【野球】加藤拓の投打にわたる活躍で先勝 法大①

10月4日(土) 法大1回戦

加藤拓躍動!投げては完投、打っては2打点

加藤拓躍動!投げては完投、打っては2打点

優勝に向けて後がなくなった状況で迎えた法大戦。初戦のマウンドを任された加藤拓(政2)は7回まで2塁すら踏ませない快調なピッチングを披露する。終盤はピンチを迎えるもののリードを守りきって9回2失点で完投。打線は2回に竹内惇(商4)の適時打で先制すると、加藤拓が自らのピッチングを助けるフェンス直撃の2点適時打を放った。是が非でもほしい勝ち点奪取に向け、先勝を飾った。

   
法大
慶大 ×
 法大:●石田、玉熊、三浦-安本、中園

 慶大:○加藤拓-小笠原

◆慶大出場選手

  ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[7] 佐藤旭(商4・慶應)
[6] 山本泰寛(環3・慶應)
[9] 谷田成吾(商3・慶應)
[5] 横尾俊建(総3・日大三)
[8] 藤本知輝(環4・慶應)
[4] 竹内惇(商4・慶應)
[3] 齋藤大輝(商2・慶應)
[2] 小笠原知弘(環3・智弁和歌山)
[1] 加藤拓也(政2・慶應)
 

先制打を放ち復調の兆しを見せた竹内惇

先制打を放ち復調の兆しを見せた竹内惇

前週の立大戦で痛い連敗を喫し、連覇に向けての正念場を迎えた慶大。なにがなんでも勝ち点を獲得したい慶大はエースの加藤拓に先発を託した。

 

加藤拓は初回、味方のエラーで先頭打者に出塁されるものの、2番皆川にバントを許さずサードフライ。続く3番、4番を連続三振に抑え立ち上がりをしっかりと抑える。2回も先頭の出塁を許すものの次打者を併殺に打ち取り、わずか4球でチェンジ。しっかりと試合のリズムを作り、味方の援護を待つ。

加藤拓のピッチングに応えたい打線は2回、1死から藤本知(環4)が内野と外野の間に落ちる二塁打で出塁すると、打席に迎えるは竹内惇。「そんなに当たりは良くなかった」と振り返るものの、竹内惇の打球はライト前へと転がり貴重な先制点をもたらした。その後、相手のエラーも絡み2死一,三塁のチャンスを作ると、打席には先発の加藤拓。3球目を振り抜くと打球は左中間のスタンドへ向かってグングンと伸びていく。一度は本塁打と判定されるものの審判団の協議の結果二塁打に。しかし、三塁ランナーに続いて一塁ランナーの生還も認められリードを3点に広げる。

 

大飛球は幻の本塁打に(記録は二塁打)

大飛球は幻の本塁打に(記録は二塁打)

リードを得た加藤拓はここから圧巻のピッチングを見せる。3回をわずか8球で三者凡退に片づけると4回から7回までを46球被安打1、無四球に抑え込む。打線も5回に小笠原(環3)の二塁打と佐藤旭(商4)の内野安打でチャンスを作ると、谷田(商3)のタイムリーで中押しに成功し、快勝ムードが漂い始める。

しかし、終盤を迎えると加藤拓は法大打線に捕まる。8回、先頭の6番金子にライトスタンドへの本塁打を許すと、1死から連続二塁打を浴びてさらに失点。点差を2点に縮められてしまう。その後後続を抑え8回を終えるものの、9回、2死を取ってから二塁打を打たれると続く金子にも四球を与え一,二塁。長打で同点、本塁打で逆転のピンチを迎える。しかし、次の打者を見逃し三振に仕留め試合終了。「最終的に1点勝っていればいい」との思いで終盤のピンチをしのぎ切り、勝ち点獲得のために大事な初戦に勝利した。

 

