3勝3敗と星を五分に戻した慶大の次の相手は青山学院大学。昨年のトーナメント覇者でもある、言わずと知れた強豪校だ。慶大は今年の京王電鉄杯でも青学に対しては大敗を喫している。先日行われた法大戦で黒木(環3・延岡学園高)が足を負傷。インサイドの中心選手が欠場という状態で慶大は試合に臨んだ。序盤、慶大は相手オフェンスをなかなか止められず大量失点。一試合を通じ、10点台の点差を詰め切ることはできなかった。しかしスタメンを一人欠きながらも、格上相手に必死にプレーを続け、40点差で負けた春からの確かな成長を感じ取れる試合でもあった。
2014/9/20(日) @専修大学生田キャンパス | |||||
第90回関東大学バスケットボールリーグ戦 第7日目 vs青学大 | |||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 14 | 20 | 17 | 20 | 71 |
青学大 | 23 | 30 | 14 | 18 | 85 |
◆スターティングメンバー | |||||
PG | #4 伊藤良太(環4・洛南高) | ||||
SG | #19 西戸良(総2・洛南高) | ||||
SF | #10 大元孝文(環3・洛南高) | ||||
PF | #6 権田隆人(政4・慶應高) | ||||
C | #22 トカチョフ サワ(環1・國學院久我山高) | ||||
◆主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)◆ | |||||
#6 権田隆人:18得点 |
阪口HCは黒木の代わりにサワをスタメンに起用。1Q、そのサワが一対一でのドライブや、オフェンスリバウンドをチップでそのまま押し込むなどして活躍を見せる。開始5分間は、交互に得点を重ねる展開となった。しかし、ここから慶大は青学のフィジカルを活かした激しいディフェンスの前に苦戦。残りの5分間で慶大が奪えた得点はわずかに4点。チーム1の点取り屋である主将伊藤のシュートもこのQは抑えられてしまった。対して青学はコート上の5人がバランスよく得点を重ねリードを奪った。
2Q、黒木離脱の「その穴を埋められるように」と語るルーキー木村(環1・東山高)が途中出場。ゴール下で相手のファウルを誘い、得たフリースローを確実に沈めた。フィジカルが強い青学に対し「体を当てることが1番大事」と語る権田もタイトなチェックからスティールを奪い得点につなげた。しかし青学はオフェンスが絶好調。慶大も懸命にボールを追い続けたが、ドライブでディフェンスをひきつけてからのキックアウトパスで崩され、このQだけで30得点も許してしまう。ピリオドの終盤には西戸の3ポイントやサワのバスケットカウントなどが見られるも、やはり大量失点が響き、リードをさらに広げられて前半を終了した。
3Q、権田が力強いオフェンスリバウンドからゴール下で得点すると、続くオフェンスでは伊藤のアシストを受けミドルシュートを確実にヒット。自分に相手ディフェンスのマークが集まるとバックドアプレーでアシストを演出。オールラウンドな活躍を見せた。さらに大元も一対一から難しい体勢でミドルシュートを沈め、これに続く。ディフェンス面でもサワがその高い身体能力を活かしこのピリオドだけで2ブロックを記録。失点を2Qの半分に抑えた。しかし、慶大は自分たちの流れを掴みかけた時間帯はあったものの、勝負所でのシュートを今一つ決めきれない。対する青学は前半より得点は少なかったものの要所での得点は確実に決め、慶大に完全に流れを明け渡すことはなかった。
4Q序盤、大元のアシストから権田が、伊藤のアシストから福元がそれぞれ得点。点差をじわじわと詰めていく。しかし、少しでも点差が詰まると二桁得点差でも相手HCはタイムアウトを請求。逆転への芽はどんなに小さくても摘み取っていくという勝利への執念がうかがえた。慶大は3Q同様、スティールなどでディフェンスからの流れは掴むものの、青学の懸命のディフェンスもあり、そのスティールを得点につなげられない。逆に青学はチームを支えるエース野本が勝負の第4Qだけで10ポイントを獲得。慶大の流れを断ち切る要所での得点も目立った。最後は経験と地力の差を見せつけられた慶大。得点差を縮めることは叶わず、試合終了のブザーを聞くこととなった。
あと一歩というところでなかなか得点を決められず、悔しい敗戦を喫した慶大。しかし強豪を相手にしても、セットオフェンスでゴール下でフリーの選手を作り出すことに成功するなど「やればできる」(阪口HC)という部分も少なからずあった。主力を欠きながらも京王電鉄杯のように一方的な展開にならなかったのは、慶大が少しずつそのチーム力を上げている証であるともいえるだろう。次の対戦相手は拓殖大学。強豪との対戦が続くが、今年の秋リーグでは法政大が筑波大に、国士舘大が拓大にそれぞれ下馬評を覆す勝利をあげており、何が起こるかはわからない。慶大も昇格組に続き金星をあげ、強豪校にとっての脅威となることができるのか、今後の試合への期待は高まるばかりだ。
