2013/6/5(水)11:30KO @時之栖スポーツセンター裾野Dグラウンド
アミノバイタルカップ2013第2回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選 3回戦
慶應義塾大学1-1 PK4-1青山学院大学
【得点者(アシスト者)】
29分 青学大 関谷祐(後藤拓斗) 48分 慶大 近藤貫太(武藤嘉紀)
PK戦 |
1 |
2 |
3 |
4 |
慶大 |
武藤 ○ |
山田 ○ |
増田 ○ |
磨見 ○ |
青学大 |
関谷 × |
本城 × |
大野 ○ |
|
GK |
増川翔太(商3・柏U-18) |
DF |
山田融(総2・横浜Fマリノスユース) |
DF |
望月大知(環1・静岡学園高) |
DF |
保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース) |
DF |
飯高颯生 (総2・大宮アルディージャユース) |
MF |
増田湧介(環3・清水東高) |
MF |
山内浩道(政3・國學院久我山高)→60分 磨見朋樹(文3・横浜FCユース) |
MF |
近藤貫太(総2・愛媛FCユース)→85分 平戸奨眞(法3・暁星高) |
MF |
淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース) |
MF |
澤根祐(商3・清水東高)→64分 小林剛(環3・鎌倉高) |
FW |
武藤嘉紀(経3・FC東京U-18) |
PK戦まで戦った関学大戦から中1日で迎えたこの試合は、出場停止の端山豪(総2・東京ヴェルディーユース)に代わり、澤根祐(商3・清水東高)がスタメンに名を連ね、1トップの位置に武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)が入った。
澄みきった青空の下、総理大臣杯出場をかけた試合がキックオフを迎える。トーナメント戦の影響か、両チームとも試合開始から守備を固め、全くチャンスを作ることができず試合は進む。前半20分を終了して、両チームともエリア内からのシュートゼロという展開であった。この展開の中、最初にチャンスつかんだのは青学大であった。25分、コーナーからヘディングシュート。これは、増川翔太(商3・柏U-18)がしっかりとキャッチした。1トップに入った武藤が徹底的なマークを受け、流れをつかめずにいた慶大は、ディフェンスの一瞬のスキをつかれ先制点を奪われてしまう。29分、マークが甘くなったところをワンツーでかわされ、ゴールに流し込まれる。しかし、この失点が慶大の攻撃を目覚めさせる。失点直後の30分、近藤貫太(総2・愛媛FCユース)のフリーキックから望月大知(環1・静岡学園高)が合わせる。これは、惜しくもミートできずゴール左へ外れた。迎えた41分、慶大が決定的チャンスを迎える。相手陣でボールを奪った武藤が一人でゴール前まで持ちこみ、エリア内右からシュート。力強いシュートであったが、ポストをかすめてゴール左に外れた。連戦の疲れからか、慶大はほとんどチャンスを作ることができず1点ビハインドで前半を終えた。
後半は、開始早々から慶大が前半とはみちがえるような勢いで青学大ゴールを攻めたてる。そして武藤への徹底マークを逆手にとり、早くも同点に追いつく。後半3分、カウンターから飯高颯生(総2・大宮アルディージャユース)が武藤へパス。相手陣で前を向いてボールを受けた武藤を近藤が追い越していく。ディフェンダー3人を引きつけた武藤が、近藤へと絶好のタイミングでスルーパスを送る。このパスに反応した近藤がキーパーとの1対1を制した。「ハーフタイムによっち(武藤選手)に人が集まるというのがあったので。あれは本当によっちが相手を引き連れていい形でボールを出してくれたので股を狙ってしっかり決めることができて良かったです。」(近藤)と語る、近藤の2試合連続ゴールで慶大がスコアをタイに戻した。慶大がこのまま勢いに乗るかと思われたが、その後は一進一退の攻防が続く。そんな中18分慶大がピンチを迎える。相手選手が慶大の左サイドを突破しエリア内からシュート。完璧なコースに飛んだシュートであったが、増川が横っ跳び右手一本でファインセーブした。20分を過ぎたあたりから青学大に疲れの色が見え始め、慶大が苦戦していた武藤への徹底マークが外れだし、慶大が流れをつかむ。24分、慶大が相手コーナーキックのクリアボールからカウンターを仕掛ける。小林剛(環3・鎌倉高)がクリアボールを拾い武藤へ。センターライン付近でボールを受けた武藤は、一人でゴール前に運ぶもシュートはゴール左に外れる。31分クロスを武藤が胸で落とし近藤が狙うもキーパーがキャッチ。慶大は武藤を中心にチャンスを作るも生かすことができず、勝ち越しゴールを奪えない。そして、後半終了を告げるホイッスルが鳴り響く。慶大は2試合連続の延長戦へと突入した。
