【柔道】大将戦までもつれる大熱闘!惜敗も講道館沸く / 第66回早慶柔道対抗戦

 

33年ぶりに講道館開催となった

33年ぶりに講道館開催となった

勝ち抜き戦で行われた柔道定期戦は33年ぶりに講道館で開催。序盤から押され気味に試合を進めるが、両エースである郡司拳佑(商3)、後藤隆太郎(政2)の活躍で、星を五分に戻す。最後は大将戦までもつれ、主将である吉武壮祐(商4)が奮戦するも、惜しくも屈指敗退。5年ぶりに優勝を逃す結果となったが、その雄姿はしっかりと講道館の地に刻まれた。    

20141012日(日)

66回早慶柔道対抗戦

場所:講道館(12:30~)    

<女子出場選手(先鋒から)>

①富岡愛美(総4=國學院栃木)、②鬼谷奈津子(理3=高知学芸)、③難波英里(看3=敬愛)、④伴美弥子(文1=渋谷教育学園渋谷) 

男子に先駆けて行われた女子戦は4人制で行われた。先鋒の4年生・富岡が勢いをつけたいところだったが、早大のルーキー斎藤の前に指導3を失い、敗戦を喫する。流れを変えたい次鋒の鬼谷は、足技を積極的に繰り出し、ポイントを取りにかかる。しかし相手を揺さぶったものの、技を決めきれることができず、両者ポイントがないまま引き分けとなった。副将の難波も白星が欲しかったが、相手から絞め技を食らいそうになるなどあわやの場面もあった。その後も果敢に攻めたが指導を1つ取るのに精いっぱい。引き分けで大将の伴へとつなぐ。ルーキーながら大将として畳へ上がった伴は、ケンカ四つの体勢から思うように技を繰り出せない。しかし前へでる強気の攻めを展開し、相手を場外へ押しやるなどで着実に指導のポイントを稼ぎ、結局指導3差での警告勝利となった。この結果、ポイントが並んだ女子戦は引き分けという結果になった。

期待のルーキー、伴の勝利で引き分けに

期待のルーキー、伴の勝利で引き分けに

  女子

慶大 名前(階級)  

決まり技

  名前・早大
先鋒 富岡(48)  

警告

齋藤(48)
  鬼谷(52)  

×

  市場(57)
  難波(57)  

×

  山口(57)
大将 (63)

警告

  五十嵐(57)
      <男子出場選手(先鋒から)>

①渡邉龍太郎(商1=慶應湘南藤沢)、②井上頌悠(法1=慶應義塾)、③白鳥力也(商2=慶應義塾)、④大畠裕宣(商1=修道)、⑤人見幸広(政1=慶應義塾)、⑥安藝悠馬(経3)、⑦中沢嵩史(総2=國學院栃木)、⑧瀬詰晃弘(環4=高松)、⑨辻卓也(商3=慶應義塾)、⑩藤塚捷(医4=城北)、⑪西村康佑(商1=慶應義塾)、⑫郡司拳佑(商3=慶應義塾)、⑬梅田貴志(政4=慶應義塾)、⑭福島遼太郎(商4=慶應志木)、⑮菅原将吾(総3=水戸葵陵)、⑯鎌田一輝(総4=相洋)、⑰後藤隆太郎(政2=慶應義塾)⑱宮本康平(商3=長崎東)、⑲新藤嘉喜(商3=慶應義塾)、⑳吉武壮祐(商4=修猷館)

男子部は20人による勝ち抜き戦で行われる。勝てば次の試合に残り、負ければ交代、引き分ければ両者交代という具合だ。慶應の先鋒に立つのは1年生の渡邉。勢いをつけたい初戦だったが、開始1分で肩車を決められ一本負け、初戦を落とす。2人目の井上がケンカ四つの姿勢ながらもプレッシャーを与え試合を優位に動かす。指導2を相手に与えたが決め手に欠け引き分け。早大は2人目の4年生副将・片岡が登場。ここから慶大にとって悪夢の時間帯となる。3人目の白鳥が大外刈りで技ありを取られ敗退すると、4人目・大畠は技をかけにいったところを上手く返されてしまい敗戦。5人目の人見がなんとか引き分けに持ち込み、片岡を突破するが、慶大は5人を終えて白星なしと苦しい展開になってしまった。流れを変えたい慶大は安藝が合わせ技一本で慶大初の勝利をようやくあげる。

