【野球】７回４長打で逆転、６季ぶりの新人戦初戦突破！

 

６月１日（月）　春季新人戦１回戦　東大戦

 

５季連続で新人戦１回戦負けを喫している慶大は東大と対戦した。ミスなどで序盤２点のリードを許すが、５回岩見雅紀（総２）の本塁打で１点を返すと、７回には清水翔太（総２）の本塁打など４長打で逆転に成功。そのまま５－２で逃げ切った慶大は初戦を突破し、明日の立大戦へと駒を進めた。

 

	１	２	３	４	５	６	７	８	９
東大	０	０	１	０	１	０	０	０	０	２
慶大	０	０	０	０	１	０	４	０	×	５

 

　東大：上田、福井、宮村、●川口、柴田―森田

　慶大：原田匠、清水洋、○内村、亀井―三枝

 

◆慶大出場選手

	ポジション	選手名（学部学年・出身高校）
１	[３]	清水翔太（総２・桐蔭学園）
２	[６]４	瀬尾翼（理２・早稲田佐賀）
３	[５]	内田蓮（総１・三重）
４	[９]	天野康大（環２・智辯和歌山）
５	[７]	岩見雅紀（総２・比叡山）
	７	植田清太（総１・慶應）
６	[２]	三枝遼太郎（商１・慶應）
７	[８]	藤川堯史（商２・慶應）
８	[１]	原田匠（商１・慶應）
	Ｈ	明渡稜（政２・桐蔭）
	１	清水洋二郎（法２・函館ラ・サール）
	Ｈ	石井康平（総２・鎌倉学園）
	１	内村僚佑（政２・慶應）
	Ｈ	山本遼（商２・慶應）
	１	亀井倫太朗（商２・慶應）
９	[４]	倉田直幸（法２・浜松西）
	Ｈ６	照屋塁（環２・沖縄尚学）

 

春季リーグを終え、３位に終わった慶大。今日からは２年生までが出場できる新人戦の開幕だ。主力もみな通ってきたこの新人戦の舞台で、新しいヒーローが生まれるかに注目が集まる。

先発のマウンドには原田匠（商１）が上がった。「緊張した」というものの、先頭打者を三振に切るなど、三者凡退で上々の立ち上がりを見せる。２回は２死一・二塁から内野安打を放たれるも、三塁をオーバーランした二塁走者をファーストの清水翔が刺し、切り抜ける。しかし３回に四球と暴投で２死二塁のピンチを招くと、３番山田に適時打を放たれ先制を許してしまう。

原田匠を援護したい打線だったが、東大の変則左腕・上田の前にタイミングが合わず、４回までにわずか安打１本に封じ込められる。すると５回表には２番手の清水洋二郎（法２）が四球と暴投からのピンチで、４番・楠田に上手くライト前に運ばれ、０－２とリードを広げられてしまう。

反撃したい慶大は５回の裏。先頭の岩見が代わった東大２番手の福井から、カウント０－２からの直球を一振り。大きな身体から放たれた打球は風のフォローもありレフトスタンド中段へ。ソロ本塁打で1点を返す。

６回表、慶大３番手は内村僚佑（政２）。春季オープン戦でも数多く投げ、秋季からＡ軍入りを目指す成長株だ。しかし味方の守備のエラーが立て続けに起こるなど、１死満塁のピンチを迎える。それでも落ち着いて投げ、水島を併殺打で打ち取りピンチを脱出する。

７回裏、簡単に２死となるが、「調子がよかったので絶対打てると思っていた」という藤川堯史（商２）が二塁打を放つ。そして代打・山本遼（商２）が「うまく体が反応した」と、116キロの変化球を振りぬく。打球はライトの頭を超える適時三塁打となり、同点に追いつく。さらに代打・照屋塁（環２）がＡ軍レギュラーの意地を見せるレフトフェンス直撃の二塁打を放ち逆転に成功。極めつけは清水翔が126キロの直球を「自分を褒められるようなバッティング」（清水翔）という自賛のスイングで完璧にアジャスト。打球はグングン伸び、ライトスタンドに突き刺す本塁打となった。この回４長打で４得点を挙げ、５－２とした。

