【ラグビー】セットプレーが安定せず、宿敵早大に完敗 Jr選手権/早大戦

突破を試みるNo.8白子 

今年もJr選手権がついに開幕した。この大会2連覇中の慶大の初戦の相手は去年12-8の接戦をものにした宿敵早大。しかし、早大がボールを持つ機会が多く、なかなか慶應のペースで試合が進まない。それでも慶大はディフェンス面で粘りを見せる。しかし「小さなほころびから点を取られてしまった」(CTB柚木ゲームキャプテン・商4)と結果は10-24と敗戦を喫した。

 

 

関東大学ジュニア選手権 第1戦 VS早稲田大学

2012/9/23(日)14:00K.O.@早大上井草G

 

得点
慶大 チーム 早大
前半 後半 前半 後半
PG
DG
10 小計 19

10

合計 24
 

得点(慶大のみ)

T=山田

G=慶田

PG=木村

 

出場選手
ポジション 名前(学部学年・出身校) 交代選手
1、PR 小田 基貴(商4・小倉) →16三谷 俊介(総3・国学院久我山)
2、HO 神谷 哲平(総2・桐蔭学園) →17中尾 廣太郎(環3・長崎北)
3、PR 山田 亮介(環4・国学院久我山)
4、LO 池田 尚(商4・慶應) →18松野 裕大(経3・慶應)
5、LO 吉田 真悟(経4・慶應)
6、FL 森川 翼(環2・桐蔭学園)
7、FL 石田 悠貴(経4・慶應)
8、No8 白子 雄太郎(商2・慶應)
9、SH 宮澤 尚人(法2・慶應)
10、SO 木村 亮平(商3・明善) →21慶田 兼紹(商3・慶應NY)
11、WTB 澤根 輝賢(総1・県立佐倉)
12、CTB 柚木 大佑(商4・慶應)
13、CTB 甲斐 鑑(理4・千種)
14、WTB 位田 陸(法3・慶應)
15、FB 武谷 泰(総3・国学院久我山)
 

ゲインを試みるFB武谷 

この日の天気は大雨。そのため慶大は「陣地を取ろうとしてキックを多めにしよう」(SO木村・商3)というゲームプランを立てた。しかしなかなかボールを奪えず試合は早大ペースで進む。早大の猛攻に対し、前に進むことが出来ないでいるが、長い慶大の守りの時間の中で「前に出るディフェンスと走って粘り勝つ」(CTB柚木ゲームキャプテン)ことを実践して早大に得点を許さない。また、タックルも低くしっかり決まる。前半6分には早大に右サイドを突破されるが早稲田がトライ直前でノックオン。相手のミスにも助けられ、試合序盤は膠着状態が続いた。すると14分、慶大の反則から22メートル以内での相手ボールでのラインアウトから早大の猛攻が始まる。18分には早大はキックパスを起点にトライ。慶大が先制点を献上してしまう。反撃に転じたい慶大は25分、左サイドから突破をするが、キックが上手くいかず得点に結びつけることが出来ない。すると、28分、ゴール前のラックから中央を突破され追加点を奪われてしまう。慶大はこの後も自陣に押し込められて苦しい試合展開を強いられる。37分には、中央での相手ボールスクラムから出たボールを左サイドにもっていかれトライを決められさらに19点差に。何とか得点を奪いたい慶大であったが、攻めのバリエーションが少なく、また相手のディフェンスもあり得点を奪えない。結局前半は0-19で折り返した。

 

何とか巻き返しを図りたい慶大。後半開始直後は慶大のペースで試合が進む。相手のキック処理のミスから敵陣内でのマイボールスクラムを得る。その攻撃の流れから早大のペナルティを誘い、ここで慶大はPGを選択。これをSO木村がしっかりと決めて慶大が3点を返す。しかし、この日はラインアウト・スクラムともにFwd陣のセットプレーが安定しない。そのため、チャンスを作ってもセットプレーでボールを奪われてしまい、決定的なチャンスを生み出すことが出来ない。この時間慶大はタックルが上手く決まらず、個人で早大の選手に突破される場面が目立つようになる。すると23分にもトライを決められ3-24と突き放される。しかし、ここから慶大は意地を見せる。夏の間に練習したというモールで早大ディフェンスに圧力をかけると、終了間際にPR山田(環4)が押し込んでトライ。このコンバージョンを木村に代わってSOとして途中出場した慶田(経3)がしっかりと決めて7点を返す。しかし、このまま無情にもノーサイド。攻め手に欠き宿敵早大に完敗を喫し大切な初戦を落としてしまった。

