第87回関東大学サッカーリーグ戦 第6節
2013/5/5(日)13:50KO@荻野陸上競技場
慶應義塾大学 3-2 国士舘大学
【得点者(アシスト者)】
〔慶〕=55分、89分 武藤嘉紀 、89分 飯高颯生 〔国〕=5分 仲島義貴(海野智之) 、49分 木下ロベルト(海野智之)
◇慶大スターティングメンバー
GK |
福本晋也(商4・暁星高) |
DF |
溝渕雄志(環1・流通経済大学付属柏校)→42分 長尾賢太郎(総3・神戸U-18) |
DF |
望月大知(環1・静岡学園高) |
DF |
保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース) |
DF |
飯高颯生 (環2・大宮アルディージャユース) |
MF |
松下純土(総4・國学院久我山高) |
MF |
増田湧介(環3・清水東高) |
MF |
武藤嘉紀(経3・FC東京U-18) |
MF |
淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)→80分 小林剛(環3・鎌倉高) |
MF |
山田融(総2・横浜F・Mユース)→63分 近藤貫太(総2・愛媛FCユース) |
FW |
端山豪(総2・東京Vユース) |
攻撃陣は前節大活躍を見せた端山豪(総2・東京ヴェルディユース)、淡野晋一(文3・横川武蔵野FCユース)に加え、明大戦で同点ゴールを決めた山田融(総2・横浜F・Mユース)が先発。また、松下純土主将(総4・国学院久我山高)がボランチに入り、センターバックには望月大知(環1・静岡学園高)が初先発を果たした。
試合は前節同様立ち上がりから動く。3分、相手のコーナーキックのピンチをライン上でクリアすると、その直後のプレーで慶大のファウルを取られてしまう。右サイド角度のないところから、このフリーキックに頭で合わされいきなり失点。気を付けなければいけない立ち上がりで、またしてもビハインドを背負ってしまう。先制点を取られ、浮足立つ慶大は6分にも裏に抜け出され一対一の絶対絶命のピンチを迎えるが、ここは得点には至らない。何とか流れを変えたい慶大だったが、持ち味のパス回しも中々繋ぐことが出来ない。しっかりとブロックを組んで守ってくる国士大相手に、バックライン付近でボールを取られカウンターを許してしまうシーンが続く。それでも、1トップに入った端山、武藤を中心に徐々に反撃に転じていく。13分、武藤、端山とつなぎ、最後は淡野がシュート、続く16分には端山がスルーパスに抜け出すも得点には至らない。これまでの試合、「武藤一辺倒だった」(松下主将)攻撃陣に、端山、淡野が加わることで、今までにあまり見られなかったパスで相手を崩すシーンが多く見られる。31分には、武藤のボールカットから、最後は松下がフリーで受けるもこのシュートは枠外にそれてしまう。慶大が得意のパスサッカーで相手守備陣を翻弄していくが最後のシュートが決まらない展開が続いていく。41分の、端山のミドルシュートもクロスバーに嫌われた慶大は、得点を奪えず0-1で前半を終える。
前半得点こそ奪えなかったものの、自分たちのペースで試合を進めた慶大だったが、後半はまさかの展開となる。1分、3分と立て続けにチャンスを作った慶大だったが、そこから相手のカウンター。左サイドを一本のスルーパスで崩されると、そのまま裏へ抜けだされ失点。今シーズン幾度となく失点してきた序盤でリードを広げられてしまう。慶大ペースの中での失点でチームが重苦しい雰囲気に包まれる中、この雰囲気を変えたのはやはり武藤だった。エース武藤が、左サイドでボールを持つとPA内へ。相手のチェックを軽々かわし、最後は切り替えして得点。頼れるエースの得点で1点差に詰め寄る。
チームが追い上げムードになり前がかりになる中、気迫あふれるプレーを見せたのが守護神福本晋也(商4・暁星高)だ。23分には2対3、31分にも1対2と守備陣が数的不利となる大ピンチを迎えるが、いずれも福本がスーパーセーブで切り抜ける。これ以上の失点は絶対許されない中、福本がプレーでチームを鼓舞する。
福本の活躍に応えたい慶大は43分、大チャンスを得る。端山のスルーパスに途中出場の小林剛(環3・鎌倉高)が抜け出す。PA内で、武藤へつなぎ、武藤から増田へのラストパスを送るがここで増田が倒されPK獲得。このPKを武藤がきっちり決め2-2の同点に追いつく。2点のビハインドを跳ね返した慶大だったが、ドラマはここでは終わらなかった。直後、左サイドからクロスが上がると、PA外で待っていたのは飯高だった。ふわりとしたボールに、飯高がボレーシュート。アウト回転のかかった強烈なシュートがゴール右隅に突き刺さり逆転に成功した。試合はそのまま3-2で終了。ホイッスルと同時に、選手たちはピッチに崩れ落ち、初勝利に歓喜した。
2点のビハインドを跳ね返しての大逆転勝利。開幕6試合目にしての初勝利。全ては、「最後まで諦めずに戦ったこと」(須田芳正監督)で得られた結果だ。さらに、端山、淡野ら新たな選手たちがチームにフィットしてきたということも大きい。初勝利までの道のりは長かったが、リーグ戦はまだまだ16試合も残っている。この勝利をきっかけにチームの調子も上向いていくはずだ。(記事・石塚大樹)
