたG平石健斗(環3・慶應高)が「いつもよりも足を動かしてディフェンスに取り組んだ」(平石)との言葉通り、相手のキーマンを抑えるディフェンスでチームに貢献。伊藤のオフェンス、平石のディフェンスと、攻守両面で安定感が出てきた慶大は徐々に流れを掴んでいき、このQだけ見れば14-13とほぼ互角の戦いを見せ前半を終える。後半、慶大は大元が連続でフェイダウェイを決めると、本橋もミドルシュートで続く。外のシュートが決まり始めリズムを掴んだように見えたが、リバウンドでの苦戦が攻守両面に悪影響を及ぼす。ディフェンスでは相手にセカンドチャンスを決められ、オフェンスでもなかなか速攻が出せない。慶大らしさが出せずにリズムを崩してしまうと、点差を離されて3Qを終える。4Qは両校共に控えメンバーを出しながらの戦いとなったが、その中でも、G田中貴啓(環3・福大大濠高)のスティールから中村がバスケットカウントを決めるなど、要所で慶大らしさを見せて、試合を締めくくった。
2日目も初日に引き続き2連敗となってしまった。ただ、敗れた2試合共にディフェンスが機能し、慶大の流れになりかけた時間帯があった。怪我人があまりに多く、「得点を取れなくなってしまっている」(佐々木HC)という状況ではあるが、ディフェンスは個人の能力が問われにくい部分である。チームの得点力が落ちている今こそ、ディフェンスとリバウンドといった基本となる部分を大事にしなければならない。その重要性を再確認させられた2日目となった。
(記事・岡田洋介)
◆試合後コメント佐々木三男HC
2試合とも後手後手に回ってしまった感じですね。(試合に向けて選手に意識させてことは)得点を取る人がいないので、これまでやってきたディフェンスとリバウンド、ルーズボールをしっかりやろうということを指示していたんですけど、結局は1試合目もリバウンドを相手に多く取られたし、2試合目も前半だけで10本も多く取られてる。それもオフェンスリバウンドなんですよね。ということは自分達のディフェンスの場面で取らなければいけないのを10本逃している。そのうちの半分を決められてしまっているので、それだけで10点分ぐらいあるわけですよね。今日20点以上離れたのはまさにリバウンドの差だと思います。(今の課題は)ある意味全てが課題です。点数を取れなくなってしまっています。本来ならば、練習でも多くやっているハイローの中に、矢嶋のアウトサイドだったり伊藤のプレーを入れるという形を頭に置いているんですけど、それが実現できませんね。(今のチーム状況は)数年前にキャプテンが怪我をして、結局その年は2部落ちということになってしまったという苦い経験があるので、中心選手が怪我をすると立て直すのが難しいけれど、何とか1人1人が頑張って乗り越えて欲しいと思っています。(中村や平石の活躍について)彼らがバックアップにいることで選手層が厚くなるんだけど、厳しいことを言うようだけど、彼らがああやって多くの時間を出るようになると、どうしてもミスが多くなってしまいます。それを乗り越えるためにはイージーなミスを無くしていってほしいですね。
(今日の試合を振り返って)矢嶋や他のメンバーが怪我でいないっていう状況で、得点が取れないっていう状況が続いたんで。やっぱり皆でカバーしていくっていうのもあるんですが、その中でもバックアップとして僕や大木とかが出てるんで、自分達がそこを補って行けるようにして行かなきゃいけないかなって思います。バックアップが奮闘すれば、嫌な雰囲気でも自然とスタートのメンバーが沈まずに頑張れると思うんで、今日はいつもよりも足を動かしてディフェンスに取り組みました。関東トーナメントや新人戦、早慶戦と段階を踏んでいく中で、バックアップとして試合に入っても不安定にならないようなポジションを確立するためにも、電鉄杯から一生懸命やっていかなきゃ行けないと思ってます。とりあえず自分に求められているのはディフェンスなんで、ディフェンスでは伊藤にも負けないくらい足を動かして、例えば日大戦では石川選手のドリブルを取れるようになれればなと思って挑みましたし、後々戦っていく相手にもなっていくんで、そういう選手達のクセとかも肌で感じてプラスにしていけたらなと思って、自分なりに色々課題を持って試合に臨めました。でも、とにかく今日は負けたくなかったです。その一言に尽きます。(怪我人が多いが、自分がチームに影響を与えて行きたい所は)やっぱり求められているディフェンスですかね。先生にも言われていることなんですけど、伊藤がもし抜かれたりした時でも、伊藤じゃなくて僕がファールしなきゃいけない。伊藤や本橋みたいなずっと出なきゃいけない選手にファールがかさんじゃいけないんで、そういうところで自分がファールでも止めてあげるっていう気遣いをしないと、バックアップは務まらないかなと思ってます。それと、試合に出たら絶対に何かをしなきゃいけないですし、それこそスティールだったりもあるんですけど、ダブルチームを仕掛けることだったりマークマンを疲れさせるっていう気遣いも重要かなと思ってます。