グループリーグ上位進出へ残り2試合を勝ちで終えたい男子ホッケー部。しかしその思いとは裏腹に開始30秒で失点し、出鼻をくじかれる。それでも「気持ちの切り替えはうまくいった」(田中・政4)と、細井佑(経2)、中井将人(政2)のゴールで逆転に成功する。同点に追いつかれ後半を迎えるが、ペナルティーコーナーから宮坂健吾(政2)のシュートで勝ち越しに成功。ところが同点に追いつかれると、試合終了30秒前にフリーゴールを決められ痛い逆転負け。2戦終えて勝ち点1の慶大は自力での上位進出は厳しくなった。
関東学生ホッケーリーグ秋季 グループリーグB
2014.9/13(土) 14:45~ @慶應日吉グラウンド
慶應義塾大学 3-4 東京農業大学
(前半2-2、後半1-2)
【慶大得点者(アシスト者)】
9分 細井(田中)
14分 中井(遠藤)
53分 宮坂(細井)
<スタメン>
GK本名智一(経3)、FB田中啓介(政4)、三木雅史(経3)、宮坂健吾(政2)、吉國光裕(政2)、MF岡田寛(政4)、細井佑(経2)、福谷亮太(政1)、FW谷直剛(政3)、遠藤錬(経3)、下山雄大(経2)
先週の法大戦では試合終了間際にPSを与え、土壇場で引き分けにされ終わった慶大。上位リーグ進出のためには何とか勝ち点を増やしたいが、この日は春季準優勝を果たした強豪・東京農業大を相手に迎える。
しかし意気込んで臨んだ農大戦はまさかのスタートで試合を迎える。試合開始のホーンが鳴り、農大がボールを持つとあれよあれよという間に左サイドから切り崩され失点してしまう。電光石火の失点劇に観客席は動揺したが、「時間が早かった分ある意味気持ち的には切り換えやすかった」(田中啓介・政4)という慶大。4分にペナルティーコーナー(PC)を奪われるも、これを防ぎ逆にカウンター。これはゴールにはならないが、岡田寛(政4)らが起点となり右サイドから積極的に仕掛けていく。すると9分、田中からボールが上手く細井佑(経2)に流れると、サークルトップ付近からリバースシュートを振りぬく。これが見事にきまり、同点に追いつく。さらに14分には左サイドから駆け上がった遠藤錬(経3)がサークルに打ち込むと、これをいいポジションにいた中井将人(政2)が飛びこんでタッチシュート。これが決まり、テンポよく逆転に成功する。しかしリードした余裕からか、やや引き気味にプレーし、パスコースにも迷いが出始めた慶大。早いリスタートと、鋭い打ち込みで打開してくる東農大に対応できず16分にPCを献上してしまう。それでも田中が上手く相手のフリックにスティックを当てる好セーブ、何とか失点防ぐ。前半20分からは宮坂健吾(政2)の鋭く、正確なヒットの打ち込みで得点機を何度も演出するが、サークル内の選手たちは応えられず得点できない。すると28分にPCを与えると、田中がまたしても相手のシュートをスティックで止めるが、仕切り直しとなったPCでは強烈なフリックシュートを決められ、同点に追いつかれてしまう。30分には農大#5がイエローカードをもらい、慶大が人数有利のパワープレーとなるが、得点が欲しいがために慌ててしまう場面が多く、得点することができず、2-2の同点で前半を終えた。
勝ちにこだわるため「後半も前からいこう」(田中)とした慶大。39分に遠藤が果敢に攻めあがり相手のファールを誘い、この日初めてのPCを獲得。しかし岡田のフリックは左下の枠外に外れ、勝ち越せない。その後は本名智一(経3)のファインセーブで幾度となく迎えたピンチを切り抜ける。細井や福谷亮太(政1)の落ち着いたパス回しで中盤からチャンスを作り出そうとするものの、なかなかFWがボールを収められずシュートも谷直剛(政3)の放った1本しか放てない。やや重い展開だったが、農大が再びイエローカードで1人退場しパワープレーとなると、ついにチャンスが訪れる。52分に森駿太(経2)が相手サークルでボールをもらうと、ピックアップでファールを奪う。そしてこのPCを宮坂が強烈なヒットシュート。これが相手GK、FBにかかるも、宮坂の力が勝り、ゴールネットを突き刺した。3-2で勝ち越しに成功する。しかし59分、やや足が止まった慶大FBを個人技で農大FWが交わし、フリーゴール。なんとか勝ち越したい慶大だったが、試合終了間際に前掛かりになった隙を突かれ、ゴール前をフリーにしてしまいフリーシュートを決められ逆転を許してしまう。逆転を許した直後、試合終了のホーンが虚しくグランドに響いた。
2試合連続で後半残りわずかのところで白星を逃している慶大。試合は一進一退の様相で気が抜けない展開だっただけに、わずかな隙や甘さが勝負を左右した。それでも細井、中井、宮坂や法大戦で得点を挙げた下山と、ここまで挙げた4得点はすべて2年生からもたらされたもの。遠慮することなく自信をもってプレーしている姿勢がうかがえた。上位進出へ、春に苦汁を飲まされた明大相手に勝つホッケーを展開するには田中や岡田らの上級生はもちろん、下級生のプレーにも期待がかかる。
(記事:荒川智史)
☆グループB・成績(9/13現在)
|
東農 |
明治 |
慶應義塾 |
法政 |
勝ち点 |
得失差 |
東農 |
― |
○3-2 |
○4-3 |
9/21 |
6 |
2 |
明治 |
×2-3 |
― |
9/20 |
9/28 |
0 |
-1 |
慶應義塾 |
×3-4 |
9/20 |
― |
△1-1 |
1 |
-1 |
法政 |
9/21 |
9/28 |
△1-1 |
― |
1 |
0 |
次戦 9月20日(土)vs明治大学(春季リーグ3位)14:45~@慶應日吉グラウンド
以下、選手コメント
FB田中啓介(政4=慶應義塾)主将
(今日の試合を振り返って)勝ちに行こうという話をしていて、後半前に出ようということだったんですけど、逆にカウンターを決められてしまって・・・。2試合連続で終盤に得点を許してなかなか勝てないというのは悔しいですけど、今までやってきたことを曲げずにやるしかないのかなと思っています。(体力やメンタル的な部分で勝ち切れなかったのか)体力的な部分でもないと思いますし、メンタル的にも受け身になっていたとは思わないんですけど、最後に自陣25ヤードでなかなか外でつぶせない、サークル内に簡単に侵入を許してしまう、という部分の甘さですかね。(開始直後の失点は痛かった)ちょっとプランとしては大きな誤算となったんですけど、時間が早かった分ある意味気持ち的には切り換えやすかったので、そこまで重い気にはならなかったです。(3得点はあげられましたが、攻撃の形は)先週から改善しようとしたところは、少しだけ形が見え始めたんですが、変え始めたばかりなので、精度だったり自信だったりの部分はまだまだ足りないんですけど、この1週間でもう少し改善していって、いい形ができたらなと思います。(次戦、明治戦に向けて)法政大の結果にもよりますけど、まだまだ上位いけるし、勝つしかないので、1点でも多く点を取る、がむしゃらにプレーするを心掛けるようにします。こんなところで目標が達成できなくなるのはもったいないし、自分のホッケー人生を終えるわけにはいかないので、どんな形でも死に物狂いで明治を倒すというのを肝に銘じて練習したいと思います。
コメント