9月26~27日、ダイドードリンコアイスアリーナにて東京フィギュアスケート選手権大会が行われた。慶大からは、シニア男子に小曽根孝浩(環3)、シニア女子に鈴木美桜(法2)庄司理紗(総1)が出場。全日本へとつながる最初の試合で、それぞれが現時点での課題を確認する結果となった。特に女子は今大会から枠をかけた戦いがすでに始まっている。両者とも東日本選手権へ進むことが決定した。
2015 東京選手権大会
9月26~27日 @ダイドードリンコアイスアリーナ
◇試合結果
クラス | 選手名 | ショート | フリー | 総合 | 順位 |
シニア男子 | 小曽根孝浩(環3) | 45.50点 | 86.79点 | 132.29点 | 7位 |
シニア女子 | 鈴木美桜(法2) | 45.11点 | 70.40点 | 115.51点 | 7位 |
シニア女子 | 庄司理紗(総1) | 43.27点 | 69.24点 | 112.51点 | 10位 |
シニアクラス男子に出場した小曽根のショートプログラムは「Shutsujin」。冒頭の2連続ジャンプを3回転‐2回転にすると、着氷でこらえきれずオーバーターン。2番目の3回転サルコウは転倒してしまう。しかし、締めの2回転アクセルは見事に決まった。得意のスピンで得点をのばすことができず、12人中8位となる。
挽回を誓うフリーでは、ショートで課題となったスピンでレベル4を獲得。前半は丁寧なスケーティングをみせるが、ジャンプに精彩を欠きミスが続く。滑り込んできた「LuvLetter」だが、気持ちの強さが裏目に出てしまったという。それでも見せ場のステップではジャッジに大きくアピールし、結果順位を一つ上げて7位となった。演技後はかなり悔しい表情をみせた小曽根。全日本出場権のかかる東日本選手権まで時間はまだ十分にある。次回こそは本番に合わせた意識づくりをして、実力を発揮してくれることに期待したい。
シニアクラス女子は今大会からの東日本選手権出場枠が18人となっており、熾烈な競争が始まった。小曽根と同様、鈴木も夢の全日本に対する気持ちからか、少し緊張した様子でミスが響く。ショートは、2回転サルコウに回転不足があったがその他のジャンプは成功。自身振付の「黄昏のワルツ」をしなやかに舞った。結果24人中6位と良い位置につけるが、翌日のフリーは予期せぬ展開に。
直前に演技した西野友毬(明大)がほぼノーミスの好演技で、会場はスタンディングオベーションに包まれ一番の盛り上がりを見せる。その中でリンクへ飛び出す緊張感はただものではなかったはず。笑顔でスタート位置に着くが、冒頭の2回転ルッツ、3回転トウループで安定した着氷をすることができない。焦りを引きずり、続くジャンプも抜けてしまう場面があった。フリーの「Titanic」も自ら振付し、鈴木らしさの溢れるプログラムになっている。クライマックスへ向かうスパイラルでは笑顔が戻り、観客の心をつかんだ。最終順位は7位と、納得のいく結果にはならず。しかし、緊張をどうコントロールするかを考える良い経験になったに違いない。これを踏み台に、次の舞台では納得の笑顔を再び見せてほしい。
一方の庄司は、けがの心配もありながら、自身でも「練習以上」の力を出すことができ、「久しぶりに楽しめた」と振り返る。足のけがは回復しており、今大会は腰の痛みを抱えながらの出場となった。ショートプログラムは「ノクターン」。けが明け直後の試合では、不安が伝わってくるようなジャンプだったが、今回はそれを全く感じさせない。最後の2回転アクセルは、高さもありきれいな着氷を見せた。その他のジャンプは回転不足もあり、まだまだ期待できる部分もあるが、ここまで調子を戻せた点については自信につながっただろう。客席からも大きな声援が送られた。
ショートは鈴木に次ぐ7位で臨んだフリー、曲は「ジゼル」。ジャンプでミスが続いてしまったのが響いたか、得点は70点に少し届かず。順位を落とし結果は10位となった。心身の動きを合わせていくことが今後の課題だという。けがを乗り越えてまだ間もないが、かなりのスピードで追い上げを見せる庄司の活躍に期待だ。
(記事・須佐奈月 写真・反保真優)
小曽根孝浩(環3)
