2日にまたがり行われた本大会。佐藤帆海(政4)が主将に就任し、初の大会となった。本大会は全選手が出場できるため、多くのヨットを保持する慶大ヨット部は全8大学中最多の17艇の出場となった。
3月26、27日(土、日) @葉山沖
レース結果は17艇中、レースの公式記録となる3艇(試合前に事前に登録)の結果から順位を決定する方式のため、その3艇の結果のみ記載する。
試合結果
5大学戦
5大学470級 | |||||||||
エントリー№ | 選手名 | 第1R | 第2R | 第3R | 第4R | 第5R | 第6R | 合計得点 | 総合得点 |
25 | 多田羅友貴 江頭英翔 | 7 | 5 | 3 | 2 | 7 | 8 | 32 | 101 ↓ 2位 |
26 | 樋口舵 加藤諒/ 出口廣智 | 4 | 4 | 4 | 1 | 9 | 3 | 25 | |
27 | 中嶋颯 出口廣智/ 加藤諒 | 1 | 12 | 5 | 12 | 10 | 4 | 44 | |
5大学スナイプ級 | |||||||||
25 | 細沼豪太 太中賢/ 関口舜一 | 12 | 13 | 6 | 1 | 13 | 10 | 55 | 126 ↓ 3位 |
26 | 増田健吾 樋口瑛一 | 9 | 7 | 8 | 12 | 9 | 12 | 57 | |
27 | 佐藤帆海 関口舜一/ 太中賢 | 1 | 1 | 2 | 7 | 2 | 1 | 14 |
6大学戦
6大学470級 | |||||||||
エントリー№ | 選手名 | 第1R | 第2R | 第3R | 第4R | 第5R | 第6R | 合計得点 | 総合得点 |
25 | 多田羅友貴 江頭英翔 | 5 | 3 | 1 | 2 | 3 | 8 | 22 | 72 ↓ 1位 |
26 | 樋口舵 加藤諒/ 出口廣智 | 2 | 2 | 2 | 1 | 6 | 3 | 16 | |
27 | 中嶋颯 出口廣智/ 加藤諒 | 1 | 6 | 3 | 11 | 9 | 4 | 34 | |
6大学スナイプ級 | |||||||||
25 | 細沼豪太 太中賢/ 関口舜一 | 11 | 10 | 4 | 1 | 10 | 7 | 43 | 90 ↓ 2位 |
26 | 増田健吾 樋口瑛一 | 7 | 3 | 6 | 7 | 6 | 8 | 37 | |
27 | 佐藤帆海 関口舜一/ 太中賢 | 1 | 1 | 2 | 4 | 1 | 1 | 10 |
総合成績
5大学戦総合成績 | ||||
順位 | 大学名 | 470級 | スナイプ級 | 合計 |
1 | 日本大学 | 96 | 106 | 202 |
2 | 慶應義塾大学 | 101 | 126 | 227 |
3 | 早稲田大学 | 192 | 123 | 315 |
4 | 中央大学 | 141 | 181 | 322 |
5 | 明治大学 | 201 | 185 | 386 |
6大学戦総合成績 | ||||
順位 | 大学名 | 470級 | スナイプ級 | 合計 |
1 | 慶應義塾大学 | 72 | 90 | 162 |
2 | 早稲田大学 | 185 | 80 | 265 |
3 | 明治大学 | 192 | 155 | 347 |
4 | 東京大学 | 168 | 221 | 389 |
5 | 法政大学 | 223 | 233 | 456 |
6 | 立教大学 | 220 | 257 | 477 |
佐藤帆海主将率いる新生慶大ヨット部。佐藤主将は目標として「全日本インカレで60年ぶりに総合優勝すること」を掲げる。そのために「全日本優勝に繋がらないことは無駄なストレスになるので全てやめた」。無駄な事を省いた事によってできた時間で各自の課題を明らかにし、どう克服するか考える時間にすることで日本一に近づくと考えた。チームの為に自分には何が出来るか突き詰めた結果、佐藤主将自身のスキルアップに繋がり、「風を客観的に捉える事」が以前に比べ飛躍的にできるようになった。それは試合結果に如実に表れている。佐藤主将が乗るスナイプ級では、六大学戦では6レース中1位を4回、2位を1回獲得し、2位以下と比べても圧倒的なスコアを記録している。チームとしては、五大学戦では総合2位、六大学戦では総合1位という成績を収めた。強豪日大には一歩及ばなかったが、佐藤主将は「あまり気にしていない」。これはあくまで全日本インカレで総合優勝をすることを見据えるうえで、試合さえも課題をクリアする場所と捉え、一歩でも日本一に近づくという明確な意思の表れだろう。まだ慶大ヨット部の日本一という高く大きな目標への道は始まったばかり。
(記事・写真 高橋廉太朗)
以下、選手コメント
関口舜一(理3)
