6月15日(土)、KOSE新横浜スケートセンターで第54回四大学フィギュアスケート定期戦が開催された。関東から慶大と立大、関西から立命大と同大が参加した今大会。慶大は主幹校として運営に奔走しながら、各部員がベストを尽くし、5連覇という最高の形で試合を終えた。
5月16日(土) 第54回四大学フィギュアスケート定期戦
@KOSE新横浜スケートセンター
☆試合結果
クラス | 選手名 | 出身校 | 点数 | 順位 |
男子Dクラス | 田村周彦 | 法法1・桐朋 | 57.32 | 1位 |
女子Dクラス | 齊藤ちひろ | 文3・取手聖徳女子 | 13.18 | 4位 |
| 壷井茉貴 | 薬3・桐明学園 | 11.26 | 13位 |
| 小泉梓 | 文1・慶應NY学院 | 10.23 | 21位 |
男子Cクラス | 佐藤優人 | 法政3・慶應 | 30.01 | 1位 |
女子Cクラス | 岡本愛美 | 総3・Mira Costa | 46.21 | 1位 |
| 白川めぐみ | 法法2・慶應女子 | 34.99 | 7位 |
| 中村優里 | 理4・慶應女子 | 32.50 | 8位 |
| 石井愛実 | 看1・山手学院 | 29.34 | 11位 |
| 中村聖菜 | 商4・県立相模原中等教育 | 26.69 | 12位 |
| 大谷真由 | 法法3・洗足学園 | 23.97 | 13位 |
| 岡安萌 | 理4・森村学園 | 22.74 | 15位 |
女子Bー2クラス | 佐々木花音 | 文4・県立相模原中等教育 | 51.58 | 1位 |
| 新田陽奈子 | 文3・東京女学館 | 37.38 | 2位 |
女子B-1クラス | 土屋有葵 | 経3・慶應女子 | 58.48 | 1位 |
| 湯浅加彩 | 総2・智辯学園奈良カレッジ | 57.49 | 3位 |
| 花城桜子 | 法法3・県立那覇国際 | 53.40 | 4位 |
| 水野明保 | 環2・国府台女子学院 | 46.16 | 9位 |
| 猪川乃絵瑠 | 経3・桐蔭学園 | 44.99 | 10位 |
女子Aクラス | 鈴木星佳 | 総4・慶應湘南藤沢 | 43.42 | 2位 |
| 小堀瑛美 | 環3・県立千葉 | 39.10 | 4位 |
初級、1級クラスで構成された女子Dクラスには、慶大から3人が出場。齊藤ちひろ(文3・取手聖徳女子)が、慶大勢トップの4位につく活躍を見せた。壷井茉貴(薬3・桐明学園)は13位、大学デビュー戦となった小泉梓(文1・慶應NY学院)は21位となった。
男子Cクラスには佐藤優人(法政3・慶應)が出場した。このクラス唯一の出場者であり、出場すれば優勝という状況のなかで「自分のいい演技で団体優勝へ向けて鼓舞したい」と望んだ今大会。演技冒頭、シングルアクセルはステップアウトとなるが続く3連続ジャンプは綺麗に着氷。しかしその後のジャンプに乱れがあり、演技後には悔しさをにじませた。本人納得の演技とはならなかったが、今後は「スケーティングを大事にしていきたい」とさらなる成長を意気込んだ。
2,3,4級所持者が出場した女子Cクラスには、7名の慶大選手がエントリーした。このクラス優勝を果たしたのは、4級の岡本愛美(総3・Mira Costa)。体調が優れない中の演技となった岡本。その中でも、ジャンプの乱れはなかった。重厚ながらも伸びのあるスケートで滑り切った。
前大会棄権していた白川めぐみ(慶應女子)は慶大勢2番目となる7位、中村優里(理4・慶應女子)は完成度の高い演技を披露、前大会よりも得点を大きく伸ばし8位に入った。大学2戦目となった石井愛実(看1・山手学院)は11位、中村聖菜(商4・県立相模原中等教育)はジャンプの転倒もあり12位。大谷真由(法法3・洗足学園)は、タンゴの曲に合わせた新プログラムを披露し13位。岡安萌(理4・森村学園)も15位と、2級ながら健闘した。
女子B-1クラスではまず土屋有葵(経3・慶應女子)が演技を披露。普段5級クラスに出場している土屋は30秒演技時間を長くする必要があり「体力的にきつかった」という。しかし、最後のジャンプが抜けたこと以外には大きなミスはなく、いつもの安定感そのままに演技を終えた。今大会は足の状態が悪く、「滑り切ることを目標にしていた」という土屋。それでも優勝を果たし、地力の高さを証明する結果となった。
続いて登場したのは花城桜子(法法3・県立那覇国際)。「調子が上がってきたところだった」という花城だが、最初のジャンプ2本で乱れが出てしまう。それでも情感のこもった演技で観客を魅了した。「踊り込みや滑り込みをしっかりしたい」と今後の試合では完成度の高い演技を目指す。
