【ソッカー男子】アミノバイタルカップ1回戦 鬼門の1回戦を突破!格下相手に3発快勝 明学大戦

富士山を望む時之栖で、全国の頂上を目指す戦いが今年も始まった。今年で第2回目を迎えたアミノバイタルカップ2013。この大会は今夏大阪で行われる総理大臣杯(全日本大学サッカートーナメント)の関東予選を兼ねており、上位7校が本大会に出場できる。慶大の1回戦の相手は、東京都リーグ(三部)に所属する明学大。一部校の慶大から見れば格下であるが、慶大はこの大会で2年連続初戦負けを喫している。「難しい試合になる」(淡野晋一・文3・横河武蔵野FCユース)ことも予想されたが、今年の慶大は違った。前半こそスコアレスで折り返すものの、後半に3得点をあげて明学大に快勝。全国への第一歩を踏み出した。

2013/6/1(土)14:50KO @時之栖スポーツセンター裾野Cグラウンド

アミノバイタルカップ2013第2回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選 1回戦

慶應義塾大学3-0明治学院大学

【得点者(アシスト者)】

[慶]=61分 淡野晋一(端山豪)、67分 武藤嘉紀、84分 山内浩道(近藤貫太)

◆慶大スターティングメンバー

GK

増川翔太(商3・柏U-18)

DF

山田融(総2・横浜Fマリノスユース)

DF

望月大知(環1・静岡学園高)

DF

保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース)

DF

飯高颯生 (総2・大宮アルディージャユース)

MF

増田湧介(環3・清水東高)

MF

山浦新(総3・東京ヴェルディユース)→18分 山内浩道(政3・國學院久我山高)

MF

近藤貫太(総2・愛媛FCユース)

MF

淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)→71分 澤根祐(商3・清水東高)

MF

武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)

FW

端山豪(総2・東京Vユース)→75分 平戸奨眞(法3・暁星高)

サイドバックに入った山田

サイドバックに入った山田

昨季はリーグ戦の最中に行われたためメンバーを落として臨んだ慶大だが、今季はリーグ戦の中断期間に入ったため、ほぼフルメンバーがスタメンに名を連ねた。増田湧介副将(環3・清水東高)が久々にスタメンに復帰した一方、先日の東洋大戦で負傷交代した松下純土主将(総4・國學院久我山高)に代わって武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)がキャプテンマークを巻いた。

試合開始直後から慶大が明学大ゴールに襲いかかる。開始1分、相手DFのパスをカットした武藤がそのままGKをかわそうとするが、ここは相手GKがセーブする。その後も端山豪(総2・東京ヴェルディユース)や淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)を中心に多彩な攻撃を仕掛ける。8分、11分には再び武藤が、14分には近藤貫太(総2・愛媛FCユース)がそれぞれシュートを放つも、得点には至らない。

ゲームキャプテンを務めた武藤はこの日も1ゴールを挙げた

ゲームキャプテンを務めた武藤はこの日も1ゴールを挙げた

ここまで試合を支配していた慶大だったが、前半18分、慶大をアクシデントが襲う。山浦新(総3・東京ヴェルディユース)が左足首を負傷し、途中交代を余儀なくされる。守備面での貢献度の高かった山浦の交代、そして「攻守の切り替えが遅くなって」(山内浩道・政3・國學院久我山高)しまった慶大イレブンにミスが目立ち始め、明学大にボールを回される時間帯が続く。24分、35分と一瞬の隙を突かれてGKと1対1の局面を作られてしまうが、増川翔太(商3・柏U-18)がファインセーブを見せ、慶大ゴールを割らせない。逆に慶大もロングパスに抜けだした近藤のシュートもGKに防がれてしまう。このまま無得点で前半を終える。

端山、武藤と良い形を演出していた近藤

端山、武藤、淡野らと良い形を演出していた近藤

「攻守の切り替えが遅かったので、そこは厳しく言いました」(須田芳正監督)とハーフタイムに檄を飛ばされた慶大イレブン。後半はDF陣中心に出足の速いディフェンスを見せる。そのディフェンスから攻撃に良いリズムを生みだしていった。そして16分、右サイドを突破した端山のクロスを、淡野が右足で合わせ慶大が待望の先制点を奪う。「前半から本当に良い動きを見せていた」(須田監督)2人で奪ったゴールとなった。その6分後、今度はCKを獲得すると端山のボールに武藤がヘディングシュート。一度は相手GKに防がれるもこぼれ球を押し込み、リードを2点に広げる。明学大も少ないチャンスからゴールをうかがうも、増川を中心とした固い守備であと一歩のところでゴールを許さない。中盤以降明学大の足が止まったとみるや、慶大は澤根祐(商3・清水東高)、平戸奨眞(法3・暁星高)を投入しさらなる追加点を狙う。すると39分、武藤から右サイドの近藤へロングパスが通ると、近藤は中へ折り返す。そのボールに反応した山内が落ち着いてゴールに流し込み、決定的な3点目を奪う。その後も平戸や近藤のシュートなどで最後まで攻勢に出た慶大が3-0で勝利。2回戦へと駒を進めた。

