10月13日(土)秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ第8日 慶大vs筑波大 @東海大湘南校舎総合体育館
●慶大2-3筑波大○
●慶大 |
セット |
○筑波大 |
30 |
1 |
28 |
16 |
2 |
25 |
22 |
3 |
25 |
25 |
4 |
23 |
12 |
5 |
15 |
勢いに乗りたい慶大だったが、第1セットの序盤は筑波大の高さのある攻撃に苦しめられる。しかし、野口(環2)のツーアタック、星谷(理3)の難しい体勢からのクイック、岡田のブロックなどで徐々に揺さぶりをかけていく。すると、野口がネット際の競り合いに勝って、19-19の同点に。その後は野口のサーブから相手を崩して4連続ポイントで一気に引き離す。しかし、筑波大もすかさず3連続得点を奪い返し、第1セットからデュースとなる。それでも、最後は柳田(環2)のスパイク、サービスエースによる連続得点で先取に成功する。
そのまま王手としたいところだったが、第2セットは慶大にミスが目立ってしまう。山本(環4)の高速クイックで幸先よく先制したものの、要所でサーブミスやスパイクアウト。一時は星谷、野口の連続ブロックで意地は見せたが、最後は攻撃が連続してブロックにシャットアウトされるなど6連続失点を喫し、16-25の大差で落としてしまった。
第3セットも悪い流れを断ち切ることができない。ここまでチームのけん引してきた間宮主将(政4)のスパイクが3連続ブロックされるなど、「センターを入れ替えてきた」筑波大に対応し切れず、苦戦する。エース柳田の奮闘で逆転、山本が相手エース・出来田のスパイクを止めて同点とする場面もあったが、終盤は振り切られて後がなくなってしまう。
しかし、迎えた第4セット、眠っていたエースが目覚める。第2、3セットと苦しんでいた岡田が得点を量産。序盤は相手サーブミスにも助けられ、効果的に得点を積み重ねると、慶大得意の多彩な攻撃が機能。野瀬(環1)の安定したサーブレシーブから、野口のトスワークが生かされ、そこからクイック、サイドアタック、バックアタック、移動攻撃が決まっていく。その中心にいたのはまぎれもなく岡田であった。このセットを25-23で奪い、雌雄を決する第5セットに持ち込む。
運命の第5セットは両チームの気持ちと意地がぶつかり合う。より一層大きくなる声とガッツポーズがそれを物語っていた。慶大は途中からスタメン起用された稲田(環2)のクイックで得点を奪う。さらにピンチサーバーで投入された前田優(環4)のサーブから流れを引き戻す連続ポイント。しかし、あと一歩及ばず。15点目を奪ったのは筑波大の方だった。
これで今年は春季リーグ戦、東日本インカレに続き、筑波大に3連敗となってしまった。しかし、未だ首位と優勝には一番近い位置にいることに変わりはない。最終日を残して、慶大、日体大、筑波大、早大の4大学が6勝2敗で並ぶ大混戦だが、セット率で有利に立つ慶大は、14日の中大戦に勝利すれば、自力優勝となる。昭和30年以来、実に57年ぶりの関東大学1部リーグ優勝はもうすぐそこだ。
「とにかく勝ちたい」(宗雲監督)。ここまで来たら、目指すべき場所と気持ちは一つ。作り上げてきた「自分たちのバレー」(野口)で、半世紀ぶりの偉業に挑む。
(文・並松 康弘)
★57年ぶり優勝へ★最終日を残して首位の慶大。14日(日)12:30(予定)から東海大湘南校舎総合体育館で行われる中大戦に勝利すれば、関東大学1部秋季リーグ戦優勝となる。前回の優勝は1955年(昭和30年)。優勝すれば、実に57年ぶりの快挙となる。
現在の順位表は
順位 | 大学 | 勝敗 | 得失セット(得/失) | セット率 |
1 | 慶大 | 6勝2敗 | 22/9 | 2.444 |
2 | 日体大 | 6勝2敗 | 19/10 | 1.9 |
3 | 筑波大 | 6勝2敗 | 21/12 | 1.75 |
4 | 早大 | 6勝2敗 | 20/15 | 1.333 |
慶大が敗れた場合でも、優勝可能性のある日体大、筑波大、早大がすべて敗れれば、慶大が優勝となる。
♦監督・選手コメント♦
宗雲監督