ようやく流れを呼びこんだ慶大。８・９回を亀井倫太朗（商２）が東大打線を抑え込み、５－２で勝利を収めた。

勝利はしたものの、若さを露呈した試合だった。今日出場した公式戦で出場があるのは17人中、４人のみ。初の神宮でのプレーに硬さがあったのだろう。投げては２失点で留めたが、７与四死球、２暴投。３回と５回はいずれもこれらが絡んで失点したため、踏ん張りきれたとは言えない。２失策ももったいなかった。

一方の打撃面では序盤こそ相手の変則左腕に苦しめられたものの、長打力を見せつけた。６回終えてのまずい雰囲気を一蹴した７回の４長打は、慶大の次世代の可能性を感じるものだった。明日は立大との準決勝。いい意味での「若さ」を前面に発揮し、９季ぶりの優勝をつかみ取りたい。

 

記事　荒川智史

◆打撃成績

		１	２	３	４	５	６	７	８
[３]	清水翔	四球		一ゴロ			中飛	右本②
[６]４	瀬尾	投犠打			二ゴロ		右安	空三振
[５]	内田	三邪飛			右飛		二飛		三安
[９]	天野	捕邪飛			二ゴロ		右飛		中飛
[７]	岩見		中飛			左本①		空三振	二併
７	植田
[２]	三枝		中安			左飛		遊ゴロ
[８]	藤川		一直			死球		中２
[１]	原田匠
Ｈ	明渡			空三振
１	清水洋
Ｈ	石井					左飛
１	内村
Ｈ	山本遼							右３①
１	亀井
[８]	倉田			一ゴロ		二直
Ｈ６	照屋							左２①

 

◆投手成績

	投球回数	打者数	球数	安打	三振	四死球	失点	自責
原田匠	３	１３	５５	３	４	２	１	１
清水洋	２	１１	４１	２	１	３	１	１
内村	２	８	２８	０	０	１	０	０
亀井	２	７	３７	０	３	１	０	０

 

◆選手コメント

松田浩平（経４）新人監督

(今日の試合を振り返って)なかなか点が取れない中で、よく粘ってくれたかなと思います。(今日の采配で重要視した点は)ランナーを出したらバントで送って、１点ずつ堅実に取っていくことを考えてやってました。(投手起用などのプランは計画通りでしたか)そうですね、継投で行くことは事前から決めていて、その辺は良かったかなと思います。(今日出場した選手の中で、練習でやってきたことを試合で最も出せた選手を挙げるとしたらどなたでしょうか)うーん、難しいですね(笑)。勝負どころで打った山本遼ですかね。山本遼は普段二軍でやっているメンバーで、僕はずっと二軍を見ていて、一緒にやってきたんですけど、あいつが勝負どころで代打で打ってくれて良かったかなと思います。(明日に向けて一言)目の前の出来ることをやって、勝ちに行くだけなので、応援よろしくお願いします。

石井康平新人戦主将（総２）

（「新人」戦ですので、まずは簡単に自己紹介をお願いします。）鎌倉学園高から来ました石井です。ポジションはファーストで、新人戦ではキャプテンを務めさせていただいています。基本的には右の代打ですが、新人監督からはチームをまとめたり、外から野球を見たりということを期待される部分が大きいと思います。（神宮でプレーするのは初めてですか？）初めてです。特に僕はあがりませんでしたが、いつもと変わらずプレーすることができました。（最初からゲームキャプテンに決まっていたんですか？）監督からは1カ月くらい前から言われていました。（代 打での出場機会もありました。）個人的にはいい当たりだったので悔やむことは無いと思いますが、正直結果はほしかったかな、と思います。（ベンチではどのような感じなのでしょうか？）ぼくを中心にというよりは、みんなが自立してやってきれればいいな、と思っています。配球など気付くこともありました。（明日に向けてお願いします。）うちは立大と違ってスター選手がいるわけではないので、目の前の１点を取る、または守るというところをしっかりやっていきたいと思います。

 

