歓喜に包まれた第77回早慶バスケットボール定期戦から2ヶ月。22試合に渡る長くて短い戦いがついに幕を開けた。第95回関東大学バスケットボールリーグ戦の初戦の相手は昨年も同じ2部の舞台で戦った明星大。昨年は2戦ともに大差で勝利を挙げている、慶大の得意とする相手である。春シーズンからの攻守にわたる進化を結果に結びつけることはできたのだろうか。
2019/08/24(土) @駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場 | |||||
第95回関東大学バスケットボールリーグ戦第1節vs明星大 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 17 | 20 | 17 | 21 | 75 |
明星大 | 15 | 14 | 18 | 23 | 70 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
| #4 山﨑純 (総4・土浦日大) | ||||
| #5 髙田淳貴(環4・城東) | ||||
| #6 工藤翔平(政4・慶應) | ||||
| #10 岩片悠馬(環3・広尾学園) | ||||
| #14 人見快(法2・慶應志木) |
第1Q開始早々、圧倒的高さを持つセンターのママドゥにインサイドで得点を決められてしまうものの、直後に山﨑のアシストから人見が3ポイントシュートを決め、勢いに乗った慶大。春シーズンにはあまり見られることのなかった早いパス回しから攻撃の展開を作り出す。期待のルーキー水谷祐葵(環1・四日市工業)も初めてのリーグ戦に動じることなく、得点を決め17―15で第2Qへ。
第2Qも慶大の勢いは止まらない。途中出場の甲谷勇平(環3・東山)を中心に今年度力を入れているディフェンスで明星大の攻撃を抑えると、山﨑や工藤が効果的に得点を重ね、リードを広げる。前半を5分残したタイミングで人見がこの試合3本目となる3ポイントシュートを決めた。流れに乗った人見は持ち味のディフェンスで相手の隙をつくスティールから得点。37―29と点差を広げ前半を終えた。
第3Qは4年生が意地を見せた。初戦の緊張もあったのか力が入りすぎてしまいなかなかシュートを得点に結びつけられなかった髙田もようやく肩の力が抜け山﨑のアシストから連続得点。4年目の落ち着きと息のあったコンビネーションでWエースの存在感を示した。その後工藤が正確無比な3ポイントシュートを3本決め54―47で最終Qへ。
山﨑のジャンプショットで最終Qを危なげなくスタートさせた慶大。しかし流れを掴み切ることができず、シュートがリングに嫌われてしまう時間が続く。一時逆転を許してしまったものの岩片がリバウンドで健闘しチャンスを幾度となく作り上げ再び主導権を握った。そのままリードを守り75―70で開幕戦を勝利で飾った。
無事に白星スタートとなったリーグ戦初戦。誰かが本調子ではない時間があろうとも、それをチーム全員で支え抜く強さを身につけた姿が、2ヶ月間の熱い練習の成果として現れていた。戦いはまだ始まったばかり。気を抜くことはできない。次戦は山﨑も重要だと語る国士舘大との大切な試合。無事に勝利し、自信を胸に9月を迎えることはできるのだろうか。厚みを増した慶大の飛躍に期待が膨らむ。
(記事:船田千紗・写真:染谷優真)
阪口HC
――リーグ戦が開幕しました。初戦を振り返っていかがでしたか
最初勝つのと負けるのとではリーグ戦は全然気分が違うよね。1勝目が来ないと真っ暗だから。中身よりも勝ったことがよかった。
――あまり経験のなかった選手の活躍も目立ちました
早慶戦も頑張っていたんだけれど、本当に経験のない人間だから、山﨑と髙田がスーパースターだから、2人と一緒にバスケットボールができるようにというのがチームの目標なので、今の所うまいこといっているのでは。
――途中追いつかれてしまう場面もありましたが
その間もうちは何本もシュートが入らなかっただけなので、攻められてないわけではないんだよね。そういうのがきちっとできる人間たちだから、明日また勝てるといいね。
山﨑純(総4・土浦日大)
――初戦を振り返って
試合前にもみんなに言っていたのですが、リーグ戦初戦なので絶対にかたくなりすぎたり熱くなりすぎたりすると思ったので、内容よりは結果的に1勝できたのでそれは良かったかなと思っています。
――30得点の活躍でした
前半淳貴が全然当たってなくて、得点を取ることはあまり意識していなかったですけれど、やっぱりチームの得点が伸びていない時に決めるということは意識していたので、苦しいときに点を取れて良かったかなと思います。
――前半は外からのシュートが目立っていましたが、後半は中に切り込むシーンが多かったですね
前半はポストにセンターを立たせて攻めていたのですが、後半なかなかポストからのシュートも確率がよくなくなっていたので、自分が切り込んでさばくなりシュートするなりしようかなと思って打っていきました。