(惜しくも敗戦となりましたが、今のお気持ちは)半分はもう切り替えていますけど、半分は悔しいというのを叫びたいですね。心の整理をするためにも、どこかで叫びたいです(笑)選手にも切り替えようという話をしたので、私も切り替えます。(どの点で悔しさを感じるか)こちらがリードするチャンスが何回かあったんですよ。1セット目の序盤も相手のミスがあったのに決め切れなくて、チャンスボールやディグで取ったボールを生かせなかったです。結果論なので、例えばトスを挙げた(野口)剛志郎のトスワークを責めてもしょうがないし、きれると思って上げている剛志郎の考えもあるので、そこは全然責めるつもりはないですけど、スパイカーがちゃんと決め切れなかった、若干3セット目にブロックフォローが甘くなったんですよ。言っても突っ立っていて、大事な部分は何かということをみんなが忘れてしまっていることがちょっと悔しいですね。(序盤苦しんだ岡田選手が後半復調した)そうですね。岡田は向こうの出来田君と対峙していたので、ブロックに苦しんでいましたよね。途中向こうがセンターを入れ替えて、岡田に出来田君と李君を当てるようにして、向こうの思惑通りに岡田がつぶれていった。それに対して、岡田を変えるつもりはないので、岡田の攻撃パターンを、動き方を変えました。岡田と剛志郎と話をして変えたら、バラバラになってきたんです。岡田が生き返って、息を吹き返してくれたのは、ちょっと良かったですね。(攻撃の形が多彩でした)引き出しが増えてきました。選手たちがそういう攻撃でもできるというのを、今日確認できたので、明日引き出しが増えた中で、剛志郎も考えてやってくれるんじゃないかなと思います。(4チームが6勝2敗、明日の大一番に向けて)筑波さんには春、東日本インカレで勝てなくて、優勝うんぬんよりもとにかく勝ちたいと思っていたのに、同じ相手に負けてしまいました。中央さんも春この同じ体育館で、悔しい思いをしたので、とにかく勝ちたいですね。とにかく中央さんに勝ちたいですね。それが自分の中でのモチベーションになっています。選手が明日は頑張ってくれると思います。
間宮 秀太 主将(政4)
(今日の試合を振り返って)向こうも気持ちを強く持ってくると思っていたんですけど、自分たちがそこで試合に入ってから細かいミスとかが多くて、試合の入る時の気持ち的な面で準備が足らなかったかなと思うので、明日は優勝の可能性も残っているので、頑張りたいなと思います。(1週間空きましたが、その間に意識したことは)ブロックをもう一回、ちゃんと確認して、その上で守備から攻撃までの流れを確認しようということをやっていました。(春季、東日本インカレで敗れた筑波大が相手だったが)そんなに苦手意識みたいなものはないんですけど、ブロックが高くていつも決まっていた攻撃が封じられたことが多かったかなと思います。けっこうやりづらかったです。(いつも以上に間宮選手にトスが上がっている印象を受けたが)そうですか(笑)少しわからないですけど、あまり決められなかったので、もうちょっと要所で決められたらなと思います。(優勝のかかった中大戦へ向けて)向こうは優勝ないので、気持ちの面ではこっちの方が上で、しっかりやれる条件ではあると思います。ただそんなこと関係なしに目の前の一本一本に集中して頑張りたいなと思います。
野口 剛志郎(環2)
(今日の試合を振り返って)そうですね、自分たちのバレーができなかったということが(負けた)一番大きな要因だったのではないかと思います。個人的には自分のトスが荒れていたというか、スパイカーが思い切り打てる所に持っていけてなかったのがあったので、自分の課題も見つかった試合でした。(第4セットは追い込まれていたなか、よく取りました)ああいう力も持っているので、自分たちのバレーができればまた結果は変わってきたのかなとも思います。勝負所でそれができなかったので、自分たちの課題が多く見つかった試合でした。(今日はジャンプサーブも見せていましたね)今までチームにサーブでも貢献できてなかったので、いろいろ挑戦しようと2週間取り組みました。今のボールはモルテンなので、速いサーブじゃないと崩せないと思っていたので。今後もできるようだったら、サーブを変えるというのも一つかなと思います。(ブロックでも活躍されました)どのチームでも、小さい分、(自分の)上を狙ってくるというのはわかっていたので、ちょっとでも触ろうという感じで。そしたら得点になっちゃったという。そこは良かったです。(多彩な攻撃もありました)筑波はブロックが高いので、ちょっと動かすというか、そういうのもないとムードが作れないと思ったので。振り返ってみると、良かったことも悪かったこともあった、そんな試合だったと思います。(明日の中大戦にむけて)本当にもう明日は、勝ちたいという気持ちはあるんですけど、最後の一戦なので、自分たちのバレーを楽しくやりたいです。
サイド |
柳田将洋(環2・東洋高) |
セッター |
野口剛志郎(環2・東福岡高) |
センター |
星谷健太朗(理3・渋谷幕張高) |
サイド |
岡田拓巳(商3・熊谷高) |
サイド |
間宮秀太(政4・慶應高) |
センター |
山本悠登(環4・東亜学園高) |
リベロ |
野瀬将平(環1・東福岡高) |
途中出場 |
川村昌平(環4・春日部共栄高) |
前田優介(環4・日向学院高) |
|
丸谷将大(環2・東筑高) |
|
稲田聡典(環2・日向学院高) |
|
上田悠貴(総1・生野高) |
|
吉田純(環1・東亜学園高) |
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