【バレーボール】勝利への意地!追いすがる相手を突き放しストレート勝ち/秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 第8戦 vs亜大

バレー戦評

慶大が開幕8連勝で暫定首位に立っている

1部復帰に向けて負けられない戦いが続く慶大。この日は、昨春5位の亜大との対戦。両者とも全勝同士ということで、白熱した試合展開となった。序盤から相手サイドの速い攻撃に苦戦するものの、サーブ、そして自分たちの持ち味である高さを生かしたブロックで応戦した慶大。第3セットはデュースの接戦となったが、何とかものにし、開幕8連勝とした。

 

 

2019年9月29日(日)

秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦

第8戦 慶大×亜大

@亜細亜大学体育館

 

得点

慶大

セット

亜大

25

23

25

21

32

30

 

出場選手(サーブ順)

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

26

谷舜介(環2・徳島城東)

WS

23

小出捺暉(環2・駿台学園)

MB

19

樫村大仁(環3・茨城高専)

OP

マルキナシム(総4・川越東)

WS

吉田祝太郎(政3・慶應)

MB

12

清水柊吾(総3・広島城北)

Li

17

加藤真(商3・慶應)

永田将吾(総2・高松)

途中出場

14

赤川拓(理3・横手)

宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)

 

 

清水のサーブが効果的だ

8連勝に向けて、大事な第1セット。序盤から吉田祝太郎(政3・慶應)のスパイクでブレイクを重ねる。しかし、ブロックアウトやサービスエースなどで4連続失点を浴び逆転を許すなど、勝負の手綱を引き合う展開が続く。試合が動いたのは14-14で迎えた吉田のサーブからだった。強烈なジャンプサーブで相手のレシーブを崩し、返ってきたボールを自らスパイクで決めると、続くサーブではサービスエースを決め、流れを呼び込んだ。その後もブレイクを互いに奪い合うも、2度目の逆転は許さなかった慶大。最後は、吉田・樫村大仁(環3・茨城高専)の2枚でブロックを決めて、25-23で第1セットを先取する。

 

 

谷(26番)と樫村(19番)のコンビ

勢いに乗りたい第2セット。吉田の巧みなフェイントを含む5連続得点。また小出捺暉(環2・駿台学園)がネット際で強さを見せるなど、序盤から持ち前の上手さが光るプレーが飛び出し、慶大が11-3と大きくリードする。その後も吉田のバックアタックやマルキナシム主将(総4・川越東)のライトからの強烈なスパイクなど、攻撃陣が奮起。終始慶大のペースで試合は進み、25-19でこのセットをものにする。

 

 

慶大のサーブレシーブ陣

続く第3セット。小出のスパイクから上々の滑りだしをみせるも、なかなかブレイクできない展開が続く。さらに、9-7の場面から相手の連続サービスエース含む5連続失点を喫し、リードを奪われてしまう。その後もサイドアウトの応酬が続いた17-18の場面、吉田のスパイク、清水柊吾(総3・広島城北)のブロックなどでリードを奪い返す。だが、20点以降、またもサービスエースを許すなど、相手に先にセットポイントを握られてしまう。そこで慶大は試合を通して高い決定率を残してきた吉田にボールを集め、ブレイクを果たし、デュースへ。息を飲むラリーが続く中、最後は、このセット苦しめられてきた相手レフトの速い平行を樫村が完全にシャットアウト。慶大は接戦となったこのセットを奪取し、セットカウント3-0とストレートでの勝利を収めた。

 

 

静かにガッツポーズする永田

試合後、多くの選手たちが「我慢」という言葉を口にした。その言葉の通り、粘り強さで勝ち取った勝利であったといえよう。リーグ戦序盤には、相手のフェイントなどを簡単に落としてしまう場面が多くみられた。高さを生かしたブロックでチャンスを作り、拾って攻撃につなげる。課題であった「対応力」が実を結び始めているのではないだろうか。

 

 

