慶大庭球部がまたしても快挙だ。22日まで行われた全日本学生テニス選手権大会(インカレ)で慶大勢が2種目制覇を達成。春関での躍進に続き、夏も慶大庭球部が結果を残した。女子シングルス決勝に登場したのはエースの西本恵(環4・岡山学芸高)。相手は昨年の王者・吉冨(早大)を破った久米次(山学大)であったが、相手のミスにも付け込み西本がストレート勝ちを収めた。昨年決勝で敗れた悔しさを晴らし、シングルスで初のインカレチャンピオンに輝いた。そして、男子ダブルスには高田航輝(環4・湘南工科大学附属高)・上杉海斗(環2・清風高)組が出場。早慶のD1対決となったが、早慶戦に続き、慶大ペアが完勝。高田は最後のインカレで初の日本一に、上杉は2年生ながらシングルスベスト4、ダブルス優勝という快挙を成し遂げた。
全日本学生テニス選手権大会 F
2015/8/22 @岐阜メモリアルセンター
女子シングルス Final
西本恵 | 2{6-3、6-3}0 | 久米次(山学大) |
男子ダブルス Final
高田航輝・上杉海斗 | 2{6-4、6-2}0 | 今井・河野(早大) |
西本と久米次の試合となった女子シングルス決勝。西本は昨年のインカレ決勝でマッチポイントの敗戦という悔しい思い出もあり、近そうで遠かったシングルスでの大学日本一に並々ならぬ思いがあった。
「昨年決勝に行っている経験を生かしたい」と語っていた西本は、決勝の緊張感に飲まれる相手とは対照的にいつも通りのプレーを見せる。結果的には、この差が勝敗を分けることとなった。第1セット、西本はリターンゲームでは、リターンエースを見せるなど好調。相手もミスを連発し、お互いに一つもキープできず、2-2で迎えた第5ゲーム。ここでにしもとが相手のミスにも助けられキープ。先に試合を落ち着かせ、流れをつかんだ。すると、続くリターンゲーム。粘り強くボールを拾い続けると、ここでも相手がミスを重ねブレークに成功した。4-2で迎えた西本のサービスゲームでは、デュースに持ち込まれたが、深く正確な西本のショットが冴えなんとかキープする。相手がこの試合初のキープをし、続く西本のサービスゲーム。30-30から、非常に長いラリーとなったが、これを西本がものにすると、次のポイントもしっかり奪い、大事な第1セットを西本が先取した。
第2セット、最後まで久次米の調子が上がることはなかった。第1ゲーム、15-30から会場を沸かせる素晴らしいロブでポイントを奪うと、次はバッククロスのエースが飛び出し40-30とする。そして、最後は前に出てのネットプレーが決まり早速ブレークに成功。多彩なプレーで完全に試合を自分のものにした。そして、続くゲームをしっかりキープする。3-1で迎えた、第5ゲーム。ここまでほとんど奪えなかったサーブでのポイントを2本奪うなど、安定感を見せた。お互いキープが続き5-3の第9ゲーム。15-40とダブルのブレークのピンチを迎える。次のポイントをラリーを制しなんとかものにすると、西本こん身のサービスエースでピンチを脱出。第10ゲーム、30-40とし、マッチポイントを迎える。最後は、西本のリターンを相手がネットにかけゲームセット。終始、自分の流れで試合を運んだ西本が悲願のインカレシングルス初制覇。今大会は、抜群のフットワークでのコートカバーが光った大会だった。
第1シードvs第2シードの決勝となった男子ダブルス。第2シードの高田・上杉組は、直前に行われた男子シングルスで優勝を果たした今井(早大)を擁する今井・河野組と対戦した。実力は折り紙つきの上杉を、経験豊富な高田がリードしていく抜群のチームワークで勝ち残ってきたこの二人の大学日本一の称号獲得に期待が懸かる。
第1セット、さすがに大学チャンピオンを決める一戦だけあり、両ペアともサービスゲームで全く隙を与えない締まった試合展開となる。第4ゲーム、高田のサービスゲーム。0-30とブレークのピンチとなるが、ここから4連続ポイントでここをしのぐ。すると第7ゲーム。この早大・河野のサービスゲームで慶大にもブレークのチャンスが来る。30-0から一回は30-30とされるも、ここから連続ポイントを奪いブレークに成功。その後もサービスゲームも危なげなくキープし、大事な第1セットを奪取した。
続く第2セット。第1セットを奪った勢いそのままに慶大ペアが圧倒した。2-1で迎えた河野のサービスゲームでまたもブレークを奪う。ブレーク直後の第4ゲームは、この試合初めてブレークポイントを握られたが、デュースの末なんとかキープする。第5ゲームでは、この試合初めて今井のサービスゲームからブレークに成功した。そして、最後まで早大ペアにブレークを与えなかった高田・上杉組が完勝。優勝という形で今大会を終えた。
春関で3冠、インカレで2冠と個人ではこの上ない結果を残している慶大庭球部。ほしいのは団体でのタイトルだ。団体の日本一を決める全日本学生大学王座決定試合(王座)。関東からのここへの出場権は2枚であり、王者早大がいることを考えると他大学と1枚を争うことになってくるだろう。王座で早大を倒し日本一になるために、まずは男子は3年連続、女子は2年振りの王座出場権獲得を目指し、リーグ戦へ臨む。早慶戦から考えても、「早大撃破」、「日本一」は、手の届くところにある。慶大庭球部、「勝負の秋」が始まる。
(記事:太田悠貴)
【試合後選手コメント】
西本恵(環4・岡山学芸高)
(シングルス初制覇した今のお気持ちは)思うような結果が出ない時もずっと私の力を信じて応援して下さっ
高田航輝(環4・湘南工科大学附属高)
(初のインカレチャンピオンになったお気持ちは)上杉と昨年、組み始めた頃からインカレ優勝を目指して努力を続けてきたので最後のチャンスで掴み取ることができて非常に嬉しいです。(決勝を振り返って)個人戦最後の試合だったので、後悔だけはしたくないと思い、最後まで攻めの姿勢を貫くことができました。(早慶戦で勝っているということで逆にやりにくさなどなかったか)やりにくさはありませんでした。早慶戦で勝っていたので、自分達の力を出し切れば必ず勝てると、自信を持って試合に臨むことができました。(リーグ戦への意気込みを)リーグ戦も四年として最後になりますが、今まで私達を支えて下さった多くの方々に感謝し、結果で恩返しができるよう、単複ともに全勝してチームの勝利に貢献したいと思います。
上杉海斗(環2・清風高)
(今のお気持ちは)シングルスではベスト4でしたが、早稲田に負けてしまい、