【バスケ】新体制での門出に弾みをつける連勝!vs法大・早大

 

今年度の慶大を牽引する伊藤主将。

今年度の慶大を牽引する伊藤主将。

今年も新たな春が訪れ、新たなシーズンが幕を開けた。昨シーズン二部優勝、一部昇格、そしてインカレでも王者相手に堂々たる戦いを見せ、躍進を遂げた慶大。しかし、雪辱を期す早慶戦や、激しい一部での戦いへ向けてさらなる成長が望まれる。そんな中迎えた開幕戦初日の相手は、昨シーズン共に二部からの昇格を果たした法政大と、二部への降格という辛酸を舐めた早大。リーグ戦・早慶戦を見据え、勝って良いイメージをつけておきたいところだ。いずれも試合の序盤はやや固さが見えたものの、安定感のあるプレーで着実に勝利を刻んだ。この日、今後への期待を膨らませるようなゲームを慶大は見せてくれたのだった。  

2014/3/21(金)@明治大学和泉キャンパス
東京六大学バスケットボールリーグ戦 第一試合 法大戦
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 21 22 24 29 96
法大 13 17 22 25 77
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG ♯4  伊藤良太(環4・洛南高)
SG ♯13 福元直人(環3・福大大濠高)
SF ♯10  大元孝文(環3・洛南高)
PF ♯6  権田隆人(政4・慶應高)
♯7 黒木亮(環3・延岡学園高)
  1Q、慶大の今シーズン初の得点は、大元の一対一からのミドルシュートにより生み出された。しかし、その後はお互いになかなかシュートが決まらず拮抗した展開が続いた。そんな局面を打開したのは新キャプテンの伊藤。外角からのシュートに加え、権田のリバウンドに素早く反応し、パス一本でレイアップにつなげ、会場を沸かせた。このQだけで10得点を決めた伊藤に牽引され、慶大は8点リードで2Qへ突入した。2Q序盤は法大にオフェンスリバウンドから、ゴール下の得点を許すなど攻め込まれ、一時点差を3点にまで縮められる。しかし、大元がオールコートディフェンスから二連続スティールを決め、傾きつつあった流れを引き戻した。慶大の激しいディフェンスも徐々に機能。積極的にダブルチームを仕掛け、2Q残り3分間で法大に2得点しか許さなかった。一方のオフェンスでもゴール下での得点を重ね、リードを広げ前半を終了した。

復帰後再びコートに立った真木。要所で持ち前のスピードを見せ付けた。

復帰後再びコートに立った真木。要所で持ち前のスピードを見せ付けた。

   3Qはベンチメンバーが能力を発揮。西戸(総2・洛南高)はミドルシュートを高確率で沈め、このQだけで10得点。真木(環3・國學院久我山高)も外角からのシュートに加え、キレのあるドライブからバスケットカウントも獲得し、こちらもこのQだけで8得点。選手層の厚さを感じさせる活躍をみせる。法大も3ポイントショット等で得点をつなぐも、慶大のディフェンスがその点差を縮めることは許さなった。迎えた最終Qは慶大のインサイド陣がその活躍を見せた。中村(理4・慶應高)が自らのシュートをリバウンドからそのまま押し込むと、権田はゴール下やドライブからの得点だけではなく、ディフェンスでもペイント内で相手のオフェンスファウルを誘い、存在感を発揮した。吉川(環4・世田谷学園高)も3ポイントを含むこのQ7得点の活躍で慶大のオフェンスを後押し。最後まで法大に主導権を渡すことはなく、同じ1部の相手に対し、新体制での門出を19点差をつける快勝で飾った。   

2014/3/21(金)@明治大学和泉キャンパス
東京六大学バスケットボールリーグ戦 第二試合 早大戦
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 25 19 25 27 96
早大 20 14 26 21 81
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG ♯4  伊藤良太(環4・洛南高)
SG ♯13 福元直人(環3・福大大濠高)
SF ♯10  大元孝文(環3・洛南高)
PF ♯6  権田隆人(政4・慶應高)
♯7 黒木亮(環3・延岡学園高)
  因縁の相手である早大との一戦。第一ピリオド開始早々、慶大の速攻が飛び出し、大元がレイアップシュートを沈める幸先良い幕開けとなった。ゲーム序盤から相手を圧倒したい慶大は、続けざまに大元のスリーポイントや権田のパワープレーなどでリードを広げる。しかし「一対一が持ち味の一つ」である早大も黙ってはいない。ノーマークを作らせない強力なディフェンスに苦しめられ、慶大フォワード陣が外からリングを狙うも得点に結びつかず。思い通りのプレーが出来ずファールを重ねるチームに勢いを与えたのは、中村のフィジカルを生かしたゴール下でのプレーだった。これをきっかけに吉川のスティールを西戸がバスカンに繋げるなど、ディフェンスを攻撃の起点とする慶大らしい攻めが少しずつ見られるようになった。1Qは西戸のループシュートで締められ、5点のリードを保ち第二ピリオドへ。続く2Qは両チームが激しく点を取り合う展開に。インサイドで積極的に仕掛けてくる早大を抑えきれず、慶大は痛い失点を重ねてしまう。リバウンドも思うように取れず、本来の実力を発揮できない時間が続いたものの、伊藤のスリーポイントや真木の鋭いカットインが要所で輝き、慶大ベンチを大いに沸かせた。得点差を10点に広げ、ゲームは後半戦へと突入する。  

正確なシュートと機動力でチームに貢献する大元。上級生としての期待がかかる。

正確なシュートと機動力でチームに貢献する大元。上級生としての期待がかかる。

   勝負の第三ピリオドは慶大ボールでスタート。新チームのセンターとして確固たる地位を築いた黒木がインサイドで奮闘し、得点のみならずセカンドチャンスも量産する活躍を見せる。そしてこのQで躍動したのは吉川だった。粘り強いディフェンスで相手ガードのファンブルを誘い、速攻による多くの得点を実現。吉川のプレーが慶大の十八番であるトランジションバスケットの火種となった。試合の明暗を分ける第三ピリオドで多くの失点はしたものの、彼らの活躍により早大に主導権を握らせることなく終了した。最終ピリオドで相手を突き放したい慶大であったが、早大の土壇場での猛攻に手を焼く展開となる。伊藤・権田の新四年生ペアが、正確無比なスリーポイントや速攻で士気を高めるも、早大の合わせを多用したプレーに翻弄され、相手の大量得点を許してしまう。一時は二点差にまで詰め寄られた慶大だが、ここで昨年のリーグ戦で培った集中力を発揮。またもや黒木がゴール下からチャンスを作り出し、多くの得点へと結びつけた。最終的に再び一歩抜け出し、見事96-81というスコアでライバルに勝ち切った。   今シーズンの先行きを占う開幕戦を、見事白星発進で飾った慶大。厚い選手層を背景に、スターティングメンバーのみならずチーム一丸となって勝利した経験は、今後一部リーグで勝ち抜く上で重要なものであったに違いない。しかしながら内容を吟味してみれば改善されるべき点や、不十分な点があることも否めない。反省点を修正しつつ、全勝で六大学リーグ戦を終えることが望まれる。好スタートを切った彼らから、ますます目が離せない。  

(記事・岩田 亮 / 埜村 亮太)

 

※この度の選手コメントは対談取材を行ったため、割愛させて頂きます。大変申し訳ございません※

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