満を持して迎えたインカレ準々決勝。その相手となったのは、下馬評を覆し2回戦で強豪青学大を下した大東文化大学。昨年までは1部リーグに所属し、今年も2部リーグで優勝を果たすなど、確かな実力を兼ね備えている。アップセットを起こし勢いに乗る相手に対し、どう立ち向かうのかに注目が集まった。試合は序盤から終盤まで互いに一歩も譲らぬ僅差での戦いに。しかし勝負所であと1本のシュートが遠かった慶大。健闘を見せたものの、目標としていた高みに到達することは叶わなかった。
2014/11/28(金)@代々木第二体育館 | ||||||
第66回全日本大学バスケットボール選手権大会準々決勝 vs大東大 | ||||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | ||
慶大 | 20 | 12 | 19 | 14 | 65 | |
大東大 | 14 | 13 | 17 | 26 | 70 | |
◆慶大スターティングメンバー◆ | ||||||
PG | #4 伊藤良太(環4・洛南高) | |||||
SG | #13 福元直人(環3・福大大濠高) | |||||
SF | #10 大元孝文(環3・洛南高) | |||||
SF | #6 権田隆人(政4・慶應) | |||||
C | #7 黒木亮(環3・延岡学園高) | |||||
◆主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)◆ | ||||||
#4 伊藤良太:18得点 #6 権田隆人:10リバウンド |
第1Q、チームを鼓舞したのは主将の伊藤だった。オフェンスリバウンドを3本も奪い、これらを全て自らゴールへと押し込む活躍を見せる。さらに福元の鋭いアシストから黒木がゴール下で得点し、慶大がリードを奪う展開に。対する大東文化大は3ポイントを含むアウトサイドからのシュートで得点を重ねた。拮抗した状態が続いたが、ラストプレーで伊藤が一対一から難しいスリーポイントを沈め、一気に流れを引き寄せピリオドを終了した。第2Q、序盤なかなかシュートを決めることができない慶大は、コンスタントに得点を重ねる大東文化大に2点差までリードを縮められてしまう。しかし2回戦の法大戦同様、途中出場の西戸が、効果的なミドルシュートとドライブで流れを引き戻した。ここからディフェンスも機能し、相手の24秒バイオレーションを誘う場面も見られた。さらに終盤には大元のスリーポイントのバスケットカウントも飛び出し、慶大は5点リードで前半を折り返すことに。
第3Q、こちらも途中出場となるサワがゴール下、さらにはトップオブザキーからのスリーポイントなどで得点し、チームを鼓舞した。しかしこのピリオドの中盤で大東文化大学が作戦を仕掛ける。2回戦であの青学をも苦しめたオールコートゾーンディフェンスを、ベースラインからのスローインの度に敷いてきた。これに戸惑いリズムを崩した慶大は、攻めあぐねてしまうことに。3Q残り3分でついには逆転を許してしまう。ここで踏ん張りを見せたのは、今年が最後のインカレとなる4年生。権田はゴール下で巧妙なブロックを見せ相手の勢いを断ち切ると、伊藤は速攻の先頭を駆け抜けバスケットカウントを奪い、再び慶大がリードした。 第4Q、このままリードを保ちながらゲームを運びたいところであったが、大東文化大はそれを許さなかった。伊藤、西戸らが懸命なチェックでプレッシャーをかけるものの、#28児玉、#99山崎らが、高確率で外角のシュートを沈めてきた。これに対し慶大も福元、大元のシュートでスコアをつなげるも、連続得点を奪うことができない。相手のゾーンプレスの対応にも迫られ、得意とする「堅守速攻」のバスケットボールを展開しきれなかった。残り数分で逆転を許してしまい、その後も勝負所でのシュートがリングに嫌われてしまう。一方ファウル覚悟のディフェンスを見せる慶大の前で、大東文化大はフリースローを確実に沈めた。最後まで粘りを見せたものの、あと一歩が遠く65-70で試合は終了。
勝負の決め手となったのは最終ピリオド。14-26という得点差がそのまま勝敗を分けたといっても過言ではないだろう。慶大も全力を尽くし戦ったものの、「相手が強かったと認めざるをえない」と語る伊藤の言葉に象徴されるように、大東文化大のクラッチタイムでの勝負強さも、相当のものであった。チームにとっても悔しさの残る試合であったが、インカレはまだ順位決定戦を残している。明日の相手は、慶大が今季まだ一勝も挙げられていない国士舘大学。苦手とする相手から勝利をもぎ取ることができるか。一つでも上の順位をめざし、これからも戦い抜くことを願ってやまない。 (記事・岩田 亮)
伊藤良太(環4・洛南高) 今シーズン日本一という目標を掲げてきたので絶対に勝たないといけない試合でしたが、40分間出しきりましたが手が届かなかったのは悔しいですし、相手が強かったと認めざるをえないです。(相手の良かった面とは)40分間気持ちを切らさない集中力の高さと、どこからでも点を取れるいいチームでした。(自身のプレーを振り返って)最後のインカレなので、本当に気持ちでプレーしましたが手が届かなかったのは甘い部分が出たからだと思います。しかし、40分間チームを鼓舞することは出来たと思っていて、気持ちを切り替えていきたいです。(明日に向けて)チームとしても沈んでいるとは思いますが、気持ちを切り替えて明日の準備をして、国士大には今季勝っていませんが、勝って次に繋げたいです
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