慶大の初勝利を収めた安藝

慶大の初勝利を収めた安藝

中沢と瀬詰、辻の奮闘により、何とか立て直しを図るも、藤塚と西村が突破され、慶大は12人目の郡司、早大は8人目の西岡が登場する。昨年早大選手を5人抜きし、一気に慶大を勝利に導いた郡司に今年も期待がかかった。郡司はわずか1分半で西岡を内股で沈めると、続く相手にも内股透で優勢勝ち。内股がさえていた郡司は3人目も内股一本勝ちで3人抜きを決め、講道館を沸かせる。早大12人目の蛯沢を相手にも指導差で有利に試合を進め、勝利すると思われたが残り10秒。相手のかけ技から逃げ、腹這いになったところを捉えられ、絞め技をもろに受けた郡司は無念のタップ。それでも4人抜きはならなかったが、慶大に流れを呼び戻す快刀乱麻の働きを見せた。

豪快に技を決めた郡司

豪快に技を決めた郡司

続く梅田、福島が1勝づつ収め、慶大は17人目の後藤、早大は15人目の浅賀が畳に上がる。「負けていたので僕が最悪でもタイにしよう」と意気込んだ後藤は、やや苦戦するも警告勝利。続く井上を相手には見事な袖釣込腰が決まり、2人抜き。続く相手には引き分けたが、見事に人数をタイに戻す働きをみせた。18人目の宮本、副将の新藤が引き分けで試合を終え、吉武に優勝の望みをつなげる。お互い迎えるは20人目・大将であり、主将同士の直接優勝決定戦に、場内のボルテージは最高潮。「思ったより緊張はなかった」という吉武。最初に変化をつけた相手の巴投げも華麗にかわす軽やかな動きで、攻撃のチャンスをうかがった。しかし早大・大将の小林の、足を持って仕掛ける意表をつくに鞠投げに対応できず、無念の一本負け。沸き立つ早大側に、しばらく吉武は立ち上がることはできなかった。

今後の活躍に更なる期待がかかる後藤

今後の活躍に更なる期待がかかる後藤

33年ぶりの講道館開催となった早慶対抗戦は、講道館という地に恥じない大熱戦となった。5年ぶりに優勝を逃す形となったが、その雄姿は間違いなく見るものすべてを魅了した。来季以降も郡司、後藤らを中心として、学生柔道のパイオニアチームのプライドにかけて戦う慶大柔道部から目が離せない。

(記事・荒川智史、写真・山田万里子) 

男子
慶大 名前(階級)  

決まり技

  名前(階級) 早大
先鋒 渡邊(73)  

肩車

桐生(73) 先鋒
井上(81)  

×

  桐生(73)  
白鳥(90)  

大外刈

片岡(90)
大畠(81)  

合技

片岡(90)  
人見(73)  

×

  片岡(90)  
安藝(73)

合技

  古川(60)
  安藝(73)  

大外刈

中上(81)
中沢(100)  

×

  中上(81)  
瀬詰(100)

小外掛

  中嶋(66)
  瀬詰(100)  

大外刈

(90)
(81)  

×

  (90)  
10 藤塚(66)  

払巻込

高橋(73)
11 西村(60)  

×

  高橋(73)  
12 郡司(90)

内股

  西岡(81)
  郡司(90)

内股透

  齋藤(90)
  郡司(90)

内股

  河田(81) 10
  郡司(90)  

送り襟絞

蛯沢(66) 11
13 梅田(81)

払巻込

  蛯沢(66)  
  梅田(81)  

警告

熊田(100) 12
14 福島(100)

警告

  熊田(100)  
  福島(100)  

警告

吉野(73) 13
15 菅原(66)  

×

  吉野(73)  
16 鎌田(73)  

×

  石井(81) 14
17 後藤(100)

警告

  浅賀(81) 15
  後藤(100)

袖釣込腰

  井上(90) 16
  後藤(100)  

×

  (100) 17
18 宮本(100)  

×

  五嶋(73) 18
副将 新藤(81)  

×

  立浪(90) 副将
大将 吉武(100)  

掬投

小林(81) 大将
※郡司と後藤が優秀選手賞を受賞。

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