この試合に勝利した慶大は、前日に引き続きセット率で暫定トップを維持する形となった。ここまで、けが人が相次ぎ、万全とは言えない状況ながらも8戦全勝と意地をみせている。2週間の休止期間を挟んだリーグ戦終盤には、6月の東日本インカレで辛勝した大東大、慶大と同じくリーグ全勝と勢いに乗る法大、そして昨春2位の国士館大との大一番が控えている。「全力を尽くして、どんな形でも3勝しようと思います」(マルキ主将)――目指すべき場所へ。慶大のバレーを見せつけてほしい。

 

 

(記事:菊地輝・持丸嘉昭 写真:藤澤薫)

 

 

以下、コメント

 

 

宗雲健司監督

 

――今日の試合を振り返って

選手がよく頑張りました。特に2セット目の中盤からブレイクができなくなって、それでもサイドアウトだけはしっかり取ろうという練習をしていたので、その通りになりましたね。3セット目はだいたい想像がつきました。だからああいう風に競り合って、どっちが勝負球とれるかというので、本当に頑張ったと思います。

 

――第3セット、競る展開になった要因は

(第1・2セットは)サーブがある選手にいって、ある程度崩れてくれていたんですけど、その選手の所にリベロと17番が取り出して、クイックがちょっと増えました。ライトと、特にレフトが平行が速くなって、ブロックが1対1になって、ほとんど向こうに切り返されていました。結局こっちもサーブレシーブから切っていたので、ブレイクできないで接戦になったって感じですね。

 

――「慶大らしいバレー」はできましたか

こぼれ球に集中して、それを吉田とマルキが決めて。樫村、清水も良かったですし、加藤(加藤真=商3・慶應)もよく踏ん張ったと思います。

 

 

 

マルキナシム主将(総4・川越東)

 

――今日の試合を振り返って

この土日、どっちもストレートで勝つことができて良かったです。

 

――第3セットはデュースの接戦となりました

途中まで、サイドアウトがちょっと久々だって感じるくらい、ブレイクしていました。逆に、いざサイドアウトが回ってきたときに2本ブレイクされたり、っていうのが何回も積み重ねられて。それで(差を)詰められて、デュースになっちゃったなっていう形でした。みんなも口々に言っているんですけど、ブレイクしたときのサイドアウトをもっと意識してやっていきたいなって思います。

 

――「取って取られて」の展開が多かったですね

相手の攻撃が結構切れた(=慶大のブレイクがなかなか奪えなかった)のは、相手のサーブレシーブが結構良くて。うちもサーブの狙い目とか決めてやったんですけど、それでもやっぱりサーブレシーブが良くて、Aパス返されちゃう。それでクイックで簡単にぽぽんと(サイドアウトを)切られちゃう。相手も速いコンビをすごく使ってくるので。これに関してはもう、これ以上攻めてミスを出してもしょうがないので、まあやれることは尽くしたのかなと思います。逆に(慶大の)サイドアウトに関しては、序盤と中盤は良くても、終盤の大事なところで1本で切れなかったりする。そこが競った要因かなと思います。

 

――ご自身のプレーを振り返って

(OPとして出場した)この8戦、レフトからのスパイクは元々の専門分野だったので、正直そこまでは困らなかったんですけど、ライトからのスパイクの波がまだすごくあって。とくに(後衛ライトからの)バックアタックに関しては、セッターも信用して勝負所で使うところまで持ってこれていないので、そこをこの2週間で練習するんですけど…。まあ僕は、富澤(富澤太凱副将=経4・慶應)と加藤靖丈(商2・慶應)がこの期間で復活するべきだと思っているので、僕は、オポの練習もしつつ、サイドの練習もやろうかなって考えています。

 

――では、サーブレシーブも?

そうですね、はい。

 

――今お話にあったように、リーグ戦は2週お休みとなります。チームとしては、どんなことに取り組みたいですか

今までやっぱりディグ(スパイクレシーブ)が弱点っていう部分があって、夏からずっと練習してきて。相手の軽打に関しては結構克服できた部分はあったんですけど、強打に対しては良い成果が出ていなくて。そっちに集中するよりも、ブロックをもっと武器にして詰めていったほうが良いのかなっていうのがあったので、もう一回、やっぱり僕らの原点に立ち返って、サーブとブロックは、そこだけにフォーカスするわけではないですけど、もっと武器にしないとだめだなって思っています。

 

