第20回早慶定期戦 VS早大
2012/5/20(日) 13:20F.O @日吉陸上競技場
チーム | 1Q | 2Q | 計 |
慶大 | 4 | 4 | 8 |
早大 | 3 | 0 | 3 |
試合は地力に勝る慶大有利かと思われたが、序盤早大の激しいプレスに苦しめられる。4分、慶大守備陣の間を縫うような豪快な一発で失点を喫すると、その後は早大ペースに。フリーシュートから同点に追いつくことに成功するも、早大の素早いパス回しの前に慶大は自陣に釘づけにされてしまう。それでもこのピンチを、G中曽根綾香(商4)を中心に守りきると、10分にはカウンターから佐藤主将が冷静にゴールを決め逆転に成功する。その後は、AT佐藤由佳(法4)、MD谷山なつき(経4)、AT廣野マキ(政2)らの個人技を中心に得点を重ね、4-3と1点リードのまま前半を終える。
迎えた後半、慶大が完璧な試合運びを見せる。5分谷山のシュートは惜しくも枠を外れるも、直後の6分鈴木早紀(政2)のシュートで後半初得点を挙げる。この直後のドローでもきっちりマイボールにし、試合を組み立てると、6分から12分までのおよそ6分間早大を完全に自陣に釘付けにさせることに成功する。さらに圧巻だったのは15分だった。早大の堅い守備を避けるべく、クリース裏にボールを送ると、そこから素早く中央の佐藤主将へ素早いパス。そのボールを、佐藤がジャンプしながらキャッチすると、その体勢のまま豪快に振り抜きシュート。佐藤のスーパーゴールで、慶大応援席のボルテージは最高潮に達する。大きな声援にも後押しされ、そのまま無失点で試合終了。節目の20回目となる早慶戦を、見事8-3と勝利で幕を閉じた。
宿敵早大に快勝した慶大だったが、試合内容としては「自分たちの目指す学生日本一という中では満足と呼べるものではなかった」(佐藤主将)と満足していない。とりわけ、攻撃陣に関しては佐藤、谷山らの個人の力への依存度が高いのが現状だ。ボールを持っている選手に対して相手のプレッシャーが来たときに、必ず「他が空いている」(大久保HC)。今回の試合ではそういった場面において、個々が強引に仕掛け、点を奪っていた。そうした戦い方は、「この先通用するプレーではない」(大久保HC)だけに、この先の課題となるだろう。
リーグ戦の開幕は8月。今季のチームは昨年主力として活躍していた4年生に加えて、廣野ら下級生たちも力を付けており、前評判は非常に高い。日本一という目標を達成するためにも、まずは強豪ひしめくリーグ戦の戦いぶりに注目だ。(文 石塚大樹)
以下選手コメント
大久保HC
(今日の試合を振り返って)スコアとしては8-3で勝ったんですけど、春先から取り組んでいる日本一になるためにということでは、点が付けられないほど良くないという風に思います。成果は全然見られなかったんですけど、試してきたことはやれてなかったので、良い悪いという評価を出来ないくらい違うことをやっていましたね。(具体的に悪かったところ)ボールを持った選手に対しては、向こうは1人目2人目とプレッシャーをかけてくるのですけど、その2人のプレッシャーがくることで、他が空いているんです。そこをうまく使えるように2月から練習していたんですけど、結局強引にその2人に勝負してそこを突破をして何点か取っているんですけど、それはこの先通用するプレーではないので、いくら点取って勝ったとしても、今後につながる勝利ではないし、このことを緊張感あるこうした試合で選択させられてしまったのは、チームの未熟さだと思います。その辺が今日一番良くなかったですね。攻撃的な選手はうちは多いんですけど、そうした選手が動いたときに、ディフェンスがいない場所にボールを動かして、攻撃をしていくというのが必要で、目指しているものの中で、そこが、全くできていない。個々の勝負だけで、点を取ってしまっている。というのが、一番悪いところです。(今年のチーム力は)今年のチームはメンバー的にもあんまり変わっていないですし、上手いというのはあると思うんですが、リーグ戦5試合と、決勝トーナメントすべてで上手くいくかというと、そんなことはあるわけではないです。去年はそれが決勝の立教戦だったんですけど、そういったゲームになったとしても、しっかりと持ちこたえてゲームを作っていくということが必要なのかなと思います。今日のゲームはそれが出来ていないというのっが、ベンチの評価ですね。ただ、リーグ戦の中で勝運だけで、試合が左右されてしまうので。(リーグ戦が始まるまで、数か月ありますが)選手個々が、どこが悪いのかということを分析して改善していかなければならないと思います。技術的な課題も全選手まだまだ持っていますし、試合の中で、敵に対してどういったことをやってかなければならないのかというのを経験していかないと、たとえ学生の中で勝てたとしても、社会人には勝てないと思うので、そこらへんの相手に対しての強さをもう少し覚えていかないのかなと思います。(ディフェンス面に関して)前半3失点、後半0失点ということで、ディフェンスはそんなに手ごたえはないと思うんですけど。ディフェンスに関しては及第点なのかなと思います。後半0失点だったのは、早稲田側のミスもあると思うんですけど、前後半3失点ずつというのは、計算していた点数ですし、今まで課題ととらえていたんですけど、今日は良かったですね。やられ方も悪くなかったですし。そういう意味で良かったですね。(日本一に向けて)少し視点が変わってしまうんですが、マイナースポーツですし興味ない人も多いですし、そういった人たちから見られても、見ていて楽しいと思えるような強いチームを作りたいですし、今日の早慶戦ももっと楽しんでもらえるような内容にしたかったし、それが出来るメンバーであったと思うので、そこの点ではもっと魅せたかったなと。これだけの人が来ていたんだから、数字だけではなくて、今シーズン慶應のラクロスを見ていて面白いと、楽しめると、そういう中で強さを身に付けたいです。
