【ソッカー女子】関東リーグ後期第7節 攻め手を欠き悔しい敗戦 筑波大戦

2週間前、大学リーグの入れ替え戦に回ることが決まった慶大は、その対戦相手となる筑波大をホームに迎えて関東リーグ最終節に臨んだ。入れ替え戦前に良い印象を付けたかった慶大だが、30分にミドルシュートを決められ先制されると53分にはクリアミスから失点。その後は選手を入れ替えつつ最後までゴールを目指したが、1点が遠く0-2で敗戦。関東リーグ最終節、そして今季のホーム最終戦を勝利で締めくくることはできなかった。
 
 

 

第22回関東女子サッカーリーグ 後期第7

 2016/12/4(日)13:00KO@慶應義塾下田グラウンド

慶應義塾大学0-2筑波大学

 

【得点者】

[筑] 30分 肥尾 明里、53分 内田 好美

 

慶大出場選手

 

GK野村智美(総3・作陽高)

DF加藤楓琳(総1・常盤木学園高)→82分 宮田あずさ(環4・文京学院大学女子高)

DF下山田志帆(環4・十文字高)

DF工藤真子(総1・日テレ・メニーナ) 

DF奥本くるみ(環1・浦和レッズレディースユース)→82分 岡野史恵(文4・土佐高)

DF庄司夏穂(総1・聖和学園高)→76分 竹内瑞穂(理4・フェリス女学院高)

MF井原美和(薬2・大和高)→46分 栃木栞(環4・十文字高)

MF松木里緒(環1・常盤木学園高)

MF中島菜々子(総2・十文字高)→ 65分 田中康子(総4・常盤木学園高)

FW堀井美月(環4・常盤木学園高)

FW宮川渚(理4・成城学園高)

 
 
 
既に関東リーグ2部への降格が決まっている慶大だが、相手が筑波大とあって来週行われる大学リーグ入れ替え戦の前哨戦となった今日の試合。慶大は前の試合から田中康子(総4・常盤木学園高)、宮田あずさ(環4・文京学院大学女子高)、栃木栞(環4・十文字高)に代わって井原美和(薬2・大和高)、加藤楓琳(総1・常盤木学園高)、松木里緒(環1・常盤木学園高)がスタメンに名を連ねた。
 
 
 
チームの中心である田中、宮田、栃木をベンチに置いて始まったこの試合。慶大は最終ラインから丁寧にボールを繋いで攻撃の糸口を探る。しかし、なかなか前線へ良い形でボールが入らず良い形を作れない。すると徐々に流れは筑波大へ。16分、相手に左サイドからフリーでクロスを上げられると最後は逆サイドからシュートを打たれる。これは運良く枠を外れるも、決定的な場面を作られ始める。慶大も堀井美月(環4・常盤木学園高)を中心に何度か良い形を作るもシュートまで行くことができない。逆に30分には、中盤でボールを奪われるとそのままドリブルでゴール前まで運ばれミドルシュートを許す。これがGKの頭上に決まり失点。その後も幾度となくピンチを迎えるも野村智美(総3・作陽高)を中心に守り、なんとか凌いで前半を0-1で終える。
 
 
 
慶大はHTに井原に代えて栃木を投入。「サイドでの関わり」を増やし得点を狙う。すると後半の立ち上がりには、栃木を中心に何度か右サイドから攻撃を仕掛ける場面が増える。しかし53分、慶大が一瞬の隙を見せてしまう。バックパスを受けたGKがクリアしようと蹴ったボールは相手FWに当たりそのままゴールマウスへ。思わぬ形で2失点目を喫してしまう。攻めるしかない慶大は65分、中島菜々子(総2・十文字高)に代えて田中を投入。工藤真子(総1・日テレ·メニーナ)を一列上げて更に攻撃的な布陣へと変更する。すると70分、工藤、奥本くるみ(環1・浦和レッズレディースユース)、宮川渚(理4・成城学園高)が絡んでゴール前へ。シュートまでは行けなかったものの、徐々に良い形を見せ始める。その後もポジションチェンジや選手交代を上手く使って得点を狙う慶大は86分、途中出場の宮田が右サイドからクロスを上げると、これもまた途中出場の竹内瑞穂(理4・フェリス女学院高)が頭で合わせる。しかしこれは惜しくも枠を外れてしまう。終盤には堀井のドリブルなどで何度かチャンスを作るも、最後まで相手ゴールをこじ開けることはできず。0-2で終了。来週の入れ替え戦を前に、不安の残る結果となった。
 
