【ラグビー】最終戦も制し、春季大会Bグループ優勝を決める!関東大学春季大会/日大戦

先制トライを挙げたWTB鈴木副将

梅雨を迎え冷たい雨が降りしきる中、春季大会最後の相手、日本大学に挑んだ慶大。序盤こそ攻め手を欠き得点できずにいたが、ディフェンスでは終始日大の攻撃を封じ込め「守りの慶大」を体現。後半では守りから攻めにリズムを作り出した慶大が24-14で日大を下し、春季大会4戦全勝でBグループ優勝を早くも決めた。

関東大学春季大会B VS日大

6月16日(土)14:30K.O.@日大稲城グラウンド

 

 

得点
慶大 チーム 日大
前半 後半 VS 前半 後半
PG
DG
19 小計
24 合計 14
 

得点者(慶大のみ)

 

T=鈴木貴、青木、甲斐、小山田

 

G=瀧口2

 

出場選手
ポジション
1.PR 青木周大(商2・慶應)
2.HO 渡辺祐吉(経4・慶應) →16.中尾廣太郎(環3・長崎北)
3.PR 平野裕馬(環4・国学院久我山)
4.LO 遠藤洋介(環4・国学院久我山) →18.小山田潤平(経2・慶應)
5.LO 佐藤大朗(総4・国立)
6.FL 茂木俊和(理4・清真学園)
7.FL 森川翼(環2・桐蔭学園)
8.NO8 伊藤豪(環4・福岡)
9.SH 宮澤尚人(法2・慶應)
10.SO 木村亮平(商3・明善) →21.大石陽介(環3・修猷館)
11.WTB 瀧口晃太郎(文4・桐光学園)
12.CTB 高田英(経4・慶應志木)
13.CTB 甲斐鑑(理4・千種)
14.WTB 鈴木貴裕(経4・慶應)
15.FB 新甫拓(経4・慶應)
 

 

SH宮澤はこの日はフル出場となった

遂に迎えた春季大会最終戦。雨の中での試合という悪条件のもと、慶大はFwdを主体にうまくゲームをつくっていく。序盤から何度もラックを形成し、激しいタックルが繰り返される。「セットプレーが安定していた」(佐藤・総4)こともあり、ショートパスを絡め徐々に、正確に敵陣に切り込んでいく慶大。前半14分、辛抱強くフェーズを重ねた慶大は敵陣深くマイボールスクラムからCTB高田(経4)、SO木村(商3)と正確につなぎ、最後はWTB鈴木貴(経4)が中央から抜け出しトライを決めた。しかしここから日大がエンジンをかけ始め、慶大の守りの時間が続く。日大は大型外国人選手を中心としインサイドブレイクを試みるが慶大Fwd陣がこれを抜かせない。だが日大はそれでも22分、キックで陣地を拡大し、慶大は遂にトライを許し5-7と逆転されてしまう。集中力が切れてしまったのか、このトライを境に相手の素早いアタックにディフェンスが追いつかなくなってくる。そんな中でも相手のペナルティに助けられ、逆に慶大が敵陣深くにカウンターを仕掛ける場面も見られた。だがインゴール目前でハンドリングミスを犯すなど決定力を欠き、得点できない。互いに決定機を逃し悪い流れが続く中、前半終了を告げられてしまう。

 

PR青木はフィールドプレーでも見せ場を作った

しかし、前半の流れをかき消すかのように、後半はまさに「守りの慶大」を体現できた時間であった。後半7分、Fwd全員でフェーズを重ね、良い形でPR青木(商2)がトライを決めると、ここから慶大の真髄が顔をのぞかせる。一対一でもほぼ確実に突き刺さるタックル、強くプレッシャーをかける積極的な姿勢、コンタクトスピードの上昇、あらゆる条件が重なり、安定のディフェンスをみせる。また慶大は守りから攻撃のリズムをつくり出し日大をオフェンスでも圧倒。後半12分にはマイボールスクラムからCTB甲斐(理4)が力づくで密集地帯をこじ開けトライ。17-7と突き放す慶大は流れに乗りつづける。自陣を攻め込まれても冷静に要所で抑えゲインを許さない。しかしこのまま良い流れが続くかと思われた前半23分、慶大Fwd陣に疲れが見え始める。スクラムからのクイックリスタートで素早い動きをみせる日大にFwd陣が追いつかずトライを奪われてしまう。コンバージョンも決められ17-14、詰められる点差。しかしここから奮起したのがBks陣だった。前半からFwdに多くを頼っていたために「Bksでもテンポを作って攻撃の起点になれれば」(宮澤)とFwdを助けるべく積極的に攻撃参加していく。危惧していたハンドリングミスこそあるが、有り余った体力で日大Fwdを翻弄。30分にはLO小山田(経2)がトライを挙げるなど、最後まで相手を自陣を釘付けにさせ24-14でリードを守りきることに成功した。

