【ソッカー女子】 逆転負けで念願の1部初勝利ならず 2年後の雪辱誓う/第9節vs武蔵丘短期大

先制ゴールを決めた山下を中心に歓喜の輪

 前節の敗戦で最下位、2部自動降格が決定してしまった慶大ソッカー部女子。最終節の目標はただ一つ、創部史上初の1部リーグでの勝利だ。さらにその先の都リーグ全勝優勝、関東リーグ入れ替え戦昇格、そして来年以降の戦いに繋げるために――。「最後まで諦めない」自分たちのサッカーで戦い〝貫く〟

11月3日(土・祝)13:00k.o@武蔵丘短期大グラウンド

慶大   武短大
前半
後半
合計
慶大得点者:45分 山下
  ♦慶大出場選手(学部学年・前所属)
GK #1 佐々木 優(商2・ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
DF #2 原 志帆(環2・文京学院大女子高)
DF #3  松本 朋子(総1・十文字高)
DF #5  川崎 栞(政4・慶應湘南藤沢高)
DF #19 遠藤 未来(環1・村田女子高)
  →86分 西岡 杏(経4・慶應女子高)
MF #7 梅原 那奈(環1・常葉学園橘高)
MF #8  山本 瑶子(政4・慶應湘南藤沢高)
  →79分 #21 平田 諒子(文1・福岡女学院高)
MF #14 山下 千尋(経4・慶應湘南藤沢高)
  →71分 #17 渡邊 紗絵(環2・大和シルフィード)
MF #18 赤羽 紗里(総1・スフィーダ世田谷)
  →H.T #4  須藤 なぎさ(商3・柏陽高)
FW #10 石原 愛海(環3・JFAアカデミー福島)
FW #11 中山 茜(環4・横須賀シーガルズ)

慶大攻撃陣を引っ張る中山主将

慶大は前節でケガから復帰した松本(総1)を初スタメンに起用。一方で、前線で攻撃の核を担っていた二宮(環1)がケガでスタメンを外れ、今までとは違う布陣で臨むことに。

代わりに前線でプレーするのは昨年まで中山主将(環4)と攻撃を牽引していた石原(環3)。今季はボランチとして出場したため、中山と近い位置でプレーするのは初めてだったが、抜群のコンビ―ネーションは健在。チャンスを作り出していく。

まずは5分、最終ラインの裏に抜け出した中山が、中央の石原へ折り返しのパス。その石原が落としたボールに反応した山下(経4)がシュートを放つ。これは相手DFに阻まれるが、7分にはビックチャンスが訪れる。飛び出した相手GKのクリアボールを拾った梅原(環1)が無人のゴール目がけてロングシュート。入ったかに思われたが、風に流され惜しくもポストにはね返されてしまう。

中盤での攻防でも全く引けを取らない。前線からの連動した守備で、高い位置でうまくボールを奪う場面が多く見られる。しかし、そこからはラインの裏を狙うボールの精度を欠いてしまい、単調な攻めになってしまった。石原のスルーパスに抜け出した中山がそのまま左足でシュートを放つシーンもあったが、枠を捉えることができなかった。

このまま前半終了かと思われた45分、待望の瞬間が訪れる。相手GKに石原がプレッシャーをかけると、クリアミスを拾った山下が相手をかわして右足を一閃。ボールはゴール左隅に吸い込まれる先制ゴールとなった。

名門・十文字高で主将を務めた松本。安定感あるディフェンスと正確なフィードでDF陣の中心としての期待が高まる

追加点を奪いたい後半も慶大ペースで試合は進む。左サイドから果敢に攻撃を仕掛けると、立て続けにチャンスが生まれる。中山、原(環2)がシュートまで持ちこむが得点には至らない。中盤の底では山本(政4)、梅原(環1)が献身的な動きで相手の攻撃の芽を摘む。最終ラインでは川崎(政4)が大きな声でチームを鼓舞し、遠藤(環1)、松本の1年生コンビも確実に相手攻撃をはね返していく。そして、GK佐々木(商2)は積極果敢な飛び出しで決定機を何度も防いだ。このまま慶大が有利に試合を進めるかと思われたが、後半18分にマークが甘くなったところでロングシュートを決められ同点とされてしまう。

切り替えて勝ち越しを狙いたいところだったが、風下となったということもあり押し込まれる場面が目立ち始める。また、不運な判定にも泣かされ攻撃の勢いも鳴りをひそめた。29、30分にはまさかの連続失点を喫し、万事休す。後半から投入された須藤(商3)、初出場の西岡(経4)の右サイドからも得点を奪いにいくが、決定機は作れず。結局、1-3で敗れ、1部リーグ戦初勝利はお預けとなった。

2部降格が決まってしまった以上、この試合を逃せば1部での初勝利は早くとも2年後。何としてでも勝ちたいという気持ちが選手から伝わってくる素晴らしい試合内容だった。それでも勝てなかった。この試合に限れば、2点差負けほどの差はなかったかもしれない。しかし、リーグ戦全体を通して見れば「実力が足らなかった。これが実力」(川崎)。この小さいようで大きな差を、今後いかに埋めていくかが求められる。

TEAM2012の戦いはまだまだ続く。都リーグ優勝を達成し、その後に控える関東リーグ昇格戦で勝ち上がれば、舞台は違えども、来年も早大や関東学園大など1部所属チームとの実戦を積むことができる。2年後に歓喜の瞬間を迎えるために――。慶大なでしこの挑戦は終わらない。(文・並松 康弘)

※監督・選手コメントは後日掲載致します。

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