【ソッカー男子】第9節 安定の守備を見せ勝ち点1獲得 流経大戦

10日に行われた首位順大との戦いを1-0で勝利し、3試合ぶりの勝ち点3をあげた慶大。今節は、昨年の総理大臣杯で見事優勝を成し遂げた流経大が相手だ。プレシーズン、鹿児島で行われた大会では0-0、PK戦で辛くも勝利したが「苦しめられた相手」(山田融)であるのは間違いない。試合は、ルーキー野口翼がゲームを組み立てる流経大に主導権を握られるも体を張った守備で得点を許さず0-0のスコアレスドローとなった。カウンターで決定機もあり勝ちきれなかった悔しさもあるが、無失点で終われたという収穫のあるゲームとなった。

 

第88回関東大学サッカーリーグ戦 第9節

 

2014/5/18(日)13:50KO@龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールド

 

慶應義塾大学0-0流通経済大学

 

◇慶大出場選手

 

GK峯達也(政4・桐光学園高)
DF溝渕雄志(環2・流通経済大学付属柏高)
DF望月大知(環2・静岡学園高)
DF久保飛翔(環3・済美高)
DF井上大(総2・國學院久我山高)
MF山田融(総3・横浜F・マリノスユース)→71分加瀬澤力(総2・清水東高)
MF浅間翔大(理4・暁星校)
MF山浦新(総4・東京ヴェルディユース)
MF増田湧介(環4・清水東高)
FW川田悠介(環4・桐蔭学園高)
FW黄将健(総3・近畿大学付属高)→63分山本哲平(政2・國學院久我山高)
 

 

慶大は前節とスタメンを変えず、黄(総3・近畿大学付属高)と川田(環4・桐蔭学園高)の2トップ。2列目には前節決勝ゴールをあげた山田(総3・横浜F・マリノスユース)と増田主将(環4・清水東高)が努めた。連勝を狙いたい慶大だったが、立ち上がりから流経大にボールを支配される。ボランチに入った野口が豊富な運動量でビルドアップに参加。慶大のDF陣に隙があるとみると、前線にボールを供給しチャンスを作り出していく。第7節の早大戦においても、ボランチに入った近藤洋にセカンドボールを拾われ続け完敗を喫していたが、この日の慶大は違っていた。危ない場面ではセーフティーにクリア、跳ね返したボールは浅間(理4・曉星高)や山浦(総4・東京ヴェルディユース)がきっちりとセカンドボールを拾い相手に2次攻撃をさせなかった。先制点を得たい慶大はカウンターからチャンスを作り出す。19分、相手のクロスボールをキャッチした峯(政4・桐光学園高)から前線の増田へロングフィードをつなぐ。前線で2対2の状況となったが惜しくも得点にはつながらなかった。その後もボールを保持しチャンスを狙う流経大、カウンターの機会をうかがう慶大といった展開のまま試合は進む。すると前半の終盤に両チームに決定機が訪れる。37分、流経大FW富樫が久保(環3・済美高)と望月(環2・静岡学園高)の間を抜けGKと1対1に。しかし、これは峯がビックセーブを見せ得点を許さない。対して慶大は41分、右サイドを駆け上がった溝渕(環2・流通経済大学付属柏高)が角度のないところからシュートを放つ。しかし惜しくもゴール左に外れ先制点を得ることはできなかった。

2トップの一角に入った川田

2トップの一角に入った川田

 

後半に入っても一進一退の攻防は続く。両チームの体を張った守備が光り、ゴール前までボールを運ぶことができず、中盤での主導権争いが激しくなっていく。後半初めてのチャンスを作ったのは慶大。65分、右サイドでパスを受けた山田がクロスをあげる。ファーサイドで待ち構えていた増田が頭で合わせるも惜しくもキーパーの正面に。先制点を得たい慶大は63分に黄に代え山本を、71分には山田に代え加瀬澤を相次いで投入。前線からの守備と攻撃を活性化させる。相手にも疲れが見え始めた試合終盤、慶大は一気に攻勢をかける。84分、PA内左で相手を背負いながらパスを受けた加瀬澤が相手を振り切りシュート。これは惜しくもGKのセーブにあってしまうが、慶大のチャンスは続く。87分、山浦のパスを受けた川田が強烈なシュートを放つも、GKが右足1本で防ぎどうしても1点が入らない。ATにも加瀬澤の惜しいシュートがあったが得点には至らず0-0で試合終了。勝ち点1を得る結果となった。

惜しいシュートを放った溝渕

惜しいシュートを放った溝渕

 

