――前期リーグ戦振り返っていかがですか。
「勝ち点20を目標にやってきたので、勝ち点17というのはまずまずの成績だったかなと思います。勝敗は4勝2敗5分で負けが2敗というのは非常に評価出来るけど、やはり5分けのところで、ゲームを支配していて勝てる試合がいくつかあり、そこを勝ちきれなかったのは非常にもったいなかったです。守備や攻撃の部分を夏のトレーニングで修正して後期に臨みたいです。そうすれば間違いなく優勝戦線は残れるのではないかと思っています。今年は本当に混戦でどのチームも夏場の過ごし方というのが非常に重要になると思うので、そこを大事に丁寧に過ごして行きたいと思います。」
――アミノバイタルカップは悔しい結果になりましたが振り返ってみていかがですか。
「3バックでやってその部分で戦術の共有が出来なかったなと思います。そういった意味で足が止まったり淡白な攻撃があったり、安定した守備がなかなか出来なかったりしました。これは気持ちの部分というよりかは、戦術の部分の共有が出来なかったからだと思います。相手も決して弱くないし、総理大臣杯を目標にしていましたが、逆にそういう部分があったから次のリーグ戦に勝利することが出来たと思い、前向きに考えてやりました。」
――昨年インカレで全国の壁を痛感されたと思うのですが、堅守速攻という土台以外に変えていることはありますか。
「去年は、堅守速攻というよりかは守備が全てで、どれだけ失点をしないかということを考えていました。去年の後期のように守備だけでは先制されると追いつけない状態になってしまい、いい形の攻撃が出来ない。今年はチャンピオンになることを掲げているので、守備には一層磨きをかけて、それと同時に攻撃の部分を春先にトレーニングしてきました。」
――前期終わってみてよかった点や成長した点はありますか。
「良かった点は、向こうに先制されたけれども追いつく試合が何回かあったし、追いつくだけじゃなくて逆転勝ちするなど、メンタルの面で非常に成長したと思います。90分間ゲームを考えてプレー出来たというところは非常に良かった点だと思います。」
――課題はありますか。
「課題の一つは守備の部分です。去年は22失点で、今年は一点でも少なくしようと思っていました。セットプレーやポジショニングのミスでの失点があったのでそこが反省点です。」
――スタメンが固定されていなくて、いろいろな選手が活躍している印象ですが。
「春先というのはどこのチームもなかなか固定できなくて、調子の良い選手を使っていくという形になってしまうと思います。みんな非常に個々の特徴を持っていて良い選手が揃っているので、練習で調子の良い選手を使っているというのが、いろいろな選手を使っている理由だと思います。」
――プロのチームなどを見て参考にしていることなどありますか。
「3バックをやるときは、浦和レッズとのトレーニングマッチがあったので、その中でポジショニングや攻め方を参考にしました。プロとやることで成長出来ることもあるけど、向こうは100%でやってないなど、プロと大学とのサッカーの考え方が違う部分があるので、プロと試合をする機会は減りました。もちろんプロから学ぶこともありますが、他の大学とやった方がすんなりリーグ戦に入れるので、今年はプロとの試合は少なかったです。」
――武藤選手のマインツへの移籍が決まりましたがそれについてどう思いますか。
「素晴らしいですね。いろいろな巡り合わせがあって日本代表やドイツ移籍が決まったと思うので、それが彼の持っている運命だと思います。」
――監督として一番大切にしていることは何ですか。
「トレーニングがすべてだから、どれだけ選手たちに集中してトレーニングさせるかをいつも考えています。慶應の学生のストロングポイントは集中してサッカーも勉強も出来るところなので、1日2時間以内のトレーニングしかしないので、量より質を大切にしています。」
――今のチームの雰囲気やコンディションはどうですか。
「今まで守備のトレーニングが非常に多かったのですが、リーグ戦が終わってからは攻撃しかトレーニングしてないです。練習も二時間しかやらないけど、集中しているので雰囲気もいいし、その中で競争もあるので非常に良いトレーニングが出来ていると思います。」
――今回の注目選手は誰ですか。
「四年生にとっては最後の定期戦になるから、皆思い出に残るゲームをしてくれると思います。宮原(宮原隆志・経4)、久保(久保飛翔・環4)、(山田)融(総4)、ちゃんごん(黄将健・総4))、飯高(飯高颯生・環4))、あたりの四年生に注目というか期待をしています。」
――最後に早慶戦への意気込みをお願いします。
「早慶戦を楽しむことが一番です。学生スポーツであれだけの良いスタジアムで1万人以上入って試合をすることは、独特の雰囲気もあるし、あの90分間は特別なものがあるから、楽しみたいと思います。」
(取材 氏家滉登、武田萌々香)
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