 
 
 
4年生にとってはホーム、下田グラウンドでの最後のリーグ戦となったこの試合。81分の選手交代によって、4年生全員が同時に同じピッチに立った。田中康子主将が語るように、「感慨深い」試合であったのは間違いない。インカレベスト4を目標として始まった今シーズンは、最終的には納得のいかない結果となってしまった。しかしまだあと一試合、今シーズンで最も大事な試合が残っている。大学リーグの1部2部入れ替え戦。4年生は口々に下級生の為に1部残留を勝ち取りたいと話す。しかしそれは下級生も同じはずで、4年生を最後は笑って送り出したいと誰もが思っているはずだ。色々なことがあった今シーズンも次で最後。このチームで最後に“smile”で終える為に、何としてでも来週の入れ替え戦では勝利をもぎ取りたい。
 
(記事 岩見拓哉)
 
 
試合後コメント
 
 
岩崎陸監督
(今日の試合を終えて)今日の試合までの状況はシーズンの初めには全く予想していなかったですけど、チームの成長が見られたゲームだったし、その一方で1年間自分達がやり遂げられなかったところも出た試合だったと思います。(成長した部分は)シーズンが始まったばかりの時は1年生もまだチームに馴染めていなかったし、慶應として戦う気持ちも弱くて、負けが込んできたりした時に、練習の中や私生活の中で隙を見せてしまったりしていました。それが今は、練習の中や自分達の活動において本当に隙無くやれるようになってきて、慶應らしいチームになってきたと思います。ただその中で結果が出せていないということに関しては本当に申し訳ないと思います。(逆にやり遂げられていないところは)今の4年生は1年生の時から試合に出て、自分達で昇格を積み重ねてきたので、大一番で力を発揮する経験や力を持っているけど、その中で1年生から4年生まで関係なく、チーム一丸となって力を出し切る、戦う、という所がまだできていないのかなと思います。(今日の相手は次の入れ替え戦と同じ相手になったが、どういうことを考えて試合に臨んだか)小細工とか、入れ替え戦に向けてということはなくて、一年間やってきたことをしっかり出し切って、その中で出てきた課題をまた一週間やっていくということだけを考えていました。(今日は今まで出場機会の少なかった選手が出場したが)今日の試合までに取り組みだったり、パフォーマンスの良かった選手を出しただけなので、そこでできたこと、できなかったことはありましたけど、それはまた次に向けてやっていきたいと思います。(1部残留の懸かった次の入れ替え戦に向けて)まず1部を死守すること。そのためには引き分け以上が必要なので、今日は残念ながら負けてしまったんですけど、最小失点で粘り強く、今までやってきたことを出し切りたいと思います。後は、慶應は入れ替え戦を過去に何度も経験してきているので、その勝負所での粘り強さという伝統を少しでも植え付けられるように、また一週間試合に向けてやっていきたいと思います。
 
田中康子主将(総4・常盤木学園高)
(今日の試合の位置付けは)関東リーグ最終戦で降格は決まってしまっているんですけど、大学リーグの入れ替え戦で同じ相手に当たるので、ここでいかにできるかというのを大事にしていました。手を抜くとかではなく、来週の入れ替え戦につなげるために戦おうとしていました。(下田で最後の試合となったが振り返って)ラストの試合だったんですけど、本当に今年は勝ちが少なくて、応援してくださる人のためにも下田で勝つことに意味があったなと思うので、そういう意味で0-2という結果で負けてしまったのは悔しい結果です。(4年生が全員そろってピッチに立った)そうですね。4年で全員で今まで関東リーグを先輩と一緒に1部に上げてきて、4年全員でピッチに立てたというのはすごく感慨深いですし、戦い方を後輩に残して来年につなげるという意味でも出してもらってよかったです。(来週も筑波大戦だが)今日は自分たちの今までやってきたサッカーを体現して結果につなげようとして、今日の試合を踏まえて相手もリサーチして対応してくると思うので、自分たちにとっても心理戦のようになると思うので、今日は自分たちがやってきたことをやること、来週は引き分け以上で残留なので、どちらが気持ちが強いか、1部に残りたいか、昇格したいかの戦いだと思うので、そこで本当にどれだけできるかだと思います。(改めて意気込みを)私たち4年としては2部から1部に上がる経験もしてきたので、そういう意味で1部に上がることは本当に難しいことだったので、後輩に1部の舞台を残すために、後輩たちは来年1部で戦うために、全員で戦って勝って”smile”で終わりたいなと思います。
 
