【アイスホッケー】 ラスト2分間の奇跡!劇的逆転勝ちでDivisionⅠグループA残留決定! 大東文化大戦

まさに劇的な幕切れだった

まさに劇的な幕切れだった

諦めない気持ちが実を結んだ。リーグ戦を8位で終え、大東文化大との入れ替え戦に臨んだ慶大。わずか6秒で先制するなど立ち上がりから試合が激しく動き、1点のビハインドを負って終盤へ。敗色ムードが漂い始めたが、永田雅宗(総1)、滝智弥(政1)のゴールで土壇場で逆転に成功。リーグ戦を通して苦しい戦いが続いたものの、最後にチームに歓喜をもたらした。

 

平成27年度関東大学アイスホッケーリーグ戦 入れ替え戦

2015年12月6日(日)17:30F.O. @DyDoドリンコアイスアリーナ

慶應義塾大学(DivisionⅠグループAの8位)3-2大東文化大学(DivisionⅠグループBの1位)

 

この試合に勝利したため、来季もDivisionⅠグループAで戦うことが決まった。

Period

1P

2P

3P

Score

慶大

1(10)

0(16)

2(16)

3(42)

大東文化大

1(12)

1(9)

0(9)

2(30)

※()内はシュート数

 

リーグ戦で稼いだ勝ち点は4、特に第2ラウンド(後半戦)では未勝利と「思うようなシーズンを送れなかった」(江口)慶大。この試合に敗れると、来季はカテゴリーを一つ下げて戦うことになる。泣いても笑っても一発勝負、堅いゲームになることも予想されたが、波乱の開幕となった。

 

エース安藤が負傷。チームに動揺が走った

エース安藤が負傷。チームに動揺が走った

試合が動いたのは始まってわずか6秒。フェイスオフ直後にパックを拾った、金村知紀(政4)のシュートがネットを揺らす。いきなりの先制点に味方からは笑みがこぼれ、会場はどよめいた。だが、直後にアクシデント。FWとして活躍し続けてきた安藤直哉(政2)が負傷し、プレーの続行が不可能に。これで多少の「動揺」(江口)が生まれ、4分に振り出しに戻されてしまう。これで流れが相手に傾くと、ゴール前でパスをカットされるなど、危ない場面が連続。それでも野崎大希(商1)、在家秀虎(総1)らが身を挺して守り、得点を与えなかった。終盤もなかなかチャンスを作れなかったが、一方でディフェンスに落ち着きを取り戻し、インターバルに突入する。

 

第2ピリオドは押し気味に試合を進めていく。4分に滝がDFをかわすも、コントロールが乱れてシュートを打てず。その後も金村、富田康太(政1)らが積極的にショットを放つことでゴールを脅かす。そして試合は次第にヒートアップし、時には一触即発の雰囲気になることも。10分に鈴木啓介(環4)が横パスを受けて絶好のチャンス。しかし相手のファインセーブに遭い、勝ち越すことができない。すると、17分に江口大輔主将(環4)が退場。GK田中寛之(経2)を中心に跳ね返していたものの、18分に逆転を許してしまう。終盤のパワープレーで打開することはできず、ビハインドのまま第3ピリオドを迎えることになった。

 

このままではDivisionⅠグループBに降格。数的不利の状態から始まり、危険な形を作られるも切り抜ける。以降は攻撃への意欲を高めたものの、引き気味に構える相手を崩せない。一方で、カウンターから決定的なピンチを招いてしまう。しかしゴールポストに救われるなど、首の皮一枚つながる展開に。

 

同点ゴールのシーン

同点ゴールのシーン

焦りだけが募り、時間も刻一刻と経過。だが、試合はこのまま終わらなかった。迎えた19分、江口のシュートのリバウンドに反応した永田がねじ込む。「自分を見失うぐらい喜んだ」永田に、勢いよくチームメイトが駆け寄った。その後も逆転を目指し、一方的に攻める。そして待望の瞬間が訪れたのは、ラスト20秒。「本当にあの決勝ゴールのシーンではパックを持った時から冷静で落ち着いていたので、相手のディフェンスを見て抜けられるなと思いましたし、GKも見て、股下が空いているなと思っていた。」滝が確実にゴールを決め、慶大側のスタンドは総立ち。試合終了のブザーが鳴ると選手全員が一斉にリンクに飛び出し、歓喜の輪を作った。

