今年改装された日吉記念館にて、第78回早慶バスケットボール定期戦が行われた。勝敗に関わらず、この試合を持って引退する4年生たちが躍動するも、早大に力の差を見せつけられ、大差で敗北を喫した。
2020/12/19/(土) @日吉記念館 | |||||
第78回早慶バスケットボール定期戦 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 5 | 8 | 8 | 9 | 30 |
早大 | 30 | 26 | 24 | 33 | 113 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
| #9 武藤怜(商3・成蹊) | ||||
| #10 眞尾瞳(商3・浦和第一女子) | ||||
| #11 西理奈(政3・葺合) | ||||
#17 林えみり(理2・慶應女子) | |||||
#20 阿部七奈子(商1・三田) |
試合開始直後、早大に主導権を握られ、試合開始3分で7失点してしまい、たまらずタイムアウトを要求、流れを変えようとする。しかし、早大の勢いは止まらず、その後も得点を奪われ続ける。0―21となり、とりあえず1本ゴールを決めたいところで、眞尾瞳(商3・浦和第一女子)が3ポイントを決める。しかし、その後も早大に得点を許し続け、5-30と25点ビハインドで第1Qを終える。
第2Q序盤、第1Qの鬱憤を晴らすかのように、慶大の選手たちが躍動する。阿部七奈子(商1・三田)がミドルシュートを決めると、眞尾もレイアップを決め、早大相手に互角の戦いを見せる。その後も、眞尾が相手のファールで得たフリースローを正確に決め、得点を重ねていく。中盤に入ると西理奈(政3・葺合)もシュートを決め、チーム一丸となって早大に食らいつく。しかし、早大のタイムアウト明け、連続で5本シュートを許し、13―56で前半を終える。
第3Q序盤、林えみり(理2・慶應女子)がゴール下でシュートを決める。しかし、その後は早大にペースを掴まれ、連続で失点してしまう。中盤に入ると、武藤怜(商3・成蹊)と眞尾が連続でシュートを決め、意地を見せる。勢いそのままにさらに点差を詰めたい慶大だったが、猛攻を繰り広げるも、ことごとく早大の鉄壁の守備に阻まれ、得点をあげられない。終盤にはさらに点差を広げられ、21―80で最終Qを迎える。
最終Q、序盤に主導権を握ったのは早大だった。3連続でシュートを決められ、60点以上差をつけられてしまう。しかし、中盤に入ると途中出場の柴田祥子(経4・慶應女子)が2本3ポイントを決め、4年生の意地を見せつける。終盤には、コート上の選手が全員4年生となり、時間の限り、後輩たちに言葉以上の何かを伝えようとプレーしているように見えた。しかし、その甲斐虚しく、試合終了。30-113と大差をつけられての敗戦となった。
試合のスコアだけを見れば、大差だった第78回早慶バスケットボール定期戦。しかし、引退試合となった4年生、その4年生を簡単に引退させないように懸命にプレーした下級生のそれぞれの思いは、点差に現れないところで、多くの人々の心を動かしたはずだ。試合終了後には、笑顔も見えた4年生。引退した4年生たちの思いも背負って、プレーしていく下級生。彼女たちそれぞれの活躍に期待だ。
(記事:隅田一、写真:船田萌恵)
以下、選手コメント
眞尾瞳(商3・浦和第一女子)
――今日の試合を振り返って
試合自体を振り返ると正直本当に悔しいです。早稲田が強いことは分かっていたことですが、出だしから早稲田に圧倒され、怖気付いてしまったと思います。今年のチームはそれぞれが持つべき覚悟をもって全員で戦うことにこだわってきました。コートに出る者としての覚悟を魅せきれなかったのは、本当に悔しいし、申し訳ない気持ちです。4Qで4年生と一緒にプレーできたこと、4年生のプレーを全力で見届けることができたのは本当に嬉しかったです。
――早大に通用した部分はどこですか
ディフェンスは通用した場面もあったと思います。六大学のときに多くやられてしまったコーナーからの3ポイントは前回よりも抑えられたと思います。後半、5人で1つのボールを守る意識を持てて、良いディフェンスからの速攻を出すことができたのは良かったです。
――早大に通用しなかった部分はどこですか
リバウンドとオフェンスの判断です。相手のシュートが入らなかったときに、リバウンドを取りきれず、もう一度相手にチャンスを与えすぎてしまいました。実力に圧倒的な差がある分、ディフェンスリバウンドを頑張ろうと話していたのですが、相手のフィジカルに負けたり、徹底できなかった場面が多かったです。
オフェンスの判断は、ディフェンスを見てプレーできなかったということです。早稲田のディフェンスのプレッシャーはとても強く、余裕を持ってパスを回したり、判断したりすることができませんでした。また、セットオフェンスも、相手が対応してきたのに対して、チームとしても個人1人1人にしても考えることができず、通用しませんでした。
――来年に向けて一言お願いします
2部昇格を必ず達成します。この1年間、沢山の苦しいことがあっても、引っ張り続けてくれた4年生が残した、大好きな今年のチームを土台として、強くなります。慶應はバスケの練習だけに時間を費やすことは難しいし、スポーツ推薦もないけれど、そんな慶應にしかできないバスケがあるはずだと思っています。それぞれが持つべき覚悟をもった「全員バスケ」と2部昇格に必要な「バスケIQとプレーへの体現力」の両面からチームを創り上げて、先輩方に恩返しができるように頑張ります。
梅田香(環4・慶應NY)
――今日の試合を振り返って
伝統ある早慶戦、今年のチームの集大成として挑んだ試合でしたが色々な収穫がありました。成長が見られた部分と緊張から発揮できなかった部分がありますが、それぞれ今日感じた想いを来年に繋げてほしいと思います。4年生はこれで引退となりますが最後プレーヤー5人でコートに立つことができて、感慨深かったです。
このような状況下の中で試合が出来たこと、早慶戦にて引退することが出来たこと本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
――早慶戦に向けてどんな準備をされてきましたか
1ヶ月前に六大学対抗戦で早稲田とは試合をしていたので、主にディフェンスの対策をしていました。主に3ポイントを打たせないように、コミュニケーションをとってチームディフェンスで守りきる練習をしてきました。格上との試合を控える中で1人1人が早稲田のプレーをいかに意識しながら毎日練習するかを徹底しました。
――この1年間を振り返って
12月のシーズンインの時に思い描いていた1年とは違うものになりました。今まで当たり前だったことができず、初めてのことばかりで、思うようにチームとして前に進めない時期もありました。
それでも誰もがチームの勝利を考えて1人1人が覚悟を持った参加型のチームだったからこそ全員で戦うことが出来る様になり、リーグで残せた結果に繋がったと思います。このような1年間を全員で乗り越えることができたこのチームが自分の誇りです。
――早大との差はどこの部分にあると思いますか
経験や技術もそうですし、シュート力に差は感じました。
またチームとしても一体感のあるチームだと思います。
――最後に一言お願いします
4年間を振り返ると、苦しいことの方が多かったですが、最後のリーグ戦で結果を残すことができ、大好きなチームメイトに見送られて引退できることがとても幸せです。先輩達から学んだことを受け継いで後輩達に何か残せたとしたら嬉しいです。
そして、関わってくださった全ての方々に感謝しています。4年間ありがとうございました。