【女子テニス】小さな若手ペアが大きな快挙達成!夏関ダブルス新女王が誕生 関東学生選手権 最終日

トロフィーを手に、笑顔を見せてくれた池田選手(左)・安形選手(右)。おめでとうございます!

トロフィーを手に、笑顔を見せてくれた池田選手(左)・安形選手(右)。おめでとうございます!

山椒は小粒でもぴりりと辛い、思わずそんな言葉が浮かぶ小柄な選手たちが関東の頂点を勝ち取った。前半戦は変わりやすい天候の中で、後半戦は記録的な猛暑に見舞われる中で行われた関東学生選手権大会。学生大会の中でもひときわ過酷な環境での戦いとなったが、慶大から出場した池田(環2=富士見丘高)・安形(環1=城南学園高)のダブルスが見事優勝を果たした。 

 

2013/08/09,10 関東学生選手権大会@秩父ミューズパーク

   

女子ダブルス準決勝

○池田・安形6-0,6-2水沼・青木(法大)

 

女子ダブルス決勝

○池田・安形6-3,6-2金子・入江(専大) 

安形のストローク、池田のボレーという形でポイントを稼いだ

安形のストローク、池田のボレーという形でポイントを稼いだ

1、2年生の若いペアながら関東の強敵たちを次々倒して決勝まで駆け上がっていった慶大の池田・安形。だが実は普段の大会ではそれぞれ別のパートナーと組んでいる即席ペアであり、当然ノーシードからの大躍進となった。初戦では連携がうまくいかずラケットがぶつかりあう場面すらあったが、準決勝のコートに立った二人からはそんな姿は想像もできない。小さな体をめいっぱい使った大きなラリーを粘り強く展開して法大ペアの勢いを削ぐと、面をしっかり決めたボレーでとどめを刺す。試合通して相手に2ゲームしか渡さず、意気揚々と決勝進出を決めた。

 

後衛では再三ストレートを打ち抜いた池田

後衛では再三ストレートを打ち抜いた池田

 

そしていよいよ決勝当日。揃いの白いウェアに身を包んで登場した二人は並んで立つと姉妹のようにそっくりだ。しかし試合に入ると熟練のペアのようなコンビネーションを見せた。安形が体重を乗せたサーブを次々決め、池田はストレートへのリターンをケアしつつ相手の逆をついてポーチボレーを叩き込む。二人で決めていた「思い切ったプレー」(池田)を披露し、軽やかにキープするとリターンも快調でブレーク成功。その後もサービスゲームでは相手に付け入る隙を与えず、6-3で第1セットをものにした。

確実なサーブを入れ、シングルスの相手に借りを返した安形

確実なサーブを入れ、シングルスの相手に借りを返した安形

 

相手サービスで始まった第2セットは、互いにサービスゲームを守りながらブレークチャンスをうかがう展開に。相手の金子・入江ペアも第2シードであり、そのうち入江はシングルス初戦で安形を破っている実力者だ。クレーを利用した巧みなフットワークで走りまわり、コートを広く使ったラリーを仕掛けてくる。とくに、小柄な慶大ペアにとってはそのスピンロブが難物で、バックネットに体を押し付けるような苦しい体制で返す場面が続いた。それでも「返したらチャンスは来る」(安形)と信じて辛抱強くラリーを展開。するとたまりかねた相手がミスを連発し、第5ゲームでブレークに成功、流れは一気に慶大に傾いた。安形の左利きを活かした特徴的なサーブで相手を押すと、甘くなったロブをすかさず池田がスマッシュ。さらに思い切ったリターンが前衛の脇を打ち抜き、気持ちよくエースを連発する。最後は相手がサーブでダブルフォルトを犯すなど完全に失速。堂々たる勝利で池田は二度目の、安形は初の夏関ダブルス女王に輝いた。

チャンピオンスピーチではチームの仲間たちに感謝の思いを伝えた

チャンピオンスピーチではチームの仲間たちに感謝の思いを伝えた

 

夏の夜空に咲く花火のように華々しい勝利を収めた池田・安形ペア。だが休む暇なくインカレに向けて本来のパートナーとの調整に入らなければならないだろう。小柄ながらぴりっとスパイスの効いたプレーを見せた関東女王たちは、その経験を糧に今度はインカレ女王を目指す。その二組の頂上決戦がインカレの舞台で見られるだろうか。慶大にとって、これまで経験したことのないようなアツい戦いが、すでに始まっている。

(記事 伊藤明日香)

  ◆選手コメント

池田玲(環2=富士見丘高)

(今日の試合を振り返って)決勝ということでとにかく思い切ってやろうと二人で話し合っていて、試合でも思い切ったプレーが二人で出来たので、それが勝因だなと思います。(初戦から決勝までの中で一番印象に残っている試合は)やっぱり途中で中断した試合はキツかったんですけど、次の日ファイナルセット3-3から集中力を上げて入れて、しっかり勝ち切ることができたのが勢いに乗れたきっかけになったと思います。(普段とは違うペアと出場しましたが、何か発見はありましたか)パートナーが左利きというのが初めてだったので、それを生かしたプレーをしようと考えていて、うまく発揮できたかなと思います。(ウェアの雰囲気が普段と違いましたが、この大会に合わせて二人で用意されたんですか)ほんとは、実は春関の時の支給ウェアだったんですけど、あまり着る機会がなかったのと、一人で着るのは……っていうことがあったので、今回二人で使ってみました(笑)。(春夏で関東を制覇し、夏関の連覇も果たしましたが、関東のダブルスに関しては)関東では負けられないという気持ちがありますし、去年のインカレではベスト4で終わってしまったので、その悔しさを今年のインカレでぶつけたいです。(インカレに向けて意気込みを)今回とはパートナーが違うんですけど、今回優勝した経験を生かして、今年こそは優勝したいと思います。

0810 池田・安形選手⑤

 

安形玲那(環1=城南学園高)

(今日の試合を振り返って)大先輩についていくというか、ずっと引っ張っていってもらっていたので、ついていくので必死でしたが、自分のできることをやろうと思って頑張りました。(普段とは違うペアでしたが)なんでもできないと、タイトルはとれないと思うので、今回組んでくださった玲さんはすごく動けるペアだったので、私もそういうプレーができればいいなっていうお手本だったし、次、いつも組んでもらっているペアの人と組んだときには私がそのプレーをして引っ張っていけたらいいなという気持ちです。(高く大きめのロブに対して苦しい体制になる場面が続きましたが、どうでしたか)とりあえず、返したらチャンスは来ると思っていたので、返すことに必死でした。(1年生で初優勝された感想は)うれしいです。(決勝の相手はシングルス初戦で対戦して敗れた専大の入江選手でしたが、印象はちがいましたか)いや、違いは特になかったんですけど、同じ相手には負けたくないという気持ちで臨みました。(インカレに向けて意気込みを)インカレでも予選の初戦で同じ入江選手と当たるので、絶対に勝って、本選に上がって、ダブルスも一戦でも多く勝って優勝目指して頑張りたいと思います。

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