 

 

歓喜の輪を作った

歓喜の輪を作った

まさに九死に一生を得た。格上の相手もひしめくリーグを戦ってきた今季は、開幕から黒星が先行。特に失点を抑えることができず、その数が2桁に達してしまった試合もあった。苦難の日々が続くと、徐々にチームにも悪循環が起こる。第2ラウンドではミスから流れを失うシーンも見られ、結果は全敗。目を背けたくなるほど厳しい現実に直面し、「生きている心地がしない日」(江口)もあったという。

 

喜びを全身で表現した

喜びを全身で表現した

しかし、選手たちはミーティングを重ねたことで「1つになって、自分のために、ではなくてチームのために、と全員が思えた」(滝)。だからこそ、瀬戸際に追い込まれたこの日も「諦めることなくプレーできた」(江口)のだろう。見事なドラマを実現させ、来季も関東大学リーグの最高峰の舞台で戦うことが決まった。

 

江口主将率いるチームで戦うのも、残すはインカレと早慶定期戦のみ。「チームとして成長できた」(永田)一年の集大成を飾る。

 (記事 木下 彰)

 

 

以下コメント

 

江口大輔主将(環4)

(結果だけが求められる試合と以前おっしゃっていました)勝ったので何も言うことはないです。(試合前はどんなことをチームメイトと話していたか)相手がDivisionⅠBグループで優勝して勢いがある、といったいろんな情報が頭に入ってくるとチャレンジャーとしてのプレーができなくなると思いました。まずは自分たちのプレーを徹底して、負けたらインカレに行けないという位置付けのつもりで戦おうと話していました。(試合が立ち上がりから大きく動いたが)最初の6秒でゴールしたり、エースがけがをしてしまったり、普段ではあり得ないことが起きて想定していなかったことだったので。少し動揺はしたのですが、勝利への執着心は最後までなくさずにプレーできたのは良かったかなと思います。(逆転されて焦りはあったか)そうですね。危ないと思ったんですけど、一点差だったので最悪同点になればいいと思っていました。諦めることなくプレーできたのかなと思います。(ご自身もアシストを記録した同点ゴールを振り返って)がむしゃらにゴールを狙っていくことしか考えていなかったので、結果に結び付いて良かったと思います。(試合後に永田選手、滝選手に声を掛けたのか)もうお前らのおかげだと言いました。(これでリーグ戦は終了となるが)結果として入れ替え戦に行ってしまって、思うようなシーズンは送れなかったですけど、最後の入れ替え戦でチームとしてまとまることができたので。インカレに向けて弾みは付くのかなと思います。(改めてインカレに向けて一言)今回は入れ替え戦に勝って嬉し涙を流しましたけど、今度はいい結果を出して目標を達成して喜べるようにしたいと思います。

 

滝智弥(政1)

(決勝ゴールを決めたときの気持ちは)やっぱり格別でしたね。本当にあの決勝ゴールのシーンではパックを持った時から冷静で落ち着いていたので、相手のディフェンスを見て抜けられるなと思いましたし、GKも見て、股下が空いているなと思っていたので、周囲の熱とは裏腹に自分の中ではすごく冷静に決めました。ただ決めた瞬間は全身鳥肌が立って、全員抱きついてくれたので本当に心から嬉しい1点でしたね。(7連敗後の入れ替え戦で、試合にかける思いはどういうものだったか)7連敗で全く結果が出なかったので辛かったですが、入れ替え戦前に4年生も交えて全員でミーティングをした時に、1、2、3年生は今まで引っ張ってきてくださった4年生のために、という思いで、4年生は1、2、3年生のために、という思いが本当に伝わってきていたので、ミーティングを重ねて1つになって、自分のために、ではなくてチームのために、と全員が思えたから勝てたのかなと思います。(自身は今季得点を決める場面も多かったと思うが、リーグ戦を振り返って)最初はどうなるかな、と思っていたのですが一緒に組んでくださった先輩方からいいパスが何本も来たので自分は本当に決めるだけ、というところが多かったので、1年目にしては納得のいく数字ではありました。ただ、チームとしてはやっぱり満足のいく結果ではなかったので、リーグ戦全体を振り返ったら、個人的には満足まではいってないですけど、ある程度自信はついたリーグ戦ではあったので、この調子でもう1回頑張っていきたいなと思います。(年明けから始まるインカレについて意気込みを)実質、インカレが最後の舞台になるので、本当に4年生のために最後はいい結果を残して、送り出せるように全員で1つになって頑張っていきたいと思います。

