【アイスホッケー】2点を先制するも逆転負け 決勝リーグ進出へのチケットが遠ざかる結果に 平成30年度関東大学アイスホッケーリーグ戦第10節vs中央大

4位争いの土俵に残るべく勝ちだけを目標に臨んだ中大戦。試合開始から7分の間に2点を先制するも、スイッチの入った中大を相手に40分間でたまらず5失点。第3ピリオドに一矢報いるも反撃はここまで。3-5での敗戦を喫し、4位以上が駒を進めることのできる決勝リーグへのチケットは遠ざかる結果となった。

先制の瞬間

2018年10月20日(土)14:45F.O. @ダイドードリンコアイスアリーナ

 

1P

2P

3P

TOTAL

慶應義塾大学

2(4)

0(7)

1(7)

3(18)

中央大学

3(13)

2(14)

0(11)

5(38)

※()内はシュート数

 

決勝トーナメント進出に向け、4位以上を目指す慶大。第9節終了時の順位は5位で、一時は4位との勝点差を2点まで縮めたものの直接対決で敗戦、一気に引き離された。これ以上勝点差を広げるわけにはいかない慶大はなんとか勝って4位争いの土俵に残るべく、強豪中大との一戦に臨んだ。

FW滝智弥(政4・慶應義塾)に訪れた決定機

試合開始から足を積極的に使った攻めで、慶大は中大GKのヘルメットに直撃するシュートを放つなどテンポよく中大ゴールに襲い掛かる。波に乗った慶大は2分にFW永田雅宗(総4・日光明峰)、7分にFW十文字開紀(商3・八戸)がリバウンドを叩く波状攻撃で相次いで得点、2-0と中大を突き放した。DF在家秀虎(環4・埼玉栄)を中心に守りを固め、GK小池丈二(経3・浦和)が華麗なグラブキャッチを見せるなど慶大守備網はその盤石さを示す。しかし12分、キルプレーを強いられた慶大は13分に1点を返されると、この失点で流れを失う。一時2点のリードを手にしていた慶大だったが、16分に同点弾、19分に勝ち越し弾を立て続けに献上、逆転を許し、第1ピリオド終了時で2-3と1点を追う立場に転落した。

得意のグラブキャッチ

ディフェンスリーダーのDF在家

1点目を沈めたFW永田

2点目に繋がったリバウンド

流れを取り戻したい慶大であったが、第2ピリオドは慶大と中大の地力の差が顕著に表れる。慶大はAゾーンでなかなかパックをキープすることができず、中大の猛攻にGK小池が奮闘するも7、16分に追加点を許してしまった。苦しいピリオドとなったが慶大は諦めずに一瞬の隙をついて反撃を仕掛ける。慶大はFW十文字とFW振津直弥(政1・埼玉栄)の連携や、DF小嶋遼亮(経1・慶應義塾)のワンタイマーなどで兆しこそ見せたものの、得点には至らなかった。

2点目を押し込んだFW十文字

多くのチャンスに絡んだFW運上雄基(総2・埼玉栄)

2-5で迎えた第3ピリオド。試合の流れは慶大に上向き、慶大と中大の両方が決定機を数多く作る。FWスーリック(総4・駒大苫小牧)が角度のない位置から中大GKとゴールポストの僅かなスペースをすり抜けるシュートを放つなど、ゴールにあと一歩まで迫るが、なかなか追加点に繋がらない。一方で第3ピリオドから滞氷したGK河合智哉(環3・埼玉栄)の見せた、大きく前に出た好守が慶大を奮起させる。9分、小さく振りかぶって狙いすましたFWスーのロングシュートがゴールマウスに吸い込まれ、待望の追加点を奪った。3-5と得点を2点に縮めた慶大はさらに勢いに乗り、DF瀧澤慎之督(経3・慶應義塾)のバッティングなどで攻勢に転じる場面が増えた。さらに慶大は試合終了2分前から6人攻撃に乗り出し、捨て身で勝ち点獲得に向けて望みを繋ぐ。しかし6人攻撃はまさに諸刃の剣、慶大は逆襲を受け、あわやエンプティネットゴールを献上しかけたが、DF瀧澤がGKさながらの反応でこれを防いだ。最後の35秒は中大の反則で6人対4人のパワープレーを獲得するも得点にはあと一歩及ばず、3-5で試合終了となった。

中大に一太刀を浴びせたFWスー

走攻守の活躍を見せたDF瀧澤

間一髪でエンプティネットゴールを防いだ

この日は会場のイベントで、ピリオド間に西武線沿線の幼稚園生から中学生が所属するブルーレジェンズ(チアダンスチーム)の演技が観客を楽しませ、オンプレー中は子供たちと、駆け付けた應援指導部の声援が慶大を勇気づけたが、残念ながら勝利した姿を見せることは叶わなかった。慶大の2点リードで試合は始まったものの結果は3-5、守備に課題が見つかった。この敗戦で4位との勝点差は8に広がり、決勝リーグ進出は難しくなった慶大だが、主将の目は変わらず勝利だけを見据えていた。第1ピリオドで主力FW長谷川真之介(政3・慶應義塾)が負傷離脱するなど不安要素は残るものの、今季の慶大の強みの1つである層の厚さを生かしハプニングを跳ね除け、残りの4試合もこのまま全力ホッケーを体現し続けてほしい。