スタメンに復帰した増田

スタメンに復帰した増田

1年かけて戦うリーグ戦とは違い、一発勝負のトーナメントでは内容以上に結果が問われてくる。「内容は別にして勝てたことが良かったです」という増田のコメントにもそれが表れている。この日も特に前半はミスが目立ち決して満足できる内容ではなかったが、粘って0-0で折り返せたことで、後半の3得点につながったと言えるだろう。もちろん、課題や修正点はあるものの、まずは勝利を得たことに意味がある。そして、この日行われた他の試合では、専大や中大が圧勝した一方で、昨年のこの大会の準優勝校である筑波大をはじめ、実に一部校の4校(筑波大、桐蔭大、日体大、国士大)が初戦で姿を消すという波乱の幕開けとなった。勝利した一部校も、PK戦など苦しんで勝ちぬいた試合が多く、もはやこのトーナメントにおいて「格上・格下」という概念は無いも同然である。

慶大の次なる相手は、現在2部で3位(前半戦終了時)につける関学大。確かに2部校ではあるが、決して油断することなく「挑戦者という気持ち」(武藤)で戦ってもらいたい。この2回戦に勝利するとベスト8入りとなり、一気に本大会出場が現実のものとなる。そのためにもこの2回戦は絶対に負けられない戦いとなる。全ては大阪で全国の頂点に上り詰めるため――荒鷲達の挑戦は続く。(記事 飯田駿斗)

選手・監督コメント

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)トーナメントということで勝つことが最大の目標だったので、それが達成できて良かったです。(昨年は初戦負けだったが)昨年はリーグ戦の間だったので、リーグ戦重視ということで少しでも怪我していた選手は出さなかったのですが、今回は、松下や川田が怪我で抜けてしまったがほぼベストメンバーで戦えました。格下のチームは負けを怖くないと思っていて捨て身で来るので、それに対して受け身じゃなくて挑戦者の気持ちで臨めて、非常に難しいゲームでしたが、選手たちがしっかりやってくれて次のラウンドに進めて良かったです。(前半無得点だったが、どのような指示を)少し硬かったですし、我々がやってきたパスで相手を崩すということができなかったので、個人で何とかしようというのがあったので、ボールを速く動かして相手の隙を突いて3人目が動いた所を突こうということと、あとはあまりにも攻守の切り替えが遅かったので、そこは厳しく言いました。(3得点をあげた攻撃陣については)端山と淡野の2人は前半から本当に良い動きをしていたので、あの2人で奪ったゴールがこの試合を、2人の調子の良さを象徴していましたね。そしてこういう試合ではセットプレーが大事でそれが2点目になり、3点目は相手もかなり前がかりだったし体力的にもきつそうだったのでね。とにかく1点目がとても重要だったと思います。(今季初めて無失点に抑えた守備陣については)もちろん全体的には集中していたし、良かったけれども、外してくれた部分もあったので、まだまだ修正点、改善点はあると思います。(次戦に向けて)トーナメントなので、目の前の相手を倒すことだけに集中して、また今日山浦が負傷してしまい、総合力の勝負になると思うので、一丸となって戦っていきたいと思います。

MF武藤嘉紀主将(経3・FC東京U-18)

(今日の試合を振り返って)個人的には前半から決定的なチャンスを何度も外してしまって、厳しい展開で後半に入ったんですけど、失点を0に抑えられて3得点で終えられたことは良かったと思います。(昨年は初戦で敗れてしまったが、今年意識したことは)相手は格下ではありますが、自分達は挑戦者だという気持ちで臨もうということは話していて、その通りに相手をなめたプレーもせず、皆本気でやったことが勝利につながったと思います。(得点シーンを振り返って)どんぴしゃだったので自分は決めるだけで、豪(端山)のボールが良かったです。(今季の初の無失点試合だったが、守備面での手ごたえは)チーム全体で意識したことは切り替えを速くすることで、少し前半は遅れてしまいましたが、後半は誰かがボールをとられた後に近くの人がプレスにいっていて、切り替えが速かったからずっと攻撃できたのかなと思います。(怪我の松下主将に代わってキャプテンマークを巻いたが)普段キャプテンとかやらない立場なので、キャプテンを任されて重みを感じますし、部員全員の気持ちを背負っているということも感じていて、自分が軽いプレーとかできないと思っていたので、勝利に貢献できて良かったと思います。(他の一部校が初戦で敗れているが)こういう決勝トーナメントというのは先制点が取れるかだったり、そういうことが大きくなってくると思うので、今日の前半みたいに自分が何度も大きなチャンスを外してしまうことは、上に行くためにはなくしていかなくてはいけないので、次の試合からはそういう細かい所にこだわっていきたいと思います。(次戦に向けて)二部のチームですけど力があるので、自分達はまた挑戦者だという気持ちを持って臨みたいと思います。

MF増田湧介副将(環3・清水東高)