続く湯浅加彩(総2・智辯学園奈良カレッジ)はダブルアクセルを2度着氷させるなど予定構成ノーミスの演技を披露。5月の関カレから得点を10点以上伸ばし、本人も納得の演技で3位に入った。水野明保(環2・国府台女子学院)、猪川乃絵瑠(経3・桐蔭学園)はジャンプが乱れそれぞれ9位、10位に終わった。
女子B-2クラスには、3人のエントリーのうち2人が慶大勢。まず、登場したのは新田陽奈子(東京女学館)。転倒など大きなミスはなかったものの、ジャンプの細かなミスが重なり得点を伸ばすことができなかった。それでも、「ニューシネマパラダイス」の世界観を途切れることなく、見事に演じきった。
続いて、佐々木花音(文4・県立相模原中等教育)。果敢に挑んだ冒頭のダブルアクセルをなんとか着氷させると、リンク際で見ていた慶大選手、客席からも歓声が沸いた。これで勢いに乗った佐々木は、その後のジャンプも次々と決めていく。「Phantom of the opera」の音楽に合わせ、感情豊かに演じ切り、得点も50点を超え。本人も満足のとなった。
女子Aクラスにまず登場したのは小堀瑛美(環3・県立千葉)。演技冒頭、トリプルトゥループとダブルトゥループの連続ジャンプはなんとか堪えるが、続くトリプルサルコウでは転倒してしまう。最後のダブルアクセルは綺麗に決めたものの、演技後には「周りを見てのびのび滑ることができなかった」と反省の言葉を口にした。「最近試合の中で落ち着いてジャンプを飛べるようになってきた」という小堀。大会の運営も行い調整が難しいなかでもミスを最小限にとどめることができたのもその成長によるものだろう。今後のさらにブラッシュアップされた演技に期待したい。
続いて登場したのは鈴木星佳(総4・慶應湘南藤沢)。今大会の主管校の慶大、主将の鈴木はより忙しく大会運営に携わっていただろう。そんな中で迎えた演技。冒頭のダブルアクセルは余裕のある着氷。このまま流れに乗りたいところだったが、トリプルサルコウの予定がダブルサルコウに回転が抜けてしまう。それでも、コンビネーションジャンプにする必要がある次のトリプルトーループに確実にダブルトーループをつけ、見事にリカバリー。鈴木は、気持ちの面での成長を感じていた。本人も話していたが、次の大会では、ノーミスの演技を期待したいところだ。
男子Bクラスには田村周彦(法法1・桐朋)が出場。関カレでは2種類の2回転だったが、今回は5種類に増やして望んだ。最初のアクセルジャンプは乱れたものの、その後は全てのジャンプを着氷。今年の目標を高2の競技休止前まで戻すこととしていた田村だったが、すでにブランクを感じさせない演技を披露した。次の大会ではさらにジャンプの難易度を上げた構成に挑む。
慶大、立大、同大、関学の4つの大学の団体戦でもある今大会。慶大はそれぞれが、それぞれの級で活躍を見せた。チームの力を見せつけ、団体優勝。部員全員が、受付やアナウンス、音響などといった大会運営に奔走しながら、5連覇を果たした。
(記事:相川環、高井真衣 写真:松岡実優)
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※掲載が遅くなり申し訳ございません。
以下、選手インタビューです。
佐藤優人(法政3・慶應)
――今日の演技を振り返って
5年間スケートをやってきて初めて良いところが見つからないと思いました。今日ははじめから演技をすれば優勝すると決まっていたので自分のいい演技で団体優勝へ向けて部を鼓舞しようと思っていたんですが、それができなくて部に対して申し訳ないという気持ちがあります。でも優勝できたので、皆さんの支えがあって良かったです。
――具体的にはどのあたりが良くなかったと感じましたか
5分間練習で氷の状態を確認しないままスケーティングを短めでジャンプに入ってしまって、5分間練習の時は運良く降りられたんですが、ちゃんと感触を掴まないまま本番では運悪くミスしてしまったので段取りが悪かったなと思いました。
――スピンはいかがでしたか
前回の試合は直前に調子が良かったというのもあって回りたいという欲が出てしまい失敗してしまったという反省を生かして今回は出来ることだけやろうと思っていたんですけど、最初のキャメルと2本目のフライングシットは点数が入んなくて、最後のコンビネーションは慎重になりすぎてしまいました。
――これから次の大会までにどのような練習をしていきたいですか