生還する藤本知。好機に一本が出た

生還する藤本知。好機に一本が出た

連覇に向けての戦いの真っ最中である慶大。先週の立大戦に連敗して勝ち点を落としたことは大きなダメージである。「もう負けることはできない」(佐藤旭主将)状況に追い込まれたことに間違いはないが、優勝の可能性が消えたわけではない。これからの一戦一戦をどう戦っていくか、どうやって勝利を掴みとるのかということが非常に重要だ。今週を含めて残るは3カード。今日で開幕から5連敗を喫したものの六大学最多の優勝回数を誇る法大、春に慶大に3連覇を阻まれ雪辱を誓う明大、春優勝まであと一歩のところまで迫りながら目の前で優勝をさらわれた早大。どのチームも優勝を目指して打倒慶大を誓っていることだろう。連覇を狙う慶大にとってこれ以上ない強敵たちである。

しかし、慶大にはそれらのチームを凌駕する十分な力がある。谷田、横尾(総3)、藤本知を中心とした打線に加藤拓、三宮(商3)の先発陣。そして、明(政4)や佐伯(商4)をはじめとする中継ぎ陣に梅野(環3)などの主に終盤に出場して勝利を手繰り寄せる控えの野手陣。慶大は分厚い戦力を誇る。優勝のためには残りの試合で自分たちの力を存分に発揮することが鍵となる。

 

【Keisupo pick up】リーグ屈指の剛腕エース 加藤拓也

ラストバッターを抑え安堵の表情を見せる

ラストバッターを抑え安堵の表情を見せる

約1年前となる去年の9月30日に大学初白星を挙げた右腕は、わずか一年でエースへと成長した。春は主に2回戦の先発を任されていた加藤拓だが、秋は開幕から1回戦のマウンドを任されている。150㌔を上回る速球を武器に相手をねじ伏せる加藤拓は今日も法大のエースであり抜群の実績を持つ石田投手を相手に堂々としたピッチングを披露した。春には早大の絶対的エース有原投手に投げ勝つなど、その実力はすでに六大学屈指のものである。慶大のエースから東京六大学のエースへ。加藤拓から目が離せない。

 

(記事 布寺智裕)

 

                          

◆打撃成績
   
[7] 佐藤旭 二ゴ 空三振     投安   見三振  
[6] 山本泰 空三振   二ゴ   二飛   三ゴ  
[9] 谷田 左飛   投ゴ   右安①     四球
[5] 横尾   遊飛 中飛   死球     遊飛
[8] 藤本知   右2   二飛 捕邪飛     三併打
[4] 竹内惇   右安①   空三振   一ゴ    
[3] 齋藤   空三振   左邪飛   中飛    
[2] 小笠原   遊失     右安 遊ゴ    
[1] 加藤拓   左中2②     見三振   一邪飛  
◆投手成績
  投球回数 打者数 球数 安打 三振 四死球 失点 自責
加藤拓 34 123
◆監督、選手コメント

髙多倫正助監督

(今日の試合を振り返って)加藤がよく投げましたね。最後まで一生懸命投げてくれました。(優勝に向けて負けられない状況だが、試合前に選手にそうした声掛けはしたか)とにかく選手の方がそういう状況になっているとよくわかっていて、私から言う前に選手がそれぞれ「もう負けられない」と。(選手同士でのミーティングなどがあったのか)選手だけでのミーティングは特にやってないと思いますけども、リーグ戦まだ残っていますし、立教に負けた後もう一度モチベーションを上げないと。その時点では立教に走られていますけども、なにがあるかわからないので、とにかく後の試合全部勝つつもりでやるしかないっていうのはチームのコンセンサスです。(加藤拓投手のピッチングで素晴らしかったことは)四球が1つだけで、最初からそういう意味でコントロールを重視して慎重に投げていたと思います。先に絶対に点をやらないっていう気持ちが伝わってきました。(加藤拓投手のバッティングについて)パワーがありますんで、いつも期待しているんですけどうまく当たりましたね。(難敵の石田投手を攻略したが対策などは指示していたか)特に石田対策というわけではないですけども、とにかく自分の持っている力をここで出せるように、思いっきり振ってこい、と指示しました。(明日に向けて)我々にとってはもう背水の陣なので、勝ち続けることしかないと思いますので、今日と一緒で、とにかく勝つという気持ちでやってくれると思います。