終盤に何度か決定機があったものの得点を奪うことはできなかったが、「守備のところは本当に安定していてよかった」(須田監督)。MFの4枚とDFの4枚がしっかりと2列のブロックを敷くことでゴール前にボールを運ばせなかったことが2試合連続の無失点につながった。しかし逆に、ここ4試合で1点しか奪えていないことも忘れてはならない。守備に重点を置く慶大は、それほど多くの人数を攻撃にかけられない。しかしそこは、増田主将を中心に、割り切って守って耐える時間と攻勢を強める時間を見分け判断していくことが必要だろう。次節の相手は駒大。今季2部から昇格したチームだが、ここまで4勝を挙げている。31日から始まるアミノバイタルカップに良い流れで入っていくためにも、重要な意味を持つ1戦になるだろう。長身FW擁する相手に対し厳しい戦いが予想されるが、勝ち点3を奪って波に乗りたいところだ。 (記事 青山直樹)

 

◆慶大の試合後のコメント◆

 

須田芳正監督

 

(今日の試合を振り返って)

すごく良いゲームだったね。うちらとしては今日は失点ゼロでいこうと。守備のところは本当に安定していてよかったと思います。

 

(2試合連続の無失点でしたが)

そこの部分は集中してたし、ポジショニングも良かったし、評価できるなと思います。

 

(終盤に山本と加瀬澤を入れたことで点を取りに行こうとしたのか)

最初から出た川田と黄ももちろんよく頑張ってたし、かなり前線から守備もやってくれる選手なんで、途中から代えようかなとは思っていたんですけど。もちろん数少ないチャンスをものにしようとは考えていたんですけど、基本的には守備のところをしっかりやって、そのあと(裏に)抜け出していこうということは代わった2人には話しましたけどね。基本的には守備を重視しました。

 

(その中で点を取るために必要なこととは)

いくつか最後チャンスがあったと思うんだけど、あのところはシュートの技術だと思うんだよね。ちょっとしたことだと思うんで、個人の技術の向上だったりは急に良くなることはないので、積み重ねしてトレーニングしていこうかなと思います。

 

(これまでは宮地・加瀬澤と2トップだったが今は川田・黄の2トップだが求めることが違うのか)

今日の2人(川田・黄)には相手の裏に抜け出そうと。特に相手は3バックだったし結構前からきている部分はあったんで、相手の裏を突いてもらおうと。そういったスピードのある選手を今回は使ってそういった要求をしました。

 

(前期リーグも残り2試合となりましたが)

本当に早いもので残り2試合で、基本的には1戦1戦ということだね。後期までの22試合での結果もそうだけど、1つの区切りとして、前期でできれば20ポイント、あとは上位4番くらいには入りたいと思うんだけれども、今は次の駒澤戦に向けてうちらはしっかりと準備をしていくだけです。

 

 

増田湧介主将(環4・清水東高)

 

(今日の試合を振り返って)

点を決めれるチャンスもあったし、そういった意味では勝てた試合だったかなと思います。

 

(ここ2試合無失点だが守備に関しては)

守備に関しては、本当にDFの選手を中心に全員で抑えられていたので、そこに関しては評価できるんじゃないかなと思います。

 

(ボールを奪ってからなかなかカウンターにつなげられなかったが)

ただ守るだけではなくて、攻撃のための守備というものをもっとチームとして向上させていかなければいけないなと思いました。

 

(次節への意気込みを)

今日は自分も何度かシュートを打って決めれるシーンもあったので、次は自分の得点でチームを勝たせられるように1週間良い準備をしていきたいです。

 

 

山浦新(総4・東京Vユース)

 

(今日の試合を振り返って)

今日は入りから、絶対失点を0で負けない試合をしようということで。その目標は達成できたんですけども、得点するチャンスもあったので勝ち点1は残念です。

 

(失点0にというゲームプランの中で、山浦選手の役割は)

前節からボランチに入って、自分に求められてる役割はセカンドボールを拾うことだったので。前半はある程度できたと思うんですけど、後半は風下になって少し相手にこぼれ球を拾われるシーンが増えてしまいました。

 

(サイドハーフとボランチならどちらがやりやすいか)

監督からどちらのポジションもやることを意識するように言われているんですけども、サイドハーフだったら攻撃の部分、ボランチで入ったらボールを落ち着かせることやセカンドボールの守備のところだったり、どちらもやりがいのあるポジションなので、監督に使っていただけるとなったらどちらでもいいです。

 

(これまで全試合スタメン出場しているが、コンディションは)

毎年毎年けがをしてきてしまっていて、コンスタントに試合に出ることができていなかったので、9試合すべてに出ているのは、出来もあるけど、けがしてないことが自分にとって一番大きいと思います。自分の中では、毎朝8時からの練習にスケジュールが変わったんですけど、そこのところでうまくコンディションを整えることが出来ているのかなと思います。

 

(次節への意気込みを)

今日は負けなかったんですけど勝ち点1ということで、上を目指していく中では勝ち点1をとることもそうですけど、勝ち点3が大事になってくると思うので、残り2試合の中で絶対勝つってことが必要になってくると思うので、チームの方針としてどうなるかわからないですけども、個人的には3欲しいなと思います。

