【バレーボール】28年ぶりの単独優勝を達成!早慶明定期戦

笑顔を見せる山本

今年で第65回を数える伝統の大会、全早慶明バレーボール定期戦。試合は3セットマッチで行われ、今年も早大、慶大、明大の三校が熱い戦いを見せた。その中で慶大は早大、明大にストレート勝利し、見事28年ぶりの単独優勝という結果を収めた。目標である全日本インカレのタイトルに向け、収穫の多い大会となった。

11月4日(日) 第65回全早慶明バレーボール定期戦@明治大学和泉校舎体育館

 

初戦の明大との戦いは、慶大が終始圧倒することとなる。第1セット、慶大は柳田(環2)のサービスエースでいきなり流れをつかむと、その後も相手に流れを渡さずこのセットを25-20で取る。

第2セット、このままの勢いで慶大が一気に押し切るかと思われたが、試合巧者の明大もここから逆襲開始。4連続得点を奪われ、3-6と慶大はリードを許してしまう。しかし、序盤にリードを許してもここから逆転するのが今季の慶大だ。宗雲監督に「すごく良かった」と絶賛された野口(環2)のサーブや、山本(環4)のブロック、そして安定感抜群のピンチサーバー吉田(環1)の活躍で劣勢をひっくり返し、25-22でこのセットを取りストレート勝ちを収めた。

 

ブロックに跳ぶ、(左から)間宮、星谷、岡田

2試合目は秋季リーグのリベンジが懸かった早大戦。第1セット、岡田(商3)、柳田のスパイクで序盤から3連続得点し、順調な滑り出しを見せる。途中秋季リーグでも苦しめられた早大の強烈なスパイクやサーブに圧倒される場面もあったが、「自分たちの持ち味である」(柳田)サーブやブロックで着実に得点を重ね、20-15となる。本来の姿ではなかった早大はそこからサーブやスパイクでミスを重ね、25-17でこのセットを終えた。

第2セットでも、粘りを見せる早大に対し岡田、柳田のスパイク、そして間宮主将(政4)の鋭いジャンプサーブなどで得点を重ね、14-7となる。その後は息が合わない場面や、ブロックアウトを取られる場面もあったが、本日2本目のシャットアウトで19-13。最後は早大のサーブミス、レシーブミスで、第2セットは25-15となり、ここで試合終了。秋季リーグの雪辱を果たす結果となった。

 

ガッツポーズをする間宮

明大、早大に勝利し、28年ぶりの単独優勝という快挙は成し遂げたが、ここがゴールではない。「あくまでも今年の目標はタイトルを獲ること」(宗雲監督)なのだ。「本当の勝負は全日本インカレ」(柳田)と選手たちも口をそろえる。現在、間宮主将を中心に“速い攻撃”という新しい試みを進めている慶大チーム。宗雲監督が「今日は目指してた速いバレーが噛み合った」と言うように、今回の2試合では随所にそのような攻撃が見られた。全日本インカレまで残り1ヶ月。「まだ合わなかったり、こちらが攻めるために攻撃を展開しているにも関わらず、コンビが合わなかったりという部分」(山本)をどこまで改善し、成長を見せることができるか。完成した“速いバレー”で、有終の美を迎えてくれることを期待したい。

 (文・杉本理沙)

 

 

得点
慶大 セット 明大
25 20
25 22
得点
慶大 セット 早大
25 17
25 15
 

宗雲監督

(今日の二試合を振り返って)内容はすごく良かったです。攻撃を速くするということを目標としてやっているので、ただそれが今年中に成功するかどうかというのを今日の試合で一応確認しようと、昨日間宮主将とも話していました。なので勝ったことは嬉しいですが、それ以上に速い展開をしたいということを、明治戦でも早稲田戦でもうちが描いていたような攻撃ができたので、内容にもすごく今日は満足しています。(早大は秋のリーグ戦で負けた相手だったが)それはもう過去のことなので。ただ早稲田は力がすごくあるチームなので、そんなに簡単に勝てるとはもちろん思っていなかったのですが、たまたまうちが今日は目指してた速いバレーが噛み合って、逆に早稲田さんのほうも一番悪い部分が出た、と思うんですね。サーブで得点できなかったり、それからパイプが思うように決まらなかったり。なのでこれは早稲田も慶応も両方いい部分も悪い部分もあるので、たまたまうちが今日いい部分が出て、早稲田さんはたまたま一番悪い内容だったと。そういう風にとらえています。(インカレまでは今日のような試合が多いが)あくまでも今年の目標はタイトルを獲ることなので、全日本インカレに照準を当てるというのはどの学生も間違いないと思うんです。なので今日で手ごたえはつかんだので、今日以降また間宮主将と話をしながら、今日みたいなバレーを完成させてインカレに臨みたいです。途中小さな大会がありますが、そこはまた別の観点から選手を起用したいと考えているので、あくまでもインカレに向けてこれから完成させたいと思っています。(特に活躍の光った選手は)どの選手も良かったですが、セッターの野口剛志郎選手です。今日サーブも使い分けをしていて、特にいいなと思ったのは、スパイクサーブで点を取った二本目にそこで欲張らなかったことです。もともと野口選手はジャンプフローターがすごくいい選手なんですね、なのでスパイクサーブで得点ができたからといって二本目それを強引に打たないで、リスクを抑えてジャンプフローターにして、そういう使い分けを今日彼がしていたので、非常にミスをしなくなる選手になってきたなということを考えていて、そういう意味で今日野口はすごく良かったなと思っています。28年ぶりの単独優勝だが)あまりピンと来ないです。28年前は私は大学二年生だったので、あまり30年前とか40年前とかというのは意識していないので、先輩方には大変失礼ですが、何年ぶりというのはあまり意識せず毎年毎年が勝負という風に考えています。(全日本インカレに向けて)優勝するのは非常に難しいかもしれませんが、可能性はゼロではないですし、私の予想する確率からすると25%、30%、今日のようなバレーが完成すればそのくらいいけるのではないかと私は思っているので、これからコンディションと今日みたいな速いバレーを完成させて、なんとかタイトルを獲れるように頑張っていきます。

山本悠登

(インカレを控えた中、関東1部の相手と実戦を積めることについて)自分たちが力入れて優勝しないといけないと思っているのは全日本インカレという認識はもっているので、そういう中で早慶明や六大学の大会に対して、どこかしらモチベーションが落ちてしまうこともあると思います。ただ、大会は大会で勝ちたいとみんな思うので、それぞれが気持ちをコントロールして臨んだんじゃないかなと思います。(リーグ戦後から改めて始動する際に確認したことは)間宮主将を中心に新しい試みをして、今日に標準を合わせていました。今日ダメならまた考え直す、という感じでした。(手応えは)まだ合わなかったり、こちらが攻めるために攻撃を展開しているにも関わらず、コンビが合わなかったりという部分もあるので、重点的にやっていく必要もあるかなと思います。(単独優勝は28年ぶりだが)ずっと優勝できていなかったのかなというぐらいです。昔のチームと同じ慶應というチームではあっても、また違うチームになってきていると思うので、そういう意味では何年ぶりというところに意識はしていないです。(次は六大学交流戦が控えているが)どういうふうに戦っていくかはまだ分からないですが、インカレに向けてもっとチームを高めていける大会にしていけたらいいなと思います。その中でいつも通り一生懸命やっていきたいと思います。

柳田将洋

(28年ぶりの単独優勝となりましたが)それに関しては、正直うれしいです。ここまでバレー部を続けてきてくださった方々の目に留まることができたというのは、大変うれしく思っています。(早大には秋のリベンジとなりました)やっぱりここで勝つのも重要なんですけど、本当の勝負は全日本インカレなので。ここで勝ったこともうれしいですが、常に目標はそこ(インカレ)にあるので、また切り替えて、今日の試合で見つかった修正点とかを皆で直していければと思います。(今日の慶大はサーブがとても良かったと思うのですが)そうですね。サーブやブロックは自分たちの持ち味だと思っていて、そういうところを今日の試合みたいにしっかり出せれば、ああいうゲームになると思うので、常にこのような展開にもっていけるようにしたいです。(インカレまで数試合ありますが、どのような準備をして臨みますか)最後の全日本インカレで優勝するということが一番の目標なので、そこにむけてチーム一丸となって、優勝するという気持ちを強く持って頑張りたいと思います。

サイド 柳田将洋(環2・東洋高)
セッター 野口剛志郎(環2・東福岡高)
センター 星谷健太朗(理3・渋谷幕張高)
サイド 岡田拓巳(商3・熊谷高)
サイド 間宮秀太(政4・慶應高)
センター 山本悠登(環4・東亜学園高)
リベロ 野瀬将平(環1・東福岡高)
途中出場  川村昌平(環4・春日部共栄高)
益田万太郎(政3・慶應高)
稲田聡典(環2・日向学院高)
吉田純(環1・東亜学園高)
上田悠貴(総1・生野高)
 

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