SO木村が攻撃のリズムを作り出す 

 

 

この大会3連覇を狙う茂木組。しかし、その初戦は不本意な結果に終わってしまった。特に「セットプレーが安定してなくて自分達からアタックの機会を失ってしまった」(CTB柚木ゲームキャプテン)とセットプレーが安定しなかったことが最大の敗因だろう。とくに、ラインアウトが不安定であった。また、雨が降っており、キックを多用したことで攻撃が単調になってしまった面もある。しかし、「ディフェンス面では得られたものがあった」(HO神谷・総2)と収穫点もある。「早稲田は特別な相手なので気持ちを入れていった」(PR山田)ためにショックもあるだろうが、優勝のためにはこのまま引き下がるわけにはいかない。なにより「BチームからAチームへ良い流れを送る」(SO木村)ために。前人未到の3連覇に向けて、茂木組は前進を続けていく。

 

 

【ケイスポ的MOM】成長を続けるSH,宮澤尚人

2年生ながらチームを引っ張るSH宮澤 

昨年からAチームを経験し、今季も活躍が期待される宮澤(法2)。この日は雨でボールが滑り苦しむ場面もあったが、攻撃の起点として安定したプレーを見せた。先週は対抗戦初戦の筑波大戦に途中出場。渡辺諒介(経3・慶應)というライバルとの争いもあるが、若手のホープがこれからも慶大を引っ張っていく。

 

(記事・住田 孝介)

 

 

 

 

 

コメント

CTB柚木ゲームキャプテン

(試合を振り返って)今日の試合は慶應のプライドを持って低いタックルと走って粘り勝つラグビーをしようと心掛けていました。全員が80分間低いタックルで前に出るディフェンスは出来ていたんですが、小さなほころびから点を取られてしまって負けてしまいました。ディフェンス面でやりたいことは出来なかったわけではないので、次に繋がるとも思いました。(早大戦というのは意識したか)慶應と早稲田ということで昨日の夜から意識していました。早稲田には慶應の低いタックルをしていかないといけないと思っていたので、慶應のラグビーを体現することは出来たのではないかと思っています。(今日の試合で特に良かった点は)前に出るディフェンスと走って粘り勝つという点についてディフェンスの時間が長い中で粘れたのは良かったと思います。(攻撃面はどうだったか)セットプレーが安定してなくて自分達からアタックの機会を失ってしまっていたので、セットプレーを安定させることから今後は始めたいと思います。(次週も試合があるが意気込みは)走って粘り勝つラグビーだとか低いタックルというのは慶應が継続していかなければならない部分なのでそこは継続して、あとは今週でアタックの部分を修正して筑波大戦は勝利を掴みたいと思います

 

HO神谷

(振り返って)きつい合宿をやって乗り越えてきたのに、試合で成果を出せないことはチームとしても個人としても残念な気持ちです。(今日はラインアウトが不調のようだったが)僕のHOとしての練習不足があると思います。あと、ラインアウトは個人ではなくユニットで合わせているので、チームとして合っていなかったことも悪かった点だと思っています。(見つかった課題)ラインアウトもスクラムもそうですが、セットプレーの安定に関することです。セットプレーの安定から試合は変わるので、それが一番の課題です。(収穫としては)点は取られてしまいましたが、ディフェンスは機能しました。ディフェンス面では得られたものがあったのではないかと思っています。Jr.選手権が今後3週間続くが)アタック力が足りていないと思っています。トライを取り切れる形をまたこの1週間で練習して、作り直していこうと思います。

 