(本大会振り返って )本大会はチームとして2人のクルーのうち、クルー(前に乗っている舵を持たないポジション)がコースを引く、という明確な課題がありました。コースを引くというのは、レースでは途中途中に目指すブイのようなマーク、というものがありまして、マークに対してどのようにヨットを走らせるのかという事です。ヨットというのは向い風のときは風に対して斜め45度までにしか進めないので、どこからマークに向かうのかが重要になります。あっちの方が風が強いからあっちに行こう、こっちの方が風が強いからこっちに行こうというようにレース中に考えているのですが、それは今までスキッパー(舵を握る)がやっていました。スキッパーというのは、後ろにいて舵を持っている方です。今までスキッパーがやっていた事をクルーも一緒にやろう、つまり前でヨットのバランスをとったり、ワイヤーを引っ張ったりする方がコースを引こうとチーム全体でなっていて、その課題を明確にした上で本大会がありました。僕自身はそこまで明確にはコースを引いてはいないですけれども、スキッパーがいつも見ている事や考えている事が分かったので、例えばどっちに行こうか考えるときに、スキッパーの人はここを見てそのコースを選んだのか、というようなことが分かってきて、自分としては色々な事を見たり感じたり出来たのかなと思います。そして、主将と乗せてもらう事が出来たので非常に学ぶことは多く、良かったなと思います。(主将と乗る事で何を学びましたか )僕はヨットを大学から始めているのでまだ全然上手くないですし、もちろん高校から始めたり、中には中学から始めた部員もいる中で、主将と乗せてもらってヨットで前の順位を取るためには何を考えれば良いのか、という事は本大会を通じて少しは分かったのかな、と思います。(優勝した日大については)僕はあまり順位のことについては分からないのですが、日大はスポーツ推薦が多く、また合宿所やヨットの設備もかなり良い環境が揃っているので強いのだと思います。やはり、スポーツ推薦が1番大きいですかね。中学、高校からやっている人が多いです。慶大も負けてはいないですが、毎年優勝候補の一角に挙げられます。(今季の目標 )今僕が乗っているのはスナイプという470と2種類あるヨットのうちの重い方ですが、クルーと、スキッパーそれぞれ3人のレギュラーと補欠の1人がレースメンバーになれます。クルーとしてそのレースメンバーに選ばれることが目標です。
佐藤帆海主将(政4)
(本大会振り返って)2月初めに自分達の代が本格的にスタートして、それ以来チームのマネジメントとという部分で自分個人の成長よりもチーム全体の成長を優先してきた事が逆に自分にとってもいい方向に働いて、風を客観的に捉える事が今年入ってすごく出来るようになって、その結果レースに結びついて、レースでも個人的には良い結果が出たのかなと思います。(チームとして振り返ると)やはりまだまだ課題は多いのですが、結果が全てではなくて、まだ春なので今抱えているそれぞれ個人の課題を試合でクリア出来たのか、が大事なので、まぁ優勝は出来なかったですけれども、あまりその点に関しては自分としても、チームとしてもあまり気にしてはいないです。(今シーズンの目標は)11月の頭にある全日本インカレで60年ぶりに総合優勝することが1番大きな目標で、その目標を達成するために1年間努力、準備していくことです。(佐藤主将が就任して何か変えたことは)合宿生活が長いので、無駄なこと、つまり全日本優勝に繋がらないことは無駄なストレスになるので全てやめた、ということです。例えば1つ1つの予定だったり、部員全員で取り組んでいることだったり、毎年行ってきた慣習のようなものを1つ1つ見直したりして、それらが日本一に繋がっているかをチェックしてきました。結果としては日々の予定のちょっとした事なのですが、無駄が多かったため、そういった部分をやめる事によって、少しずつですけれども日本一という目標に向かっていけるチーム運営にしています。(日々の生活や、試合前の準備などで1分おきに声出しをしていましたが、時間に対してそこまで厳しくするのは何か意味はあるのですか)もともとどこに由来するのかわからないですが、ヨットというスポーツはスタートの時刻など、自分で時間を把握してそこに対して準備をするというのが、競技という面で非常に重要なので、陸にいるときでも時間を把握するような環境に身を置くことを目的として、そのような事を行っております。
村瀬志綱(理2)
(試合を振り返って)昨日は1年振りの試合だったのですが、スタートが全然上手くいかなかったです。しかし、初日の第3レースで1回上手くいって、そこでいい順位が取れました。2日目はスタートを決めようと張り切っていたのですが、第4、第5レースとスタート前に振れがあったりとか、縦との関係とかでなかなか上手くスタート出来なかったです。ですが、第6レースでスタートが上手くいったので、前を走れました。春合宿では滑りとか動作をメインに練習してきて、完璧とは言えないですが、成果もこのレースで出てきて良かったなと思いますし、まだまだ詰めが甘いなと思う部分もありました。(ご自身の強みと課題は)強みは悪い順位だったとしても、前向きに課題を明確にして走る事ができるところです。課題は基礎動作と走るところですね。(今季の目標)今は4番艇までが4年生で、3年生にも2人スキッパーがいるのですが、先輩達に負けず、頑張って4番艇に自分が入る事です。