明日からはじまる第88日本学生氷上競技選手権大会(通称:インカレ)。今年の開催場所は栃木県・日光だ。競技はスピード・フィギュア・ホッケーの3部門で行われる。慶大スケート部フィギュア部門は、シーズンの集大成としてこの大会に臨む。四大戦での男・女・総合完全優勝から始まった今季。このインカレでは出場人数でいえばトップ3に入る慶大が狙うのは、やはり「団体」表彰だ。今回は、見事出場権を獲得した慶大スケーターたちに、インカレへの思いを伺った。第1弾はC・Bクラス。個性的なプログラムもあわせてご紹介しよう。
Cクラス
富田雄登(商3) 『Csárdás』
富田は1年次からずっとCクラス男子を引っ張ってきた存在。しかし、今シーズンは度重なるケガにより、集中的な練習をすることができず。関東予選は2位、東日本予選は4位と、目標の順位には届かなかった。ただし、富田はこれだけではない。アイスダンスの練習も両立し、苦戦しながらも試行錯誤で挑戦して来た。この経験がきっとシングルでも活きるはず。昨年度インカレは2位と、惜しくも優勝を逃した。今年こそは、力を入れてきたコンビネーションジャンプとスピンを成功させて“優勝”を狙う。
曲は『Csárdás』。悲しげなメロディで表現するスローテンポから、後半は次第にテンポアップしていく。男子ではあまり使われない曲だが、富田だからこそ表現できる男らしさに注目だ。インカレに向けてコメント「後半になるほどアップテンポになるので、最後まで体力勝負で滑り切ります!シングルもアイスダンスも劣らない滑りをします!」
棟尾観月(文2) 『チャルダッシュ』
大学2年目の棟尾は今季、まだ緊張に打ち勝てなかった1年目の頃とは全く違う顔を見せた。本番で成功できないもどかしさを、練習量で克服。関東予選1位、東日本予選3位と好成績を収めた。余裕をもって試合に臨めるようになったことで、表現面の方にも磨きがかかったようだ。かねてから滑りたかったという、情熱的なバイオリン曲『チャルダッシュ』で挑む。昨年度5位の彼女は頂上を狙える位置にいる。真っ赤に輝く衣装にも注目だ。
インカレに向けてコメント「応援して下さる方々に恥じないように、いつでも全力で臨んできました。シーズン最大の試合であるインカレでは、今季の集大成として相応しい演技をして、いつも応援して下さる方々へ感謝の気持ちを表したいです。目標はCクラスで毎回競っているライバルに勝つことです。」
橋本將太(政1) 『PULP FICTION』
橋本は今季一番の注目株のひとりだ。公式戦デビューとなった関東予選ではいきなり優勝。東日本予選でもその座は譲らず連続優勝を果たした。しかし、今季を振り返ると練習は思うようにできなかったという。これまでまだ見せていなかった力を、このインカレで発揮してくれるかもしれない。Bクラスを目指す橋本は、演技の幅を広げるため大きな挑戦をしている。自慢のダブルアクセルに加え、今季は3回転ジャンプも習得した。曲はアメリカ映画より『PULP FICTION』。インカレに向けてコメント「全国規模の大会は初めてなので、気負けしないように頑張ります!表彰台を狙います!」
Bクラス
鈴木伶奈(環4) 『Mask of Zorro』
今季念願のインカレへの切符を手にした鈴木。昨季は体調不良やケガが続き、インカレ出場権も逃した。ラストシーズンとなる今季は関東予選19位、東日本予選11位と、少しずつ調子を上げてきた。1年を振り返って、今季は「攻め」の年だったという。昨季の悔しさを忘れず、また最高学年としての意地を見せるため、常に「攻め」の演技でチーム慶應を盛り上げてきた。最後のインカレ、開催地は自身の出身地である栃木県。最高の舞台が用意された。スケート人生の締めくくりとして、悔いのない演技をみせてほしい。
曲はアメリカ映画より『Mask of Zorro』。8歳でスケートを始めた時、最初にスケートの楽しさを教えてくれた恩師の約束。それは引退シーズンに使用するプログラム作り。そんな特別な思いを氷上で表現する。インカレに向けてコメント「本塾に入学し、自分のことを一人の選手として応援して下さる方がいることを知り、初めは嬉しい気持ちと同時に驚きました。でも、そんな方々がいて下さるからこそ、つらい結果となってしまった時もまた練習を頑張ろうと思えることができました。スケート人生もいよいよ残すところ2試合となりました。正直まだ実感はしていません(笑)が、最後の最後まで全力を出し切っていきます!」
第2弾もお楽しみに!!!