慶大に多くの声援を送った

負傷退場のFW長谷川

 (記事・写真:鈴木啓仁)

 

以下選手コメント

主将/FW滝智弥(政4・慶應義塾)

中大に攻めこむ

――今回の敗因は

色々ありますが大きく分けて2つあると思っています。1つはブレイクアウトで、折角パックを奪ってもDゾーンを抜け出すブレイクアウトのタイミングでカットされてパックを取り返されることが多くて、ブレイクアウトが上手くいかないことで相手の攻撃が長くなることです。もう1つは反則の多さですね。5失点のうち3失点がキルでの失点で、1巡目と同じような失敗になってしまいました。

 

――相手の個人技でゴール前まで運ばれるシーンが目立ったが対策は

FWがしっかりバックチェックで戻ってきてサイドに追いやることと、DFが下がらないことを意識してプレーしてはいたのですが、こちらがトラップを引くタイミングで相手のスキルあるプレイヤー2人などのワンツーで崩された場面もありました。次の明大も同じようなプレースタイルなので、修正していきたいと思います。

 

――リバウンドでの2得点は意識していた形だったのか

基本的に慶大はシュートチャンスの多いチームではないので、打てる時は打って、それがただのシュートにならないようにリバウンドを意識していたので、良い形で得点できたと思います。

 

――1ピリで負傷退場したFW長谷川の怪我の具合は

すぐ戻ってきてくれると信じていますが、いなくなったから負けたと言われないようにFW長谷川の分まで全力で結果を出して待ちたいと思います。

 

――今回の敗戦で4位以上が遠のいたが、何を目標にこれからの秋リーグを戦っていくか

自力での4位以上は難しくなってきたと思いますが、上位校の結果次第ではまだまだ狙える位置だと思っているので、そのために少しでも多くの勝点を積み上げるため一戦一戦を大切にしていきたいです。たとえ4位以上になれなくても、一戦一戦全力で取り組んで勝つことには変わりありません。

 

――次の明治戦は何を意識して臨むのか

もちろん4位以上という目標もありますが、明治中央東洋という今まで僕がやってきた中で1度も勝てていない相手に勝ちたいという気持ちも全員強く持っていて、そういう意味ではラストチャンスになってくるので簡単に勝てる相手ではないですが、慶大のホッケーをしっかりやって強みを出して勝ちたいと思います。

 

平成30年度関東大学アイスホッケーリーグ戦DivⅠ-A対戦成績(第10節終了時)

 

明治

中央

東洋

早稲田

慶應義塾

法政

日本体育

東海

60分勝

GWS勝

GWS敗

60分敗

勝点

順位

明治

7-1

4-0

2-4

3-0

6-3

3-1

13-1

9

0

0

1

27

1

 

 

 

 

 4-2

7-3

4-1

中央

1-7

3-4

1-3

7-1

5-2

7-2

4-1

7

0

1

2

22

3

 

 

 

 5-3

 

5-2

 7-2

東洋

0-4

4-3

1-4

7-2

7-9

5-3

11-2

6

1

0

3

20

4

 

 

 

6-1

5-3

 

 9-0

早稲田

4-2

3-1

4-1

5-3

6-2

5-1

14-1

9

0

0

1

27

2

 

 

 

3-4

6-3

 5-2

 

慶應

義塾

0-3

1-7

2-7

3-5

2-1

6-1

3-0

4

0

0

6

12

5

 

 3-5

1-6

4-3

 

 

 

法政

3-6

2-5

9-7

2-6

1-2

2-3

9-4

2

0

1

7

7

6

 2-4

 

3-5

3-6

 

 

 

日本

体育

1-3

2-7

3-5

1-5

1-6

3-2

1-2

0

1

0

9

2

8

3-7

2-5

 

 2-5

 

 

 

東海

1-13

1-4

2-11

1-14

0-3

4-9

2-1

1

0

0

9

3

7

1-4

2-7

 0-9

 

 

 

 

※○:60分勝(勝ち点3)、□:GWS勝(勝ち点2)、■:GWS敗(勝ち点1)、●:60分敗(勝ち点0)、勝点が等しい場合は得失点差により順位が決定。

 

次戦予定

平成30年度関東大学アイスホッケーリーグ戦第11節vs明治大学

2018年10月28日(日)17:30 F.O. @ダイドードリンコアイスアリーナ

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