【テニス】新体制始動企画『奪還』/♯12安形玲耶主将

安形 写真

DSC_5306部員誰もが口をそろえる。「チームで一番ひたむきな選手」。それが安形玲耶主将(環3・城南学園高)だ。「庭球部が大好きなんです」と語る彼女は誰よりも「チームのために」戦い、そして誰よりも「チームのために」涙を流す。主将として迎えるラストイヤー、安形は3年間チームの中心として戦い続けてきたプライド、日本一を成し遂げられなかった先輩たちの思いを胸に、コートで「慶應庭球部スピリット」を体現する。今回は、その安形主将の思いをご一読いただきたい。

 「チームの日本一に向けて誰一人欠けてはいけない存在」

――主将と呼ばれることや、その立場に慣れて来ましたか

いや、慣れてはいないです(笑) チームで起きていることは全部自分の責任だと思っていますし、オンコートオフコート関係なく自分はチームの顔だと思っているので、いい意味で緊張感をずっと持っています。あと、誰よりも体現しなきゃいけないという思いや、私がチームを引っ張っていくんだという気持ちが今はすごく強くて、話すことが苦手で不安な気持ちは少しあるんですけど、今まで主将になったことがある先輩方などとお話した時は自分に自信を持つように、と言っていただいたので、最近は自分らしくいようと意識しています。

――監督やコーチから何か言われましたか

監督、コーチからは「安形は言葉で引っ張るタイプじゃない」と言われたことが一番印象的です。もちろんそれだけじゃないんですけど、綺麗な言葉を並べるのではなく、自分が経験してきたことや、自分しか伝えられないことは何かを考えたりして、しっかり背中と結果で引っ張っていってほしいということを伝えてもらいました。

――チームのどこを伸ばして、最終的にどんなチームを作りたいですか

私は、メンバーかどうか関係なく全員が日本一に向けて熱い気持ちを燃やし続けて、チームの中で一人も欠けることなく、一人一人が本当に強くて立派な人間になること。そして応援したいと思ってもらったり、憧れられるような人間、チームにしたいです。もちろん勝負の世界なので勝つことに対して全員が本気で取り組んで結果を変えるための努力をすることや、最後までチャレンジして成長し続けるチームを作りたいです。あと私が思っているのは、一人一人が成長できる環境を作りたいということで、チームメート全員に声を掛けて引っ張っていきたいと思っています。女子の話をすると、今まではエースとして西本さんがいましたが、西本さんを筆頭にした四年生の方が抜けて誰がチームを引っ張るのかが今年の大きな鍵になると思っています。だからその分一人一人が今までの自分の壁を越えて強くならないといけないので、私を含めてもっと自分にも他人にも厳しく、そして勝負強いチームにしていきたいと思います。

――主務のお二人はどんな人ですか

伊藤なつ海は、勝つ為、チームの為なら他のことを犠牲にして、泥臭いことに手をつけたり行動力が人一倍ある人です。本当にチームに懸ける想いが強くて、心の底から信頼できるパートナーであり、チームの大黒柱です!

大橋はマネジメント力があると私は思っています。見ていないところで作業をしてチームのことを考えていたり、影で努力して泥臭いなと。本当に信頼を置いてます!あと、最近大橋のおもしろさがわかってきました(笑)

DSC_5305 「まずは慶應の中で飛び抜けた存在に――」

――得意なプレーと今の課題を教えてください

得意なプレーはサーブとフォアです。フォアで展開してドライブボレーで決めるというパターンが好きで、それを得意にしています。課題は、インカレとかインカレインドアでもそうだったんですけど、パワーヒッターの相手に対して弱いということで、そこに対しても後ろに下がらずに相手のパワーに対して、力ではなく頭を使ってやっていかなくてはと思います。

DSC_4658――大学に入ってからダブルスのほうが結果が出ているが、単複に得手、不得手はありますか

私的にはシングルスに苦手意識はないんですけど、事実としてダブルスの方が結果を出しているので、結果が出ている分ダブルスのほうに自信があります。

――昨季のインカレのシングルスの上位者が軒並み引退を迎えたことで、いろいろな選手にチャンスがあると思います

去年までは、大学の全国大会は今の4年生がほとんど上位を占めていたので、今季は本当に誰にでもチャンスがあると思っています。しかし、チャンピオンになるためにはまず慶應の中でも飛び抜けた存在にならないと厳しいと思っているので、そこはチーム内で競争力を上げていかなくてはいけないと思っています。

DSC_7376――入学直後の早慶戦から単複で出場されてきた安形さんが、3年間で一番印象に残っている試合は何ですか

良かったと思っているのは、3年の春の早慶戦です。ちょっと手首のけががあったりして不安を抱えていたんですけど、しっかり自分なりの調整をして勝ち切って、ダブルスを2-0で折り返すという新たな結果を出したことです。チームとしては負けてしまったんですけど、自分が向き合うべき姿というか、メンタルの部分でも一つ乗り越えたものを感じました。でもやっぱり、ひどくて悔しいイメージで強く印象に残っているのが、2年のときのリーグ最終戦です。王座に行くためになんとしてもチームの為に勝つという気持ちを持ちながらも、シングルスで0-6、0-6という惨敗でした。その時はもう本当に次の日とか4年生とか部員と顔を合わせられなくて、申し訳ない気持ちと悔しい気持ちでいっぱいだったのを鮮明に覚えています。

――昨季からペアを組んでいる村瀬さんはどんな人ですか

組んでみて思ったのが意外と素直なんです(笑) 普段は自らギャグを言ったりするぐらいで(笑)、(村瀬)はやかがいるだけで楽しい雰囲気になります!コートでは、「内に秘めた気の強さ」を持っていて、いつも強気な姿勢に私は支えられています。負けているときでも大胆なプレーができたりとか、パンチや勢いのある強い選手です。

「日本一になって笑顔で卒業したい」

DSC_5220――今年が最後となりますが、3年間振り返っていかがですか

本当に早かったです。やっぱり思い出すことは悔しいことばかりなので、絶対に最後は笑って終わりたいという気持ちが強いです。

――個人としての目標を教えてください

ダブルスは絶対にどの大会でも優勝したい、でもダブラーというイメージが本当はすごく嫌なので、シングルスでもタイトルを狙います。

――慶應庭球部の魅力は何ですか     

やっぱりチームワークだと思います。団体戦だと特に言いにくいことも言い合える関係だとか、こんなにチームの目標に対して統一の意識を持ったり、色んな個性ある人がそれぞれの役割でチームに懸ける気持ちを強く持っていたり、こんなに熱い部活は他にないと思います。また、OB・OGの方もいつも熱心に応援に駆けつけてくださったり、本当にいつも心から応援してくださっていて、慶應のチーム力や人間力の素晴らしさはどこにも負けないと思います。

――最後に今季の意気込みと日本一への思いを聞かせてください

今年、必ず日本一になります。その為に、個人個人が強くなること。一人一人が今までの自分の壁を越えることにチャレンジして、必ず全員がそこに対して本気になれば結果は変えられると信じています。個人個人が成長してこその日本一だと思うので、テニスの面だけでなく、人間性の部分でも一人一人が強い人間になって、最後には全員で日本一になってみんなで笑いたいと思います。

※今回取材に協力していただいた、大橋主務をはじめとする庭球部の皆さまに厚く御礼申し上げます。また、最後までご覧になっていただいた読者の皆さま、本当にありがとうございました。

(企画・取材:太田悠貴)

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