第82回早慶バレーボール定期戦まであと3日。本日は、早慶女子主将対談をお送りする。早大・森佳央理主将(スポ4・高崎女子)と慶大・平泉優奈主将(文4・横浜緑ヶ丘)のおふたりに、主将としてのモットーや最後の早慶戦に向けた意気込みなど、たっぷりとお話を伺った。
(※この取材は4月23日(月)に早稲田スポーツ新聞会と合同で行いました。)
――移動中から仲良く話されていましたが、もともと面識は
森 早慶戦で毎年会ってるけど、喋ったことは…
2人 ない(笑)。
平泉 試合が終わった後はOB、OGさんとご一緒するので、関わる機会はあまりないですね。
――男子は交流会もあるみたいですが、女子同士での交流会は
森 なかったけど、やりたいよね(笑)。
平泉 やりたいやりたい!前にそういう話出てたけどね(笑)。
森 前回の話が流れちゃったからやりたい!
平泉 やろう!(笑)
――それぞれの大学に進学された理由は
森 大学受験をする時に、自分の学校は県内では進学校だったんですけど、私はその中の縁の下の力持ちポジションだったんですよ(笑)。なので、行きたい大学と行けれる大学のギャップがあって、悩んでいた時に声をかけていただいたのが早稲田大学だったので、即答させてもらいました(笑)。
平泉 私は一般受験で早慶を目指したんですけど、部活もやりたいなっていう気持ちもあって。色々な要因があるんですけど、家から近いというところもあって選ばせていただきました(笑)。
――それぞれの大学の特徴は
森 他の大学は能力のある選手が10人くらい入って、高い競争意識の中でチャンスを勝ち取って試合に出るのが他大のスタイルだと思うんですけど、私たちは推薦や帰国子女など色々なバックグラウンドがある中バレーをしているので、個性豊かな分、みんなの力がまとまればすごい力があると思います。
平泉 スポーツ推薦が一人もいないので、全国経験者もいれば、大学からバレーを始めた選手もいるので、色んな選手が意見を言い合って、一つの方向を向き、まとまった時には力を発揮できるチームだと思います。そういう点では早大に似ているかなと思います。
――いつから主将という重役を意識し始めましたか
森 人がいないということもあって、入部したときから言われていました(笑)。だからといって、意識していたこともないんですけど、各代のキャプテンのカラーは違うので、自分はどのカラーでいけばいいかを考えていました。
平泉 私も主将をやるんだろうなという雰囲気があったんですけど、主将になるというよりはとにかくチームの勝ちに貢献しようプレーしていました。
――主将になって変わったことは
森 自分のプレーに集中できないことですね。
平泉 本当にそう!
森 4年になると他の下級生にどうやって点を取らせようか、どうしたらチームがうまく回るかを考えてしまうんですけど、自分は自分で決めなければいけないところに難しさを感じますね。
平泉 今まででもバレーのことをずっと考えてましたけど、授業中も気づいたらバレーのことを考えるようになりましたね。
――主将になって感じるやりがいは
平泉 新チームになってから、新しい取り組みを始めているんですけど、下級生が多いチームということもあって、実際にその取り組みを行ったときに後輩の成長を感じるとやってよかったなと思います。
森 試合には勝っていないですけど、みんなが意見を出し合って、うまく試合が作れた時には、これでよかったんだと思いますし、主将として全体に働きかけていく中で、アドバイスをしたことに対して後輩が受け入れて実際にやってくれた時はやりがいを感じます。
――影響を与えた人やものは
森 中学校の監督ですね。バレーを始めたのは小学5年生なんですけど、当時は走り高跳びとバレーを平行してやっていて、個人的にはその後も高飛びを続けていこうと思っていました。ですが、中学校の監督から声をかけていただいて、登校区外の中学校に行ってからバレー一色に変わりました。中学校に上がって、これまでとは違うレベルでプレーをする中で、苦しんだ期間もあったんですが、そこで伸ばしてくれたのが監督だったので、もし監督がいなかったら自分はバレーを続けていないかもしれないです。
平泉 おじいちゃんです。慶大の部員はみんな知っているくらい、いつも試合の応援に来てくれています。私がバレーをしているのが今の生きがいと言ってくれていて、試合があった日にはその試合の良かったところや悪かったところを電話で伝えてくれます。そんなおじいちゃんがいるからバレーを頑張ろうと思いますし、家族といった自分を応援してくれている人たちが私の頑張る源ですね。
――主将としてのモットーは
平泉 これまでの私の1つ上や2つ上の主将は全国経験者で、技術もあるし、リーダーシップを発揮することもできる主将だったんですけど、私はそれに匹敵するような結果は残せていなくて。私は主将として何ができるのか考えた時に、雰囲気のよくするという点で主将らしさを出せるんじゃないのかと思いました。後輩が意見を出しやすいように普段から友達のように接しています。そういう意味では、これまでの主将と比べて主将らしくはないかもしれませんが、そういうところで主将らしさを出せるようにしています。
森 チームが苦しい雰囲気でも、笑顔と元気だけは絶やさないようにしようというのが、最初に決めたことなので、自分が1点取った時に誰よりも喜ぶこととか、後輩が決めたら後輩よりも喜ぶことを意識してます。それに加えて、今までだと自分がチームのために何ができるかイコール自分の技術力の向上を目指してやってきたのですが、4年生になってプレーだけじゃなくてOB、OGさんなど自分たちがこれだけ多くの人に支えられているんだということを感じたので、サポートしてくれているメンバーも含めて感謝していきたいと思っています。
――今年の早慶戦の見どころは
森 早稲田の持ち味であるつなぎと粘りは毎年の色なのでそこを見て欲しいです。
平泉 去年の主要メンバーが多く抜けてしまったこともあり、試合経験がほとんどないメンバーが多いんですよね。そういうところで新チームがスタートしたところから成長した姿を見て欲しいです。
――最後の早慶戦に向けて
森 4年目の最後の早慶戦なんだという実感は全くないんですけど、本当に1年でこれだけ応援団が来てくれて、盛り上がる試合というのはないですし、リーグ戦よりもたくさん人がいる中で、広いコートで1面を使って試合をするのは早慶戦しかないので、この舞台で戦えるありがたさやワセダの誇りを感じながら戦いたいです。
平泉 私がバレー部に入部した大きなきっかけとなったのが、1年生の時に観客として観た早慶戦なので、夢の舞台で戦える嬉しさをかみしめながら、なんとか歴史に残る結果を残して終わりたいという思いがあります。また、多くのOB、OGさんや観客が来てくださりますし、一種のお祭りのような感じなので、今まで応援してくださった方々に感謝の気持ちを伝えるためにも全力で勝ちにいきたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材:早稲田スポーツ新聞会 遠藤伶・松谷果林/慶應スポーツ新聞会 藤澤薫)
第82回早慶バレーボール定期戦は6月10日(日)とどろきアリーナにて開催されます。
◇プロフィール◇
森佳央理 (もり・かおり)
1997年2月20日生まれ/早稲田大学スポーツ科学部4年/高崎女子高/身長175センチ/最高到達点300センチ/センター
平泉優奈 (ひらいずみ・ゆうな)
1996年5月31日生まれ/慶應義塾大学文学部4年/横浜緑ヶ丘高/身長167センチ/最高到達点275センチ/レフト