清水翔太（総２）

(素晴らしいホームランでしたが、振り返って)その前の２打席があまり内容がよくなかったけれど、それでも吹っ切れて打てたので「成長したな」と自分を褒められるようなバッティングだったと思います。(試合全体を振り返って)苦しい展開でしたがそれでもピッチャー中心に我慢して守れました。ミスはあってもみんなでカバーしてできたのがこの結果につながったと思います。(いいアピールになったのでは)これでリーグ戦でもレギュラーで出られるようにこれからも頑張っていきます。(あと２試合の抱負)よりレベルが高くなって、気持ちも燃えてくるのでこれ以上の結果を出していきたいと思います。

照屋塁（環２）

(ベンチで戦況をどのように見ていたか)初めて神宮で試合に出る人も多かったので、あのような展開もあるかなと。全体的に慌てた様子はなかったです。(初出場の選手への声かけは)思いっきり、考えすぎずにやってこいということです。(代打の場面での意気込みは)まわりがつくってくれた流れにうまく乗ることができて良かったです。(明日へむけて)相手を意識しすぎずに、自分たちの力をうまく発揮できるように準備したいです。

藤川尭史（商２）

（簡単に自己紹介を）慶應義塾高校出身、商学部２年、藤川尭史です。（本日を振り返って）初回からあまり打てなくて、中盤までずるずる負けていたのですが、岩見の本塁打から流れが変わり始めて７回の大量得点で流れを完全にものにして、うまくいったと思います。（負けているときはどういう思いでしたか）割りと捉えていたので心配はなかったのですが、ずるずるいくとまずいなとは少し思っていました。（神宮の舞台は初めてですね）めちゃくちゃ緊張しました。昨日は寝られませんでした。（第1打席はいい当たりでしたが）調子もいいですし、打てるとは思っていました。いい角度でいったのですが真正面に野手がいて、ついてないなぁと思いました。（第３打席は２死から逆転の火蓋を切る二塁打でしたね）調子がよかったので絶対打てると思っていました。よかったです。（打撃が持ち味ですか）はい。（リーグ戦のベンチ入りはできそうですか）それはこれからの自分の練習次第です。（明日に向けて）明日は立大戦でだいぶ強いチームですが、持ち味出せば勝てない相手ではないと思うので今日みたいに粘り強く頑張ります。

山本遼（商２）

（今日の試合を振り返って）最初の左の変則ピッチャーを打てなくてなかなかこっちとしてはいい流れではなかったんですが、ベンチのみんな全員が終盤で逆転できると信じて粘ることができたので、４点取って逆転できました。（同点打を放ったが）前の回からピッチャーの内村に回ってきたら行くぞということを言われていたので、しっかり自分のスイングをするということを考えて準備していました。自分の前の藤川が二塁打を打ってチャンスを作ってくれたので一本出して流れを変えようという思いで打席に立ちました。（三塁打の感触は）ストレートを打ち損じて追い込まれてしまってどうしようかなと思ったんですけど、うまく体が反応してくれました。（今日に向けての準備は）出てくる右ピッチャーがどういうピッチャーか教えてもらって、どういうバッティングをするかをイメージして準備してきました。（明日に向けて）僕たちの中でリーグ戦に出ている２年生はそんなにいないんですけど、立大にも勝てるように頑張ります。

原田匠（商１）

(神宮初登板の感想は)最初は緊張したんですけど、先頭打者を三振で切ってからは少し落ち着いて投げられました。でも３回に四球と暴投が重なって失点してしまったので、そこは次までの反省点です。(マウンドの感触は)神宮のマウンドは硬いと聞いていて、実際に立っても硬かったです。自分は硬いのは嫌いではないので、そこまで投げ辛いというのはなかったです。(ご自身の持ち味はどこだと思いますか)自分の持ち味は（厳しい）ゾーンに直球も変化球も強い球で投げられるところだと思います。(今日はどのくらいできましたか)初回はかなり上手くいきました。でもやっぱり３回の投球は良くなかったです。(明日以降に向けて)初戦を取れたので、次の試合も自分の出来る投球をしっかりして、チームに貢献できるように頑張ります。