【ラグビー】関東大学対抗戦直前インタビュー①〜主将・副将編〜

今年はどんな戦いが繰り広げられるのだろうか

今年も関東大学対抗戦の季節がやってきた。慶大蹴球部は16日(日)に秩父宮ラグビー場にて筑波大との初戦に挑む。

 今回慶應スポーツは、来る対抗戦に向け闘志を燃やす蹴球部の注目選手陣に、ここまでに取り組んだことや対抗戦への抱負を伺った。第1弾では茂木俊和主将・渡辺祐吉副将・鈴木貴裕副将のそれぞれの選手のインタビューをお届けする。

 

茂木主将

 

★ 茂木俊和主将(FL・理4・清真学園)

「慶應伝統のタックルを見てほしいです。これが慶應のプライドなんだ、と」

 

――夏合宿では特にどのような点を強化しましたか

全体としては基本スキルの徹底をしました。あとは他の大学は僕らがテスト期間の間に既に練習を開始していたので、取り返すためにもウエイトもフィットネスもやって、おいしいところを取っていかないといけなかったです。きつい日程にはなりましたが、基本スキルも良くなりましたし、フィットネスも向上しました。フィジカルをあげることにもなりましたね。Fwdとしては夜までスクラムを組み込んだり、モールも強化しました。セットプレーの強化は毎年のFwdのテーマなので。僕自身は何か特別これを強化した、というところはないです。自主練をする間もないくらい忙しい合宿でした。

 

――厳しい合宿を終えて変わったことは

ウエイトもきついフィットネスもしていたなかで、前日の体重を下回らないようにご飯を食べたりするのはすごくきつかったですが、得られたものは多かったですね。結構なカロリーを摂っていたと思います。食事の回数も4食くらいですね。本当は1日5食とりたかったんですが、チーム全体で動いていたので。フィットネスが上がったなかで体重も変わらないというのはすごくいいことなのでそういうことは良かったです。

 

――夏の手応えは

一番の収穫は戦い方が変わったことです。春など今までは試合の入りが悪かったのですが、最初の10分でトライがとれるようになりました。夏合宿は(対外試合を)3試合行って2試合負けてしまいましたが、入りが改善されました。みんなの気持ちの持ちようも変わったと思います。これは狙っていたことなので、できるようになって良かったです。

課題としてはタックルの精度や80分間をどう戦いぬくか、という点です。もっと詰めきらないといけないと思います。ディティールの部分をこれからやれたら良いかな、と思います。

 

――今年は、昨年の’for’のようなスローガンはありますか

今年はないです。スローガンはありませんが、合宿中は「タフ・チョイス」というのがありましたね。よりタフな方を選択しよう、と。みんな口々に言って乗り越えていました。

 

――現在のチーム状況は

けが人については夏合宿とあまり変わりません。数人けがをしてしまい、リハビリの選手などもいますが。ですが、けが人がゼロだったら一番強いチームを作れると思うので、けがをしている選手にはみんな早く復帰してもらいたいです。

 

――下級生である2年生の活躍も光っていますが

2年生はすごく良いです。強い人も多いですし、下級生だからこそのびのびやれると思うんです。そこを僕たちが上手くフォローしてあげていけばいいと思います。U-20(日本代表)の3人もいるので、下級生の力というのも頼もしいですね。

 

――現在主に行っている練習は

山中湖では時間のかかるアタックの練習を多くやってきました。その分ディフェンスに割けた時間が少なかったので、今ディフェンスの練習を多くやっています。「慶應はディフェンスのチームであり、魂のタックルのチーム」というのがあるので今必死に戻しています。練習時間の使い方は難しいですね。ディフェンスのセッションもやらなくてはいけないんですが、アタックのセッションも捨ててはいけないので。Fwdは他にもセットプレーの練習、Bksはキッキングスキルやパスの練習など、やることが多くあるので難しいです。

 

――主将として対抗戦を間近に控えた今の気持ちは

すごいプレッシャーがあります。ファンの方、OBの方など応援してくださる方がたくさんいるので、期待に応えなくてはいけないというプレッシャーは感じます。焦りもありますが、「すべてやろうとして詰め込みすぎても良くない」というアドバイスも受けました。僕自身はいろいろと重く考えてしまうタイプなんです。こういう考えでいいかな、明日の練習はどうしようかな、とか。最近1日1日日が短くなっていくのがわかるんです。夏合宿まではやりきるのが精一杯でしたが、ここからは能動的に自分たちでやらないと向上していかないと思います。部員が皆、もっともっとハングリーにできるんじゃないかな、と思っています。

 

――対抗戦の相手校にライバルの選手や勝ちたい選手は

FLなので、相手のNO8だったりSOなどのキープレイヤーに勝ちたいですね。帝京だったら外国人選手たち、早大だったら上手い10番と12番がいますし、そこを抑えたいですね。僕は毎回キーマンを抑えたいと思っています。特にひとり挙げるとしたら…難しいですね(笑)。帝京の1年生のイラウア選手ですかね。彼を一発で倒せれば良いですね。おそらく今の学生のなかで彼が一番強いと思っています。