本当なら曲を変えようと思っていたんですけど終わり方がひどかったので考え直します。来年もお世話になっているみなさんや部員のヒューヒュー言ってもらう声に助けてもらうかもしれません。基礎を固めるっていうことでスケーティングを大事にしていきたいです。
土屋 有葵(経3・慶應女子)
――今日の演技を振り返って
今日は、このクラスで出るために30秒伸ばして初めての3分半の演技時間でしたが、足の状態が悪かったこともあり、準備が万端という状態ではなかったです。 ですが、最後まで滑りきることを目標にしていたので、演技的には、最後もったいないミスがあったものの、まとめられたかなと思います。
――具体的に30秒はどこを伸ばしたのか教えて下さい
最後の30秒をアレンジして、ジャンプなど構成を変えて臨みました。
――伸ばした30秒は体力的にはいかがでしたか
正直きつかったです。
――前回の試合はスピンで転倒がありましたが、今回はいかがでしたか
今回も特にスピンを意識していて、練習でもスピンの練習を沢山していたので、きちんと入って良かったなと思っています。
佐々木花音(文4・県立相模原中等教育)
――今日の演技を振り返って
今日は、ダブルアクセルをすごく久しぶりに試合で入れるのと、パンクをしないという目標を決めていて、そのどっちもできました。全体的にもまとめることができたので良かったかなと思います。
――ダブルアクセル決まりましたね
最近調子がよかったので入れようかなって思ったのですが、個人的には6分間練習の方がうまくいったかなって思います。これからもっと練習して、ちゃんとクリーンに降りられるようにして、またいつか試合で決められるようにしたいなと思います。
――今大会に向けて特に練習してきたこと
曲かけで、とにかくジャンプを締めるっていうのを徹底して、この2週間くらいしていました。直前の曲かけ練習でも、ダブルアクセル以外ほぼノーミスの演技もできたので、なるべく毎回本番だと思って曲かけをするっていうのをやっていました。
――大会運営と自分の演技との調整は大変でしたか
大変になることは分かっていたので、バタバタしないように自分の出番がいつかっていうのを把握して、前々から準備するように気を付けていました。
――次の大会は
8月のサマートロフィーという、埼玉の上尾で行われる大会に出る予定です。
――その大会に向けて
その大会でも同じプログラムを滑るのですが、ダブルアクセルを入れるかどうかとかは、まだ何も考えてないのですが、今回去年の東インカレ振りに点数50点超えることができたので、また同じくらいの点数出せるように頑張りたいと思います。
花城桜子(法法3・県立那覇国際)
――今日の演技を振り返って
少し調子が上がってきたところだったので、ミスが多くなってしまったのは悔しいです。
――今大会に向けて特に練習してきたこと
特にダブルアクセルの調子が上がってきたので、曲の中でもまだ完全に降りてはないのですが、その中で自分ができる一番良いダブルアクセルをした上で、他の要素も抜けないようにという全体のトータルパッケージを目標に練習してきたのですが、今日はそれはあまり発揮できなかったです。
――新しいプログラムは馴染んできましたか
まだまだ難しくて、全然自分のものにできてるなっていう意識がないので、少しお恥ずかしいですが。シーズンに向けてもっと踊り込みや滑り込みをしっかりして、構成を上げても余裕のある、演技をしたいなと思ってます。
――運営で忙しい中、自分の演技に影響はありましたか
確かに、運営は初めてのことばかりで、戸惑ったり大変だったのですが、その分他の学生運営の試合がこんなに大変なんだなというありがたみを感じなら、演技することができました。
――次の大会に向けて
次がまだどの大会になるか分からないのですが、東インカレになる可能性もあるので、インカレ出場のために、激戦区にはなってしまうのですが、その中で勝ち抜いていくために、ムーランルージュを仕上げていきたいと思います。
小堀瑛美(環3・県立千葉)
――今日の演技を振り返って
今日は全体的に焦ってしまったなと思いました。演技中に「焦ってる」って思ってあんまり周りを見てのびのび滑ることができなかったです。ジャンプを全部締めることを目標にしていたので、それは転んでしまったけど達成できたので良かったです。
――今回がショート2回目の演技だと思いますが関カレの時から良くなった点は