――途中逆転されるシーンもありましたが、どのような声かけをしましたか
試合前から言っていたのですけれど、自分たちが早い段階から点差を開けて勝てるっていうチームが2部になかなかいないと思っていたので、追い詰められた時や点差が開かない時にいつも通りにプレーしようということは声かけしていて、それがあったのでみんなも点差が詰められてもそこまで動揺しなかったのかなと思います。
――明日は対談でも得意だと仰っていた国士舘との対戦になります
明日試合すると2週間近く空くので、本当にこの1周目で2勝すると、練習の雰囲気も凄くよくなるし、勢いも付くと思うので、明日なんとか勝って自信をつけられたらなと思います。
工藤翔平(政4・慶應)
――今日の試合を振り返って
本当に勝てて良かったと思います。最後岩片が決めてくれましたが、ああいう所で自分も引っ張っていかなきゃなって思いました。
――開幕戦ということでチームには少し堅さもありましたか
そうですね、去年純と淳貴と、僕が少し出ていて、他のメンバーはリーグ戦初めてだったと思うので、結構シュートも最初は決まらなくて堅かったんですけど、徐々に慣れていけたんじゃないかなと思います。
――3ポイント中心に多くのミドルシュートを決めました
純と淳貴にマークマンが結構寄っていて、ああいう所で僕とか岩片とか人見にチャンスが回ってくると思うので、今日は確率としては3ポイントも結構当たっていたと思うし、その点でチームに貢献できたんじゃないかと思います。
――ディフェンスについては何を意識されていましたか
岩片と交代交代で留学生(のマーク)ついたり、やはり一線のディフェンスは自分の中で課題で今日も結構やられたりしたので、そこは明日にも繋がるかなと思います。
――その中でパスカットを多くされていました
そうですね、パスカットっていうのは僕が去年から意識している僕の強みだと思うので、今年のリーグ戦も22試合通してその強みがどの相手にもできるように頑張っていきたいなって思います。
――明日の試合に向けて
明日は自分たちより格上の国士舘大学なんで、まずやることをひとつひとつやって、その中でもっとチーム引っ張っていけたらなって思います。
岩片悠馬(環3・広尾学園)
――今日の試合を振り返って
初戦ということで全員少し体が硬かった部分もあると思うのですが、勝ち切れたので良かったです。
――第3、4Qで点差を縮められたり、逆転された場面での打開策は
逆転されたからというよりは、焦らず自分たちが今まで対策してきたことを継続して点が伸びたかなという感じです。
――タッチシュートや積極的にリバウンドを取りにいく場面が多く見られました
後半は結構リバウンドが取れているイメージがありました。ですが、前半で自分がオフェンスリバウンドを取れていたらもう少し楽に勝てていたかなという感じがするのでそこを反省しています。
――前半から後半にかけて勢いのあるプレーに変化していましたが
大きなきっかけがあったというよりはプレーしていくうちに慣れてきて、得点につなげることができました。
――明日の国士舘大学との試合に向けて
明星大学と同じように対策はしてきています。多分競る戦いになると思うので最後まで気を抜かずにプレーしていきたいです。
人見快(法2・慶應志木)
――今日の試合を振り返って
リーグ戦初戦ってことで正直ちょっと緊張してて堅い部分もあったんですけど、1Qそんなに悪い流れじゃなかったので、1試合通して相手がゾーンだったんで今までとちょっと違う感じだったんですけど、まあとりあえず初戦勝てて良かったです。
――相手のディフェンスがゾーンだったことで何か変えた部分はありましたか
スカウティングはしていたので攻め方っていうのは工夫していたんですけど、その中でもアウトサイドのシュートに頼ってしまったところがあって今日はそれが入ってよかったですけど、次回はディフェンスをちゃんと崩せるようにスカウティングしなきゃいけないなって思いました。
――その中で3ポイントを中心に多くミドルシュートを決めました
そうですね、自分がシュートを打たなければいけないシーンが多くあって、まあその分責任も大きかったかなって思いますが決められて良かったです。
――ディフェンスでは何を意識されましたか
相手がドライブの多いチームだったので合わせてシュートっていうよりはドライブをケアしていたんですけど、それでも後半結構やられちゃったのでそこは次回までに直していきたいなと思います。
――最終Q点差を縮められる場面もありましたが
点は詰められていたんですけどまだ勝ってはいたので、焦らずしっかり冷静にっていう風に純さん淳貴さんも言ってくれたので落ち着いてやれたかなって思います。
――明日の試合に向けて
まだ22試合のうち1戦目なので残りの21試合しっかり戦いぬけるように頑張っていきたいなと思います。