 

 

川田悠介(環4・桐蔭学園高)   

 

(今日の試合を振り返って)

ずっと0-0ということで、厳しい状況が続きました。得点こそは獲れなかったけれど、無失点で終われて何とか勝ち点1が獲れて、良かったんじゃないかなと思います。

 

(近年勝利できていない流経大との対戦だったが、どのような意気込みで臨んだか)

特にそういうのは意識しませんでした。普通に関東リーグの1節として、1試合1試合大事に、去年の残留争いのときのように追い込まれた状態で戦おうと思っているので、特に意気込むことはなく、いつも通りという感じですね。

 

(惜しいシュートもあったが、ご自身のプレーを振り返って)

ああいうワンチャンスというのをこれからモノにしていかないと、チームもなかなか勝てないし結果も出ていかないと思います。フォワードですし、そういう自分の役割をしっかりと果たさなくてはいけないなと思っています。

 

(流経大の印象は)

個人個人のレベルがすごく高くて、まとまっていいチームだなと思っています。

 

(足の状態は)

足は打撲なので大丈夫です。

 

(次節に向けて意気込みを)

しっかりまた無失点で抑えて、次こそは得点してチームを勝たせることができるように、頑張りたいと思います

 

 

山田融(総3・横浜F・マリノスユース)

 

(今日の試合を振り返って)

流経は強いので、チームとして無失点で終えることが重要だったと思います。それが達成できて、非常に良かったと思います。

 

(ご自身のプレーを振り返って)

90分出場できなかったというところが、自分の課題です。サイドハーフだったので、もっと前に出てかなきゃいけなかったと思うんですけど、そこの部分が90分間続けられなかったので、ただボールを持ったときはクロスだったりシュートだったりで終わろうと思っていたので、それができたのは良かったと思います。

 

(相手の流経大の印象はどうでしたか)

個々の能力が高かったですね。自分らは個の部分であまり優っていない分、組織として戦わなければいけないと試合始まる前から話していたので、チームとして勝ち点1取れて良かったです。

 

(今のチームの雰囲気はどうですか)

1試合1試合謙虚に、チャレンジャーの気持ちを持って一週間準備してますし、充実した練習ができているので、こういう結果がついてきているのかなと思います。

 

(今後に向けて意気込みを)

前期あと2節なんで、チームの目標としている前期4位以内を目指して、残り負けない戦いをして、勝ち点を積み上げていきたいと思います。

 

 

久保飛翔(環3・済美高)

 

(今日の試合を振り返って)

守備として2試合通して0失点という形だったので、やりたいことはやれてよかったと思います。

 

(2試合連続出場で無失点で抑えられましたが)

僕はディフェンスなので、失点が0というのがずっと開幕してから意識してやってきたので、そこは良かったと思います。

 

(後半攻められる場面が多かったが)

全員が集中を切らさずに、まずは守備からしっかり入るという形で、声を出し続けることができたので良かったと思います。

 

(課題は)

今日は守ってから攻撃にあまり上手く繋げることができなかったので、そこをどうやっていくかが今後の課題だと思います。

 

(次節に向けて)

次がとても大事な試合になってくるので、まずは気持ちで負けないようにして勝利をつかみたいと思います。

 

 

溝渕雄志(環2・流通経済大学柏高)

 

(今日の試合を振り返って)

前節勝っていたので今節も無失点でいくということと、攻撃へどうつなげるかという課題を上手く試合の中で形にして、0-0を狙いながらもワンチャンスをものにしようという感じだったんですけど、無失点というところはよくできていたし、守備も集中していたのでそういう所の収穫はあったんですけど、点を入れられるシーンはたくさんあったので、少し勝ち切れなかったという印象の試合です。

 

(古巣との対戦でしたが、特別な思いはありましたか)

結構皆そんな感じで言うんですけど、自身はそんな特別な思いはなくて、先輩とか同期もたくさんベンチ含めて居たんですけど、逆にいい意味でいい緊張感でやってやろうという気持ちがあったぐらいで、いつもと変わらずしっかりプレーしようという思いはありました。

 

(溝渕選手もオーバーラップからチャンスを作っていたと思いますが、今日のご自身の出来は)

もっと出来るし、もっとやらなければいけないんじゃないかなと思います。

 

(ハーフタイムに監督からはどんな指示がありましたか)

前半よく集中してゼロで抑えられたので、後半も0-0でしっかり抑えながらも、ワンチャンス1本に集中してしっかり勝ち切ろうという感じの指示でした。

 

(次節に向けて)

次は駒沢で、おそらく蹴ってくる相手になるので、まあ今回、東国・早稲田とそういう蹴ってくる相手に対して自分たちの形が作れていないという現状があったので、そこをもう1つこの1週間見直してしっかりまず無失点で引き分け以上が得られるように全員でやっていきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました