【男子バレーボール】惜敗でベスト4入り逃すも、秋への見通しは明るし!/東日本インカレ準々決勝

惜敗ベスト4をかけた戦いの相手は、同じ会場で開かれた春季リーグで1セットも奪えずに敗れた順大。東日本インカレを好調で迎えている慶大にとって、この上ないリベンジのチャンスであった。

6月22日(土)第32回東日本バレーボール大学選手権大会 準々決勝vs順大 @日本体育大学 健志台米本記念体育館  

得点
慶大 セット 順大
25 21
16 25
25 22
19 25
12 15
第1セット、序盤はやはり競り合いの展開。最終日進出をかけた両校の意地がぶつかり合いとなる。だが、ここで抜け出したのは慶大。8-8の同点から、丸谷(環3)がスパイクを決め、さらにリーグ終盤から取り組んでいるジャンプサーブでサービスエースをとるなど、丸谷の連続得点で競り合いから抜け出した。また、今大会はリベロ野瀬(環2)を中心としたサーブレシーブが安定。守備が安定することで、慶大の持ち味である攻撃力が活かされた。このセット最後はキャプテン・岡田(商4)がスパイクを決め、25-21で先取。「良いスタートが切れた」(益田副将・政4)というように万全の立ち上がりとなった。

活躍を見せた林

活躍を見せた林

第2セットも慶大はスタートダッシュを見せ、4-1といきなりリードを広げる。しかし、順大も簡単には引き下がらない。タイムアウトを挟んですぐに追いつくと、セット中盤には順大・伏見大和の強烈なサーブに崩され、連続失点。慶大はピンチサーバー・林智之(商2)の活躍もあったが、16-25と大差でこのセットを落とす。

第3セットはエース柳田(環3)が大活躍。今大会から正セッターに戻ってきた野口(環3)との相性は抜群で、ここぞの場面で多くの得点を決めた。野瀬のディグも冴え、このセット25-22で取り、勝利まであと1セットに迫った。

 

しかし、ここから順大の代名詞でもある「高さ」が立ちはだかることとなる。第4セットから徐々に相手ブロッカーからの圧力を受け始め、慶大のスパイクが決まらなくなる。そして「同じパターンで何回もやられてしまった」(宗雲監督)というように、またしても順大・伏見の強烈かつ安定したサーブに崩され、17-20から連続失点を許してしまい、勝負は最終セットへと突入することとなる。

順大のブロックに苦しめられた

順大のブロックに苦しめられた

第5セットは一進一退の攻防。慶大は稲田(環3)のクイックで幸先の良いスタートを見せたが、「最後は大味な展開になってしまった」(益田副将)というように順大のブロックに対し、正攻法で勝負してしまった。試合の流れを手繰り寄せることができず、このセット、12-15で軍配は順大に上がった。勝敗は紙一重の差であった。

「勝てると思ったところで勝ちきれなかった」(柳田)というようにあと一歩で勝利を逃した慶大。だが、ストレート負けを喫した春に比べ「一歩でも勝利に近づけたということは収穫」(岡田主将)であった。また、「成長した」(宗雲監督)というセッター野口が、今大会で復活したことは大きい。入学以来3年間、正セッターの座を守り続け、チームメイトとのコンビは文句なし。とくに同学年の柳田・稲田とはあうんの呼吸であろう。ここにリーグ戦で活躍した池田(環1)が加わることによって、セッターの層はさらなる厚みを増している。さらに、チームの課題であったサーブレシーブも、「野瀬や柳田が伸びた」(宗雲監督)というように改善へと向かっている。たくさんの課題が見つかった春を越え、目標であるタイトル獲得を「目指すだけでなく達成できるように」(星谷)するために、慶大は熱い夏を過ごす。

(記事・古尾谷拓真)

監督・選手コメント

宗雲監督

(今日の試合を振り返って)結果は勝てれば最高の形でしたけれどね。サーブは丸谷や星谷がジャンプサーブを打つなど、2歩も3歩も前進しているのではないかと感じます。(相手の高さは)ブロックとしてはそんなに出ていないんですよ。だから、攻守にわたる微妙な差がフルセットにもつれ込むという、ウチとしてはありがたくない展開になってしまいましたね。(伏見選手のサーブ時の連続失点が響きましたが)あのローテは2セット目、4セット目と同じローテなんですよね。柳田と対峙しているところで、同じパターンで何回もやられてしまったので、5セット目に工夫しようと思ったのですけど、決断できなかったですね。逆に言えば、そこを一つ凌げば失点しないローテが続くので、柳田がサーブレシーブをしてから自ら展開するのか、柳田が崩れても、岡田や丸谷のパイプを絡めていくのか、何か対策をしなければいけないですね。(今大会の調子は皆さん良かったように思いますが)そうですね、気持ちも乗っていたと思います。だから今日勝って最低でも4つに入って秋につなげたかったのですけれど、残念です。(今大会は野口選手がセッターへと復帰し、活躍しました)もともと野口の方が、柳田が打つ時に踏ん切りはしやすいはずです。何より、野口が人間的に成長したと思うんです。選手への声かけであったり、サーブレシーブが返らなくても黙り込まなかったり、セット間でも良く話をしていましたし。彼のコミュニケーションスキルがアップしたというか、そういうのが結果的に余裕を生んでいるのではないかと思いますね。(春リーグ時と比べたチームは)まずサイド選手を益田から丸谷へ代えたのですが、(チーム全体の)サーブレシーブが春よりバタバタしなかったですね。それは野瀬や柳田が伸びたりしている証拠でもあると思います。(これで前半戦が終わりましたが、いかがですか)結果が出てれば、良い気持ちであるし、方向性も間違っていないと思えるのですが、残念ながらサーブレシーブの補強も十分にできていないので、こういう結果になってしまったのだと思います。なので、もう一回、サーブレシーブについてはゼロから取り組むぐらいの気持ちでやりたいです。(どのような夏にしたいですか)引き出しを増やしたいですね、守備も攻撃も。でも、全部やろうとすると大変なので、サーブレシーブをもっと強化したいと思います。学生と相談しながら、まだ時間はあるので、選手も私もリフレッシュをして、「ボールをたくさん触りたい」という夏にして、秋には冷静に戦って、良い結果を出したいと思います。

岡田拓巳 主将

(今日の試合を振り返って)順大は春リーグで3-0と手も足も出ないで敗れてしまった相手だったのですが、今日は3-2という結果で一歩でも勝利に近づけたということは収穫だと思います。そして最後の局面で自分たちがミスをして負けたというのはそれも一つの収穫であり、僕たちの弱点なのかなと感じました。(順大への対策は)僕たちは早慶戦から間がなかったので、新しく攻撃を組み立てることはできなかったので、相手がハイブロックであるから自分たちがいつも打っているようなスパイクでは通用しないという風に考えて、1人1人打っていこうという意識付けはしていました。(自身のプレーについて)僕がああいう風になかなか振るわないと、どうしてもマサ(柳田)の方にしわ寄せがいってしまって、結局柳田一人で勝つというのは到底無理なので、自分がしっかりしないとチーム全体のバランスが崩れてしまったなと。今日の負けは自分の責任だと感じています。(秋季リーグ戦に向けて)ベスト8で負けてはしまいましたが、さっきも言ったように春リーグで1セットも取れなかった相手に3-2まで迫ることができ、自分たちが成長しているんだということを感じられたので、夏休みに企業のチーム相手に試合をするなかでいろいろな収穫を持って秋リーグに臨み、今度は優勝したいと思います。

益田万太郎

(ベンチから見て今日のチームの雰囲気は)序盤はレセプションも安定していて、順天堂はすごい高いブロックというイメージがあったんですけど、それにつかまることもなく、良いスタートが切れたなと思ったんですけど、やっぱり最後はサーブレシーブが安定しなくて、雰囲気もどんどん下がっていってしまったので、そこは今後の課題が見つかったなと思います。(副将として今回の東日本インカレを振り返って)副将としてというよりは4年生として、最後の東日本インカレなので、なんとかしてセンターコートに立って優勝したいという思いがあったんですけど、ベスト8に終わってしまったのでとても悔いの残る大会でした。(具体的なチームの課題は)僕らはリーグ戦が終わったあとに、高いブロックに対してどういう攻撃をするかということを課題にしていて、レセプションが乱れる前提でどういう風に攻めるかという対策をしたんですけど、それが序盤は出来ていたと思うんですけど、最終的には勝負しにいってしまって、冷静な判断ではなくて、ブロックにつかまってしまうという最後は大味な展開になってしまったので、レセプションもそうなんですけど、その後の3本目をどういう風に相手に返したり、つないだり、攻めたり、そこをもう少し磨いていかないとダメかなと思います。(秋に向けて)秋は1回夏をはさむので鍛えられるというイメージがあるんですけど、意外に日数を見てみると少ないという現状もあるので、明日から切り替えるくらいの気持ちで、秋に向けて準備をきちんとしていきたいと思っています。

星谷健太朗

今日の試合内容を振り返って)最後僅差で負けてしまったのは、自分たちの弱さが出たところだと思います。(自身のプレーについて、良かった点や反省点は)良かった点は特にないです。反省点としてはブロックがしっかりできなかった。特にシャットアウトが全然できなかったので、そこが課題ですね。(秋季リーグへ向けて、意気込みをお願いします)春季リーグ、早慶戦、東日本インカレと(状態が)良くなってきているので。今度こそは優勝を目指して、目指すだけでなく達成できるように、頑張りたいです。

柳田将洋

(今日の試合を振り返って)悔しいです。勝てると思ったところで勝ちきれなかったので、悔いの残る結果というか、そんな感じです。(自身のプレーを振り返って)勝負所に弱いというのが今日試合に出てしまって、チームを勝ちにもっていけなかったというのが自分の一番大きな責任だったので、それは夏にきちんと鍛えられるように頑張ります。(今日のチームの雰囲気は)勝ちに向かっていく気持ちは強いですし、悪いムードをどうしても変えようという気持ちも強いので、今日の試合はそういうのがたくさん見られて、すごく雰囲気は良かったと思います。(具体的な課題は)つなぎとか、チーム全体で取り組める課題のことなんですけど、それをしっかりやりたいと思います。(東日本インカレを振り返って)前半の最後の試合だったので全て出せるように頑張りたかったんですけど、正直あまり出しきれなかったので、今後の夏休みとか夏の合宿とかでしっかりチームをつくって、もう1回秋リーグに臨みたいと思います。(秋に向けての意気込み)目標はタイトルなので、優勝という目標をぶらさずに頑張っていきたいと思います。

サイド 柳田将洋(環3・東洋高)
セッター 野口剛志郎(環3・東福岡高)
センター 星谷健太朗(理4・渋谷幕張高)
サイド 岡田拓巳(商4・熊谷高)
サイド 丸谷将大(環3・東筑高)
センター 稲田聡典(環3・日向学院高)
リベロ 野瀬将平(環2・東福岡高)
途中出場 佐藤凜太郎(環2・東北高)
上田悠貴(総2・生野高)
林智之(商2・高知学芸高)
※掲載が遅れてしまったことを、お詫び申し上げます。

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