 

佐藤旭主将(商4)

(立大戦2連敗から今日に至るまでチームの雰囲気等は)もう負けることはできないので勝つしかないという状況の中で、いい準備が法政戦に向けてできたかなと思います。(今日の試合を振り返って)加藤が良く投げてくれましたし良いテンポで守ることができました。それが攻撃の良いリズムになって、得点機に一本出すことができました。ただ初回にミスがあって今後そういうミスが命取りになってくるので、無駄なミスをしないようにしなければと思います。(慶大が苦しめられてきた法大・石田から効率良く得点を重ねた)特に石田に対して苦手意識があるというわけではないのですが、積極的にどんどん振っていこうとは思っていましたし、それがいい形でつながったという感じです。ほしい場面で一本が出ました。(第3打席は見事なセーフティーバント。狙っていたのか)前の打者の加藤が送ることができなかったので、何とかいい形でランナーを得点圏に進ませようと思っていました。あわよくば自分も生きたいと思っていたので、加藤がアウトになってから初球はセーフティーでいこうと決めました。(明日明後日は台風により開催が微妙だが次の試合に向けて)そこは明日になってみないと分からないですけど、自分たちは次の試合に向けて準備をしていくだけなので、天候に左右されず気持ちだけは切らさずにやっていきたいです。

 

竹内惇(商4)

(今日の試合を振り返って)先制点も取れて、追加点も、中押しもできて、4点取れたので、楽な試合運びだったんですけど、最後に2点取られたというところで、締められたんですけど、そこをしっかり締められたらなと思います。(個人的に先週から強化したところ)そこまで変えてないですけど、初球から振ろうと思っているんですけど、まだ手が出ないという感じで、そんなに思い切りがないというか、触れてないという感じですね。(タイムリーについて)そんなに当たりは良くなかったですけど、あそこで1本打てて、それで加藤がつないでくれたので、よかったです。(法大•石田投手の印象)スライダーを打とうと思ったんですけど、見極めが難しくて、1打席目はたまたま打てたのですが、2打席目は全然スライダーのタイミングが合わなくて、ちょっと苦労しました。(明日に向けて)明日も負けられないので、とにかく1戦1戦集中して頑張っていきたいです。

 

藤本知輝(環4)

(今日の試合を振り返って)勝てたんで嬉しいです。(ご自身の打撃について)あまり大きいのを狙わず繋ぐ意識でっていうのを意識しています。(守備で好プレーがありましたが)練習してきているので僕の中では当たり前のプレーです。(次に向けて)勝つだけなので明日は僕が打って勝てれば良いと思います。

 

小笠原知弘(環3)

(今日の試合を振り返って)加藤がよく投げてくれました。最初のうちは守備でちょっとエラーがあったのですが、それでも粘って投げてくれたので勝てたかなと思います。(連敗した立大戦からどのような練習を行ったか)特に何かを変えるというよりも、今までやってきたことをちゃんとやるというような感覚で練習しました。先取点を取って逃げ切るというのが形だと思うので、立教戦とは違って法政戦では先取点を取れたことが勝てた要因かなと思います。(完投勝利をあげた加藤拓について)まだまだ本調子ではないとは思います。もっと出来る選手だと思うし、まだまだやってくれると思います。(具体的に足りない部分とは)まだまだ球本来の力ではないですし、コントロールもまだまだだと思います。加藤本人も満足している部分とできない部分とがあると思うので、その辺を詰めていければいいなと思います。(終盤のピンチではマウンドに行く場面もあったが、何と声をかけたか)打たれたらしょうがないということと、普通にやれば抑えられるというような感じのことを言いました。抑えてくれると信じていたので良かったですね。(1塁送球が逸れたのをうまくカバーし2塁で刺す好プレーもあった)そうですね、たまたま良い所にいられて良かったという感じなのですが、刺せて良かったです。(打撃でも安打が出た)日頃やっている練習の成果が出て嬉しいです。(次戦への抱負)明日も勝たないといけないので、台風のことがありますが準備だけはしっかりして、試合が出来る状態ならば良い試合をし、その結果勝てたらなと思います。