 

永田雅宗(総1)

(今の率直な気持ちを)嬉しくてたまらないです。自分のキャリアの中でも一番嬉しい試合になっているのでとても感激しました。(シュートを決めた後には盛大なガッツポーズをしたがその時の気持ちは)まずその前にゴールジャッジが間違えて赤く点灯していたので、一回確認してから喜ぼうと思ったのですけれども、入ったので嬉しくなってしまって自分を見失うぐらい喜んでジャンプしてしまいました。みっともない喜び方をしてしまったのですけれども、それほど感情に素直になるぐらい嬉しかったです。(シュートを打った時の感触は)これは主将の江口さんがゴール裏から上がってきて、もうこれは大輔さんなら絶対パックが出てくると信じて突っ込んだので、自分だけではなくチーム全員で取ったゴールだと思いました。それだけに喜びも大きかったです。(インカレに向けて)今日の試合も含めて、このリーグ戦でチームとして成長できた部分があると思うので、残りの期間で調整してインカレではもっといい結果を残せるように頑張っていきたいと思います。

 

参考)星取表

 

【前半戦】

 

東洋

日体

×

△(3-3)

○(5-0)

●(1-2)

○(6-3)

○(10-1)

○(5-0)

○(6-2)

△(3-3)

×

△(4-4)

○(2-1)

○(5-2)

○(12-2)

○(7-2)

○(6-0)

東洋

●(0-5)

△(4-4)

×

○(4-2)

●(3-4)

○(7-3)

○(9-0)

○(6-0)

○(2-1)

●(1-2)

●(2-4)

×

○(3-2)

○(7-2)

○(4-1)

○(6-5)

●(3-6)

●(2-5)

○(4-3)

●(2-3)

×

△(4-4)

●(3-4)

○(8-0)

●(1-10)

●(2-12)

●(3-7)

●(2-7)

(4-4)

×

●(2-3)

○(9-2)

日体

●(0-5)

●(2-7)

●(0-9)

●(1-4)

○(4-3)

○(3-2)

×

△(2-2)

●(2-6)

●(0-6)

●(0-6)

●(5-6)

●(0-8)

●(2-9)

△(2-2)

×

 

 

【後半戦】

 

東洋

日体

×

●(3-4)

○(5-3)

△(2-2)

○(5-1)

○(10-3)

○(7-3)

○(4-1)

○(4-3)

×

○(8-3)

○(5-2)

○(7-3)

○(5-0)

○(7-2)

○(10-4)

東洋

●(3-5)

●(3-8)

×

△(4-4)

○(5-3)

○(10-0)

○(8-1)

○(10-0)

△(2-2)

●(2-5)

△(4-4)

×

○(6-4)

○(8-3)

○(4-3)

△(3-3)

●(1-5)

●(3-7)

●(3-5)

●(4-6)

×

○(6-3)

○(6-1)

○(4-1)

●(3-10)

●(0-5)

●(0-10)

●(3-8)

●(3-6)

×

●(2-4)

●(2-3)

日体

●(3-7)

●(2-7)

●(1-8)

●(3-4)

●(1-6)

○(4-2)

×

●(1-3)

●(1-4)

●(4-10)

●(0-10)

△(3-3)

●(1-4)

○(3-2)

○(3-1)

×

※2回戦総当たり

 

~勝敗と勝ち点~

 

勝ち点

順位

10

2

2

32

2位

12

2

0

38

1位

東洋

8

2

4

26

4位

8

3

3

27

3位

5

1

8

16

5位

1

1

12

4

8

日体

3

1

10

10

6位

2

2

10

8

7位

 

明:明治大学 中:中央大学 東洋:東洋大学 早:早稲田大学 法:法政大学 

慶:慶應義塾大学 日体:日本体育大学 日:日本大学

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