練習では周りを見て滑ったり目線を上げたり気をつけていたけど今日は焦ってそれができなかったのが悔しいです。まだジャッジシート見ていないので分かんないですけど、前回レベルの取りこぼしがあったところを練習したのでそれがいい結果になってるといいなと思います。
――運営との両立で調整が難しかったりしましたか
少しだけ(笑)。ずっと手伝いで気付いたら自分の前のグループという感じでしたけど、それが自分の演技に影響している訳ではないので。初めて大会の運営に関わって、毎回こんなに大変なことがあってから大会が行われているんだと思うと感謝だなと思います。
――次の大会に向けて
次のアクアカップはフリーで、3月4月くらいから練習していないので終わったらすぐにフリーを重点的に練習しなきゃいけなくて、最近試合の中で落ち着いてジャンプを飛べるようになってきたなと自分で思っているので、それをショートだけではなくてフリーでもできるようにしたいです。
鈴木星佳(総4・慶應湘南藤沢)
――今日の演技を振り返って
気持ちで引くことがなかったので、前回の大会に引き続きよかったな、と思う点でした。あともう一つは、サルコウ(ジャンプ)でパンクしてしまったのですが、次のトーループ(ジャンプ)でリカバリーすることができたのは、自分の中で、気持ちの面でもジャンプの確率の面でもちょっと成長したところかなと思います。次の大会では、全部完璧に出来たら気持ちいいだろうな、と思いながら滑っていました。
――スピンやステップはいかがでしたか
ステップは後輩の(花城)桜子と一緒に練習しているときに、上半身の使い方とかを教えてもらったりしていて、意識して練習してきたところでした。なので、上半身を大きく使いながらやるっていうのを意識しながら滑ることができました。もっともっとエッジを深く使って滑りたいと思います。
――最近ジャンプの調子が良さそうですが
練習で波はあるのですが、タイミングとかが合ってきたのかなと思います。
――大会運営で忙しい中の演技でしたが、影響はありましたか
前半はちゃんと試合ができるかどうかといった運営のところに、すごくバタバタしていて、そこから、自分の試合への切り替えっていうのは難しいなと思う点もあったのですが、私以外にも後輩や同期がすごく頼もしくて、みんなするべきこと以上のことをしてくれていたので、演技に集中することができました。みんなのおかげです。
――次の大会に向けて
次の大会はサマートロフィーで、今シーズン初めてショート・フリーがどっちもある大会なので、ショートでベストを尽くして、フリーは4月以来滑れてないので、試合でフリーを滑って、一人一人の見ている人の記憶に残るような演技を、夏からしていきたいと思います。
――大会5連覇した、今の気持ちは
めちゃくちゃ嬉しいです。正直去年までは、男子の先輩がいて、安定して得点を重ねられていたのですが、今年はその先輩たちも抜けて、全員がベストを尽くしたいという気持ちで臨んでいました。私自身もあまり考えないようにしようと思っていたので、まさか終わって蓋を開けてみたら5連覇、すごく嬉しいです。4年前に私たちが主管でやってから一周回って5連覇できたというのが、すごく嬉しいです。みんなが頑張ってくれてよかったです。
田村周彦(法法1・桐明)
ーー今日の演技を振り返って
全体的に、目標にしていた所には近い演技が出来たので、そこは良かったかなと思います。
ーー冒頭のジャンプ以外はノーミスのように見えました
そうですね、その時の状況を見つつ少し難易度を落としながら演技をしていたので、ミスとしては確かにゼロなのですが、その点目標としていた所から離れてしまった部分はあります。
ーー大学生として2戦目で、ブランクを感じさせない演技でしたが、ご自身ではその点についてどう感じていますか?
ありがとうございます。日々の練習の一回一回が、今までのブランクによる違和感をどんどん忘れさせてくれるような、そういった成長の仕方を自分でも実感出来ていました。 今回もまだ高校生の時のようにはいっていない部分がありますが、ある程度ブランクの影響はは無くなってきているような気がします。
ーー今日に向けて特に練習してきたことはありますか
前回の関カレから、構成要素でジャンプ2種類を新しく3つ追加しました。練習法などでは特に今までと変わりなく、本当に、新しくジャンプを増やせるように戻せるように、というふうに頑張ってきました。
ーー次の試合に向けて
今のところ、まだ高校生の時の状態と比べてジャンプ1つ分追いついていないので、とりあえず次の大会までは、ジャンプの構成をお休みをした前の状態に戻す、というのが目標です。