 

谷田成吾(商3)

(今日の試合を振り返って)先制できて、そのまま流れにのっていい試合運び ができたと思います。(対法政にむけてどのような調整を行ったか)バッティングの細かい調整をして、そんなに調子は悪くなかったのでしっかり 確実に打てるように練習してきました。5回、チャンスでつないだ場面について)久しぶりにチャンスで回ってきたので、ここは打ってやろうと いう気持ちで打席に立ちました。(明日にむけて一言)連勝をしていかないと優勝が怪しくなってしまうので、一戦一戦しっかり戦って、明日も勝てるように頑張ります。

 

山本泰寛(環3)

(今日の試合を振り返って)序盤から加藤がしっかり0に抑えてくれて、打撃にリズムよく繋げられたと思うので、それが今日の勝因だと思います。(チームの雰囲気は)負けられない戦いがこれから続くんですけど、チームとして一つになって戦おうというのを心がけてやっていました。(自身の調子)悪くはないんですけど結果が今日は出なかったので、また明日から切り替えてやっていきたいと思います。(明日に向けて)明日もしっかり守備からのリズムで、バッティングに活かしていきたいと思います。

 

横尾俊建(総3)

(試合を終えて)とりあえず勝てて良かったです。(打撃について)自分では良い感じだと思っているんですけど、ボール球に手を出し過ぎてるかなという感じがします。(畔上選手や金子選手の活躍について)刺激にはなりますが他人のことを言っている場合ではないです。(相手の石田投手について)良い投手ですね。向こうは抑えようとしているし、こちらは点を取ろうとしていて、たまたま上手く点を取ることができたので打線がつながったかなという感じです。(守備の失策について)あの場面ではああいう投げ方しかできなかったので気にしていません。(次の試合に向けて)1本大きいのを打ちたいです。

 

加藤拓也(政2)

(今日のピッチングで良かった点は)内も外もコースには結構投げられたのでそこが1番良かったです。(左打者を多く並べてきたが)しっかり内角を使おうと小笠原さんと話をして、そのなかできちんとバッターの内を攻められました。(連敗となって迎えた試合、意気込みは)リーグ戦はまだ2カードしか終わっていなくて、半分以上残っているので目の前の試合に集中しようと思って投げました。(2回はあわやホームランという当たり、感触は)まあ自分のなかでしっかり打てたなとは思ったんですけど。ホームランを打ったことはないので感触でホームランだなとはないですが、よく飛んでくれました。(終盤のピンチでは何を考えていたか)最終的に1点勝っていればいいと思っていたので、あまり慌てずしっかり投げようと思っていました。(次に向けて)またここから厳しい戦いしかないので、できることをしっかりやろうと思います。

 

齋藤大輝(商2)

(前カードでは連敗したが、今日まではどのような調整をしていたか)チーム全体では、もう負けられる試合はないのでとにかく勝つことだけを意識して今まで練習してきました。個人的には、やるべきことは今までと変わらないと思うので、今までやってきたことを継続してやってきました。(今日の試合を振り返って)加藤が投球でも打撃でも頑張ってくれていたと思います。(ご自身のプレーについて)打撃の面では、一本が出ないな、という感じですね。守備の面では、打てないときこそ守備も頑張らなきゃいけないという気持ちでやっています。(次の試合に向けて)次も絶対に勝って僕も打ってチームに貢献できるように頑張ります。

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