ファイナル4へのラスト1枠をかけた戦い。負けたら即引退というプレッシャーの中の一戦は、実力で上回る慶大の圧勝となった。1Qに田中大善(経4・慶應義塾高)の2ゴールなどでリードを奪うと、2Qには5得点。前半を9-1で終え、試合を決定づけると終わってみれば19-4。最後まで攻撃陣が躍動し続けた慶大がファイナル4へと駒を進めた。いよいよ次は早慶定期戦で敗れている早大とのリベンジマッチだ。
第28回関東学生ラクロスリーグ 第5戦
2015/10/12 14:10F.O. @みなとみらいスポーツパーク
慶大 |
| 中大 |
4 | 1Q | 1 |
5 | 2Q | 0 |
4 | 3Q | 1 |
6 | 4Q | 2 |
19 | 合計 | 4 |
1Q、最初のFOを中大にとられると2分に先制を許す。しかし、ここから攻撃陣が大爆発する。4分、やや距離のある位置からだったが、ディフェンスの隙間を見逃さなかった田中がバウンドさせてゴーリーの足元を抜くショットを決め同点。「ビデオで相手ゴーリーの弱点を確認していた」という技ありのショットを決めた。次のFOを奪取すると、攻め続け8分に大坪厚介(経3・慶應義塾高)が決め逆転。さらに田中と仁熊健太(商3・慶應義塾NY学院高)が追加点を挙げ4-1という展開で1Qを終える。
さらに突き放したい2Q。1分、自陣をなんとか抜け出すと、仁熊からゴール前の井上裕太(経2・慶應義塾高)へ。これをしっかりと井上裕が決め5点目。井上裕はさらに1点を加えた12分にもカウンターから得点を奪った。15分には居塚大岳副将(政4・慶應義塾高)がゴール前に針の穴を通すような素晴らしいパスを送ると、山田晃平(政3・慶應義塾高)がスコア。19分には1対1を抜き去り居塚副将が自ら決めて9-1で前半を終えた。
後半も慶大の攻撃陣が火を噴いた。7分に今橋勇太朗(政3・慶應義塾高)がミドルシュートを決めるなど、13-2で3Qを終えると、4Qには仁熊が3連続ゴール。居塚副将、井上裕も決めて19-4で完勝。ファイナル4進出を決めた。
スタメンAT3人で10得点。守っては河村剛副将(商3・慶應義塾NY学院高)がけがで不在の中、栗田智仁主将(環4・慶應義塾高)を中心に上田裕基(政4・慶應義塾高)の好セーブもあり中大を圧倒した。まさに文句のつけようのない試合である。しかし、あくまで中大は格下。そしていよいよここから慶大の本当の戦いが始まる。そう考えると、やはりFOが不安だ。この試合でも、他のすべてのプレーで圧倒したが、FOでは奪取が50%に届くかというくらいであった。昨年の黄金メンバーが抜けた穴をしっかりと埋めてきた今季の慶大。全国制覇のカギは、最後の1ピース・陣野クリス(法卒)の後継者ではないだろうか。
(記事:太田悠貴)
【試合後・選手コメント】
栗田智仁主将(環4・慶應義塾高)
(今日の試合を振り返って)大差で勝てたのですが、内容はそれに見合った内容ではなかったかなと正直思います。(河村選手が欠場で荻野選手が入った中でも、守備が安定していたのでは)結構(河村選手に)頼っている部分があったので、彼がいないということは逆に1人ひとりがやらなきゃいけないという意識につながったと思います。(定期戦では負けを喫している早大との試合がありますが)5月にやった早慶戦では11-9で負けてしまっていて、僕らの中では今度こそやってやろうという気持ちがあるので、空回りせず出し切れたら勝てるかなと思います。
田中大善(経4・慶應義塾高)
(自身のプレーについて)よかった点は、試合の早い時間に点を取れて、チームのオフェンスの流れを作ることができたことで、悪かった点はくだらないミスが多かったことと、失点してはいけない形でとられてしまったことです。(1点目は素晴らしいショットだったが)ゴーリーの弱点をビデオで見ていて、一応イメージ通りのシュートができたのでよかったかなと思います。(チームについて)この試合に負けたら引退だったので、しっかり勝ち切れてホッとしています。(早大戦まで半月ありますが)ここから負けたら引退という試合が続くのですが、不安になりながら練習するのではなく、いいイメージを持って練習していきたいです。特に個人の技術の点にフォーカスしていきたいです。(定期戦では敗れている早大戦に向けて)次の早稲田戦はしっかりと活躍して勝利したいと思うので、応援よろしくお願いします。