(今日の試合を振り返って)トーナメントの初戦という難しい試合の中で内容は別にして勝てたことが良かったです。(今日の試合にむけて)真面目に格下とか関係なくひたむきに自分たちのサッカーをするだけでした。(久しぶりの試合になったが)松下さんがけがをしてチャンスが巡ってきて、常に自分は出れるチャンスは出来ていました。(自身のプレーを振り返って)自分に求められているセカンドボールへの対応や守備はできませんでした。(無失点に抑えたことについて)90分間増川を中心に集中して守れていました。(前半の反省点)チャンスで決めきれなかったことと、テンポの遅い攻撃になってしまったことです。(次にむけて)次勝たないと意味がないのでしっかり疲れをとってやっていきたいです。

MF淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)

(今日の試合を振り返って)監督から「この試合は格下・格上とか関係なく難しい試合になる」と前々から言われていて、今日やってみて前半0-0で内容もそれ程良いわけではなかったので、本当に難しいと思った中で後半に入って、後半に立ち上がりに点数が取れてその後は楽に試合を運ぶことができたので、難しい試合でしたが、チーム一丸となって勝利をつかめたのは良かったと思います。(得点シーンを振り返って)豪(端山)がボールを持った時に、GKの前のスペースが空いていると思ったので、そこに走り込んだら良いボールをくれたので、触るだけでしたね。(攻撃陣の調子は)武藤と端山が個でいける選手なので、自分は逆に個の強い選手を生かすために、色々な所で顔を出してテンポ良くボールをさばいて楽にボールを持てる形を作ることを意識していて、今日は上手くいきました。(一部校が相次いで初戦で姿を消しているが)慶應も一昨年、昨年と初戦で負けているので、今年は初戦勝ちましたが明後日すぐに試合があるので、次の相手は二部だと思うのですが、一部二部関係なく全力で気持ちでぶつかっていこうと思っています。

MF山内浩道(政3・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)昨年一昨年と初戦で負けてて良い記憶が無い中で臨むということで、勝ったということは良かったんですけど、内容はあまり良くなかったなというのが正直な感想です。(アクシデントによる途中出場となったが)相手の8番の選手が上手くボールを散らしていたので、そこを潰しながら自分の持ち味を出していくようにと言われたんですけど、正直あまりよくできなかったなと思います。(得点シーンを振り返ると)前半に監督からもっと運動量を増やせと言われていたので、相手のゴール前まで上がっていけということだったので、それがうまく結果につながりました。(チームとして課題はあるか)攻守の切り替えはハーフタイムにも言われていて、攻守の切り替えが遅くなってしまうので、そこの精度を上げていきたいです。(2回戦に向けて意気込みは)内容ももちろん結果にこだわって、出るとしたら最大限の力を出せるように頑張りたいです。

FW端山豪(総2・東京ヴェルディユース)

(今日の試合を振り返って)カップ戦ということで、負けたら終わりなので、立ち上がりの弱さを出すと言う訳にはいかないという気持ちでいました。最初からやってやろうということを心がけたんですけど、後半引いた相手を崩せたのは良かったと思いますね。(去年3部相手に敗れていますが、嫌な感じは無かったですか)昨年は、リーグ戦スタメンで出させてもらえないという段階で、初めて大臣杯で出させてもらいました。初めてスタメンで出させてもらってやってやるぞという気持ちでいたんですけど、結果的に負けてしまいました。なので、今日は去年との比較で、変わったところが見えるかなと思ったので今日は勝てて良かったです。(具体的にどこが成長したと思いますか)特にメンタルのところですね。チームのために走るとかそういうところですね。自分は、高校時代から技術は高い方だと思っていて、そこに頼ってしまう部分が多かったんですけどそうじゃなくて、裏に飛び出したりだとか、相手が嫌がる動きができるようになったところが身についたと思います。(2アシストを上げましたね)1点目は中に走り込んでいるのが目に見えたのであげるだけでしたね。武藤君だったり、貫太君(近藤)だったりが、中に入った時に自分がサイドに流れて一対一の局面というのは形になってきているなと。自分が中にいるだけじゃなくて、サイドに流れるのも最近意識していることなので、そこで一対一になったら仕掛けようということを常に思っているので良かったですね。(2回戦に向けて)慶應らしく、謙虚にやっていくだけなので、目の前の相手に集中してやっていきたいです。

DF望月大知(環1・静岡学園高)

(今日の試合を振り返って)総理大臣杯の予選はトーナメントなのでリーグ戦と違った緊張感がありましたが、前半は苦戦したものの後半3点とれてよかったです。(監督からの指示は)監督からは相手は下位のリーグだが実力のある相手なので油断せず戦おうといわれていました。(保田さんと組むことについて)自分がボールにいって、保田さんがカバーするというチャレンジアンドカバーの関係が最近うまくいっています。これからも続けていきたいです。(今日の自分のプレーは)ヘディングの競り合いの面では返せましたが、ディフェンスラインでのパススピードが遅く相手をうまく剥がせなかったので改善したいです。(2回戦にむけて一言)関東学院大学も実力があるチームなので今日のように0に抑えて勝ちたいです。

 

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