宮川渚(理4・成城学園高)
(今日の試合を振り返って)やっぱりホームの最終戦で、降格は決まっていても勝ってみんなに恩返しだったりみんなで笑顔で終わりたいっていう風に思っていたんですけど、なかなか攻撃面でやり切れなかったりだとか失点シーンももったいない部分があったので、自分たちの準備不足だったのかなと思います。(4年生にとっては最後の下田での試合だったがどのような気持ちで臨んんだか)やっぱり下田の試合は地域の方とかも含めて応援に来てくれる人がすごいたくさんいて、そういうのをすごい1年生の頃からすごい感じていて、今年に関しては前期の関東リーグの東京国際大戦以外、公式戦でホームで勝ったことはなかったので、絶対勝って元気を与えるじゃないですけどそういう意味で結果で恩返ししたいという年間の思いも込めて戦いました。(ゲームキャプテンとして監督とからどんな指示を受けたか)特に受けてないです(笑)。(入れ替え戦と同じ対戦相手だったが)相手も多分少しメンバーを変えてきている部分もあって、この間の神大戦の前にLiga Studentで筑波大学とあたった時にはトップのメンバーが出ていたと思うんですけど、その時はすごい間を抜かれるシーンが多くて、そこは前よりは修正できたと思うんですけど、もっと締めなきゃいけない部分もあるなと感じました。(入れ替え戦へ向けて)今日は負けてしまったんですけど、自分たちはいつも通りのことをやろうっていう風にやったつもりだったので、今日そこで出た課題というのを修正して、来週は絶対勝って1部の舞台を残して来年のインカレ出場っていうのにもつなげて、最後笑って終われるようにしたいです。
 
下山田志帆(環4・十文字高)
(試合を振り返って)筑波大とは1か月前にもやっていて、1週間後にも試合があるんですけど結構相手の特徴というのも自分たちは分かっていて、そこを潰しながら自分たちのサッカーをどうやっていくかというのが今日だったと思うんですけど、形としてはやることはできたけどやっぱり決め切ることができなくて逆に自分たちがちょっとしたミスで点を決められてしまったのが結果として負けになってしまったのかなと思います。(前期の筑波大戦同様やりにくそうな印象を受けたが)そんなにやりにくさは感じないけど、勢いに乗せると怖いなっていう相手なので、そういう意味では最初はやりにくいと思って入ってはいなくて、ただ相手を調子に乗らせた時は結構嫌だなって思う時が多かったです。(押し込まれた時間帯は相手を勢いに乗せてしまったということか)いや、前半はそんなに怖くはなかったです。(攻守が噛み合わなかった原因は)本当に前半に関してはあまりうまくいかなかったとは思っていなくて、むしろ後半に失点をしてしかもあの形で失点してしまって、自分たちが相手のプレッシャーに対してビビってしまったじゃないですけど何もできなくなった時間帯があったので、そこは今まで通り相手の状況をちゃんと見て外せるところは外したり、状況によっては1個飛ばしたりだとかそういう判断をできなかったのが今日はあまり良くなかったかなと思います。(来週の入れ替え戦でも同じことをやり続けていくと)そうですね、この1年間積み上げてきたものをどれだけみんなが信じてやれるかっていうのが私は大切だと思うので、そういう意味ではいつも同じことをしなければいけないしそこをちゃんと信じて自分たちもピッチに立たないといけないなと思います(下田グラウンドでやる最後の試合だったが何を思ったか)試合前に円陣を組む時に本当に最後なんだなって、言葉では難しいですけどしみじみしたっていうか、感慨深いものがあって。何か寂しかったです。(泣いても笑っても次が最後の試合となるが)自分が4年前に入った時に慶應を強くしたいと思って入って、自分が入学した時は大学リーグの2部だったんですけど、そこよりは上げた状態で自分は卒業したいと思っているので、来週は絶対に勝って1部に残留して今年は後悔ばかりなんですけど少しでも胸を張って卒業できるように戦いたいなと思います。
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