慶大はベンチ入りメンバーやスタッフ全員で円陣を組み気持ちを入れ直して延長に臨んだ。延長は両チームとも気持ちのこもったプレーを見せるも明らかに疲れの色が見えた。チャンスを作ることをできないまま時間だけが進み、延前9分武藤がミドルシュートを放つ。しかしわずかにゴール上へ外れる。そして試合は延長後半の10分を残すのみとなった。
延長後半も一進一退の攻防が続く。どちらもチャンスを迎えることなく、ロスタイムの表示は1分。慶大はラストプレーで決定的チャンスを迎える。右サイドでボールを受けた飯高がクロスを上げる。混戦となり相手ディフェンダーがキーパーへバックパスを送る。キーパーのクリアは寄せていた平戸奨眞(法3・暁星高)の背中に当たりゴールエリア内に舞い上がる。そこに待っていたのは淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)。この瞬間、誰もが勝利を確信したが、この試合も豊富な運動量でチームのために走り続けていた淡野にもう体力は残っていなかった。ヘディングをミートできず、力ないシュートはライン上で相手ディフェンスにクリアされた。ラストプレーの決定機を生かすことができず、試合はPK戦での決着に委ねられた。
運命のPK戦が始まった。一昨日のゲームでのPK戦で大活躍をみせた増川が今日も魅せる。先攻の慶大は一人目の武藤がしっかりと決める。一方、後攻の青学大の一本目は、増川が読み切りボールはポストに当たり失敗。「一昨日の青学の試合で、そのキッカーの蹴ったコースをリサーチの方が教えて下さっていました。」(増川)というチーム全員で止めた一本で慶大がリードを奪う。慶大は二人目の山田もしっかり沈めた。そして青学大の二人目。このPKを増川がセーブ。このセーブで試合が決まった。慶大はその後も全員成功し勝利おさめた。この結果、慶大は8月に大阪で行われる総理大臣杯出場を決めた。
今日の勝利はチーム全員でつかんだ勝利だ。この一言に尽きる。「慶應魂を見せることができた」(松下純土主将・総4・國學院久我山)というコメントが印象に残った。慶應魂とは何か。それはやっぱりチームの全員が「勝利」という一つの目標に向かって全力で突き進むことである。チームとしてこの3連戦で得たものは少なくないだろう。接戦を制する力はリーグ戦ではあまり見られなかった。今日で総理大臣杯出場の切符は手に入れたわけだが、これはゴールではない。慶大の目標は全国制覇である。それに向けてまずはあと2試合勝って関東のタイトルを奪いたい。そして、さらなるレベルアップを図り、8月に行われる総理大臣杯で全国の栄冠を勝ち取ってもらいたい。(記事 太田悠貴)
※この試合の写真は、平山孝志さんより提供していただきました。誠にありがとうございました。
以下選手コメント
須田芳正監督
(今日の試合を振り返って)この前の試合に勝って、3回のうち1回勝てば全国という状況になって、我々としては目の前の試合に集中しよう、100%110%の力を発揮しようということで試合に臨んだ中で、どういう形であれ勝利したことは、とてもいいゲームであったと思います。やっぱり気持ちの強かった我々が勝利したことは当然のことだったのではないかと思います。(連戦の影響が出ていたように感じたが)相手も同じことで、気持ちの面であったり、今日新しく出場した選手であったり、総合力で勝った試合であったと思います。(苦しい試合であったが1番の勝因は)チーム全員の気持ちであると思います。特に、寝ないで頑張ってくれたテクニカルの選手など、そういった力が今日の勝利につながったと思います。(澤根選手の起用について)相手の裏に抜ける動きが前の試合少なかったので、そのような動きを期待して起用しました。(次の試合に向けて)我々は全国に出場するために戦っているわけではないので、目標であるタイトルに向けて1戦1戦戦っていきたいです。