(大会を終えてお気持ちは)悔しい気持ちが強いです。結構調子を上げていたので、その分意識しすぎてしまった面もあってミスがあったのかなと。力を抜いてやろうと、少し肩の力を抜こうと思ったのに、全身の力が抜けてしまった感じが前半あって。精神的にもそのあたりで集中しきれなかったのかなと思います。(ショートの演技を振り返って)体も調子良くて、トウループおりて判断は迷ったのですが、3回転はつけられそうにないなと思って。オフバランスでオーバーターンしちゃったのですが、サルコウの転倒は自分でもびっくりしてしまいました。アクセルは跳べたので良かったのですが、スピンもレベルとれていなくて、今後の課題だと思います。(フリーの演技を振り返って)最悪でした...ショートの反省をいかして、スピンは良かったのですがそれ以外はダメでしたね。(どう改善していきたいですか)安定感と、しっかりおさえるところおさえて、これからもっと練習していきたいと実感しました。(続く東日本選手権や東インカレに向けて)東インカレは今日のようなことがないように。逆に言えば、このミスでもあの点数だったので期待して。スピンはあのまま良い状態で、ジャンプ降りて、上位に食い込めるような点数を出していきたいと思います。東日本は今回の反省をいかして、まだ構成は分からないですが、攻めていこうと。ミスは絶対したくないので、確実に、集中してやっていきたいと思います。
鈴木美桜(法2)
(今大会への意気込み)全日本選手権につながる試合なので、他の試合より緊張感も増していて、ショートもフリーも東日本選手権や全日本選手権を意識しすぎてしまったかなと反省しています。(夏の練習は)サマートロフィーが終わってからこの大会まで一ヶ月近くあったのですが、サマートロフィーではトリプルサルコウをうまくおりられなかったのでそこの修正と、できるものを確実にできるように練習してきたつもりだったのですが今日はそれができなくて残念です。(ショートプログラムを振り返って)トリプルトゥーループが決まったことでほっとしすぎて、次のサルコウに繋げられなかったので東日本選手権では気を抜かずに最後までできるようにしたいです。(フリースケーティングを振り返って)最初のトリプルトウループがうまく耐えられなくてそこからどんどん気持ちが焦ってしまってジャンプがうまくはまらなかったので、次の東インカレまでにしっかり調整してジャンプの調子自体はそんなに悪くないので曲を通しての練習をしていきたいです。(今大会で感じたこと)曲をかけてのジャンプの練習が足りなかったと思うので、その練習をしっかりしたいと思います。(来月の東日本選手権や東インカレに向けて)東日本選手権ではこういうミスは許されないと思うので、でも力みすぎず、プログラムをしっかり自分のものにできるようにしたいと思います。
庄司理紗(総1)
(今大会どのような意気込みで臨みましたか)腰の痛みが少し前からあったので、その痛みと自分の体調を調整しながらやっていたのですが、なかなか気持ちと体の動きを合わせることができずにちゃんとした練習ができていなかったので、そこがフリーで出てしまって。東日本に行くのを目標としていたので、思い切ってやれることをやろうと思って臨みました。(演技後は笑顔もこぼれましたが、ショートの演技を振り返って)正直練習以上のものができたなと思います。回転不足もあったのですが、感覚として思い切って滑ることができたので、久しぶりに楽しむことができたと思っています。(少しミスがありましたが、フリーの演技を振り返って)冒頭のトリプルトウループが、今朝の練習で一本もできなくて不安だったのですが、6分間練習ではできたので、その点に関しては自分も気持ちをコントロールできたのかなと。そのあとのトリプルサルコウでは力が入ってしまって、失敗してしまったところからまた次のサルコウも失敗してしまって。体で動くよりも頭で動いてしまったという印象なので、そこは改善していきたいです。(今大会を通して感じたことは)練習不足が一番の原因だと思うのですが、その中でも自分の中で集中できていたと思うので、自分なりの収穫ではあったかなと思います。(続く東日本選手権や東インカレに向けて意気込みをお願いします)まだプログラムにまとまりがなく、ところどころ不安な点が出てしまうので、そこの不安を解消するような練習を組み立てていって、本番に臨めるようにしたいと思います。