試合後の監督・選手コメント
須田芳正監督
(今日に試合を振りかえて)まず0-2になったんですけど、最後まで諦めずに戦ったことが一番良かったですね。(改善点はありますか)立ち上がりの失点がここ何試合か続いているので、それを何とかしないとなということはありますね。(2点ビハインドから3点取りましたがそれについてはいかがですか)そうですね。それについてはとても良かったですね。慶應らしさがでたのかなと。どんな状況でも、諦めずに戦うという姿勢が大事ですし、それが受け継がれているなという風に思いますね。相手もそこまで調子は良くなくて、こっちはある程度攻撃のパターンはできていたので。こういうゲームになって勢いに乗れる地う面ではよかったのかもしれないけど、決めるべきところで決めておけば自分たちのペースで試合を進められたのかなと思います。(ボランチの構成が変わりましたね)まず、相手の2トップが強力ということで、一年生の望月にその対処をさせて攻撃の起点を増やすという意味で松下を上げました。(次節に向けての意気込みをお願いします)一戦一戦戦うだけです。
松下純土主将(総4・國學院久我山高)
(今日の試合を振り返って)0-2という中で、ピッチに出ている選手だけじゃなくて、応援してくれてる部員であったり、運営をやってくれてる選手たちであったり、部員全員でつかんだ勝利だなと思います。(2点目を決められた時チームの中に焦りなどはなかったですか)また前半の立ち上がりと、後半と立ち上がりにやられてしまいました。まず、前半の立ち上がりにセットプレーでやられてしまったんですけど、その後の45分は自分たちのペースでボールを繋げていたので、後半返せるかなと思っていました。でもまた後半立ち上がりに決められてしまって。負けのペースといいますか、いつもできることが出来なくなってしまいました。そうした中で、出ている選手はもちろんのこと、出ていない選手を含めて皆が諦めなかったことが勝利につながったのだと思います。(立ち上がりの失点が続いています)すごい考えていて、あまりにも多すぎるというのは僕ら以外の人も皆思っているとも思うんですけど。逆に気にしすぎてがちがちになってしまってる部分もあるのかなと。今日の失点に関してはコーナーキック僕のマークだったので、ふわっとした部分は無かったですし、マークを外したわけでもなかったので。原因という原因はちょっと分からないんですけどもう少し突き詰めなければいけないところだなと感じています。(端山選手など攻撃陣に関していかがでしょう)前半僕を含めて、チャンスが何度かあったんですけど、そこを決めきれないところが苦しい試合展開を生んだと思っているので、そこは決めていかなければと思います。ただ、シュートチャンス、ゴールチャンスというのは、今まで無かったことでもあるので、後は決めるだけですね。前までは武藤一辺倒と言いますか、武藤しか点が入る気がしないなというのは後ろから見ていて正直思っていたので、その点では、淡野、端山など攻撃のバリエーションは増えたのかなと思います。(次節に向けての意気込みをお願いします)前節引き分けて、今日ようやく勝つことが出来て、正直ほっとしている部分もあるんですけど、この一勝に満足することなく、土曜日の試合に向けてしっかりやっていきたいです。
増田湧介副将(総3・清水東高)
(今日の試合を振り返って)いつも注意して入るのですが、やはり前半と後半の立ち上がりに失点してしまって、そこは本当に情けなかったですけど、それでもチームとして最後まで諦めずに戦って、最後に逆転出来たことは評価出来ると思います。(2点差を最後の最後で逆転出来た要因は)慶大の一体感が今日の逆転勝利を生んだと思います。今日も朝早くから会場の準備をしてくれたり、観客席から大きな声で応援してくれたので、それにしっかり応えなくてはいけないという思いで、ピッチの選手は皆戦っていたと思いますし、それと同じように観客席の選手含め慶大の選手全員が戦っていたと思うので、そういうことが今日の結果につながったと思います。(PK獲得のシーンなど後半は攻撃面で光る部分があったが)2列目から飛び出すことが自分の武器でもあるので、そこは常に意識していました。それでも中盤でのつなぎの部分であったりとか、そういったところではまだまだ課題ばかりなので、そこは突き詰めてやっていきたいと思っています。(立ち上がりの失点が多いことを今後どう改善していくか)どうしてもそこの部分はなかなか改善出来てないのですが、そこは常に意識してチームとして絶対に立ち上がりは集中して入ることを心がけたり、僕や松下選手など中心選手が中心となってやっていかなければいけない問題だと思っています。(勝ったことでチームの雰囲気も良くなっているか)長いリーグ戦の中で1勝したというだけで一喜一憂している暇はないですけど、この勝ち点3のためにここまで辛かったですし、長かった道のりだったので、今日だけは喜んで良いと思います。(次の試合に向けて)ここで初勝利を勝ち取ることが出来たのですけど、リーグ戦は長いので次負けたら何も意味が無いので、残り3試合で1つ1つ積み上げて前期を良い形で終えられるようにまたチームでやっていきたいと思います。
