【端艇】第39回 全日本大学選手権大会 最終日

5位入賞を果たした男子舵手なしクォドルプル

5位入賞を果たした男子舵手なしクォドルプル 

 8月23~26日にかけて戸田ボートコースで開催された第39回全日本大学選手権大会。最終日となる26日は決勝・順位決定戦が行われ、会場には多くの観客がつめかけた。慶大端艇部からは順位決定戦に駒を進めた男子舵手なしクォドルプルが最終日のレースに登場。順位決定戦を1位で終え、5位入賞を果たした。また、同大会と並行して行われた第52回オックスフォード盾レガッタでは、慶應義塾大学Aクルー(男子エイト)が6位入賞を果たした。

前日の準決勝を2着で通過し、順位決定戦のレースに挑んだ男子舵手なしクォドルプルは3レーンでのレースとなった。これまでの戦い方から少し変えて「最初から割と飛ばしていって中盤までにはほとんど勝負をつけて」(山田・理4)というレースプランで挑んだ慶大はそのプランが功を奏し、序盤から1着を守る。しかし、レースは1000m地点までおよそ3秒の差の中に4艇がひしめくという接戦となった。その中でも慶大は力強い漕ぎを見せ2着と1艇身ほど差を離しての1着でフィニッシュ。「僕らの理想のレースができました」(関口・法3)と納得の内容で5位入賞を果たした。

この日でインカレは幕を閉じたが、9月の13~16日に開催される全日本選手権がすぐに控える。今大会で見えた各クルーの課題を一つひとつ解消していき、全日本選手権ではインカレよりももっと良い結果を期待したいところだ。

 【文・櫻井悠平】

 

【監督・選手コメント】

 畠山監督

(インカレを振り返って)対校エイトに集中して挑んだんですけど、負けてしまったので。残念な結果なんだけれど、一方で第二エイトがオックスフォード盾に出てなかなかいいレースをしてくれていて、この第二エイトと対校エイトで競って練習をしてきたので非常にレベルが上がってきた。16人いるわけだけど、新人もそうだし、オックスフォード盾には高校生も出ていたけど、慶應として全体で見るとすごく実は底上げができている。ただ、レギュラーのエイトが負けてしまった。なぜこうエイトに特化しているかというと、我々の目的は全日本選手権でのエイトに優勝することなので、社会人とレースをやらせたい。やっぱり全然違うので。そういった経験をさせることと、どこまで食らいつけるかということ、それからエイトのスピードレンジの中で戦いができる人数、今、16人くらいいるということで、いよいよこれで錬成していく。全日本でのエイトを作る下地ができてきたかなと。ちょっとエイトの結果が敗復で敗退という情けない結果だったので、そこは残念です。(この大会で見えた課題)男子も女子もこれは共通なんだけれど、一番大きいのは、練習でできていることが試合でできていない。ということと、もう一点はスタートで出れない、前半が遅いということ。ますます難しい展開にしてしまっている。スタートで出るためには非常にメンタルが重要になってくるんだけれど、その原因は分かっています。(その原因とは)結局、見ていたらできる。やらされていればできるんですけど、自分たちでやっていかないと。スタートつけるときはたった1人なので、監督・コーチは誰も見ていないので自分たちでどんどんやって、これだけやれば大丈夫だという状況でスタートつけないとなかなか自信を持ってスタートできないので。(ではこれからはスタートに重きを置いた練習になっていくということか)技術的には前半飛ばす練習をやっていくだろうし、クルーも多少いじると思います。(クォドルプルについて)クォドルプルはあまり練習をみれていないんだけれど、序列としたら対校があって、第二エイトがあって、その次がクォードになっています。(その男子クォドルプルが順位決定戦では1位だった)あまり練習ができているとは思えないので、真面目にやればファイナルAに行けたのでは、というところですね。ここから下のクルーは才能はあるけれど努力が足りないという感じですね。(全日本選手権に向けて)そのためにやってきているので、社会人を倒すということはなかなか大変なことなんだけれども、練習量は学生の方が多いんですよね。まったく倒せないという道理はないので、ちょっと常識を打ち破ってチャレンジしたいなと思います。

山田健太郎 (男子舵手なしクォドルプル S)