 

後半はまさに「守りの慶大」だった。理想とした低く速いタックルも決まり、終盤には「攻撃が最大の防御」であることも知ることができた。だが100%慶大らしさを出せたわけではない。持ち味のパス回しでは雨とはいえミスを連発した。また「最後取りきるところで取りきれず」(瀧口)いたBksに課題が残る。春季大会を制した慶大。だがあくまで彼らの目標は対抗戦優勝、そしてその先にある。慶大フィフティーンがひとつになったとき、今日をはるかに超える彼らに出会えることだろう。

 

試合後、集まった観客に挨拶をするFL茂木主将

【ケイスポ的MOM 帰ってきた頼れる主将 FL茂木俊和】

頼れる主将、茂木俊和(理4)が遂に帰ってきた。主将としてスタートしたシーズン。しかしけがでここまで離脱を余儀なくされていた。「プレーに追いついていない」と復帰戦こそ満足のいく内容ではなかったが、チームの士気を上げるため、積極的に密集にも参加した。慶大ラグビーの体現にこの男は必要不可欠だと思わせるようなひたむきなプレーを見せた。「いてくれるとすごく安心感がある」(宮澤)と仲間からの信頼も厚い。先に待つ帝京大戦、来る秋シーズンに先駆けたこの男の復帰は、果たしてチームをどこまで強くしてくれるのだろうか。

 

 

                            (記事・宮本 大)

 

 

コメント

 

FL茂木主将

(けがは完治したのか)そうですね、もう問題ないです。(けがからの復帰後初のAチーム戦だったが)一応明大とのCチーム戦に出場したんですが、Aチームへの復帰戦となりましたね。プレーが追いついてないというか、すごく疲れました。僕だけチームの決まり事を守れていないところもあってふがいなかったです。勝てて良かったですが、僕自身としては課題が残りました。(チームへの慣れという点であまりうまくいかなかったのは)モールやフォローの人数、FLが入るべき場所などのミス、ファーストタックルをすごく外されてしまったところが多い点などが良くなかったです。(振り返って)僕たちはエリアをもっととりたかったです。キックを使って敵陣に入って攻める、というのができませんでした。あとはノーペナルティという目標が守りきれてなかったです。慶大の反則が今日も11個あったそうで、それはすごい多い数字だと思います。フリーキックも相手に何本も与えましたし、せっかく敵陣に入れているのにもったいなかったです。あとは雨だったので、もっとパスを回していくのではなくて、ワンパスで当たっていくとか、シンプルなプレーに切り替えていけたら良かったかもしれません。Fwd戦は)スクラムは良かったみたいです。ラインアウトは途中までは競れていなかったですが、途中からプレッシャーをかけたり、マイボールにできたりしたのでそういうところは良かったです。今日はモールがそこまで良くなかったですね。これは僕のせいでもあるので次回修正して臨みたいです。(自身のタックルについては)まだまだですね。前半は相手も慶大も疲れていなくて、外されてしまうシーンがとても多かったです。ビデオを見てあとで反省したいです。(今大会Bグループ優勝を決めたが、チームメイトを見て思ったことは)僕が上から言うのはすごくおこがましいんですが、みんなすごく成長したと思います。みんな今年のはじめよりもだいぶうまくなっていると思います。去年からシニアで出場している選手とのギャップを埋めるのが下級生も最初は辛かったと思うんです。それを頑張って埋めてくれました。だいぶ今はチームがまとまりつつあると思うんで、この勢いのまま、もっと良くなるようにして夏合宿を迎えたいです。(春には帝京大戦も残っているが)2週間あるのでしっかり準備していきたいです。反省がいろいろありますし、春やりたいことを帝京戦で出し切れればいいと思います。しっかりやりたいと思います。

 

 