PR山田

(今日の試合を振り返って)天候が雨だったのでいかに陣地を取っていくかというところをフォーカスしていって、それに加えて練習してきたブレイクダウンでの攻防というのをテーマとしてやってきたんですけど、雨だったのでキックが多くなってしまって攻め手がなくなってしまいました。それと自分たちが普段取れているラインアウトが壊滅的な状況だったのでセットが安定しなくて、厳しい試合になってしまったのかなと思います。(早大との対戦だったが)早稲田は特別な相手なので気持ちを入れていったんですけど、こういう結果になってしまってとても残念です。(自身の出来は)僕の課題はスクラムだったんですが今日は雨の中でも多少は安定させられたときもあったんですけど、要所でペナルティをしてしまったのでそこは改善していきたいです。(雨の影響はあったか)雨のゲームだと展開するのがなかなか難しくなってくるのでFwd戦での勝負になるのはわかっていたんですけど、そこで早稲田のバックサイドにしつこくいかれてしまってゲインを許してしまったことがFwdとしての課題だと思います。(次戦に向けて)まだ出場するかわからないですが今年からJr.選手権はファーストステージの順位で決勝トーナメントが決まるので、次で負けたら決勝トーナメントに進めるかが危うくなってしまうと思うので、気合を入れて取り組んでいきたいと思います。

 

SH宮澤

(今日の試合を振り返って)個々の力でやられてしまったかなという感じはあります。(ジュニア選手権開幕だったが)開幕が早慶戦だったので、絶対に勝とうと話をして臨みました。(早慶戦だと意識をする)そうですね。やっぱり勝ちにこだわっていきたかったんですけど、負けてしまって残念です。(雨の影響は)球が滑るので、キックでエリアを取っていこうと話していました。それはそれなりにできたかなと思います。(球出しについて)一回ミスしてしまったのが良くなかったです。あとスクラムの出し方をもう少し工夫しなきゃいけなかったかなと思います。(見つかった課題は)チームとしての課題は、セットプレーの精度が良くなかったことと、ディフェンスは良かったのですが最後で抜かれてる部分があったことです。個人としては、もう少しゲームを上手くマネージメントしていかなくてはいけなかったかなと思います。(次に向けて)来週また筑波とのジュニア選手権があって、そのあと対抗戦と、ほぼ毎週試合が続いていくので、しっかり準備して臨みたいと思います。

 

SO木村

(今日の試合を振り返って)ディフェンスで粘ることが出来ましたが、Bksで3トライ位取られてしまったため、もったいなかったです。また、攻撃の部分でスクラムもラインアウトも安定せず、攻め手に欠きました。(攻撃の組み立てで意識したことは)雨が降っていたため、陣地を取ろうとしてキックを多めにしようとしました。しかし、なかなかマイボールにすることが出来ず苦しかったです。Jr選手権の初戦だったが)相手が早大ということで意識しました。また、今年から大会の方式が変わり、2位以内に入らないと優勝できないため勝ちたかったです。(オフェンス面について)Bksはなかなかボールを触れなかったです。キックを多用したこともあり、アタックの形を作れなかったです。(ディフェンス面について)ディフェンスはFwd,Bksともに粘り強く出来ました。しかし、キックパスを2本通されたことと、Bksが簡単にボールを奪われたことはしっかりと修正していきたいです。(次戦に向けて)これから1週間しっかり立て直してBチームからAチームへ良い流れを送っていきたいです。

 

WTB位田

(振り返って)Jr.選手権の初戦ということもあって、緊張はしていました。雨というコンディションもあり、難しいところもありました。個人としてはトライを取りたい、ディフェンスを頑張りたいという思いで臨みました。ディフェンスはまずまずだったと思います。ですがミスが多く、トライも出来なくて負けてしまったのは悔しいです。まだ初戦ではあるので、次に向けて切り替えていきます。(トライ以外にフォーカスしたことは)早大はタックルしないと勝てないチームなので、ひたすらタックルすることは頭に入れてプレーしていました。(課題は)同じ雨というコンディションのなかでも早大の方がアタックの精度が高かったです。慶大もチームとしてプレーの精度を上げていかなければいかないと思います。これはチームとしても個人としても思います。Jr.選手権が毎週続くが)毎週試合があるので、落ち込まずに、課題を一つひとつ修正していきたいです。どんどん成長していきたいです。(今後の抱負)トライを取ることが自分の仕事だと思っています。次の試合ではトライを取りにいきたいです

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