長尾賢太郎(総3・ヴィッセル神戸U-18)
(今日の試合を振り返って)結果的に勝てて良かったんですけど、やっぱり前半の早い段階、後半の早い段階で失点したというところでは少し自分たちもディフェンスにおいて甘さが出たなと感じています。(早い段階での途中出場だったが)本当はオフェンスとしての交代要員だったと思うんですけど、交代するのが左サイドバックということで、もともとやっていたポジションだったので、そこには問題もありませんでしたし、ある程度もう前半の内からアップしていたので、そこに関してはすんなり入れたかなと思います。(今季初の勝ち点3ですが、今後波に乗っていけそうですか)そうですね。今日は満足していいと思うんですけど、明日からはまた切り替えて。雰囲気もすごく良くなってきているので、社会人スタッフをはじめ、4年の先輩方、1,2年生の後輩がチーム一丸になってきているので、そこに関しては慶應の自信につながると思うし、その強みを存分に生かして次節、上位の日体大との対戦なんですけど、そこに勝って勢いをもっていきたいと思います。武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)
(今日の試合を振り返って)立ち上がりに2点また失点してしまって、チームとしても落ち込んでしまったんですけど、そこから逆転という形で最後勝てて慶應の一丸というのを感じましたし、本当に最後まで頑張って良かったなと思います。(1点目の得点シーンを振り返って)1点で満足することなく同点弾というのを狙っていたので、そこの面では今日はチームに迷惑してしまうような外し方をしました。その面では2点目も決められて良かったなと思います。(PKでは落ち着いていたようだが)緊張していて全く落ち着いていなかったんですけど、チームがつなげてくれたところだったので、決めなくちゃいけないなという気持ちで打ちました。(失点については)やっぱりこの数試合ずっと立ち上がりの5分の失点が多くて、今日は本当に避けようと思っていたんですけど、また同じことを繰り返してしまいました。やっぱり同じことを繰り返しているようじゃ上の舞台では戦えないと思うので、そこのところを修正して次の試合に臨みたいと思います。(次節に向けて意気込みを)今日こうやってやっと勝つことができたので、次の試合も一喜一憂することなく、自分としてもチームの勝利に貢献したいと思います。飯高颯生(環2・大宮アルディージャユース)
(今日の試合を振り返って)いつも立ち上がりに失点していて今日はなくそうと思っていたんですけど、今回も立ち上がりに失点してしまって、また後半も立ち上がりに失点してしまっていつもの悪い流れになってしまったんですけど、そこから逆転できたことはただの1勝ではなくて意味のある1勝で良い試合だったと思います。(ゴールシーンを振り返ると)こぼれ球を狙ってあそこにはいたんですけど、イメージ通りのボールが転がってきたんで、あとは打つだけで、コースを狙ったというよりは思いっ切り打った感じです。(バウンドが難しかったように見えたが)あそこでコントロールするのは少し違うかなと思って、結構高めのボレーになったんですけど、入って良かったです。(国士大の印象は)前線の選手が身体が大きくて強くて、守備をしているときは大変でした。(チームとしての課題は)何回もチャンスがあったにも関わらず点が取れなかったというのと、立ち上がりの失点は本当になくさないといけないなと思います。(次の試合に向けて)出たならば今日みたいに点に絡めるプレーをしたいですし、アシストだったり今日以上のプレーをしたいと思います。端山豪(総2・東京ヴェルディユース)
(大逆転勝利だったが、今日の試合を振り返って)前半の立ち上がりで失点が多くて、今日こそ気を付けていこうと言っていたんですけど、また立ち上がりにセットプレーで失点してしまいました。チームとして改善できてないなというのも出ちゃいました。それでも今日に向けて慶應のトップチームだけじゃなくて全体が一丸となって取り組んできたので、その思いをどうしてもピッチで表現しなきゃいけないという皆責任感があって、結果最後の最後逆転できました。(積極的なプレーが見られたが、FWとして心掛けたことは)与えられた役割をとにかく100%こなすということで、自分の力をどのポジションでもとにかく全部出し切るということを意識しました。ボールを持っていない時間の方が多いので、その時間に何ができるかというのを考えて、ボールを持っていない時の動きだったり、FWですけど守備もしっかりやらなきゃいけないという責任はありました。90分間フル稼働でいけるようにということを意識しました。(今季初勝利だったが)本当にここまで遠くて大変だったんですけど、やっぱり慶應はこの1勝をターニングポイントとしてここから勝っていきたいと思います。(次節に向けて意気込みを)次節は日体で、結構勝っていていいチームだと思います。そういう相手に自分たちがどれだけ自分たちのサッカーをできるかというのが実力だと思うので、しっかり準備したいと思います。
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