PR青木

(今日の試合を振り返って)スクラムを安定させることを頭に置いて少しずつよくなってきているんですけど個人的にペナルティが多くてチームに迷惑をかけてしまったのが悔しいですね。(雨だったが影響はあったか)雨だとミスが多くなるのでその分スクラムの数が増えるという話をしていてFwdからゲームを作っていこうということでした。Fwd戦全体について)日大に対してFwdでまえに圧力をかけて、もちろん雨なんでFwdが持つ機会が多かったんですけどしっかり前に運ぶことができたと思います。(しっかり守れている印象だったがなにか心がけていたか)僕はPRで守れる幅が大きくないので自分が守れる最大の幅をしっかり守れるように、ひとりひとりが仕事をしてくれてそれがしっかり出来たと思います。(今日のトライシーンを振り返って)Fwdが少しずつ進めた結果僕が決められたということなのでやっぱりみんなでとったトライかなと思います。(今日でた課題)個人的にはペナルティを減らすことかなと思います。ゲームが進んでいくうちに熱くなってしまって冷静になれていないところがあるので、レフリーとか仲間の声を聞いてチームに迷惑かけないように丁寧にやっていきたいです。(春季大会すべて消化したが総括してどうか)昨年Aチームにでられなくて、今年から少しずつださせてもらって個人的にはトライを決められてすごく嬉しかったですし、でも対抗戦の相手はもっと強いチームばかりなので十分に練習してチーム全体にとってプラスになれるような選手になりたいです。(春には帝京戦も控えているがそれについて意気込み)帝京大学が大学の中でも一番強いですし、それでFwdも強いので、慶應の代表として出るからにはしっかり体張ってプレーしていくことを最低限やっていきたいです。

 

 

PR平野

 

(春季大会優勝を決めたが)全体的にもっと楽に勝ちたかったです。優勝はできたんですけれども、どの試合もあまり自分たちのなかではいい結果ではないと思っています。これからもっと高めていって、いい形で対抗戦を迎えたいです。(試合を振り返って)雨なのでミスが多くなるというのがわかりきっていました。そのなかでスクラムは僕らが有利だと思っていたんですがあまり圧倒することができなくて、相手ボールも獲得できませんでした。もっとセットプレーで圧倒したかったです。(モールについては)押し切りたいと思っていましたが、少し受けてしまったり、ポジションの確認がうまくできなくて間違えているところもあったので、詰めていって自分たちの武器にできたらいいと思います。(自身のプレーの出来は)僕のディフェンスのセットが遅くてトライを取られてしまったところがありました。自分の持ち味のスクラムに関して、チーム全体を盛り上げられるようなスクラムを組むことができなかったので、あまり良い出来ではなかったと思います。(途中でHOは中尾選手に交代したが)中尾はフィールドプレーが売りだと思いますが、スクラムもくんでいて違和感はそんなになかったのでよく頑張ってくれていると思います。(春シーズンは帝京大戦も残っているが)帝京の看板はFwdで、セットプレーが売りだと思っています。Fwdの勝負になると思うので、思い切り挑戦したいと思います。

 

 

LO佐藤

(今日の試合を振り返って)先週明治戦でディフェンスがよくなかったんでDFしかフォーカスしないで今日はディフェンスから行こうということだったんですけど前半の入りとか外されてしまったところがあるのでまだまだかなと思います。(雨の影響はあったか)ハンドリングでBksにミスが出てそこでスクラムを組む回数が多くなったんですけど、そこは雨の試合で想定してたんでFwdで行こうという話でした。Fwd戦について)ラインアウトとかのセットプレーは安定してたんでよかったんですけど運動量が少ないところがあったので、もっと走って走って走り勝つラグビーができたらよかったなあと思います。DFで心がけていること)前回の試合で内側を抜かれるインサイドブレイクが多かったので今日は抜かれても外でということを話していたんですけど、そこはうまく修正できていたと思います。(課題は)ずっと春とおしてですけど、攻め手がうちなくて得点力不足が課題です。まずはDFからなんですけどよく守れていても点取らなければ勝てないんでそこは夏合宿に向けてやっていかなければいけないです。(春季大会終えて)下位のグループで一応全勝できたんですけどその中でも一つ一つ全部勝てても、ひとつひとつ課題が出てそれを解消して積み重ねていきながらここまで来れたとは思っていないので、最後帝京戦もあるんでしっかり練習していきたいと思います。

 

 