佐藤由佳主将(法4)
(今日の試合を振り返って)勝てたのは良かったんですけど、自分たちの目指す学生日本一という中では満足と呼べるものではなかったと思います。点差を付けて勝つということを目標にしていたんですけど、やはり内容的にはディフェンスがしっかりと守ってくれていたのに対して、オフェンスの部分で決めきれないということがあったので、改善していきたいです。(今年のチームの力はどうか)やはり去年の試合経験のある選手たちがたくさん残っているというのは事実で、それはアドバンテージにしたいなとは思います。ただ、それに甘んじてしまって、だれにでもできるゴールに向かう強さであったり、気持ちというものがもう少し強くしていかなければいけないと思うので、これから、そういうところを意識してやっていきたいです。(現時点での改善点) 一番は、技術的な部分が結構できている分、誰にでもできるような部分にこだわりを持って、気持ちを強く持っていくというところです。(個人としては)個人としては、シュート決定率と、そこに持っていくまでの過程で、1on1で抜いて相手を抜いて持っていくということがまだ少ないので、1on1でのアタック力を付けたいです。(今年は主将になったが)私は、プレーが天才的なわけではないので、そういう風にプレーで特別引っ張っていくことはできないので、普段の試合や練習で引っ張っていく姿勢とかで、チームを引っ張っていきたいです。(リーグ戦の組み分けについて)実際かたよりはあったとは思うんですけど、日本一になるためにはどこかしら強いところと当たらないといけないと思うので、どこが相手でもしっかりとやっていくだけです。(今シーズンの目標である日本一に向けて、これからリーグ戦までにやっていきたいこと)早慶戦までは、結構ディフェンスのセットディフェンスをメインにやっていたんですけど、これからはオールコートディフェンスをやっていきたいなという風に思います。
MD谷山なつき副将(法4)
(試合を振り返って)勝てて一安心しましたというのが正直な感想です。負けてもおかしくない試合だったかなという思いもあります。というのも、自分たちがやりたかったことがやれなかった試合だったので、やれなかった割には勝ててよかったなと思いました。でも今後リーグ戦があるので、そこでは今日のような内容の試合は出来ないので気を引き締めたいと思います。(快勝した早稲田についてどのような感想を持っているか)早稲田はうちらの弱点であるサイドからのくずしをやってきていたと感じたので、それに対して修正しなければいけないと思いましたし、外で回して3秒をうちのチームが何度も取られていたので、そこは改善しなければいけないなと思っていました。(改善点は)やはり個々が強いチームだと思ってて、だから今日も勝てたと思うんですが、チームとしてはまだ強くないと思うので、チーム力を高めていって、やりたいことを体現できるチームにしていけたらなと思います。(最後にリーグ戦に向けての意気込みは)まだまだ伸びるところはたくさんありますし、これからすごい成長できるチームだと思っているので、リーグ戦日本一に向けてこれから頑張っていきたいと思います。
AT廣野マキ(政2)
(今日の試合を振り返って)点差を付けて勝つということを目標にしていたんですけど、やはり内容的にはディフェンスがしっかりと守ってくれていたのに対して、オフェンスの部分で決めきれないということがあったので、改善していきたいです。(早慶戦今年と昨年を比べてみて)去年は入部したてで、応援席で応援しているだけだったんですけど、去年のリーグ戦を経て、また新チームで公式戦に出るのは初めてで、慶應の強さを見せる良いチャンスだったんですけど、やはりもっとできたんじゃないかなと思います。(今年の慶大ラクロス部を客観的に見てどうか)リーグ戦を経験しているメンバーがほとんどで、学生日本一を目指せるメンバーではあるとは思うんですけど、まだまだ安定的なイニシアチブなラクロスを目指している中で、十分ではないと思うので改善していきたいです。(現時点での改善点)自分のことなんですけど、技術的にもまだまだ伸ばしていけることがあると思うので、このままの強さよりもさらに上を目指せると思うので、一人一人の個人技術をはじめとして、チーム力は上がっていけるんじゃないかなと思います。(個人の改善点について)基礎的なことなんですけど、左手の技術がまだまだ右手に劣っていて、考えながらプレーして、判断能力がもっと早くなるようにこれから練習していきたいです。(MVPに選ばれていたが)本当に光栄なことで、まだ試合内容としては、自分の中では思う様に出来なかったので、まだまだ改善していきたいです。(リーグ戦の組み分けについて)私は、どこの相手と戦っても自分たちのプレーをして勝つというのを掲げているので、組み分けは何でも大丈夫です。(今シーズンの目標である日本一に向けて、これからリーグ戦までにやっていきたいこと)コーチにも言われたんですけど、一つ一つの練習の中で、公式戦のない中で、どれだけ試合をイメージできるかで勝敗が分かれると思うので、練習中から試合をイメージして、取り組んでいきたいです。
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