――これで8連勝となりました。残りの3戦に向け、一言お願いします

2週間弱空くので、もう一回身体をリフレッシュさせて、良い状態で3戦を迎えて、全力を尽くして、どんな形でも3勝しようと思います。

 

 

 

吉田祝太郎(政3・慶應)

 

――今日の試合を振り返って

向こうのサーブが強くて、それにちょっとやられちゃってた感じがありました。それでこっちの攻撃がうまくできなくて、でも2本目、3本目でカバーできたかなと思います。

 

――終盤、トスが集まるシーンが増えましたが

あれはトス呼びましたね。周りからも「今日お前飛んでるぞ」って言われたので、今日俺が打つかっていうことで。谷に「持ってこい」って言っていっぱいもらって決めました。

 

――今日の試合では「慶大らしいバレー」はできていましたか

最近緩いボールとかが上がって、慶應らしいバレーがどういうものかは分からないんですけど、前の慶應では取れないような緩いボールとか上がってきているので、良い意味で慶應らしくないというか。慶應らしさっていうのがあんまり確立されてなくて、昨日、今日で急に緩いボールが上がって、それが攻撃につながって、ってことが多いので、そういうのが慶應らしさにつながっていったらいいなと思います。

 

――次戦に向けて

今週ちょっと課題だったサーブカットだったり、コンビだったり、サーブだったりっていうのを、もう一回修正して。疲れも取って、残り3戦全力で。良いコンディションで臨めたらと思います。

 

 

 

清水柊吾(総3・広島城北)

 

――今日の試合を振り返って

粘るところはしっかり粘れました。1、2セット目はブレイクできるまで我慢して、3セット目は粘れて、最後は逆転できたので良かったと思います。

 

――第3セットを取りきれた要因は

簡単なボールを落とさずに頑張ってつないだ結果、最後(吉田)祝太郎がフェイントをして向こうが拾いきれなかった。そういう細かい「拾い」がうちの方ができたと思います。

 

――ご自身のプレーに関しては

あまり良くなかったかな。ブロックに関しては出せるところは出せたんですけど、点につながらなかったのは反省したいです。クイックも止められはしなかったんですけど、点にならないのが何本もあってセッターとコミュニケーションを取っていきたいです。サーブは、ミスしてはいけない場面で2本ミスしてしまったところは修正していきたいです。

 

――2週間空きますが、個人的に取り組みたいことはありますか

2週間明けたら残り3戦で相手も強くなってくる。今まで通りには攻撃も通らないと思うので、どうしたら点につながるかというのを考えて、自分の調子にムラが出てチームに影響を与えないように調整したいと思います。

 

――次戦に向けて意気込み

この勢いでチーム全体の雰囲気を上げて、2週間空きますが、3戦ストレートで勝ち切り、入替戦につなげたいと思います。

 

 

 

樫村大仁(環3・茨城高専)

 

――今日の試合を振り返って

今日は全勝同士の戦いで簡単にはいかないってことで、試合前早く集まって、対策のミーティングとかし直したりして、結構万全な状態でいきました。まあ展開的には、自分たちがやろうとしてきたことができたのかなと。なんなら今季一番の試合だったのかなと思います。

 

――スパイク決定率が高かったですが

僕はクイックなんで、良いパスと良いセットアップをしてもらって、それをただ下に落としているだけなので、決めることは大前提というか。決めるのが仕事なので、その仕事がうまくハマってできたのかなと思います。

 

――次戦に向けて

8戦終わって、上位の残り3チームと本当に負けられない戦いが始まると思うので、今まで出た試合の中での課題とかを一つ一つ潰して、本当に万全な状態で臨めば、負けることはないかなと思うので、準備しっかりして挑みたいと思います。

 

 

 

永田将吾(総2・高松)

 

――今日の試合を振り返って

相手は、昨日、国士館に勝っていて、すごく流れに乗っているチームだったし、勢いもあったので、やりにくかったんですけど、ストレートで勝てて良かったと思います。

 

――「やりにくかった」部分はどういったところでしょうか

やっぱり、勢い。昨日勝っている勢いですね。あとは、サイドの攻撃がすごく速いチームで。レフト側は速いんですけど、逆にライト側はすごく高さのあるチームで。なんか統一感がないというか、サイドは速いから、ブロックアウトがすごく大変そうだなって後ろから見ていて思いました。