SH宮澤

(今日の試合を振り返って)雨でボールが滑ることもあり、思うようにできないところが多々ありました。(茂木主将がAチームに復帰しましたが)茂木さんはすごくタックルがいいので、いてくれるとすごい安心感がありますし、復帰初の試合だったので絶対勝とうという話をして臨みました。(ゲームメイクで意識した点は)全体としてはコンタクトスピードが明大戦の課題で出ていたので、そこを修正することです。個人では慶應のアタックをするためには、やはりテンポを上げるというのと、もっとFwdを動かしていくということを意識していたんですけど、そこがちょっと上手くできていなかったからあまり攻撃ができなかったのかなと思います。 (春季大会を終えて)一応全部勝てたというのはよかったことなんですけど、やっぱりもうちょっと慶應のラグビーがまだできていないところがあるので、そこを突き詰めてこれからやっていきたいです。(帝京大との練習試合も控えていますが、今後に向けて)春シーズン最後の試合が帝京大学とで、そこをこれから一番フォーカスして練習していくので、もっとチームで突き詰めて慶應のラグビーを追求していきます。

 

 

WTB瀧口

(今日の試合を振り返って)今日は個人としてはノックオンとかのミスが多く、FWに迷惑をかけてしまい、反省点が多かったです。また、BK陣としても最後取りきるところで取りきれず、また外側でのミスが多かったのですが、それらは単純なミスであるため、雨という悪条件もありましたが、意識の問題であるためにそこをしっかりしないといけないと思いました。(キックの調子は)当たりは良かったですが、結果から振り返るとまだまだでした。(後半修正したことは)雨だったので、敵陣でプレーすることと、後半相手の運動量も落ちてくるので、積極的に外に回して走り勝つことを心がけましたが、そこでミスが出てしまったので、それがなければもっと慶大のペースになっていました。(交流戦を振り返って)勝てたことは良かったですが、失点が多かったのでディフェンス面はまだまだです。(帝京戦に向けて)帝京戦はオフェンスの時間が少なくなり、ブレイクダウンでの圧力もありますし、ディフェンス面でしっかり2週間修正していきたいです。(対抗戦に向けて)相手も強いので、しっかりとしたディフェンスをしたいと思います。

 

 

CTB甲斐

(今日の試合を振り返って)最初の方にFwdを上手く使えなくて、最後の方はFwdが疲れてしまっていたので、最初からBksでもテンポを作って攻撃の起点になれればよかったと思います。(茂木主将の復帰について)先週のジュニアから、今週シニアに上がってきて、やっぱり僕らとしても主将が戻ってきてくれたというので、1週間士気も上がって練習できていたので、そのいい士気のまま、もっといい試合ができたんじゃないかなというのはあります。試合結果としてはちょっと残念かなというのがあります。(フォーカスした点)明大戦はAでは出ていなかったんですけど、タックルが高かったりだとか、一人目のタックルで外されているっていう課題が出ていたので、全体としてまずタックルは課題だったんですけど、僕は外の方にいるポジションなので、内側にいるみんながもっとタックルしやすいようなディフェンスラインを整えられるようにということを意識してやっています。(トライのシーンは)今年ずっと言っているレッグドライブという、足をずっとかき続けるというところがしっかりできて、そこに他の選手が後ろから押してくれるハンマーというプレーが上手く合わさってのトライだったので、今年目指しているものの一つの形かなと思います。(春季大会を終えて)もっとBksでテンポを作ってFwdを楽にさせてあげたいなというのがあります。どの試合でも最後Fwdが疲れてきて、ディフェンスなどで走れなくなっている場面があるので、アタックでもっとBksが助けてあげて、Fwdが最後まで走れるような試合展開ができればなと思います。(帝京大との練習試合も控えていますが、今後に向けて)今までで一番相手の体も強くてタフな試合になると思うので、そこは慶應らしくもっと体を張ったプレーで勝ちにいきます。

 

 

FB新甫拓

(今日の試合を振り返って)やりたいことが出来なかったです。今日試合に入る前にコンタクトスピードと ハーフへのターボに気をつけることと、先週不甲斐無い試合をしてしまったのでメンタルに気をつけることを話していましたが、特に前の二つがうまくいかなかったです。(後半修正したことは)雨ということもあり、敵陣でプレーをしようという話をしましたが、敵陣でプレーをすることは出来ましたが、トライを取りきれることが出来ませんでした。(交流戦を振り返って)Bリーグですので、勿論勝たなければいけませんが、それよりも自分たちのやるべきことが出来ているのかを振り返るとまだまだだと思いますので、次の帝京戦に向けて頑張りたいです。(対抗戦への意気込み)早稲田、明治は春試合をして、手応えがあった中での敗戦だったので、自分たちのラグビーの質をもっと高めていきたいです。

 

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