 

――対抗戦、慶大の注目してほしいポイントは

やはり慶應伝統のタックルを見てほしいです。ここが慶應のプライドなんだ、と。

 

――今シーズンの目標は

大学選手権に優勝し、大学日本一になることです。そのために対抗戦は大事だと思っています。もちろん対抗戦優勝も狙いますが、段階を踏んでいく上で毎試合良い結果が出せるようにしたいです。僕自身はそれに沿えればなんでもいいです。

 

――茂木主将、お忙しい中ありがとうございました!

 

 

 

渡辺副将

渡辺祐吉副将(HO・経4・慶應)

「激しく鋭く勝ちに行きたい」

 

――夏合宿で集中して取り組んだこと

山中ではフィジカル、そして菅平ではチームプレーであったり試合実戦に集中して取り組んできました。

 

――体重調整について

食事で落とさないようにマネージャーの方とかが気を使ってくれて、おにぎりとかをつくってくれたのでそれを食べたりしてました。

 

――夏合宿で変わったこと

つらい練習に耐えてきたし、結果が出てないつらい時期があるので秋に頑張りたいっていう精神的な強さがつけられたのかな、と思います。チーム全体としても同じつらい合宿乗り越えてきたので一体感というかみんなで進もうとする姿勢が変わったと思います。

 

――秋への手ごたえを感じているか

やってみないとわからないですけど自分の持ち場、責任はしっかり果たせるようにやってきたつもりなので筑波戦から頑張っていきたいと思います。

 

――夏の練習試合での成果は

走って粘り勝つというラグビーをやっているので、その土俵にもっていかなければ勝てないということと、タレントが少ないので自分たちのミスを少なくやっていかなければならないということで、そうすれば勝てるということを明確に知ることができたことだと思います。

 

――まだまだだと思う点は

走って粘り勝つためにもまず初めの20分でその土俵にもっていかなければいけないので、相手にのまれたりやらせてしまうところがまだまだだと思います。

 

――筑波戦に向けて取り組んでいることは

Fwdはモールで取りきるところや、前にでてディフェンスすること、ラインアウトで優越すること、細かいところまでフォーカスしてやっていて、自分はスクラムとラインアウトで責任を果たせればと思います。

 

――やはりチームとしてはFwdで勝ちに行きたいのですか

Fwdのモールが取れて初めてゲームプランが成り立つのでそのプランを遂行するためにまずFwdが勝たないといけないと思います。

 

――筑波大の印象は

いいランナーがいっぱいいて、タレントチームかなと思います。

 

――対抗戦で意識するチームは

ひとつひとつのプレーを必死にやっていくだけなので特に意識しているところはないです。まずは筑波大ですね。

 

――他大の意識する選手は

やはり同じHOの筑波の彦坂(圭克)選手が機動力もあって素晴らしい選手だと思いますし、HOだと帝京の泉主将もいますし負けないように頑張っていきたいと思います。

 

――HO以外で意識する選手は

帝京の外国人選手たちですね。慶應の低いタックルで倒したいと思います。

 

――今のチームの状況は

夏合宿終わった段階であと3歩だなと話していたので、あと1歩のところまで来ていると思うので最後の残りの期間詰めて努力していきたいと思います。

 

――渡辺副将ご自身の状態は

この3日間で自分の全力を尽くせるようにコンディションは整えます。

 

――秋の目標・意気込みを教えてください

激しく鋭く勝ちに行きたいと思います。一つ一つ勝利をもぎ取ってチームに貢献していきたいと思います。

 

――渡辺副将、お忙しい中ありがとうございました!

 

鈴木副将

鈴木貴裕副将(WTB・経4・慶應)

「有名選手をシャットダウンして勝って、慶應のWTBもなかなかやる、と見せ付けたい」

 

――夏の合宿で取り組んだことは

 夏合宿の前半では、フィットネスとフィジカルの部分、基本となる身体の強化に当てていました。基礎的なフィットネスと、ウエイトトレーニングなど、個人個人にフォーカスを当てていました。合宿の後半に入ってからは、チーム、組織でのプレーというものにフォーカスを 移して、合宿では取り組んできました。 

 

――その成果はどのように現れていますか 

合宿の前半で、例年にないくらい走り込みをしたので、フィットネスの部分には多少自信というか、やってきたという自負があります。この自信が秋に支えとなると思います。チームというのも、春に結果が出なくて手探りだったのですが、それなりに手応えを感じる ことができているので、秋に良いパフォーマンスをしていくことができるかなと思います。 

 

――食事量を増やすなどのフィットネスの強化に、Bksである鈴木選手も取り組んだのですか

そうですね。もちろん走れなきゃいけないのですが、身体の大きさも非常に重要なので。走れても、その分体重が減って身体が小さくなってしまったら意味がないので、体重をキープしつつもより走れるようになることを目指して、減った分はその分食べるということで…中々つらかったです(笑)  

 

――夏の練習試合を振り返って

 勝利という結果は出せなかったんですけど、春に比べて個人が勝負すべきところが明確になってきました。チームプレーも、春は少しバラバラだったのですが、少しずつまとまってきてチームとしての形が見えた試合もあったので、そこは成長できているのかなと思います。

 

――夏合宿での収穫は

  春の試合というのは、チームプレーというよりは個人で勝負をして、色々なことを挑戦しながら課題を見つけて修正していく感じでした。夏合宿で、春に見つけた課題というのを修正して形にしていくというのをやっていたので、やはりチームプレーの部分で見えてきたことがあります。チームとしての力が上がったのが夏合宿での成果だったかなと思います。 

 

――見えてきたチームの方向性とは

 今年の慶應のラグビーは、走って粘り勝つというのがコンセプトなんですけど、相手より速くたくさん動くということですね。BksはFwdのために、FwdはBksのために何ができるのかっていうのをやってきました。方向性はもう、走って粘り勝つってことです。そのために、Fwdと Bksがすることをはっきりさせたので、相手を生かすためにチームプレーをすることですね。 

 

――夏合宿でやり残したこと、今後の課題は

  走って粘り勝つということは見えてきたのですが、それをするために一つ一つの精度が重要になってくるので、その精度にこだわって一つ一つのプレーを大切にミスなくやっていきたいと思います。 

 

――対抗戦について。初戦の筑波大の印象は

直接試合をやった印象ではないんですが、見ていて個人個人のタレントが揃っているチームだなと思います。一人一人のポテンシャルは高いですし、大きく速いです。慶應が筑波とやるにあたっては、個人での勝負よりチームがいかに動いていくかが、どれだけ組織が戦っていけるかが重要になってくると思います。

 

――対抗戦で鍵となる試合は

 やはり初戦ということで、筑波大戦は大事だと思います。初戦の入り方でそのあとも変わってくるので、大事に戦いたいです。でも他の早稲田、明治、帝京さんも夏にやって負けているので、どの試合も気の抜けるものではないです。一試合ずつ自分たちの持ち味を出せないと 結果はついてこないと思うので、自分たちのラグビーをやっていけるように頑張っていきたいです。

 

――意識しているチームは

 やはり、早稲田、帝京の2つです。帝京は3連覇を目指して今一番強いチームだとされていますし、早稲田はやっぱり負けたくないですね 。その二校は他の学校より意識してしまいますね。 

 

――春や夏に負けている相手に対してどのように戦うか

 

 慶應というチームは、どのチームに対しても身体の大きさでは劣っています。個人個人では負けてしまっているので、組織として戦います。一対一で勝てないなら、二対一で勝つ、ということが必要になってくると思うので、走って粘り勝つということを初志貫徹できるかが、 体現できるかというところだと思います。

 

――今強化していることは

 チームではやはり精度にこだわっていくことをやっています。個人としては、WTBとしてどれだけ積極的に勝負をしてゲインできるか、トライできるか。それが勝ち負けに関わってくるので、今年は最初で最後の対抗戦なので思いっきり積極的に今までやってきたことを出し 切って果敢に攻めていきたいと思っています。

 

――トライ数の目標はありますか

必ずどの試合でも1トライ以上はして、とれるのだったらなるべくたくさん、とれるだけとりたいです(笑) 

 

――今のチーム状況は

 夏合宿で初戦の筑波というのを目標にやってきたので、やることは明確ですし、やるだけですね。意気込みすぎているわけでもないし、気 合いが抜けているわけでもなく、良い状態で練習できています。 

 

――鈴木選手ご自身の調子は 

調子は、菅平あたりから決して悪くなくて、調子はあがってきています。筑波大戦にも良い状態で臨めると思います。 

 

――ここを見てほしいというプレーは 

どれだけ身体を張ってプレーできているかですね。アタックだけでなくディフェンスでも、どれだけチームに貢献できているか、身体を張れているところです。と、トライを挙げるところも見てほしいです(笑)

 

――秋の目標と意気込みをお願いします

もちろん秋の目標は、他の強豪校を倒して優勝することと、大学選手権で勝つことですね。あと個人的なことなんですが、筑波だったり早稲田だったりWTBで1年生のときから有名な選手が相手にはたくさんいます。僕なんかはほとんど試合にも出ていませんでしたし、今年が最初で最後の対抗戦です。やはり有名選手をシャットダウンして勝って、慶應のWTBもなかなかやる、と見せ付けたいと思います。

 

――鈴木副将、お忙しいなかありがとうございました!

 

(取材 高橋 茜・原 直生・宮本 大)

 

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