 

――全3セットを通じて、慶大のディフェンスについて

(相手の攻撃が)速かったので、どうしてもついていけない部分もあったと思うんですけど、その中でもブロックは頑張っていて。あとはそのワンタッチ引っかかったボール、脇を抜けてきたボールを、(後衛が)もう少し上げれたかなと思います。

 

――第3セット、デュースの接戦を見事に制しましたね

ストレートで勝つとこっちも流れに乗るので、そこのセットを取れるかどうかっていうのは、今後にすごく大きく響いてくると思います。その中で、ブロックがすごく頑張っていて。最後もシャット(ブロックポイント)が、谷と樫村さんで2つ出ているので、それはすごく大きかったなと思います。

 

――今日のご自身のプレーを振り返って

ちょっとそうですね、今週もダメだったので、またこれから頑張りたいなって思います。

 

――厳しいですね…ご自身の中で、合格点の基準は

ディグ率っていう数字が出るんですけど、昨日もすごく悪くて、20%とかで(苦笑)。今日もそんなに良くないので、それが50%を超えられるくらいには、ちょっと上げていきたいなって思います。

 

――リーグ戦はこれから2週間お休みとなります。この期間で何に取り組んでいきたいですか

僕は多分サイドアウトはあんまり入らないんですけど、多分、今日もそうだったんですけど、サイドアウトのほうが絶対にプレッシャーがかかると思います。だから、(加藤)真さんとか、ほかのサイドアウトで出ている人のプレッシャーに比べれば、ブレイクのプレッシャーっていうのはあんまりなくて。逆に、だから出ているときにブレイクして、サイドアウトを楽にしてあげる、っていうのが自分の役割だと思うので、もっとディグが上がるように、ディグ練習を中心に頑張っていきたいなって思います。

 

――これで8連勝となりました。残り3戦に向けて、一言お願いします

リーグ戦の最初の方は、チーム全体としてあんまり流れに乗れなくて。セットをぽろぽろと落としちゃったりとかもあったんですけど、今週は両方とも3-0でしっかり勝ちましたし。あとは上3つと当たるので、楽な戦いは多分1つもないんですけど、その中でも、僕たちがやりたいバレーっていうのをすれば、全部ストレートで勝てると思うので、勢いに乗って入替戦にいけるような試合にしたいと思います。

 

 

 

谷舜介(環2・徳島城東)

 

――今日の試合を振り返って

1、2セット目は自分たちのブロックやレシーブがハマり、良い形で試合をできたと思います。しかし、2セット目から相手にクイックを気持ち良く使わせてしまい、それが3セット目に響き、競る展開を作ってしまいました。

 

――第3セットを取りきれた要因は

みんなが我慢をしてサーブキャッチ(サーブレシーブ)やスパイクをしっかりやってくれました。最後は祝太郎さんが決めてくれて、そのように決めてくれる人がいるから勝てたのかなと思います。

 

――後衛WSのバックアタックを多く使っている印象を受けました

チームの目標として、「パイプを使う」というのがあり、その機会を増やすことができたので、良い形だと思いますが、少し頼りすぎた部分もあると思います。

 

――2週間空きますが、個人的に取り組みたいことはありますか

アタッカーとコンビを合わせていき、競るときに(吉田)祝太郎さんだけではなく、他のところも使えるようになっていきたいと思います。

 

――次の試合に向けて意気込み

これから上位と当たるので一戦一戦厳しいのですが、全勝目指して2週間明けてからも、全勝でいきたいと思います。

 

 

順位表(9月29日終了時点)

順位

大学

勝利数

セット率

1位

慶大

8.0000

2位

法大

4.0000

3位

大東大

5.5000

4位

亜大

2.3333

5位

国士舘大

1.6667

6位

国際武道大

1.5833

7位

桜美林大

0.5556

8位

立大

0.4762

9位

中央学院大

0.4091

10位

平成国際大

0.3182

11位

立大

0.2727

12位

山梨大

0.1250

 

◇順位の決め方◇

勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。

セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。

なお、上位2チームは1・2部入替戦に進出できる。

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