松下純土主将(総4・國學院久我山)
(どのような心境で見ていたか)連戦で疲れていると思うけど、それは相手も一緒で、うちは応援してくれる人も含めて全員で戦っているという話を試合前にして、自分自身もみんなのことを信じているといって送り出しました。試合も今日も先制されて雰囲気もあまりよくない時間もありましたが、試合に関わるすべてのひとが11人を信じて待っていて不安などはありませんでした。(この3試合で得たものは)一つは、私がいなくても勝てたことで、もうひとつは、厳しい試合が続いたが慶應魂を見せることができたことだと思います。(中央大戦にむけて)自分はプレーすることはできませんが、チームのサポートをして関東のタイトル目指して頑張っていきたい。
増川翔太(商3・柏U-18)
(今日の試合を振り返って)連戦が続いて、累積で出られない人とかも出てきていて、非常に難しい試合だったんですけど、チーム一丸となって勝てて本当に良かったです。(失点はあったものの、守備は集中しているように見えたが)試合が続く中で全体の意識の共有が出来てきて、いい距離感を保てていました。その中で自分のプレーがきっかけとなって失点してしまったので、それを何としても取り返そうという思いでやりました。(PK戦でも落ち着いていましたね)前回のPK戦は負けたら終わりというプレッシャーがあったんですけど、今日はそこまでプレッシャーもなく、リラックスしてやれたと思います。あと、一昨日の青学の試合で、PKのシーンがあったんですけど、そのキッカーの蹴ったコースをリサーチの方が教えて下さっていて、ちょうどそのキッカーが1本目に出てきたので、自分はその情報通りに跳ぶだけでした。なので、本当に全員の力で得た勝利だと思います。(次戦に向けて)この3連勝で得た自信が過信にならないように、これからもしっかりと取り組んで、関東1位になれるように頑張りたいと思います。
保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース)
(今日の試合を振り返って)前節と同じく苦しい試合でした。内容も良くなかったですが、後半劣勢に立たされても無失点に抑えて粘れたことはチームとして成長を感じました。(裾野の3連戦で得たこと)負けている状況でも慌てなくなりました。特に昨年は失点した後に立て続けに失点してしまいましたが、最近は先制されてもゲームを落ち着かせることができています。(今日もゲームキャプテンだったが)自分がチームを全国に導くという強い意思を持ってのぞみました。(自身のプレーを振り返って)良かったことはサイドからクロスを上げられても跳ね返して最小失点に抑えたことです。反省点は前半相手が前から来たときのミスが多いことです。1つのプレーで流れが変わってしまうので。(PK戦を振り返って)昨日練習して良くなかったのでチームのために蹴りませんでした。増川が当たってましたし増川とキッカーを信じるだけでした。(総理大臣杯を勝つために必要なこと)失点を簡単にしてしまうのでそこを突き詰めないと夏場は先制されるとキツいので先制出来るチームになりたいです。(準決勝に向けて)ここまで来たら関東王者を狙いたいので準決勝は自分たちのサッカーをして勝ちたいです。
近藤貫太(総2・愛媛FCユース)
(今日の試合を振り返って)またPK戦という形だったのですけど、全国の切符を勝ち取れて良かったと思います。(ゴールシーンを振り返って)ハーフタイムによっち(武藤選手)に人が集まるというのがあったので。あれは本当によっちが引き連れていい形でボールを出してくれたので股を狙ってしっかり決めることができて良かったです。(PKはどんな心境で見守っていたか)もう信じるしかできないので。そこは自分はなにもできないですし、キッカーとキーパーを信じて絶対勝って欲しいと思ってみてました。(少し気が早いが、全国への意気込みを)まだ二試合残ってるんでそこをしっかり戦ったうえで全国大会に向けて。とりあえず、全国というよりも次の二試合見据えてしっかりやっていきたいと思います。(次の試合に向けて)全国は決まったんですけど、タイトルを取りに行くと監督からも話があったので、気をゆるめずやっていきたいと思います。
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