(平石選手のプレーはチームを盛り上げるが、自分がムードメーカーだという意識は)いやいや、してないです(笑)でも、流れを変えるっていうのにはそういうムードとかも必要かなと思ってます。けど、そういう状況を作ってくれているのは応援してくれてる仲間達だと思うんで、ユニフォームをもらっているもらってない関係なく、皆には感謝してます。(明日に向けて)相手に関係なく自分の役割をしっかりやって行きたいです。多分いつもよりもプレータイムが長いんで、そこでいかにミスを少なくするっていうのも大事ですし、今まで全部負けてきてるんで、Bチーム戦だけどここでは大差で勝つっていうのを意識してます。それこそ、さっき言ったムードを上げてくれている下級生達にもプレータイムを少しでも多く与えてあげたいです。それに矢嶋も怪我しちゃっていろいろ考えてると思いますし、全部負けたって言うと自分の怪我が悪いって思っちゃうやつなんで、あいつにも少し良い知らせをしてあげたいなと思います。怪我してる選手が抜けている状況ですけど、僕とか大木とかがチームをより良い雰囲気に持て行って、怪我してる選手達が戻って来たときに違和感なく気持ちよく入って来れるように、そしてより良いチームになれるように自分達がしっかり頑張って行きたいです。
PG伊藤良太(環2・洛南高)
昨日は矢嶋さんが抜けたことで自分達のやってきたことをうまく表現できなかったことが控えメンバーも自分も含めた反省点の一つで、矢嶋さんがすごく得点をとっていたので、その分を誰が補うのかといったら一人一人が役割を担っていて、慶應のバスケットはディフェンスなので、矢嶋さんがいない分ディフェンスをがんばって速攻をつなげるという形が二日間を通してしっかりやれていなかったのがガードとしての反省の一つです。今日は昨日の反省を含めてまずガード陣でミーティングして試合に臨んで、試合に出ている人は責任と自覚を持って、慶應の代表としてしっかりプレーをするということはやれたと思うんですけど、勝ちには繋がらなかったです。今いるメンバーでやるしかないので、練習からしっかりトーナメントに向けて練習していきたいと思います。(二日間での新チームの出来について)決して悪くはなかったんですけど怪我人が続出しちゃって、そこに適応できなかったのが今の現状であって、そこで怪我をしてない僕とか本橋さんが軸となってチームを引っ張っていかないといけないと思うので、今苦しいときなんですけど怪我人が復帰した時にチームがレベルアップすると思うので、今いるメンバーでしっかり練習してこれからに繋げていきたいと思います。(自身のプレーについて)やっぱり昨日矢嶋さんが抜けた分得点が取れず、そこで今は自分が取らないといけないと思うので、ガードですけど一対一をすごい意識してやっています。(明日に向けて)どこが相手だろうと自分達のバスケットをしっかりやることが大事だと思うので、しっかり勝って次に繋げたいと思います。絶対勝ちます。
SG大元孝文(環1・洛南高)
(2試合スタメンでしたが)怪我人が多かったので、僕が出るという形になりました。誰かの代わりをしようとは思ってないんですけど、自分のやりたいことをやっていこうと思って試合に臨んだものの、あんまり自分のやりたいことをやらせてもらえなかったですね。(大学バスケには慣れてきたか)そうですね。もう早い段階で練習に参加したり、六大学リーグも経験させてもらったりしたので、大学の試合に慣れるという面では、だんだん慣れてきました。(1年生としてのチームでの役割について)先生からも監督からも言われているんですけど、1年生だから丁寧にやろうとか先輩の穴を埋めようとかは考えなくていいし、1年生は1年生らしくハツラツと持ち味を発揮しなさいと言われているので、やっぱり怪我人が少ない中でも、僕は得点力を求められているし、高校時代もシューターとしてやってきたので、自分の持っている力を発揮して、ハツラツとやろうと考えていたんですよ。でも今回の大会では自分の頑張りたいことをあまり実践できなかったので、明日は自分の持っている力をハツラツと出してプレーしていきたいです。(1部のチームについての印象)1部のチームになると、ディフェンスのあたりが2部と違って強いです。青学は1部のトップレベルでやっていて、背も大きくてディフェンスも上手いし、大きい人が動けるというチームで、それは2部ではなかなか経験できない事なので、今回の大会で上位チームとやれるということは、いい経験になったので、それを来週から始まるトーナメントに繋げていきたいと思っています。(明日に向けての意気込み)全敗しているので、最後の1日くらいは慶大らしいバスケットをして、かつ1年生としてハツラツとプレーをして、自分の持てる力を発揮して勝ちたいと思います。
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