慶大女子ラクロス部が見事な逆転でリーグ戦2連勝を飾った。9月4日に関東学生女子ラクロスリーグ対早大戦が大井第二球技場にて行われた。結果は6-5で勝利。最大3点あったビハインドを跳ね返す劇的勝利であった。
関東学生女子ラクロスリーグAブロック
2010年9月4日(土) 15:50ドロー @大井第二球技場
チーム | 前半 | 後半 | 合計 |
慶應義塾大 | 2 | 4 | 6 |
早稲田大 | 2 | 3 | 5 |
前半の立ち上がり流れをつかみたい慶大は敵陣深くまでボールを運び先制点を狙うが、「ミスが前半多かった」(大久保HC)と言うように相手陣内で反則を犯してしまうなどなかなかゴールを奪うことが出来ない。逆に前半7分自陣ゴール前の混戦から早大に先制点を奪われてしまう。反撃したい慶大は直後の前半8分フィールド中央でボールを受けたMD善野主将(文4)が自らゴール前まで持ち込みシュート。すぐに同点に追いつく。攻勢に出る慶大は前半13分にもAT木本副将(経4)からのパスを受けたMD加藤(文4)がゴールを決めてリードを奪う。このまま慶大ペースの試合になるかと思われたが、「前半は相手に1対1であまり勝てていなかった」(谷山・経2)と流れを早大に奪われてしまう。守勢にまわった慶大は前半17分相手にフリーシュートを与え、これを決められ追いつかれてしまう。その後も何度かピンチを迎えるがG中曽根(商2)のファインセーブで勝ち越し点を許さない。リードして折り返したい慶大であったが、「決めるべき所で決められなかった」(善野)相手ゴーリーにもファインセーブが出て点を奪うことが出来ず、前半は2-2で折り返す。
後半、勝ち越し点がほしい両チーム、その欲しかった得点を奪ったのは早大であった。後半2分、4分に立て続けにゴールを決められ後半立ち上がり早々にリードを許すと、後半9分にも相手のパス回しにディフェンスが崩されゴールを許し2-5と3点のビハインドを背負ってしまう。しかし「ビハインドになる展開も予想していた」(善野)「チームが全員焦らず自分達がやってきたことをやった」(谷山)というようにここから慶大が底力をみせる。後半14分AT高橋(総4)が相手ゴール裏から持ち込み1対1で相手を振り切りシュート、これがゴールとなり反撃の狼煙をあげると16分にはMD谷山のゴールで1点差に追い上げる。さらなるゴールを狙い攻める慶大。その2分後の後半18分、早大の反則によって獲得したフリーシュートのチャンスからMD山崎(経4)が落ち着いてゴールを決めて再び試合を振り出しに戻す。試合終盤になって同点。1点がとても大きな意味もってくる展開の中その貴重な1点を奪ったのは勢いに勝る慶大であった。後半20分左サイドからのパスを受けたMD谷山が右サイドを駆け上がりゴール前に持ち込みシュート。これが決まり慶大が残り5分の時点で貴重な勝ち越し点を奪う。その後はこの1点を守るため敵陣深い位置でボールを回し、早大に攻撃のチャンスを与えない。試合終了直前の早大のカウンターも凌ぎ切り慶大が6-5で勝利を手にした。
「今までの他の大学とは意識が違った」(善野)という宿敵早大に見事勝利した慶大。しかし、「内容的にはあまりいいゲームではない」(大久保コーチ)「自分の出来は0点」(善野)などと言うようにオフェンス時の反則でチャンスをつぶす場面が目立ち、自分達のペースで試合を進められない時間帯が出てしまうような決して万全のゲームではなかった。次戦の相手は日本女子体育大学。「フィジカルが高く、ここぞという時のメンタルも強い」(善野)強敵だ。「今日より厳しい戦いになる」(谷山)と厳しい戦いが続くが、「一戦必勝」(大久保コーチ)の気持ちで勝利をつかむことに期待したい。
By Hiroki Nakajima
コーチ・選手のコメント大久保HC