(記事:岩田亮)
阪口HC
相手が強かったね。(試合前に何か対策は練っていたか)今日は青学とか東海は別格だと思っているので、その当たりの強さをみんなになるべく大勢に感じてもらおうというつもりだったんだけど、思いのほか向こうも選手をたくさん変えてきて、その分いいプレーができた部分もあって、もうちょっと中島とか後藤とかにプレイングタイムをあげたかったね。黒木が抜けたぶん、下の山崎哲や、木村もそうだし。(東海大よりは勝負になった印象だが)東海が一つ抜けているというのは、選手が一番感じているし、ただうちのチームは去年まで2部でやっていたから、青学レベルの接触には慣れていないよね。吉川が押し出されたシーンがあったけど、あれはファウルをもらうんじゃなくて逆に押し返さないとね。そこを青学なんかとこの時期に体感できたというのはいいことだね。(青学にも通用した部分はあったか)いろんなことを考えてやったプレーが、例えばバックドアとかが成功したのは収穫だよね。やればできる部分もありました。(黒木の足の状況は)来週の専修大戦や明大戦にできれば間に合うようにとトレーナーなんかと話している状況です。(明日の拓大戦に向けて)今日もいろいろなことがあって(拓大が)国士舘に負けたみたいなんで、今日みたいなプレーができればいい結果につながるかなと思います。
[PF]権田隆人(政4・慶應高)
チャレンジャーとして挑んだ試合でしたが、1部の中でも上位の学校というのは僕たちが挑戦する気持ちでやらなければいけない中で、今までやった試合よりは相当当たりの面でもうまくいきましたし、相手のシュートへの対策という面でもうまくいったので、内容としては悪くなかったと思います。今日の感じを明日以降につなげていきたいです。(インサイドに強い青学に対して)やはり体を当てることが一番大事だと思いますうちよりも一回りも。二回りも体の大きい選手たちですが、体を当てることは僕たちにもできますし、確かに体力は消耗しますが相手をイライラさせるプレーであったり、簡単にレイアップやリバウンドを取らせない動きというのが大切だということは確認していたので、そこを意識してプレーしました。(マルチに活躍されていたが)本当に今までが全然だめだったので、チームに迷惑ばっかりかけてましたし、やっと今日ちょっとだけよかったのかなと思っていて、今日を最低ラインにしてこれから先もっと得点やデイフェンス、リバウンドに関わっていきたいです。(黒木選手が不在だったが)やはり黒木がいてもいなくてもやることは変わらないですし、もちろん黒木がいた方がインサイドが締まったりというのはありますが、僕やサワ、控えの山崎だけでも十分にインサイドで戦えるというのは練習で証明してきたので、チーム全体でも今までよりリバウンドを取れる本数が減ったとは思いませんし、黒木が戻ってくるまでは今いるメンバーで辛抱強く頑張っていきたいです。(7試合を終えて今のチーム状態は)リーグ戦に向けて残留というのを目標にしていましたが、国士舘戦は取りこぼしてしまったものの、勝たなきゃいけない相手にはしっかり勝てていますし、常連チームに対しても僕たちがしたい戦い方というのをある程度は実践できていると思います。まだ残留する上では絶対に負けられない専修戦も残っているので、今までの戦い方の延長というのをさらにレベルアップしてやっていければ、目標としている残留も見えてくると思います。(明日の拓大戦に向けて)今までの上位チームとの試合では実力の差を見せつけられて、10点、20点差と大きい点差をつけられて負けているのですが、今日の国士舘対拓殖戦に大差で国士舘が勝っているということで自分たちにも全くノーチャンスだとは思っていません。相手のキーマン(バンバ選手)もいるのは分かっていますし、そこをどれだけ抑えられるかということと、やはりインサイド陣がしっかりリバウンドを取れることが勝利のカギになると思うので、徹底してやっていきたいと思います。ます。
[CF]木村能生(環1・東山高)
自分の役割はリバウンドなので、その仕事をあまり果たすことが出来なかったというのはちょっと後悔しています。(インサイドが強い相手だったが)黒木さんが怪我で抜けた分、僕とか山崎さんがフォローしなくてはいけないので、その穴を埋められるようにこれから努力していきたいと思います。(途中出場の際何か指示はあったか)僕の仕事はリバウンドなので、リバウンドだけ頑張れと言われました。(どのような気持ちでプレーしたか)ここでアピールをしてゆくゆくは使ってもらえるようになりたいなという気持ちで今日はコートに立ちました。(たくさんシュートが決まっていたが)たまたまです。最後のシュートも、たまたま決まりました。(今後頑張りたい事は)やはり僕の仕事はリバウンドなのでリバウンドを頑張ります!
コメント