(今日のレースを振り返って)どういう風にレースを運ぶかというのが昨日までと違ったのですが、レースプランを変えて。そこでしっかり自分たちの決めた違うレースプランがでたのが本当に強みだなと思って、そこを出せたのが今日の勝利につながったのだと思います。(そのレースプランというのは)最初はそこそこに持ち味のコンスタントでどんどん詰めていくという展開だったんですが、今日は最初から割と飛ばしていって中盤までにはほとんど勝負をつけて、それでラストは上げてさらに離していくという少し攻めたレースをしていこうということだったんですが、それが割と体現できたのでよかったかなと思いました。(結果的に順位決定戦のレースは1位だったがそのことについて)組んだ日数とかを考えればそこそこ、思ったより良かったくらいの結果だったんですけど、まあまだ順位決定での1位であって決勝での1位ではないのでまだ上に4艇いることを考えれば満足していい結果ではないなと思うので、そこは来年に後輩たちがこれをいかして上りつめていってほしいなと思います。(この大会で見えた課題)こちらも昨日に言ったこととかぶってしまい申し訳ないのですが、決勝に行った4艇のうち3艇とはこのレースで並べたのですが、やっぱりどのクルーにも3、4秒差で負けるという結果でその3秒って意外と短いように感じますけどその3秒を逆に抜かすというのは壁があるなと思って、簡単に詰まる差ではないなということを痛感しました。体重がやっぱり66㎏を切っている選手がほとんどで、全体的に体が小さくて出力がやっぱりないとどうしてもそういった選手に勝てないので、筋肉をつけていきたいなと思うんですが、なかなか漕いでいるだけではつくものではないので、色々工夫が必要なのかなと思っていて、ちょっと大変な課題かなと思っています。(全日本選手権にむけて練習していくこと)このままのクルーで行くかは分からないのですが、今回、練習期間が短かったということで、徹底的な漕ぎこみでさらに上の出力を出したときに持ちこたえられるかとか、そういった練習は必要かなと。けっこうハードな練習になりますけど、それを積み重ねていかないと決勝には行けないかなと思いました。(全日本選手権に向けての意気込み)僕はちょっと学校の関係で出られるか分からないのですが、最後までこの部活に何らかの貢献はしたいと思うので、このクルーを含めてインカレとは比べものにならないくらい良い結果が出せるように何かしらの形で働きかけたいなと思っています。

森崎光洋 (男子舵手なしクォドルプル 3)

(今日のレースを振り返って)昨日話し合っていたレースプラン通りにできました。今まで目指していた、コンスタントで差すというのができてよかったです。(今日は1着でフィニッシュ、5位という結果について)欲を出せばメダルが欲しかったんですけど、今日できる最大限のことはできました。その結果として5位になったので、悔しさもありますが、嬉しい気持ちが大きいです。でもまだ上はあるので、そこは今後目指していかなければならないところです。(今回の大会から、今後につなげていきたい点は)僕ら四人でまとまることができたのが良かったです。このまとまる感じを、今後エイトに乗る機会があったら体現できたらなと思います。(課題点は)ストロークの山田さんがラストになると上げるんですけど、それについていくだけの体力など、フィジカル面で足りない部分があったので、そこがすごく悔しいです。まだトレーニングが必要です。(全日本は)一年生の僕は、まず全日本に出ることを目標にして、出たらまた、このクルーでできたようにまとまった漕ぎを目指します。そしてメダルを目指すと言ったら少し欲が出てしまっているかもしれませんが、できる最大限のことをして最高の結果を求めていきたいと思います。

太田徹 (男子舵手なしクォドルプル 2)

(今日のレースを振り返って)4日間で4本のレースをやったんですけど、その中で成長して最後に一番良いレースをすることができたので良かったです。(今日の勝因は)4人でやろうとしていたことを全員でやることが1番の目標だったんですけど、それをうまく出来たのでこの結果につながったんだと思います。(今大会での課題は)今回のクルーの中では僕が1番漕いでいる歴が浅くて僕自身に課題はたくさんあるんですけど、すごく良い経験ができたので、ここで得ることができた経験をこれからの試合に続けていければと思います。(全日本選手権での目標)今回のクルーで「4人で一つの目標を持って、4人で達成する」ということができたので、この先にもつなげていきたいと思います。山田さんと関口さんが昨年インカレでファイナルAまで残っていて、真ん中の森崎と僕を最終日に連れていってやろうという山田さんの強い気持ちを感じていたので、そのおかげで僕たちがまとまって最終日まで行けたし、その気持ちが自信にもなったので全日本でもクルーがどうなるのかは分からないんですけど、頑張っていきたいです。

関口慧 (男子舵手なしクォドルプル B)

(今日のレースを振り返って)僕らのクルーが目標にしていた、長い距離を一定して漕ぐということができたことが勝因だと思います。2つ隣りのレーンの東京外国語大が最後あげてきたんですが、そこに一回も刺されることなくレースを終えられてよかったです。僕らの理想のレースができました。(大会の最後のレースを1位で終えることができたことについて)理想のレースができて、それで1位になれて非常に満足しています。クルーを組んでからまだ1週間くらいしか経っていない上に、クルーの3人が大学からボートを始めた未経験者だったのですが、なにも知らないところから始めてここまでこれたというのは、収穫です。(逆にこの大会で課題は見つけたか)今回はファイナルBで、明大や日大のようないい漕手のいる大学とは戦っていないので、まだまだ実力が足りないと感じています。(全日本選手権に向けてやっていきたいことは)インカレでは最終日まで残ることができたので、それを次につなげて、全日本でも最終日に漕げるようにしたいです。(練習で取り組みたいことは)今回の大会では4人乗りでは、4人全員で進めるということを目標にしていたのですが、それができたので、次どの船に乗るのかわからないですが、次のレースでも全員で漕ぐという慶應らしさを出していきたいと思います。(個人的に取り組みたいことは)パワーをつけて、日大のように力のあるクルーに対抗できるようにがんばりたいです。

 

種目

タイム

男子舵手なしクォドルプル

6′27″13

 

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