(試合を振り返って)勝ったのが収穫です。(早慶戦、集客試合という独特な雰囲気の中で慶大のラクロスはできたか)できてないですね。泥試合です。中盤のフルフィールドのオフェンスを中心にやってきているんですけど、そこでのミスが前半多かったです。内容的にはあまり良いゲームではないですけど、逆にそういうゲームだからこそ個々の強さというのが重要になってきて、数字で上回ることができたというのは個々の選手の成長は見れたかもしれないですね。(チーム力としてはどうか)2-5になった後、点を取り返した後に選手が中で修正をかけているんですけど、そういうことができたというのはチームとして成長していると思います。(具体的な課題は)修正する時間が試合間がなくてあまりないので、どう絞り込んでいくか。ディフェンスはわりと良かったと思います。中盤のつなぎで縦だけになってしまったところとか、クリアのつなぎも課題です。あとはオフェンスのつなぎですね。今日はマンツーマンに対してのオフェンスだったんですけど、次の日女体大もマンツーマンなのでそれに対してのオフェンスのバリエーションですね。(次戦に向けてのコメントを)一戦必勝なので、東海大や東女体大が1位2位争いをしてくると思うので、とにかく勝つためのプレーができるように2週間意識してやっていきたいですね。
善野主将
(今日の試合を振り返って)ビハインドになる展開というのも十分予想していました。その中で一人一人が目の前の敵と勝負を仕掛けるという点で相手よりも勝っていたと思います。そこが今回の逆転勝利の鍵なのかなぁと思います(早稲田という相手に特別な意識はあるか)はい。やはり早慶戦ということで、早稲田が掲げている「断固」という言葉に対して「断固」だけには絶対負けないという気持ちで例えば走る時やアップの時から選手が声を出して意識していたという点では今までの他の大学とは違いました(今日の個人としての出来はどうだったか)0点です。やはり中盤でもそうですし、決めるべき所で決められなかったということが今まで練習をやってきた中で出来ていなかった部分なのかなと思います。ただ自分では0点なんですけど、チーム全体の評価としては一人一人のプレーは全員が良かったのでそう言った意味でチーム全体は100点だと思うんですが、自分は0点かなぁと思います(今日見つかった課題は)チームとしてはもう少しオールコートオフェンスで得点を重ねられるのかなぁと思います。自分達がやろうとしている所が駄目だった時にすぐ(新たな)選択肢を作るのを早くすればもっといい形でオールコートで攻められると思うのでセットに関してはやってきたことをしっかり出せたゲームだったと思いますが、それに対応された時にすぐに他の策に変えることが今日はベンチからの指示が出たあとにしか出来なかったので、そこの部分はプレーしている選手達が気付いて出来ればもっと良くなると思います。個人としてはシュートです。シュートを打つタイミングだったりコースだったり、クロスの振りかぶりという所がゴーリーにバレバレな最低なものだったのでそこが課題だと思います。(次戦の日本女子体育大学戦に向けて)やはり日本女子体育大学は体育大学だけにフィジカルも高いし、ここぞという時のメンタルも強いと思いますが、自分達のチームが今までやってきたことは相手よりも早くボールを予測して反応していくという所なのでその部分では絶対負けたくないし、あとは1対1の勝負ではいくら体育大学相手であっても一人一人がボールを持った時に強くゴールに向ってやっていきたいと思います。
谷山
序盤に競っていたが1度3点差にされた。そこでチームが全員焦らずに自分たちがやってきたことをやった。結果、巻き返したので良かったと思う。(早大に対して対策はあったか)相手が結構走ってくるのでそれに対するDFを積み重ねた。(相手が)マンツーマンのDFだったのでそれに向けて練習していた(ファウルが両チームとも多かったが)グラウンドボールを拾いにいかずにクロスを叩いてしまった。ただ苦しい時間帯では拾いにいけてボールを取れたことがポゼッションに繋がったと思う(自身のプレーでよかった点は)ダウンボールの反応。前半は相手に1対1であまり勝てていなかったが、ハーフタイムでコーチの方が相手に1対1で負けていたらこの試合はないと言われた。それから後半は目の前の相手に勝とうと思った。それが出来たことがよかったと思う(次の試合に向けて)体育大相手なので1対1の部分が課題になってくる。簡単な試合ではないので、今日より厳しい試合になる。点差が開いても自分たちのプレーを頑張っていきたい。
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