前回の明治学院戦から3週間が経過した9月19日。関東学生ラクロスリーグ、対成蹊大戦が駒沢第一球技場にて行われた。厳しい残暑のなか試合は終始慶大ペースで進み、終わってみれば24―4で圧勝。なお、同日に行われた東大対早大の試合で東大が勝利したため、次戦の早大戦に勝利すれば慶大のFINAL4への切符が確定する。
関東学生ラクロスリーグ1部Bブロック
2010/09/19(日) 14:40F・O@駒沢第一球技場
チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶應義塾大 | 4 | 8 | 4 | 8 | 24 |
成蹊大 | 0 | 0 | 1 | 3 | 4 |
第1Q、フェイスオフに競り勝った慶大は勢いそのままにMF永島(政3)がゴールへと押し込み、開始1分で早々に先制点をあげることに成功する。開幕戦以来「入りが悪い」ことを課題にあげてきた慶大。このゴールによってその流れが払拭されたように思えたが、「正規のサイズよりも少し狭いフィールド」(本下主将・政4)や慣れない土のグラウンドに手こずり、ボールを回しチャンスをうかがう成蹊大の前にシュートをうつ隙すら与えてもらえない。両者の均衡を破ったのが13分、相手のパスミスからこぼれたボールに反応した慶大はMF斉木(経2)がシュートを決め、流れを引き戻す。その後さらに2点を追加した慶大は計4得点で第1Qを終える。
第2Q、成蹊大ボールで始まったもののすぐさまボールを奪うとカウンター攻撃で相手自陣に切り込む。そして2分、MF本下主将の左サイドからのパスにAT齋藤副将(総4)があわせてゴール。第2Qでも流れを渡さない。その後も次々と成蹊大ゴールを襲う慶大。圧巻だったのは8分。相手のパスミスからボールを奪うとMF本下主将、MF田中(政2)、AT長島(商3)と速いパス回しで相手DFを翻弄し、最後はAT齋藤副将がシュート。相手DFに形をつくる暇を与えない圧巻のパス回しから確実にシュートをきめる決定力に観客席からはどよめきがあがる。2Q終了間際にも1点を追加し、12-0と攻守がかみ合った試合運びで折り返す。
第3Qでは多くの下級生が出場し、リーグ戦を経験させるという形をとった慶大。その中でも上級生のAT小原(商4)やAT長島の技ありのシュートなどで着実に得点を積み重ねていく。また第4Qでは、主力選手が再び多く出場し、隙を与えない堅守に加え、ロングパスからのシュート、クリース裏を多用した華麗なパス回し、個人での突破から相手Gの足元を狙ったゴールなど、完全に成蹊大を圧倒。終わってみれば、明治学院戦で記録した、今年のリーグ戦最多得点である22点を上回る24-4で快勝。「フィールドを大きく使って走る」(本下主将)慶大ラクロスを存分に見せつける試合となった。
今試合では、MF粟田(経2)やMF田中など下級生の活躍も見られ、さらに勢いに乗る慶大。課題であった「入り」も試合を重ねる度に良くなってきている。確かに、成蹊大は昨年1部Aブロック5位と1部Aブロック1位であった慶大にとって格下相手であることは否めない。しかし、選手は「前回の明治学院戦が終わってからずっと次の早稲田戦に向けてチームの標準をあわせて練習してきた」(本下主将)と次戦の早大戦に向けて既に始動している。また、「早慶戦は負けているので、15得点10点差以上で勝ちたい。」(齋藤副将)と早大戦への頼もしい言葉も聞くことができた。同日に行われた東大対早大戦では12-6で早大が敗れた。そのため次戦、早大は慶大に敗れるとFINAL4行きが絶たれてしまうという背水の陣で臨んでくる。しかし、慶大も勝てばFINAL4行きが決定する勝負どころとなる試合。去年の雪辱を晴らし、「日本一」をつかむため絶対に負けられない。
By Chisa Kato
選手のコメント
本下主将
(前回から日にちが空いての試合だったが、今日の成蹊戦は)前回の明治学院戦が終わってからずっと次の早稲田戦に向けてチームの標準をあわせて練習してきたのですが、その中で早稲田戦だけではなく、成蹊戦をおろそかにしないようにと思ってやってきたので、今日は早稲田戦を踏まえた上での戦いがしっかりとできたと思います。(開幕戦以来、入りがあまり良くないのが課題だったと思うが今日の出来は)入りも最初の1分で点が入ったという時点では良かったと思う。けれど、やっぱり1点入ったということで少し安心してしまったというのはありますね。他にも、今日の球技場は正規のサイズよりも少し狭いフィールドであったので自分たちのやりたい今年のラクロスである「フィールドを大きく使って走る」ということが実践しにくかったというか、グラウンドのサイズ上、最初とまどってしまった部分があったと思う。でもまだ、入りに対しての修正はできる範囲だなと思っています。普段は人工芝のグラウンドが多いのですが、次の大井での試合もまた土のグラウンドになるので、それぞれのグラウンドに対応した入りをしていけたらと思います。(第2Qでは大量得点を奪ったが意識した点は)第1Qで出た課題を反省して直していけたのが大きいと思う。第2Qではバウンドが変わるグラウンドにあわせていけたし、1Qが終われば相手のDFのスタイルというのも分かってくるので。今季の慶大は第2Qからどんどんあげていけるチームであって、その事がだんだん選手の中で定着してきたので、そこで盛り上がれたり、前半で試合を決められるというのが今の良い点だと思いますね。(後半では下級生が多くでていた印象だが)今年は全体として下級生が多いチームになっていて、リーグ戦の第1戦、2戦と点を取っていなかった選手が点を取ったのがチームの勢いにもなりますし、応援もかなり湧きますし、彼らの自信にもなると思うし、これからのリーグ戦、来年再来年のリーグ戦にも良い影響を与えられる得点だったなと思います。(今週の早稲田戦について意気込みなど)今日、早稲田が東大に負けましたので、早稲田戦を勝てば自分たちのFINAL4が決定するので頑張りたい。だけど、早稲田も慶應に負ければ敗退が決まるということで死にもの狂いでくると思う。ただその状況の中で、自分たちも早稲田戦に向けてずっと練習してきたので、早稲田を意識しすぎずに自分たちのラクロスをやって試合を決められるかが勝負だと思っています。今、かなりもう気合いが入っているのでしっかりと決めていきたいと思っています。
齋藤副将
(今日の試合を振り返って)チームの目標である15得点10点差以上を達成できて良かった。(個人的な出来は)2試合連続得点できているが、足が止まっていた場面もあるので、次はもっと周りを動かしていきたい。(早稲田戦に向けて)早慶戦は負けているので、15得点10点差以上で勝ちたい。
田中
(今日の試合を振り返って)成蹊戦はそれほど大事な試合ではなかったが、MF陣がしっかり得点を取れていた点は良かったです。(個人的な出来はどうだったか)“毎試合3点”という目標を掲げており、今日の試合ではそれを達成することが来て良かったと思います。また、チームとしてやるべきプレーをもっと増やしていきたいです。(あえて課題を挙げるなら)シュートをしっかりと決めきれない場面があった点です。(次戦に向けて)次の早大戦は非常に重要な試合なので、しっかりとした準備していきたい。まずは自分が活躍すること、そして試合に勝つことを一番に掲げて頑張っていきたいです。
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